6月8日、東京・新宿ロフトプラスワンにおいて、「Falcom jdk BAND Live & Talk Show Vol.3 ~碧の軌跡Evolution発売直前!近藤社長に聞く!秘められた碧の軌跡と閃の軌跡IIの繋がり~」が開催された。
本イベントは、日本ファルコムの近藤季洋氏、Falcom jdk BAND(以下、jdk BAND)の岡島俊治さんらが登壇して、テーマに沿ったざっくばらんなトークを繰り広げたり、日本ファルコムのタイトルにまつわる楽曲の数々を披露する、「軌跡」シリーズ10周年記念トークショーの第3弾。
今回は、6月12日に発売を迎えるPS Vita用ソフト「英雄伝説 碧の軌跡 Evolution(以下、碧Evo)」の発売を記念し、「碧の軌跡」の秘蔵資料をもとにここでしか聞けないディープな話題を披露、そして9月25日に発売を予定しているシリーズ最新作「英雄伝説 閃の軌跡II」との繋がりが語られるなど、盛りだくさんの内容となっていた。
冒頭のアコースティックライブでは、今回のイベントで取り上げる「碧の軌跡」、そして同じくクロスベルを舞台に展開する「零の軌跡」の楽曲で構成。序盤は「The Azure Arbitrator」(碧の軌跡)、「クロスベルの午後」(零の軌跡)などアコースティック編成がハマる選曲とアレンジの楽曲を楽しみつつ、中盤からは「Way of Life」「セルリアンブルーの恋」などの歌曲も披露。そして、締めを飾ったのは「碧の軌跡」の主題歌である「碧い軌跡」と、零・碧ファンにはたまらない内容となっており、わずかな時間ながらも密度の濃いライブとなっていた。
岡島俊治(ドラムス)
小寺可南子(ボーカル)
水谷美月(ヴァイオリン)
宮崎大介(ギター)
榎本敦(ベース)
1.The Azure Arbitrator(英雄伝説 碧の軌跡)
2.クロスベルの午後(英雄伝説 零の軌跡)
3.On the Green Road(英雄伝説 零の軌跡)
4.Way of Life(英雄伝説 零の軌跡)
5.セルリアンブルーの恋(英雄伝説 零の軌跡 Evolution)
6.MISS YOU(英雄伝説 碧の軌跡)
7.碧い軌跡(英雄伝説 碧の軌跡)
ライブ終了後、休憩を挟んでからは近藤氏と岡島さんによるトークのコーナーへ。前回の「Falcom Acoustic Live&Talk Show ~近藤社長に聞く!『白き魔女』から『閃の軌跡II』へ受け継ぐべきもの~」では「白き魔女」について白熱のトークを繰り広げた2人だが、今回は「零の軌跡」「碧の軌跡」に関する話題が中心となった…と言いたいところだが、そこはあまり触れないでおこう。
ちなみに当日は客席と同様、2人も飲食を行うフランクな雰囲気で行われたのだが、会場で提供されたスペシャルメニューは「碧の軌跡」の料理をイメージしたものばがり。ゲーム内で登場する料理を思い浮かべつつ、どんな味になっているのかを想像してもらえればと思う。
・頑固肉≪厳≫(ビーフジャーキー)
・隠密ポップコーン(ポップコーン)
・特急フライ≪疾≫(フィッシュ&チップス)
・リカバリアイス(バニラアイス)
・秘水≪挑源鄕≫(さくらビア)
・良薬≪熊笹≫(抹茶ミルク)
・黒茶≪夢魔殺し≫(カルーアコーク)
・甘露≪紫紺≫(カシスソーダ)
「零の軌跡」「碧の軌跡」は今でこそ冠が外れてはいるが、「英雄伝説VI」として展開した「空の軌跡」3部作に続く、「英雄伝説」の7作目に位置づけするタイトルとして企画された。今回のイベントでは設定資料に描かれたイラストの数々を見ながら話が進められたのだが、近藤氏によるとこの2作は当初からより洗練された内容になっており、スムーズに進行したことが語られる。
まず印象的だったのは、「碧の軌跡」というタイトルの由来について。「碧の軌跡」はキーアを中心に物語が進むが、その象徴として発表時に公開された、キーアが球体に閉じ込められているイメージイラストの色調から、タイトルを“青”にすることを決めたそう。そこでただの青だとつまらないということで、キーア自身の髪の色が緑だったことなどもあり、緑っぽいイメージのある“碧”が当てられたのだとか。
また、ワジの性別について言及している最中には、近藤氏の口から「いずれ教会メインでやる時に登場してほしい」という爆弾発言が。もちろん、今は「閃の軌跡」「閃の軌跡II」で語られる帝国編に集中してもらえればとは思うが、今後の展開にも期待してしまうのはファンの性だろう。
話が「閃の軌跡」にブレていく中で、会場では「閃の軌跡II」で新たにパーティキャラとして登場するトヴァル、エリゼの戦闘シーンや、リィンの特殊クラフト「神気合一」による疾風の比較、アリサやミリアムのSクラフトなど盛りだくさんの動画が公開された。
また、「閃の軌跡II」ではマルガリータなど士官学院のキャラクターたちもさまざまなかたちで登場するという。物語としてもシステムとしても重要な立ち位置を占めるということなので、期待したいところだ。
さて、そんな「閃の軌跡」と時系列が重なる「零の軌跡」「碧の軌跡」について、会場ではこの日のためにひと目で分かるような形の年表が用意されていた。これから「碧Evo」を遊ぶ人にとっては、この流れを追うことで互いの関係性がよりわかりやすくなると思うので、ぜひチェックしておこう。
零/碧 | 閃/閃II | ||
---|---|---|---|
七曜暦1204年 | |||
2月頃 | クロスベル警察・特務支援課設立 | ||
3月 | クロスベル《アルカンシェル》劇場にてマクダエル市長暗殺未遂 | トールズ士官学院に特化クラス《VII組》発足 | |
4月 | クロスベル自治州70周年記念祭 | リィン、ケルティックで実習 | |
5月 | ヨアヒム・ギュンター死亡 | リィン、バリアハートで実習 | |
6月 | 特務支援課アルタイルロッジ強制捜索(「碧の軌跡」物語開始) | ノルド高原で帝国・共和国の緊張高まる | |
7月 | 猟兵団《赤い星座》がクロスベル入り | 帝都ヘイムダル夏至祭 | |
8月 | クロスベルにて西ゼムリア通称会議 | リィン、レグラム/ガレリア要塞で実習 | |
9月 | 赤い星座によるクロスベル襲撃 | 帝国解放戦線によるザクセン鉄鋼山占拠 | |
10月 | クロスベル自治州の国家独立宣言 | ガレリア要塞消滅/オズボーン暗殺/帝都占領 | |
11月 | ロイド、拘置所を脱出 | 「閃の軌跡II」の物語が開始 | |
12月 | クロスベルに《碧の大樹》出現、ディーター大統領逮捕 | ??? | |
七曜暦1205年 | |||
1月 | クロスベル自治州は自治権を失い、70年余の歴史に幕を下ろす。 | エレボニア帝国によるクロスベル侵攻 |
ちなみに、「零の軌跡」「碧の軌跡」は軌跡シリーズとしては初めて、開発時からコンシューマ向けに制作されていたゲームとなるのだが(「空の軌跡」はWindows版が先行して発売)、「空の軌跡」のノウハウもあり、開発自体は問題なかったという。また、「零の軌跡」の時点で「閃の軌跡」のような3Dでの表現を考えていたものの、スペックの面で断念したことも語られた。
後半では、主に「碧の軌跡」に関する質問に、近藤氏が答えるかたちで進行。まず、レインズ記者とR&Aリサーチとの関係などマニアックな質問が飛び出したが、「閃の軌跡II」で初めて明らかになるクロスベル関連の新たな情報もあり、すでに登場しているキャラクターに関する新情報も飛び出すかもしれないということで、ここでは言及を避けた。
続いてリーシャとノエルがパーティーキャラクターになった経緯も語られ、リーシャは当初から予定していたものの、ノエルは悩んでおり、「零の軌跡」における流れを見つつ、最終的に支援課に入ってもらうことを決めたという。
そもそも、「零の軌跡」を制作する段階でクロスベル編をどの程度のボリュームにするかは悩んでいたということだが、最終的に支援課メンバーがスタッフにもファンにも馴染み、4人が最後に果たす仕事はゼムリア大陸に関わることじゃないといけないとなり、最終的には大きく膨らむかたちでの結末になったそうだ。
また、先ほどの話にもあったタイトル付けに関する話題についても展開。日本ファルコムの創業者で、現・代表取締役会長の加藤正幸氏からの教えとして「まずはタイトル名をつける」というものがあったそうで、例えば「空の軌跡」をつけた時にはそこからムービー制作のイメージにつながったり、シナリオにも空に関わる要素を入れていくことを意識するなど、作品自体の方針やコンセプトが決まっていくのだとか。
そして、会場では下記の情報が公開された。詳しい情報については、今後の続報に期待しよう。
- コミックマーケット86にファルコムブース出展決定!jdk BAND Super LiveのBDも先行販売!
- KISEKI jdk ACUSTICS制作中!今流行の高解像度ハイレゾ録音!
- 7月26日 香港にてAni-Comソニーコンピュータエンタテイメント香港ステージで近藤社長と小寺可南子のトークショー開催!
- 7月26日 新宿ロフトプラスワンにて次回のイベント決定!
- 9月 Falcom jdk BAND台湾ライブ決定!
なお、6月16日までは特設ページ内で豪華グッズの当たるプレゼント企画が行われている。ファルコムファンであれば目を引くプレゼントの数々に興味がある人は、ぜひチェックしよう。
「Falcom jdk BAND Live & Talk Show」特設ページ
http://www.falcom.co.jp/jdk/fa_live.html