ゲームを軸に日本でもサービスを展開していく!韓国発ライブストリーミングサービス「アフリカTV」の事業発表会をレポート

発表会・イベント取材
0コメント 高島おしゃむ

アフリカTVは、12月11日に同社の提供しているライブストリーミングサービス「アフリカTV」事業についての発表会を開催した。今回はその模様をお届けする。

代表取締役社長の植田修平氏

まずはじめに、アフリカTV代表取締役社長の植田修平氏が登壇し、同社の提供しているサービスについて紹介が行われた。「アフリカTV」は、日本では今年からスタートしたばかりの動画配信サービスだ。あまり耳慣れないかもしれないが、韓国では2006年に開始して以来、スマートフォンのアプリで2800万ダウンロードを記録しており、実に国民の3人に2人が利用経験があるといった普及具合とのこと。

この「アフリカTV」の主な特徴は、個人を主役にしたライブストリーミングのサービスというところだ。視聴者は、BJ(Broadcasting Jockey)と呼ばれる放送主に星風船というアイテムをプレゼントできるようになっている。星風船をもらったBJは、それをギフト券に交換することができるといった仕組みが採用されているのだ。

10秒ほどで放送を開始できるサービスを提供

企画開発部部長の金ボキョン氏

続いて企画開発部部長の金ボキョン氏から、WEBブラウザ型LIVE Media Platformの発表が行われた。社名やサービス名となっているアフリカTV(afreecaTV)は、「any free casting TV」の略称で、いつでもどこでも誰でも簡単に、ライブストリーミングができるのがウリとなっている。

2014年の2月にAndroid版、3月にiOS版のアプリを公開。9月にはPCプラットフォームのサービスを開始した。11月には「WEB簡単スタジオ」をオープン。12月には「モバイルWEB」をオープンしている。

ネットでストリーミング配信をする場合、さまざまな環境を準備する必要があるが、「WEB簡単スタジオ」を利用することでブラウザだけで放送することができるという。WindowsとMacのいずれでも利用でき、ユーザー登録さえ済ましておけば放送を開始するまで約10秒で行うことができるという。9月にPCプラットフォームをグランドオープンしたときは、最高同時放送数は約30件だったが、11月にこの「WEB簡単スタジオ」をオープンしたところ71件まで伸びたそうだ。

同社ではモバイル向けにアプリを公開しているが、何のアプリかよくわからないものに抵抗を持つユーザーがいるという。そこで、各スマートフォンやタブレットで視聴できるように12月にオープンしたのが「モバイルWEB」だ。

今後の展開だが、まずコンテンツとして1番に上げられるのがゲームだ。ほかにも大食いの番組やスポーツ中継などを考えているそうだが、韓国で人気の高いコンテンツをそのまま持ってくるのではなく、日本のユーザーが自由に自分の才能を発揮できるコンテンツを育成していくのが目標とのこと。

ゲームがコンテンツの50パーセント以上を占める韓国の「アフリカTV」事情

海外事業チーム課長の金ギヒョン氏

続いて海外事業チーム課長の金ギヒョン氏より、韓国における「アフリカTV」のコンテンツとその傾向についての紹介が行われた。

韓国でのサービスインは2006年3月。それから毎年100パーセントで成長を続けている。これまでの最高同時視聴者数は50万人で、これはケーブルテレビなど同国での視聴率とほぼ同じ数値なのだそうだ。

「アフリカTV」はBJがコンテンツを作り上げていくサービスだ。ゲームの配信を主に行っているBJヤンティンさんの場合、お気に入り登録者数が91万人もおり、東方神起のファンクラブに匹敵する人数だという。ちなみに上位100人の平均月収は150万円ほどだそうで、それだけで十分に職業と成り立つほどとなっている。

コンテンツとしては、メジャースポーツの権利を購入してオンラインでの生中継などを行っている。テレビの中継のように一方通行の放送ではなく、BJと視聴者とのコミュニケーションでさらに盛り上がるといった特徴があるのだ。

韓国の「アフリカTV」で、コンテンツの50パーセント以上を占めているのがゲーム関連のコンテンツだ。BJが実況をするだけではなく、自らがリーグを主催して放送するものもあるという。このBJが創設したゲームリーグには、韓国で人気の高いRTS「スタークラフト」や「League of Legends」などがあり、プロのゲーマーなども招待している。これらのリーグには賞金も出るそうだが、「アフリカTV」はあくまでもプラットフォームを提供しているだけで、スポンサーや参加者を集めるのはすべてBJが自ら行っている。

例としてBJ SONICが主催している「スタークラフト」の8次Starリーグは、プロのゲーマーも参加する大きな大会となっている。元々は趣味で始めたそうだが、これまで4年で8回開催されており、ここ最近は賞金額もかなり高額になってきているという。欧米のプレイヤーがこのコンテンツが見たいがために、韓国語を勉強したという話もあるそうだ。

「League of Legends」については、公式リーグの中継も行っている。2014年に開催された「LOL All Star」は、最高同時接続24万人、累計で320万人も視聴者を獲得している。韓国と日本とは環境も異なるが、これらで培ってきたノウハウは日本でも活かせると考えているとのこと。

日本のe-sportsを発展させていくために必要なことは?

SANKO代表取締役の鈴木文雄氏

韓国ではこの「アフリカTV」を通して、e-sportsというものがかなり盛り上がっていることがわかった。そこで、日本ではどうなのかということで、国内のe-sports文化をサポートしてきているSANKO代表取締役である鈴木文雄氏が登壇。同社がどのようにe-sportsに取り組んできたかなどが語られた。

SANKOの本業は広告代理店だ。なぜそのSANKOがe-sportsに関わるようになったかといった理由のひとつに、若い社員にやりがいを与えたいという思いがあったという。もうひとつは、IT革命によってメディアの考え方などが全て崩壊してしまったことが上げられる。そこで、価値あるコンテンツはなんだろうと考えたときにこのe-sportsが浮かんだという。

e-sportsに関わることになる3年前の状況は、引きこもりなどゲームをしているユーザーのイメージがあまり良くなかった。そうした日本のゲーマーに対する光の当て方を変えてあげて、表舞台に出ていけるような環境を日本でも作れるんじゃないかと考えたそうだ。
同社では、e-sportsの文化を創造していきたいと考えており、そのためにe-sportsプレイヤーの社会的地位を向上させ、世界チャンピオンを生み出したり各企業からも資金的な援助をしてもらえるようなプロフェッショナルe-sportsの環境作りを目指しているのだ。

そこで3年前の2011年11月15日に、千葉県市川市にオープンさせたのが日本で初めてのe-sports施設だ。韓国のPC房を参考に机のサイズなども研究したそうだが、オープン当日の訪れたのは1名。その後、1週間ほど客ゼロの日々が続いたという。

その後、この店で働きたいという若者たちを採用。彼らが宣伝などをしてくれたおかげか、1周年を迎える頃にはほぼ週末はイベントが開催されるまでになったそうだ。この頃には海外からの客も増え、中には「League of Legends」のRiot Gamesが調査に来たりといったこともあったという。ちなみに、現在Logicool Gアンバサダーとして活躍しているスタン・スミス氏は、このオープニングメンバーだった。お店に客がまだあまりいないころに、自分のプレイ動画などを配信していたそうだ。

そして満を持して今年の1月24日オープンしたのが、ゲームの聖地である東京・秋葉原のe-sports SQUARE AKIHABARAだ。このお店はe-sportsを遊ぶ、みんなで見る、語り合うというコンセプトで作られている。e-sports SQUARE AKIHABARAは、1月のオープンから10月末までの実績で、総来場者数が6000人以上、イベント実施は103回、メディア掲載数もテレビが8回、新聞5媒体、ウェブメディアが300媒体以上となっている。

同社では、さまざまなイベントの開催に携わっているほか、今年から「League of Legends」のリーグである「L.J LEAGUE」も自ら開催している。また、「アフリカTV」との絡みでは、「WECG」というe-sportsの世界大会があり、「ウルトラストリートファイターIV」部門の日本代表予選を放送している。今後も、このようなe-sportsコンテンツを「アフリカTV」で放送していきたいと考えているという。

最後に鈴木氏から語られたのは、日本のe-sports発展のために必要なことだ。これまで同社がやってきたなかで、e-sports文化を創りたいというのとビジネスをするというのはちょっと違うという。現状としてもe-sportsはビジネスとしては成り立っておらず、ゲームメーカーから支援などをしてもらっていることでやりくりしている状況だ。日本だけではなく、世界と交流を図ることで日本もe-sportsをグローバル化していかなくてはいけないフェーズだという。

もうひとつはスターを作ることが重要だと考えているという。これまではクリエイターなどにフォーカスが集まっていたが、ゲームに人生をかけているプレイヤーにも注目してもらいたいと思っているとのこと。そういう人たちを取り上げていくことで、日本でも新しい市場が生まれていると考えているそうだ。

現在は、仕事帰りにe-sportsが楽しめるような企画も考えているとのこと。

※画面は開発中のものです。

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