1万本以上のゲームを所持しているゲームコレクターの酒缶さんが、ゲーム関係の方にインタビューを行う連載企画「ゲームコレクター・酒缶のスーパーリコレクション」。連載第9回目は、ラックプラス代表取締役社長の阿部修治氏へのインタビュー前編をお届けします。

ニンテンドー3DSの「たまごっちのドキドキ☆ドリームおみせっち」を起動したときに表示されたラックプラスのロゴを見て、話題になっているのになかなか見つけられなかったあのゲームのことを思い出したので、ぜひお話を訊きたいと思い、ラックプラスさんに突撃してきました。

今回のリコレクター:阿部修治氏

ラックプラス代表取締役社長、プログラマー。制作に関わったタイトルは、「ティラムバラム」(PC)、「WWE Raw2」(XBOX)、「スターグラディエイター2」(DC)、「パンツァードラグーン」(PS2)、「GROOVE ADVENTURE RAVE~ファイティングライブ~」(GC)、「ダレットワールド」(PC)、「たまごっちのドキドキ☆ドリームおみせっち」(3DS)など。「コロぱた」ではプロデューサーを担当。

Twitterアカウント
https://twitter.com/lukplus_abe

酒缶:「コロぱた」が発売された頃、秋葉原でもメッセサンオーには売っていたけど、他ではなかなか見つからなくて…。

阿部:自分たちでも在庫が少ないからどこかで買おうとしたら、2万円になっていて、どうしようかな、と思っています。

「コロぱた」

2009年12月24日にラックプラスがニンテンドーDS向けに発売した自律キャラお使いアクションゲーム。アイテムを配置してからスタートボタンを押すと、ギミックの状況によってキャラクターがいろいろな反応を示すので、そっと見守りつつ、目的を達成していく。ニンテンドーDSを代表するプレミアタイトルの一つ。

公式サイト
http://coropata.com/

酒缶:生産数は5000本でしたっけ?

阿部氏(以下、敬称略):5000本作って終了です。追加生産するには単純にお金がなかったんです(笑)。今ならどうにか出来るんですが当時一杯一杯で。元々マニアックなモノなので、「5000本出せばいいか」と思っていたんですけど、1万本くらいは生産しても良かったかな、という感じはします。

酒缶:そんな感じで今では手に入れにくくなっている「コロぱた」ですけど、阿部さんはどんな役割をされたんですか?

阿部:プロデュースのみです。

酒缶:「コロぱた」はどういう経緯で作ることになったんですか?

阿部:会社を作った時から、社内でオリジナルのゲームを作ろうという考えがあって、できることならニンテンドーDSのパッケージで出したかったんですけど、普通はパブリッシュって出来ないんですよね。本当にやっちゃいけないんです。

酒缶:(笑)。やっちゃいけないかどうかは、わからないんですけど…。

阿部:最初、「コロぱた」は有名なパブリッシャーさんを回って話をしていたんですけど、「地味目で続編でもないタイトルは出せない」という話が多くて、どこも簡単には通してくれないので、自分たちで出そうという話に戻りました。自社でパブリッシュするのはすごくお金が掛かるので難しかったんですけど、丁度タイミング良く、「ダレットワールド」を社内で作ることになって、利益が大きかったので、「これだったら自社の規模でも1回くらいは挑戦できるんじゃないか」ということになりました。

酒缶:なるほど。

阿部:色々と紆余曲折があって、「ダレットワールド」は2年くらいでサービス終了になりまして(笑)。

酒缶:あーーー。

阿部:すでに社内で企画を募集したモノから3本のゲームを作っていたんですけど、「ダレットワールド」の中止で資金的に厳しくなったので、2本を中止して1本に絞って出したのが「コロぱた」になります。だから、社内でたくさんの企画を出した中で僕的に一番ヒットしたモノを作ったという感じですね。

酒缶:その「コロぱた」の中身についてお話を訊いていきたいのですが…。

阿部:ゲームの中身については作った永津に訊いてください。

カットインリコレクター:永津宏幸氏

ラックプラス所属のプログラマー。「コロぱた」では企画に始まり、プログラム、シナリオ、マップデザインなど多岐にわたり活躍。阿部氏いわく、永津氏は四六時中帽子を被っていて、帽子を脱いだ時を見たことがないとのこと。永津氏は写真NGのため、帽子だけ撮影させていただいています。

酒缶:では、永津さんにお訊きしますが、まず、「コロぱた」のタイトルの意味を教えてください。

永津氏(以下、敬称略):まぁ、音感ですよね。コロコロ転がってぱたっと倒れて、みたいなのがあって、4文字タイトルはすでに古かったんですけど、わざと4文字タイトルにしました。ローマ字やアルファベットで後付けをしようと思ったんですけど、それももういいやって思って。

阿部:大手のパブリッシャーさんからは、「シンプルすぎるから、何か頭に付けなさい」と言われることが多かったですね。「ギミックパズル コロぱた」とか。

酒缶:何となくわかるような気がします。結局、何のゲームかわからないタイトルでも、ジャンル説明っぽいモノがタイトルに入っているとわかりやすくなりますからね。

永津:その辺はパッケージも含めてですけど、捨てています。

阿部:(笑)。

永津:当時、ラノベでこういうデザインが流行っていたんですよ。主人公だけ描いていて、話の内容がわからないくらい背景を消しちゃって、手に取ってもらうところから始める、みたいな。一回パッケージを見て、タイトルを覚えてもらって、家に帰ってネットで調べて、「あぁ、こういうゲームか」といって買ってもらうくらいの勢いでいいかな、という感じですね。

酒缶:永津さんのこういう説明を受けて、阿部さんは「よし、じゃあこれで行こう!」という判断をされるんですか?

阿部:そうですね(笑)。でも、意見がぶつかるということはなくて、例えばチュートリアルがないのも、僕が根本的にチュートリアルが嫌いなんですよ。だけど、そのことを説明することもなく、彼も嫌いだったので(笑)。だから、そういうところでぶつかったり、「こうしなさい」とか、説明を受けて「それはないだろう」ということはなかったですね。

酒缶:タイトルって、企画の段階から「コロぱた」だったんですか?

永津:企画の段階……企画自体はずっと前から考えていて、「ワンダープロジェクトJ」みたいなモノを考えていて、個人的に同人で出してもいいや、というところから始まっているので、元のタイトルは「おつかい、みまもっちゃおう!」というタイトルでした。でも、企画書を出すくらいで「ワンダープロジェクトJ」を作るのは規模的にも無理だし、「インクレディブルマシーン」寄りにしちゃおうかな、という感じになり、お使いを見守っちゃうようなゲームでもないから、どんなタイトルをどうしようか、ということで「コロぱた」にしました。

酒缶:ボクも最初に「コロぱた」で遊んだ時に、「インクレディブルマシーン」とか「謎魔界村」のイメージと「ワンダープロジェクトJ」のイメージを感じていました。

永津:「タコのマリネ」のほうが、参考にしているという意味ではデカイかもしれませんね。「タコのマリネ」が出た時から「これはアリだよな」とずっと思っていました。単なる座標移動ですけど、吹き出しがうにゃうにゃ動いているんですよ。その辺の雰囲気がいいな、と思っていて、「コロぱた」でもそれをやっています。

「コロぱた」を出す前に「くまたんち」が出ているので、「くまたんち」ももちろん参考にしちゃうんですけど、デモシーンとか根本は「タコのマリネ」なんですよね。で、それをスタイリッシュにしてくれたのが「くまたんち」なので、「やるんだったら、これしかないよな」という感じで、パクリと言えばパクリなんですけど(笑)。

酒缶:でも、「コロぱた」は「くまたんち」とはだいぶ方向性が違う……と言っていいのかな?

阿部:「コロぱた」は「インクレディブルマシーン」が淡泊で、もっとこういうのあったらなと思った部分を満たしてたので。

酒缶:なるほど。

永津:「ワンダープロジェクトJ」が作りたかったのが元で、紆余曲折してこっちになっちゃっただけで、別に「インクレディブル・マシーン」を作りたかったわけじゃないので…。俺、実際に「インクレディブル・マシーン」って、PCのお試し版くらいしかやっていないレベルですよ。

酒缶:でも、「ワンダープロジェクトJ」は、それほどステージクリア的なゲームじゃないですよね。

永津:「コロぱた」は「ワンダープロジェクトJ」のイベント部分を切り抜いているイメージなんですよ。イベントで失敗したらまたパラメーターを上げるところに戻りましたけど、その部分をバッサリと切ったイメージで作りました。でも、かなり離れていますよね。

酒缶:実際の「コロぱた」では、「インクレディブル・マシーン」系の遊び方に近付いて、トライ&エラーで…。

永津:そうですね。完全に「インクレディブル・マシーン」になりましたね。

酒缶:「コロぱた」って、かなり難しいじゃないですか? これって最初から狙っていたんですか?

永津:ま、狙いと言ったら狙いですよね。小学校時代に「チャンピオンシップ・ロードランナー」で遊んでいた口なんですけど、今の時代にもそういうモノがあってもいいじゃん、くらいの感じで作ったんです。

阿部:うちの会社の規模だと、どうせそんなにたくさん売れないだろうから、完全に趣味の方向でいいや、と思っていました。

酒缶:「コロぱた」は3面辺りから「これってどうするんだろう?」という感じになるくらい難しいですよね。

阿部:僕も初め、6面か9面くらいで詰まって、でも、プロデューサーがヒントを聞くわけにはいかないので(笑)。

酒缶:でも、多分、先ほど話に出てきた大手パブリッシャーからは、そういうところにチュートリアルをかませるなりするように言ってきますよね?

阿部:「10面以上はチュートリアルステージを入れて、優しい導入を付けなさい」と言われたり、「全体的に難し過ぎる」と言われたりしました。「クリアしなくても先の面が遊べるようにしろ」とも言われましたね。

永津:解けないと次の面に行けないのは、さすがに葛藤がありましたけどね(笑)。でも、「昔のゲームってそうだったよな」「それで普通に売っていたよな」と自分の中で思っていました(笑)。

阿部:5社くらい回って、全部でそれを言われるので、逆に腹立ってきて、「もういいや!」って(笑)。

永津:あと、今の時代だと、「コロぱた」を手に取るような人は絶対にネットを使えるので、ネットで解答集なりWiKiなりが絶対に出ることを想定していて、もしダメだと思ったらその手のサイトを見てくれるだろうと思っていました。同人誌という形で解答集を出しましたから、最悪、それを見てもらうという手も……結局、位置合わせが面倒臭いんですけど(笑)。

阿部:位置合わせも、「座標を出せ」とか「ガイドラインを付けてくれ」とか色々と要望があったんですけど、要望を聞けば聞くほど腹が立ってきて、「全部逆を行ったれ!」って。

酒缶:阿部さんの立場って、まとめるんじゃなくて、外に怒る立場なんですね(笑)。

阿部:みんなが本当に正論でごもっとも何ですけどね(笑)。

酒缶:「コロぱた」のストーリーは、永津さんが作られたんですか?

永津:当初の予定とは視点がずれちゃって、おつかいメインという感じではなくなって、ただのドタバタっぽくなっちゃったんですけど、一応、おつかいを無理矢理差し込んでいます。

酒缶:でも、難しいですよね。こういうパズルの出題をイベントでやるのは。

永津:そうですね。後、シナリオと面構成……例えば、大根を配るシナリオだったら、ステージ上にも大根を出すようなきめ細やかなことをやっているパズルゲームはあまりないと思うんですよね。

酒缶:シナリオとパズルが独立していて、3面クリアしたら目的達成とかですよね。

永津:今までのゲームって、パズルとシナリオの必然性がないというか、パズルを解いたらご褒美のシナリオの続きが見れるイメージが強かったので、「コロぱた」では、ぬいぐるみを見つけてくるシナリオでは、ステージ上にもぬいぐるみがあって、そのぬいぐるみを取るとクリアになるように頑張ったんですけど、その意図がユーザーに伝わっているかどうかはわかりません。

酒缶:「コロぱた」の紹介記事では、「物理演算を使ったアクションパズル」というような紹介のされ方をしているときがありますけど、実際のところどうなんですか?

永津:そういう風に「紹介されちゃっている」という感じです。俺的には物理演算という言葉をほとんど使わなかったんですけど、そう説明されちゃうのはしょうがないですよね。ジャンルもパズルゲームじゃないつもりなので。

酒缶:「自律キャラお使いアクション」ですね。実際には内部的には物理演算をしているんですか?

永津:実際に物理演算を使っているので、「インクレディブル・マシーン」になっちゃったんです。球を転がせればいいくらいで、物理演算みたいなものじゃなくて、組み合わせ的なパズルゲームくらいな感じで考えていたんですよ。「インクレディブル・マシーン」って、そんなに物理演算じゃなくて、どちらかというと、紐のつなげ方とかの方が多いですよね。

酒缶:かっちりとした答えはあるけど、ある程度無茶してもクリアできるようなパズル…。

永津:どちらかというと、もっとパズルゲームに近いモノを最初の頃は考えていました。もっとわかりやすい感じで、レーザーを鏡に反射させてゴールまで導くとか、Androidのアプリで流行っているような感じのことを考えていたんですけど…。

酒缶:例えば、パネルが45度ずつ回転したら光の反射はわかりやすいから、ある程度攻略法が読めるけど、「コロぱた」のミラーって、45度よりももっと細かい角度で回転していますよね。

永津:まぁ、そうですね。その辺のさじ加減が難しくて、本当に細かくしちゃうとクリアできないし、逆に粗すぎてもクリアできないんですよね。

酒缶:実際にプレイしていても、ミラーの組み合わせと配置を調整するのが大変でした。

永津:答えを1つと決めて、グリッドを荒くして、回転もめちゃめちゃ荒くすると、そこそこ簡単にはなったかもしれないんですけど、そうすると物理演算を使っている意味がなくなっちゃうんですよね。

酒缶:その部分は、物理演算に引っ張られちゃったんですね。

永津:結局はそういうことですね。実際に「ピタゴラスイッチ」でピタゴラ装置を作っている人も、何回もリトライしてやっと1分弱のフィルムを作っているわけですよ。だから、そういう作業が好きな人もいるのかな、と思って作っています。

阿部:とても一般向けの思考では作ってないですよね。

酒缶:(笑)。

永津:だから、自分でステージを作っている時も、上手くいかないことが面白いと思えちゃったんですよ。

酒缶:その感覚はパズルを作っている感覚と違いますよね。パズルってもう少し、「こうなるだろう」という想定をしながら作るけど…。

永津:そうそう。「コロぱた」の場合、「こういう挙動になっちゃったからここにゴールを持ってこよう」とか、そういう適当な作り方をやっている部分もあります。調整ゲーとか言われてますよ。微調整ゲームとか。

酒缶:確かに微調整ゲームですよね。微調整していて、一気に変えたい時に、これを崩していいのか、というジレンマがありますよね。磁石で砲丸の球を移動させるところとか、今の状態が正解に近いけど、全部のギミックをずらさないといけない時に、この状態を取っておきたいと思いました。

阿部:この悶絶感が昔のゲームっぽいよね。それが世の中的にいいのか悪いのかはわかりませんけど。個人的にはぐっとくるので。

永津:それをいいと思う人にやってください、というゲームなんです。やっぱり一般向けではなくて、細いですかね。

阿部:元々細いだろうと思ったので、一か所に投げればいいかな、と。広く投げると失敗するんじゃないかな、と思っていました。うちの会社は気質的にちょっとマニアックな人が多すぎるかもしれないですね。

酒缶:御社って、みなさん長い間一緒にやっているんですか?

永津:僕は7年くらいですね。元々ゲーム業界で働いていたんですけど、しばらく離れていて、この会社に呼ばれて復活したような感じです。

酒缶:じゃ、最初にゲームの仕事をされてから結構経っているんですね。

永津:最初はプレステの中期くらいなので、20年まではいかないくらいで、その頃に2年くらいいて、ゲームを1本作った後、ゲーム業界からずっと離れていました。この会社に入るちょっと前に呼ばれた会社が一瞬のうちに潰れたので(笑)、この会社に呼ばれました。

酒缶:永津さんって、子どもの頃とか普通にゲームをプレイされてました?

永津:家の隣が駄菓子屋だったので、初めてやったゲームは覚えてないですね。「ギャラクシアン」とか「ヘッドオン」とか、その頃のゲームをよくやってました。その頃をまだ引きずっている感じで、ポリゴンゲームにはあんまり興味がないんです。

酒缶:昔ながらのゲームの考えのゴールが「コロぱた」だったんですか?

永津:そうですね。今は、GPUとかの方に走っちゃって、見た目がリッチなゲームになっちゃっているけど、スーファミの見た目の性能で、CPUとか他の性能が速くなった感じでゲームが進化して欲しかったと思っています。だから、そういう感じで「コロぱた」を作りました。ポリゴンとかもほとんど使ってないし。

酒缶:永津さんは、最初に入ったゲーム会社はゲームを作りたくて入ったんですか?

永津:元々、専門学校がゲームの専門学校だったので。会社に入って、プログラムが1人のプロジェクトでゲームを1本作ったら売れなくて、その会社がゲームの開発を止めたので、会社を辞めました。あの時代はどこの会社もゲームを作れば売れると勘違いしている時代で、実際に売れなかったことで勘違いに気付いたんですね。

酒缶:それでゲームの仕事は1回辞めて、違う仕事に?

永津:ぶっちゃけ、俺、就職活動をしたことがないので。基本的に呼ばれて行く感じだったので、最初の会社も「ゲームを作るから来てくれない?」と言われて行ったし、会社を辞めてからぶらぶらしていたら今度は映像関係の人から「お前、PCできるから映像もできるよな」と呼ばれて(笑)。

酒缶:そんなに色んなところから呼ばれるもんなんですか?

永津:知り合いが……と言っても、そんなに交流関係が広くないんですけど、ちょっとピンポイントで運が良くて…。もちろん、その間には1年とか2年とかあって、ずっとぶらぶらしていた時期とかあるんですけど。

酒缶:ぶらぶらしている時期はバイトをしていたんですか?

永津:色々とありましたけど、同人活動が多いですね(笑)。

酒缶:永津さんは、ゲームが好きだから開発の仕事をされているんでしょうけど、「呼ばれたから」やっていて、執着して現在の仕事にたどり着いているわけではないんですよね?

永津:ゲームを作りたいという気持ちはあるんですけど、趣味でもいいっちゃあいいんですよ。趣味だけで同人を作っているのもいいんですけど、一応、食わないとダメですし…。

阿部:多分、僕も志向的には永津と一緒で、同人でも何でも発表できればいいかな、という部分があるんですけど、彼の経歴を見たときには「大丈夫かな?」と思いました(笑)。何年も働いていなくて、「最近やったことは?」と聞いたら同人ゲームを作っていて、見たらよくできているけど「この人は本当に大丈夫だろうか?」と一瞬だけ不安になったんですけど…。

酒缶:でも、プログラムの技術とかは…。

阿部:その辺は十分過ぎるほどあったので、「このバランスの悪さは変な奴に違いない」という興味があって、採ってみようかな、というのが初めにありました(笑)。

酒缶:なるほど。

阿部:僕が就職した91年頃もめちゃくちゃな人が多かったですし…90年代辺りって、本当に有象無象が多くて、でも面白かった時代だと思うんですよね。今みたいにちゃんとした生徒がちゃんとした手順を踏んで入ってくるっていう世界じゃなくて、永津にはその時代の勢いを感じるし、面白いヤツがいるな、と思ったんです。

酒缶:それで、受け入れちゃったわけですね。

阿部:結果何とかなって良かった(笑)。

酒缶:「コロぱた」は何年くらい作っていたんですか?

永津:発売するまで全部合わせて1年くらいですね。前半の頃は、「ダレットワールド」との掛け持ちでやっていたので…。

酒缶:永津さんとしては、「コロぱた」というワールドを広げたいと思っていますか?

永津:俺、基本的に続編って嫌いなんですよ。やるとしたら、それこそ、「ワンダープロジェクトJ」のようなタイプのゲームに「コロぱた」という名前やキャラを使ってもいいと思うんですけど、今のパズルゲーム……パズルゲームって言っちゃいますけど、「インクレディブル・マシーン」みたいな感じで広げることはあんまりやりたくないですね。

酒缶:シナリオがついてもですか?

永津:そうですね。

酒缶:新規シナリオと新規パズルというのは?

永津:それは絶対にやりたくないですね。会社的にはやった方がいいのかもしれないですけど、やるんだったら俺を使わないでほかのラインで作ってください、という感じかな。

酒缶:では、ここから阿部さんタイムに入ります。

永津:じゃ、俺はこれで。

酒缶:永津さん、ありがとうございました。

(インタビュー後編へ続く。後編は来週8月11日に掲載予定です)

プロフィール

酒缶(さけかん)/ゲームコレクター

1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/

■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
http://www.amazon.co.jp/dp/B008GYU7B4/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00CJ320S6/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DI3T160/

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※画面は開発中のものです。

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この記事のゲーム情報

コロぱた

自律キャラお使いアクション(パズル)
機種
3DSPCMobile
プラットフォーム
パッケージダウンロードアプリ
OS
会社
ラックプラス
ジャンル
アクションパズル
  • セール情報
  • 「黎の軌跡(くろのきせき)」特設サイト
  • Figgy

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