3月28日、東京・秋葉原のe-sports SQUAREにて「コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア」全国大学対抗戦の決勝トーナメントが開催された。

この大会は全国の大学生・短期大学生・大学院生・高等専門学校生が、学校ごとにチームを組んでマルチプレイで戦うというもの。賞金総額は100万円で、優勝チームにはひとりにつき10万円が贈られる。今回の決勝トーナメントには、2月に実施された全40チームによるオンライン予選を勝ち抜いた8チームが出場。学生日本一を目指して激戦を繰り広げた。

左から声優の岡林史泰さんと白熊寛嗣さん、
実況者の猫マグロさん。
左からスクウェア・エニックスの塩見卓也氏、
司会の森一丁さん、タレントの松嶋初音さん。

決勝トーナメントは1回戦と準決勝をそれぞれ異なるモードで戦う。1回戦で使用するゲームモードは「UPLINK」。「サテライトドローン」と呼ばれるボールのようなものを奪って敵のゴールに入れるとスコアになるという、バスケットボールを思わせるスポーティなモードで、20ポイントを先取するかタイムリミット時に得点の多いほうが勝利となる。

ドローンを敵ゴールに投げ入れると1点、身体ごとゴールに突っ込むと2点となる。

第1試合:北海道情報大学「G2」 対 近畿大学「god」

序盤から近畿大学「god」が的確にゴールを奪っていき、ハーフタイムの時点で6-1と大幅にリード。後半戦もゴール前を固めて、2点を狙ってくる北海道情報大学「G2」を待ち受け、ドローンを確保しつつ点差を広げていく堅実な戦いぶりを見せ、トータル11-3で勝利をおさめた。

第2試合:龍谷大学「今度こそ諭吉をもらい隊」 対 専修大学「せんでぃげーみんぐ」

専修大学「せんでぃげーみんぐ」は諸般の事情のため3人で参加。本人たちも絶望的と言っていたように、プレイヤーがひとり少ないというハンデはやはり大きく、20-0というパーフェクトゲームで龍谷大学「今度こそ諭吉をもらい隊」が準決勝に進出した。

第3試合:慶応大学「Yukichi.Children」 対 早稲田大学「Dist」

早慶対決となった第3試合。やはりどちらもライバル意識が強いようで、勝負は互いに譲らぬ接戦となった。前半戦は早稲田がリードするが慶応が逆転し、6-5と慶応がわずか1点リードで折り返し。後半戦も得点を奪い合う互角の展開となったが、終盤に慶応大学「Yukichi.Children」が突きはなすことに成功。12-8で早稲田大学「Dist」を降した。

第4試合:名城大学「Ah^~My heart will be hopping^~」 対 近畿大学「近グダム」

1回戦でもっとも熱い戦いとなったのが、この第4試合だ。ともに守備が固いこともあって、ロースコアの展開となり、前半戦は4-3で近畿大学「近グダム」が1点リード。後半戦はボール支配で勝る近畿大学が点差を広げにかかり、残り1分の時点で4点差とセーフティリードを奪うことに成功する。

しかし、名城大学も粘りを見せる。2点差に詰め寄ると、終了間際に増援による空爆を仕掛けるボミングランを発動。近畿大学を攪乱し、その間にゴールを迫るが、あと1歩のところで阻まれて同点ならず。ギリギリでゴールを死守した近畿大学「近グダム」が9-7でかろうじて勝利した。

名城大学は塩見氏の似顔絵をプリントした手作りTシャツで参戦。同じものを塩見氏にもプレゼントしていた。

準決勝で使用するモードは「SEARCH AND DESTROY」。攻守に別れて戦うモードで、攻撃側は敵を全滅させるか、爆弾を設置して目標地点を爆破すると勝利。防衛側は敵を全滅させる、仕掛けられた爆弾を解除する、もしくは制限時間終了まで守りきればラウンドをゲットだ。攻守はラウンドごとに入れ替わり、先に6ラウンドを取ったほうが勝ち上がりとなる。

リスポーン不可となっており、倒されると次のラウンドまで復活することができないため、
個々のスキルがより重要視される。

準決勝第1試合:近畿大学「god」 対 龍谷大学「今度こそ諭吉をもらい隊」

序盤は近畿大学「god」が3-1とリードを取るが、龍谷大学「今度こそ諭吉をもらい隊」も譲らず、8ラウンドを終わって4-4とまったく互角の展開。第9、第10ラウンドも互いに取り合い、5-5でファイナルラウンド突入となった。

第11ラウンドは防御側の龍谷大学が序盤の立ち回りを制して、近畿大学のプレイヤーを立て続けに撃破。残り4人対1人と圧倒的優位に立った。追い込まれた近畿大学もなんとか爆弾を仕掛けることに成功するが、数的不利をくつがえすことはできず。最後のひとりを倒して爆弾を解除した龍谷大学が1ラウンド差で接戦を制した。

準決勝第2試合:慶応大学「Yukichi.Children」 対 近畿大学「近グダム」

互いに2ラウンドずつ取り合う互角の立ち上がりとなったが、近畿大学「近グダム」は1対1のタイマン勝負を制して第5ラウンドを取ると、第6ラウンドも速攻を決めて連取。さらに第7ラウンドもモノにして一気にリーチをかけることに成功する。

慶応大学も第8ラウンドを取って粘るが反撃もここまで。完全に勢いに乗った近畿大学「近グダム」は第9ラウンドも攻撃側の慶応大学を全滅させて爆弾を解除するという危なげない戦いぶりを見せ、6-3で見事決勝進出を果たした。

近畿大学「近グダム」は1回戦では応援役に回っていたリーダーが登場。的確なコーチングでチームを引っ張った。

決勝戦:龍谷大学「今度こそ諭吉をもらいた隊」 対 近畿大学「近グダム」

決勝戦は2本先取の3ラウンド制で、1ラウンドごとに異なるモードで対戦する。第1ラウンドのゲームモードは「HARDPOINT」。マップ内に出現するポイントを制圧している時間を競うというもので、ポイント内にいる秒数に応じてスコアが加算されていき、先に250点に到達するか、制限時間終了時にスコアの多いほうが勝利となる。

ポイント内に踏みとどまってスコアの加算を狙うか、早めに次のポイントが出現する地点に向かうかなど、
チームの戦略も勝敗を左右する大きな要素となる。

関西勢同士でよく交流戦をしているというだけあって互いの手の内を知っているのか、どちらかがリードを奪うと、もう一方が追いつくという息を飲む展開に。残り6分を切ったあたりで龍谷大学「今度こそ諭吉をもらいた隊」がリードを広げにかかるが、近畿大学「近グダム」も食らいついていき、まったくの互角のまま終盤戦となった。

ここで、近畿大学がポイントを長時間制圧。残り2分を切ったあたりで、ついにリードを広げることに成功する。なんとか追いつこうと龍谷大学も攻勢をかけるが、近畿大学が冷静にしのぎ切り、トータル212-196とわずか16点差で第1ラウンドを制した。

第2ラウンドは1回戦でも使用した「UPLINK」で対戦。序盤は近畿大学「近グダム」が5点を連取するが、後がない龍谷大学「今度こそ諭吉をもらい隊」も怒涛の追い上げを見せる。2-7から3点を奪って点差を詰めると、残り10数秒のところでさらに2点を奪取することに成功。7-7の同点で前半戦終了となった。

後半戦も龍谷大学が先制すると、近畿大学「近グダム」もすかさず同点に追いつくという白熱の攻防が続くが、残り2分を切ったところで近畿大学がミドルシュートを立て続けに決め、ついにリードを3点に広げる。近畿大学が守備を固めたこともあって、これで勝負あったかと思われた。

しかし、粘る龍谷大学は残り40秒でなんと2点をゲット。さらに相手ゴールを攻め立てるが、ラスト5秒でドローンを確保した近畿大学「近グダム」がギリギリで逃げ切り。13-12で第2ラウンドも取り、見事学生チャンピオンとなった。

大接戦を制した近畿大学「近グダム」のリーダーは「みんなが頑張ってくれて、楽しくてしょうがなかったです」と喜びのコメント。敗れた龍谷大学「今度こそ諭吉をもらい隊」のメンバーは「緊張と焦りでシュートをはずしてしまいました」と悔しさをにじませつつ、「相手のほうが上手かったということです」、「完敗でした」とそれぞれ勝者を称えた。

大会のあと、全出場チームがゲスト陣と一緒に記念撮影を行った。

熱戦につぐ熱戦に涙ぐんでいた初音さんは「過去の大会も含めてDVD化したいですね」とコメント。塩見氏も「こんなに感動するような大会に仕上がったのは初めてですね。いろいろなドラマがあってウルウルしました」と語った。最後に司会の森さんが「こうしたひとつのひとつのドラマが歴史になって売上につながっていければ(笑)」と笑わせつつ、「またプレイさせる方が増えてくると思いますので、これからも盛り上げていきたいと思います」と挨拶し、大会を締めくくった。

なお、イベント終了後、長くローカライズプロデューサーを務めてきた塩見氏が「コール オブ デューティ」シリーズから離れることが発表された。スクウェア・エニックスの別プロジェクトに移るとのことなので、同氏の新たな活躍に期待しよう。

長きにわたる塩見氏の貢献をたたえ、盛大な拍手が送られた。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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