アメリカ・ロサンゼルスにて6月16日(現地時間)より開催されている「Electronic Entertainment Expo(E3) 2015」。ここでは、スクウェア・エニックスのド級破壊アクション「Just Cause 3」の紹介と開発インタビューをお届け! なお、日本発売は現在未定。
世界で最も危険な男、リコ・ロドリゲスが再来! 「Just Cause 3」は、リコの生まれ育った母国であり、現在はDi Ravello将軍の冷酷な支配下にある地中海・メディチ諸島を舞台に、400平方マイルにも及ぶ広大なオープンワールドを堪能することができる3Dアクションゲームシリーズの第3弾。
本作では、巨大なガソリンスタンドや橋をまるごと破壊するド派手な爆破演出や、腕から射出するグラップリングフックであらゆる場所に高速移動、パラシュートの動作はさらなる安定化が図られ、空中で高速滑空できるウイングスーツが新たに搭載されるなど、地上でも高空でもやりたい放題。
ひたすら強く、ひたすら破壊し、ひたすら爆破する男、それがリコ・ロドリゲスだ。
ピストルやマシンガンなどの銃器はもちろん、ロケットランチャーやハイドラミサイルで大破壊を引き起こし、無限に使えるC4爆弾を使って爆破アーティストに勤しむなどはお手の物。陸・海・空あわせて80種以上も存在するヘリ、トラクター、F1カーといった乗り物であっても、リコの手にかかれば全てが質量兵器。
ご機嫌な速度で運転し、目標を見定めたらすかさず降車、そのままの運転速度をぶつけて、質量×速度=エキサイティングとばかりにオブジェクトをぶち壊す。リコやプレイヤーにとっての乗り物とは、ドライビングで地中海の優雅なロケーションを堪能する相棒であり、MODでカスタマイズするデザイン対象であり、コレクション魂に火をつけるやりこみ機能であると同時に、目的地についたら気楽にぶち当てる、少しばかり大きな弾丸でもあるのだ。
それに、移動手段がなくてちょっと困ったときも、新たに搭載された「REBEL DROP」システムを利用すれば、武器や車両をいつでも自給可能である。バリエーション豊かな乗り物を揃えて、走ってぶつけての大騒ぎを味わおう。
また、今回のE3会場で行われたイベントステージでは、ゲーム内の4つのシチュエーションに各3つの選択肢が用意され、それを観客の歓声で決定する参加型ステージも開催されていた。
例えば「街にある巨大なDi Ravello将軍の像をどうやって倒すか?」というシチュエーションに対しては、グラップリングフックを使って曲芸混じりに倒す方法、開発チームのお気に入りの方法、ものすごい馬力を秘めたトラクターに倒させる方法と、粒ぞろいな回答。
本作ではさまざまなオブジェクトの配置を計算し、ワイヤーを組み合わせていくことにより、自分だけの破壊演出を楽しめる。パズルのように連鎖する大破壊を計画しようものなら、それだけで長く遊べそうである。
この回では上記に加え、「敵施設に向かって、大破壊の源『燃料タンク』でボーリング」「大橋をハイドラミサイルで大崩壊」「敵の通信施設をミニガン一本でワンマンアーミー」というシチュエーションを目にすることができた。場内の外国人はいずれも爆破に爆笑で答えており、改めてエンターテイメントの何たるかを教えてもらったような気がする。
そんな訳で今回は、リコの新たな物語を形作った開発陣へのインタビューとして、本作のアートデザインを担当しているFRANCESCO ANTOLINI氏に話を伺ってみた。
FRANCESCO ANTOLINI氏へのインタビュー
――E3会場で観客に一番ウケている部分はどこでしょうか?
ANTOLINI氏:一番はやっぱり爆発のところですね。無限に広がる世界の中で、こうやって派手に爆発させられることが「Just Cause 3」らしさでもあり、一番注目されていると思います。
――10倍にパワーアップしたと伺いました。
ANTOLINI氏:色々な形で進化していますが、今回の物理エンジンはすごくいいものを使っているので、1つ1つのオブジェクトが干渉しあう形で、物凄い爆発やエフェクトが出るようになっています。
――リコ・ロドリゲスのヒーロー像を教えて下さい。
ANTOLINI氏:前作ではリコのバックグランドが語られていなかったため、ちょっと薄いキャラクター像だったのですが、ユーザーから「もっとリコのことが知りたい!」という声を頂いたため、本作では深みを持たせたキャラクターに仕上げました。前作ではエージェントとして登場したリコですが、今回は自分の母国を独裁者から開放するために戦っています。
――ウイングスーツの導入の狙いを聞かせてください。
ANTOLINI氏:開発が始まった3年前、Youtubeでウイングスーツを使った動画が流行しており、それを見たときに「これは次回作に入れるしかない!」と心に決めました。狙いに関しては2つのポイントがあり、1つはプレイヤーにウイングスーツを使ってもらってアドレナリン全開でゲームを楽しんでもらうこと、もう1つはウイングスーツを使って地面を使わずに延々と飛び続けたり、ウイングスーツのまま武器で攻撃したりと、プレイの幅を広げてもらうためです。
加えて、ウイングスーツを使う上でプレイヤーにストレスを与えたくなかったので、使用時の制限などは一切設けていません。
――メディチ諸島のロケーションで力を入れた部分はどこですか?
ANTOLINI氏:本作のために地中海へロケハンに赴きました。その理由を挙げるとすれば、地中海を舞台にしたゲームはあまりないというところで、本作ならではのオリジナルな要素なると考えているからです。2点目としては、山の高いところもあれば、雪山もあり、ビーチもありと、地形が富んでいるので、リコが暴れるのにはうってつけの場所だからです。
さらに、本作ではマップの高さも2倍になっていたり、オブジェクトを粘土細工のように捏ねて掘って作るという開発技術も取り入れています。今までのマップは山があって谷があるなど、凹凸メインの作りだったのですが、本作では山をくりぬいて洞窟を作ったりと、傍から見えない部分にも力を注いでいます。
――今回の乗り物の特徴はどのようなものになりますか?
ANTOLINI氏:本作では乗り物自体にバリエーションを持たせたいという思いがあり、車ひとつとってもスポーツカーにF1カー、ヘリコプターだってあります。また、前作ではスタントを決めるポイントがいくつかありましたが、本作では広大な島全体に色々設定していたり、何よりも車にただ乗っているだけでなく、車の上に乗ってスタントができるようになっています。
乗り物は1つ1つの細かいパーツで作っているため、どういった形でダメージを受けるかで壊れ方も全然違います。さらに、本作ではMODで車のカスタマイズをすることができるので、スピードアップのためのブーストを積んだり、そのブーストを車の底面につければ真上に飛ぶことだってできます。
――「REBEL DROP」システムについて詳しく教えて下さい。
ANTOLINI氏:前作ではお金を貯めないと乗り物をドロップすることができなかったのですが、今回はそのハードルになっていたところを無くし、ゲーム内に出てくる乗り物(武器も可)を気軽に呼び出し、しかもずっと使えるようにしています。
なお、一般の車両に関しては自分のガレージに入れることで、コレクションを楽しみながら実用性を増していくことができます。軍の兵器や乗り物に関しては、より強い基地を落とすことで使えるようになっています。
――橋を壊してしまったら、その橋は復活するのですか?
ANTOLINI氏:今回に関しては、敵軍の施設などは壊したらずっと壊れたままです。しかし、橋などの普通に配置されているオブジェクトに関しては、しばらくしたら復活します。
――1番印象に残った破壊の仕方を教えて下さい。
ANTOLINI氏:本作では本作に色んなことができるのですが、ブーストをつけたり、C4をつけたりのミックスが好きです。お気に入りは車の上に乗ってバズーカを発射し、更に乗っていた車から飛び降り、その車を突っ込ませて爆破を起こすなど、さまざまな連鎖反応を起こすのが好きです。
――オンライン要素について教えて下さい?
ANTOLINI氏:ゲーム内にはチャレンジというシステムがあります。このチャレンジはフレンドとスコアやタイムを競うことが可能です。また、「自慢するシステム」もあるので、車でどこまでの速度が出せるかなど競いあってみてください。
――次世代機のみでリリースする理由などはありますか?
ANTOLINI氏:本作は次世代機のスペックを100%引き出せる作品を作りたいと思い、開発を進めてきました。PS4/Xbox One版に違いはありません。PC版ではグラフィックの調整が可能です。
――本作でリコの戦いは一段落してしまうのでしょうか?
ANTOLINI氏:まったく分かりません(笑)。ただ、ゲームシステムなどの根幹を担っている部分については今後も破壊と進化を求め、次回作もさらに練り上げていきたいです。
――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
ANTOLINI氏:爆発を楽しんでください!!