日本マイクロソフトが展開するセルフパブリッシングプログラム「ID@Xbox」。今回、日本開発タイトルに関する試遊会が実施されたので、その模様を紹介する。

目次
  1. 「EARTH WARS」
  2. 「巫剣神威控」
  3. 「リバーシクエスト」
  4. 「Q」
  5. 今後のID@Xboxに期待

ID@Xboxは、あらゆる規模のゲームデベロッパーが、Xbox Oneを含むすべてのWindowsデバイス向けに、Xbox Live対応のゲームを配信するためのセルフパブリッシングプログラム。登録開発キットなどの必要なツールを提供し、作品が配信されるまでのサポートが行われる。

今回試遊会で触れることができたのは、「EARTH WARS(発売元/開発元:株式会社ワンオアエイト)」「巫剣神威控(発売元/開発元:株式会社ZENITH BLUE)」「リバーシクエスト(発売元:株式会社パレアナ/開発元:YokogoSystems)」「Q(発売元/開発元:株式会社リイカ)」の4タイトルだ。

「EARTH WARS」

スマートフォンアプリのサービスを中心とした開発・ワンオアエイトが配信を予定している「EARTH WARS」は、突如飛来した敵性生物「E.B.E(イーヴァ)」の侵略により、壊滅的な打撃を受けた地球を舞台とする2D横スクロールアクションゲーム。

本作はミッション制となり、2D画面のベルトスクロールアクションで数々のE.B.Eと戦闘をしながら、さまざまな報酬・素材・スキルを獲得していき、サイボーグ化された体や自身の生命線となる武器の作成・強化を進めていく、ハック&スラッシュの要素が楽しめる。

今回はゲーム序盤の進行と、強力なボスが出現するメインミッションを体験させてもらうことに。まずはキャラクタークリエイトだが、本作では女・男の性別、全8種の顔パターン、4種のボイスから選択できる。女性はしなやかで強靭、男性は頑強で迫力ある出で立ち。

E.B.Eに対抗するために生み出された、E.B.Eの体組織と金属を結合させた生体武装は片手剣、大剣、銃、弓の4種が登場。さまざまな素材を用いることで、バリエーション豊かな武器を作成できる。作成時は持ちうる素材を自在に投入でき、雷・吸血などの属性を付与することも可能なので、ミッションごとに有利な装備を整えていくのも重要である。

また、生体武装をその身に埋め込まれた主人公たち特殊強化兵部隊「A.N.T.I(アンチ)」は、攻撃力はアクションを強化するスキルが用意されている。スキルカスタムでは攻撃特化、テクニック特化といった全体ステータスの増減が設定でき、スキルツリーでは各アクションの攻撃力をピンポイント(攻撃の2段目、攻撃の5段目など細かく指定する)で強化可能だ。

各武器は強化素材を投入して鍛えられる。
ほかにも衣装やアクセサリーも存在する。
スキルカスタムは脳を調整し、
スキルツリーは脊髄を調整する。サイバーだ。

ゲーム進行は「メインミッション」「フリーミッション」に分かれており、メインミッションはゲーム中、リアルタイムで経過する制限時間が訪れると、強制的に挑戦することとなる大物ミッション。フリーミッションはその名の通り、手軽にレベルアップ・素材収集などをしていくもので、選択するごとに制限時間から「-3時間」などの時間が自動的に引かれていく仕組みだ。

延々とフリーだけをこなして鍛えることは叶わないが、メインを失敗すると、その後フリーを一度挟むことができるので、制限内では永久に鍛え続けられるといってもいい。

ちなみに今回挑戦させてもらったミッションでは、序盤にもかかわらず、敵の動きがかなり強烈であった。基本はビジュアルから想像させる通り、ストイックで骨太なアクションが体感できるものと考えていい良さそう。

操作は左スティックで移動、Xボタンで片手剣での攻撃、Yボタンで銃での攻撃、Aボタンでジャンプ、Bボタンで特殊ゲージを消費して、一定時間自身の強化が図れる。E.B.Eの体組織を使っているのは伊達ではなく、一歩間違えればかなり危なそうに見える強化なので、ハードなSFの世界観がまざまざと見せつけられる。

なお、操作自体はシンプルだが、剣での攻撃中はスティック↑or↓でコンボルートを変更できたり、攻撃ヒット時のみ銃でキャンセルできたり、ジャンプルボタン2回押しで短距離の瞬間移動「ブースト」をしたりと、スピード感はかなりのもの。上下左右が目まぐるしく変化するので、操作も結構忙し目だ。

基本戦略は、表裏や空中の動きで敵の攻撃を避けつつ、敵を地上コンボでまとめたり、空中コンボに持っていってダメージを加算していくことだ。難易度が上昇すると地上はE.B.Eで埋め尽くされがちなので、空中に持っていき、剣と銃とブーストでコンボを叩きこむことが重要となる。

また、今回は最後にボスと戦わせてもらったが、これもまた実に強烈。ミッションは設定された残機分だけその場復活ができるのだが、ボスもダイナミックな攻撃で初見殺しを敢行してくるため、何一つ油断できない。

特徴的なビジュアル、ハードSFな世界観、ガッツリ遊べるアクション、素材収集に勤しむクラフトなどが好きな人には、満足たりえるタイトルに仕上がっているはずだ。

「巫剣神威控」

2015年発売予定の「巫剣神威控」は、日本刀を携えたミニスカ女子高生剣士が暴れ回るハイスピード3Dバトルアクションゲーム。本作はバトルアクションに注力されており、内容的には湧き出てくる敵をひたすら切り伏せていく、というシンプルな形にまとめられている。

プレイヤーは大きく分けて3つのアクション(斬撃・格闘・奥義)を駆使して戦うことになるのだが、これらはそれぞれ特性が異なっているので、状況に応じて臨機応変に使い分けていくことが肝要だ。

斬撃は、名前の通り刀を用いた攻撃を繰り出す。しかし斬撃は刀ゲージを消費し、こちらのゲージがなくなってしまうと斬撃ができなくなるので注意しよう。ゲージを温存したい場面や回復したい場合などは、刀を使用しない格闘攻撃でその場を凌ごう。

奥義はボタンを押し続けると強力な技を放てるというもので、いわゆる溜め攻撃と思っていいだろう。溜め中はほかの攻撃ができず、ある程度敵に隙をさらす形になってしまうので、複数の敵を相手にするときは特に周囲への警戒を怠らないようにしたい。

溜め攻撃は2段階あり、1段階目は強烈な横一閃の斬撃、2段目は対象の周囲もろとも切り刻む範囲技となっているため、上手く敵をまとめた後にこれで一掃できれば爽快感も格別だ。また溜め中に解放ボタンを押すことで、刀ゲージを消費して溜め時間を短縮することができる。

強力な奥義を即座に放てる解放を上手に使うことで、敵をより早く殲滅できるだけでなく、常に有利に戦闘を進めていくことができるだろう。ゲージを使う場面、温存する場面の見極めが非常に重要なポイントになっている。

また、戦闘を繰り返していくとSPが貯まっていく。手に入れたSPは各種スキルや技を強化するために使用できるほか、コスチュームの購入にも使える。強化はステージクリア後、あるいは戦闘中のポーズ画面にていつでも行える。どのスキルや技を伸ばしていくか悩む人も多いと思うが、SPは決して貯まりにくいものではないので、逐一アップグレードしていくと戦闘が楽になるはずだ。

美しいキャラクターのビジュアルに目が行きがちだが、本作の醍醐味はなんといってもハードなアクション性。デモプレイなどでは一見簡単そうに敵を切り刻んでいるが、実際にやってみると回避と攻撃のタイミングが絶妙に作り込まれている。

小型の敵ならば怯みやすく斬撃連打でどうにかなるが、調子に乗って少し大型の敵に突撃しようものなら返り討ちに遭うのは必須。敵の動作をしっかりと確認し、攻撃と離脱のタイミングを見極めながら、要所で大技を叩き込む。特に大型ボスとの攻防は熱が入るほか、コンボの幅が広くオリジナルのスタイリッシュな連撃を考えるだけでもかなり遊ぶことができた。

「リバーシクエスト」

Yokogosystemsが配信中のスマートフォン向けアプリ「リバーシクエスト」は、リバーシ(オセロ)を基本ルールに、さまざまな戦略性を盛り込んだボードRPG。

Xbox One版ではゲームの魅力はそのままに、モニター画面でも操作性が損なわれないよう、Windowsでいう「ポインターを自動的に規定のボタンの上に移動する」が随所に設定されており、想像よりもスムーズに遊べた。

ゲームとしては、スマートフォンゲームをプレイしたことのあるユーザーであれば、すんなりと理解しやすいシステムでまとめられており、ゲーム進行もストーリー仕立てでチャプター分けされている。チャプターの選択後は、すごろく形式のマップでダイスを振り、出た目に応じて進み、「戦闘」「回復」などのイベントをこなし、最奥のボスを目指していく。

そして一番印象深い戦闘では、プレイヤーと敵の1対1でリバーシを行う。とはいっても通常のリバーシとは一味違い、本作ではそれぞれが用意した「コマ(フィギュア)」を使って戦闘を進めていく。フィギュアにはアタッカー(攻撃)、ヒーラー(回復)、マナテイカー(魔力の回復)という3つの役割が色分けされていて、獲得したコマを自身の戦略にあわせて編成することも可能だ。

ルールは「自分のコマで相手のコマを挟んで、ひっくり返す」のだが、アタッカーで挟めば敵のHPにダメージ、ヒーラーであればプレイヤーのHPを回復、マナテイカーであればプレイヤーの魔力を回復というもので、ソーシャルゲームらしく1戦のゲームテンポはとても軽くて早い。

しかし、本作ではコマを配置する際、自身の手元にある3つのコマの中から選択せねばならない。そのため、アタッカーばかりを使っていたら攻撃手段が乏しくなり、ヒーラーばかりを使っていたら攻撃できずと、手札マネジメントが戦略を揺るがすのがユニークなところ。

また、魔力を回復することで「魔法」を行使できるようになり、「選択したパネルの上にコマを置くとHPが回復する魔法」などを設置できるようになる。同様に装備を獲得すると、コマでの攻撃・回復力を上昇させるなど、RPG要素も備わっている。

リバーシとしての最適解がゲームとしての最適解ではないという本作。しかし、戦略性をふんだんに織り交ぜていても直観的にプレイできるため、実に遊びやすいタイトルといえる。

「Q」

「Q」は、画面に何かを描いて問題を解決していく物理演算パズルゲーム。Xbox One版では、スマートフォンアプリの特徴であるタッチ操作をKinectで再現し、より体感的な謎解きゲームを体験することができる。

本作の面白い点は、何といっても解答が一人ひとりによって異なってくるところだろう。

たとえば“コップからボールを出せ”という問題に対して、“真横から何かをぶつけてコップを倒す”ことを思いつく人や、“コップに細く重いものを入れて傾かせる”ことを思いつく人、はたまた全く異なるアイテアを思いついた人もいるだろう。本作では、そんな個人個人で異なる、発想の違いを楽しむことができるのだ。

Xbox One版ではKinectに対応しているため、文字通り全身で問題に挑戦する。腕を振り、足腰を曲げながらあれやこれやと考えるのは、スマートフォン版とは異なる楽しさが味わえるはずだ。画面の大きさや実際に身体を動かす特性上、友人などと一緒にプレイして盛り上がるのも面白そうだ。

筆者のミジンコほどの知恵を振り絞っても解けなかった難問。
どうしても答えが分からず夜も眠れないほどなので、ぜひ解き明かしてみてほしい。

今後のID@Xboxに期待

1人での制作から始まり、2年の開発期間をつぎ込まれて完成した高品質のダウンロードタイトル「EARTH WARS」をはじめ、PCゲームで人気を博してきた女子高生斬撃アクション「巫剣神威控」、スマートフォンアプリの中でも意欲的な内容で知られる「リバーシクエスト」「Q」など、バラエティ豊かなラインナップが取り揃えられているID@Xbox。

今後も独創的なタイトルがさまざまに取り揃えられることに期待しつつ、動向に注目しておきたい。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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