コーエーテクモゲームスが2016年2月18日に発売するPS4/PS3/PS Vita用ソフト「進撃の巨人」のプレイレビューを作成するため、今回はPS4版で、あの巨人も、その巨人も、いっぱい駆逐してきました。

コーエーテクモゲームスが制作したPS4/PS3/PS Vita「進撃の巨人」は、漫画/アニメ/映画などで絶大な人気を築きあげている、同名作品を題材にしたハンティングアクションゲーム。

人類を食らう脅威「巨人」に立ち向かう主人公のエレン・イェーガーたちの死闘は、同社の新規開発エンジンである物理レンダリングによる“カスタムトゥーンシェーダー”で描き出され、プレイヤーはまるで“アニメの世界で、実際にキャラクターを操作しているような感覚”でゲームを体験することができる。

もちろん、巨人と戦うためには欠かせない装備、「立体機動装置」を使った動きはしっかりと練り込まれている。規則性のある戦闘ルールと立体的な戦術性を武器に、おぞましい巨人たちに挑んでいく楽しさや、空中を自由自在に飛びまわる爽快感に関しては、旧来のゲーム史上では類を見ないほどの新感覚といっていい。

というわけで、コーエーテクモゲームス発となる据え置き版(PS Vita版もあるものの)は、果たしていかなる仕上がりになっているのか? を体験してみたので、「進撃の巨人って、なんなんだ?」「ゲームの基本的な流れって、どんなんだ?」「立体機動装置を使ったアクションって、こんなんだ!」といったテンポで、ゲームの魅力を伝えていこうと思う。

「進撃の巨人」とは

原作者・諫山創氏による漫画連載から始まり、TVアニメ/映画などの映像展開など、多岐に渡って人気を博しているファンタジーバトル作品。

舞台は、突如出現した「巨人」により、人類が滅亡の淵に立たされている世界。生き残ったわずかな人類は巨大な壁を建造し、その中で都市を築きあげ、恐怖が薄れゆくほどの長い平和な時を過ごしていた。しかし、その安寧の日々はいともたやすく破られることになって……といったお話だ。

おそらく、敏い読者であれば既に原作/アニメを把握しているだろうし、概要程度であればそれよりも多くの人が聞き覚えあることだろう。むしろ、何も知らないでこの記事を開いたという人なら、それこそゲームで体験するべきことなので、ここで多くを知るのも野暮というもの。

そんな言い訳をもとに、本稿ではあまり固有名詞や背景については詳しく言及していかないので、その点はご容赦を。

原作からしてではあるが、「進撃の巨人」はゴア表現(流血など)が強めな作品である。
本作はCERO D(17歳以上対象)のゲームとなるが、ゴア表現はON/OFFを選択できるので、苦手は人は参考にしよう。

ゲームの主な流れを説明!

本作のメインモードは、原作の物語を追体験していく「進撃モード」、さまざまなキャラクターで自由に遊べる「壁外調査モード」の2つ。クリア後に“さらなる難関モード”が追加されるが、それは後の楽しみにしておくといいだろう。

進撃モードでは、原作のストーリーに沿ってゲームを進めながら、街や拠点に用意された「キャンプ」の中で、さまざまなキャラクターと会話をし、物語を進行させていく。アドベンチャーゲームスタイルの対話や、原作再現のイベントシーンなどは、すべてゲームならではのフルCGで描かれている。

キャンプでキーの選択肢を選ぶと、任務開始。広々とした戦場マップでは、巨人撃破や要所防衛などの「主要任務」をこなせばクリアとなる。また、緑の煙弾が上がっている地点に向かうと、そこで「副任務」が発生。主要任務の前にクリアしておくと、チームメンバーが増えたり、重要なアイテムが獲得可能だ。

ちなみに、戦場にはさまざまなキャラクターたちが存在し、マップ内にいる兵士に話しかけると、最大4人まで「チームメンバー」として加えられる。チームであれば、「散開」「護衛」「集中」などさまざまな方針を切り替え、より戦術的に戦うことができる。

なお、アルミンならBランク、リヴァイならSランクなど、キャラクターはそれぞれ戦闘力が異なっている。より強いキャラクターだけでチームを固めたり、お気に入りキャラクターだけの混成チームを作ったりと、楽しみ方は人それぞれだ。

巨人との戦闘方法は後でたっぷり説明するとして、作戦中に主要任務をクリアすると任務成功となり、リザルト画面へ。獲得できる戦果は、持ち込みアイテムなどに影響する「兵団練度」、使用キャラクターが成長する「兵士練度」、装備開発などで使用する「兵団資金」、装備改造に必須となる「資材」の4種。

プレイアブルキャラクターにはそれぞれ、攻撃力が増加する「筋力」、ガスの消費量を抑える「器用さ」、チームの能力を上げる「統率力」など、計6つのパラメーターが割り振られている。兵士練度を溜めてレベルを上げるとこれが上昇するほか、新たなスキルが解放されていく仕組みだ。

戦闘後は物語の進展に合わせて、状況に応じたキャンプへと移動。キャンプではストーリーを進める以外にも、過去の任務に再チャレンジしたり、装備を開発・改造することもできる。

装備には、攻撃力やリーチに関わる「刀身(ブレード)」、移動速度やブレードの替刃に関わる「鞘・ボンベ」、アンカーアクションに関わる「立体機動装置」の3つが存在。これらは「新規開発」で作ったり、既存装備を「装備改造」で強化していける。ビジュアルも性能もさまざまなので、好みの装備を追求していこう。

要約すると、物語を進める→巨人たちと戦う→装備を強化する→etc...これが進撃モードの主な流れとなる。もう一方の「壁外調査モード」では、「進撃モード」の進行度に合わせて解放されたプレイアブルキャラクターを使用し、フリーミッション形式で作戦に挑んでいける。こちらのキャンプ内では、さまざまなキャラクターからの依頼を受けることもでき、進撃モードとは一味違う空気での掛け合いが楽しめる。

なお、プレイアブルキャラクターについてはアニメ1期物語の展開も踏まえて、エレン・ミカサ・アルミン・サシャ・ジャン・コニー・クリスタ・リヴァイ・ハンジ・エルヴィンの計10名が使用可能だ。

以上、ゲームの主な流れを紹介してみた。ここからは「戦闘方法」や「巨人」について重点的にピックアップしていく。

斬新な装置に、斬新な操作で応えた

ここから説明していくのは戦闘での操作方法だが、のっけから申し訳ないことに、“実際のアクションの様子が、文字で理解しやすい類のものではない”と考えているので、ゲーム画面をこれまで全く見たことがないという人は、まず下記の公式動画にちょろちょろっと目を通してほしい。

巨人の弱点は、首の後ろの“うなじ”。なぜうなじなのかは、人類が調べて、辿り着くべきことだ。

いかがだろう? 基本はアンカーを各部位に刺し、近づいて斬るのが、戦闘の鉄則だ。先にシステム的な外堀から埋めておくと、ブレードは攻撃すればするほど耐久値が減るため、適宜「替刃(消費アイテム)」に交換しなければ、攻撃力が落ちてしまう。また、ガスも移動時に減少していき、無くなると行動制限が課せられてしまうので、「ガス(消費アイテム)」で補給しておきたい。

替刃やガスは、作戦前にあらかじめ支給されているほか、戦場に出現する補給兵から受け取ったり、戦場に横たわる仲間の遺体から回収することもできる。

顔グラフィックの右上のゲージが「残りガス」、右下のゲージが「ブレードの耐久値」。

というわけで、操作方法について改めて説明していくが、あらかじめ言っておくと、このゲームは結構難しい。

アクションが得意な人なら20分でエリートな動きにたどり着くだろう。人によってはコツをつかむのに数時間かかるだろう。「これのためにPS4買いました!」というカジュアルな人は、パッドを使った複合操作にアタフタしてしまうだろう。……そんな個人差が出てきてしまうほどに、立体機動に伴うアクションは、新機軸を突き進んだ本格的な仕上がりだ。ただし、難易度設定があるので普段ゲームをやらない人でも安心。「やさしい」でゲームを楽しもう。

一見難しそうなアンカーに見えるワイヤーアクションは、□ボタンを入力するだけで、アンカーが自動で適した場所に飛んでくれる。

実は□ボタンを押しっぱなしにしているだけでギュインギュインと飛び回れるので、左アナログスティックの移動、□ボタンでアンカー射出、×ボタンでブースト(ガス消費大)、これらを組み合わせていけば誰でもハイスピードかつ直観的に動ける。

ここで難しいことは、右アナログスティックによるカメラ操作で、移動に合わせて視点をうまく合わせていくこと。これに慣れなければ、いつまで経っても立体機動装置に振り回されてしまう。

移動をマスターした先には、当然「巨人との戦闘」が待ち受ける。対巨人戦を行うためには、対象の巨人に接近し、R1ボタンの「戦闘状態切替(いわゆるロックオン)」を押すことが前提だ。

一度R1を押して戦闘状態に移ると、1体の巨人が画面中心にロックオンされる。すると、巨人の「うなじ」「右腕」「左腕」「右足」「左足」の計5ヶ所を新たに狙えるようになるので、右アナログスティックで狙いたい部位を切り替えて、目標にアンカーを飛ばしていこう。

左が「非戦闘状態」、右が「戦闘状態」。
左の状態でアンカーを飛ばしても、移動用と判断され、巨人とは全く別の場所を対象にしてしまう。

巨人にアンカーを刺している間は、スティックをニュートラル(未操作の状態)にしていると、自動的にアンカーが巻き取られ、狙いに向かって近づいていく。また、アンカーの刺さっている状態でスティックを動かすと、左右に回り込んだり、上下に滞空することもできる。

上下左右の移動は演出上、フワーっと宙に浮いている姿が物理法則に難をかけているが、そこはゲームとして捉えるか、「俺ならそんなマネはしねえ!」の如し、直進アクションだけで動いて戦えるように鋭意工夫をしてみるのも、これまた一興か。

アンカーを巻き取って狙いに接近したら△ボタンで攻撃、もしくは×ボタンで加速しながら△ボタンで攻撃(加速分だけダメージ上乗せ)し、巨人の身体を削いでいく。

巨人の弱点は首元の“うなじ”だが、そこを直接狙うには巨人の手足や行動が邪魔になりやすいので、先に手足を切断し、動きが鈍くなったところでうなじを狙うのが安全策。もちろん、一気にうなじを削いでしまうのも問題はないが、巨人には時々、部位に黄色い石のようなマークが表示されている個体がいる。その部位を破壊すると、武器の改造に役立つ資材が手に入るので覚えておこう。

なお、手足に関しては破壊しても一定時間後に再生されてしまうので、その間にうなじを削ぎ落さなければならない。再生するまでの時間は、それほどシビアではないけどね。

うなじを攻撃し、相手の耐久値(部位ごとに設定有)を削りきれたら巨人討伐完了。専用のカメラアングルが入ってからのヒット演出と、キャラクターと画面一体に飛び散る血しぶき(血液のエフェクトは極短時間で消失)が、得も言われぬ快感をかきたててくる。

討伐するとすぐに、倒すまでに攻撃を失敗した回数+巨人に捕まった回数を踏まえて、「完全討伐」「優秀討伐」「有効討伐」の3種の評価が、討伐した巨人1体毎に下されていく。ここは戦果に直結する部分でもあり、スタイリッシュなプレイをできたという矜持でもあるので、なるべくなら上を狙っていきたい。

巨人への攻撃はタイミングがモノをいう。仮にうなじを狙っているとして、「うなじに向かってアンカーが巻き取られている時、いつ攻撃ボタンを押すか?」、これを見極めるのが重要だ。

ボタン入力が早すぎたり、遅すぎたり、加速が足りなかったり、ほかの部位に邪魔されると、攻撃失敗となってダメージは最低限にまで下がってしまう。対象にどれくらい接近しているかはメートル単位で常に表示されているので、数字を目安にボタンを押すのも手だ。アンカーは攻撃後に自動的に外れるが、すぐにアンカーを飛ばし直して、流れるように連続攻撃へ移ることもできる。

ただし、アンカーを刺している間、建物や巨人の部位にアンカーが引っかかってしまったり、アンカーの強度(ゲージで視認可能)が耐えられなくなると、アンカーが対象から強制的に外れてしまい、キャラクターはその場から無防備に落下してしまう。その際、ブーストなどで態勢を立て直さなければ再度アンカーを飛ばすことができなくなるので、巨人からの攻撃にも対応できなくなる。

ちなみに、画面インターフェースを見て、同社の「無双」シリーズを思い起こすファンも多いかと思われるが、本作では地上でも、空中でも、加速中でも、「△ボタン=単発攻撃」以外の攻撃方法は原則ない。そして、巨人に致命的なダメージを与えるには「部位への的確な攻撃」「適度の加速力」が必要不可欠なので、「歩いて、近づいて、ジャンプして、攻撃っ!」なんて普通のアクションゲームのような動きでは、キズ一つ与えることも難しい。

なので、戦闘中は前述してきた一連の流れを行わなければ、まともなダメージが出ない仕組みだ。一部のキャラクターはスキル「連撃」によって連続攻撃が放てる者もいるが、あくまで“一瞬にかける攻撃”を2回放つだけのことで、無双アクション的な要素は皆無。「進撃の巨人」らしく、立体機動の戦術に則ったアクションのみが、人類にとっても、プレイヤーにとっても、巨人を最も効率的に討伐できる術といえる。

さて、ここまでを要約してみて、実際に戦闘するときのボタン操作を振り返ってみると……

1. 目標を見つけて戦闘状態切替(R1)
2. 狙いを決める(右アナログスティック)
3. アンカーを飛ばす(□)
4. キャラクターの位置を調整する(左アナログスティック)
5. 狙いが決まったら、アンカー巻き取り(左アナログスティックをニュートラルに)
6. ブーストで狙いまで加速(×)
7. タイミングよく攻撃(△)

※2・3のループを基本動作にするのも便利。

これが基本となる。さらに……

a. 攻撃後、違う個体に目標を変える(R1)
b. 攻撃後、すぐさまアンカーを飛ばす(□)
c. 周囲やマップの状況に配慮する(各々の力量)
d. 上記、全ての動作中に最適なカメラ操作(右スティック)

などなど、全部やるとなると、とにかく操作量が複雑かつ多量になってしまう。もちろん、実際にプレイしてみると「難しすぎてできない!」なんてことにはならず、ルールに沿った戦闘を“流れ”として指に馴染ませていけば、サクサクと動かせるようになる。が、ゲームをあまりプレイしてこなかった人には、大変な操作であることには違いない。

筆者はそれなりにアクションに覚えがあると自負しているが、一番最初の攻撃方法のチュートリアルの時点で「……えっ? はっ?」っとなったのは、近年希にみる体験であった。なのでというわけでもないが、本当に難しく感じてしまった場合は、システムに頼らず、まずは直観で適当に動かして楽しんでみるといい。上述した操作はあくまで「リヴァイみたいに動く方法」である。

入り口は煩雑そうだが、実際の手順は精錬されていてシンプル。つまるところ、丁寧な操作でも、やり込みな操作でも大丈夫な、懐の広いゲームとなっている。それに何より、一回操作してみればわかるほど、立体機動装置を使った動きはキレッキレだ。歩く・走るの速度もスピーディだし、キャラクター or カメラ動作時には、“オブジェクトのふち”にブレブレな効果表現がかけられることで、スピード感がうまいこと演出されているのも見逃せない。

超大型巨人と、戦えてしまうのだ。 雲がずっと流れていく様子とか、意外に必見。

怪我とか、必殺技とか、巨人とか

そうそう、戦闘中にゲームオーバーとなる条件だが、任務失敗(防衛対象の撃破など)になるか、巨人に食べられるかのどちらかとなる。本作ではいわゆる体力ゲージのようなものは存在せず、死亡する条件は「巨人に食べられること」(例外あり)。

運悪く、巨人からの捕獲攻撃で捕まってしまうと、胴体を握られ、顔前でジッと見つめられる。その間、△ボタンを連打して抵抗し、巨人に食べられるよりも早く脱出するか、味方に攻撃してもらって窮地を抜け出さなければ、パクッ…、ゴクッ…、からゲームオーバーに。

連打するスピードはそれほどシビアなものではなく(難易度による)、普通にパッドを持ったままタタタッっと適度に連打するだけでも十分脱出可能なので、真っ赤になった画面と、巨人のビジュアルからくる恐怖感に負けないよう、落ち着いて対処すればOK。

秘蔵の丸のみコレクション。

なお、上記の捕獲攻撃か、巨人の何かしらの攻撃を受けてしまうと、キャラクターは「瀕死状態」に陥る。この間、画面左下に表示されているキャラクターの顔グラフィックが真っ赤に変化し、移動速度の低下、ジャンプの使用不可など、さまざまな行動制限が発生してしまう。

瀕死状態は一定時間の経過、もしくは「回復薬(消費アイテム)」の使用で回復することができるが、「瀕死状態中に巨人に捕まると脱出不可能」な仕様のため、ここで攻撃を受けてしまったものなら、抵抗するまもなく、巨人の腹の中へ。

こんな強烈な攻撃だけど、命の続くかぎり駆逐だ、駆逐。

しかし、瀕死状態中のみ、巨人からの致命的な攻撃に対して「アクセルタイム」が発動する。アクセルタイム発動時は画面色が一転し、周囲の時間が遅くなり、同時に“敵の攻撃の軌道を予測”してくれる。ようは緊急回避タイムなので、発動中は落ち着いて動けば、ほぼ確実に相手の攻撃を受けることなく、窮地から抜け出すことができる。

アクセルタイムの発動回数には制限があるものの、これが備わっていることで“即死ゲー”とはならず、むしろ高難易度であっても粘りやすくゲームを楽しめるようになっている。

そのほか、戦闘中に巨人の部位を破壊、もしくは副任務の成功で溜まる特殊ゲージを満タンにすると、必殺技「決戦の狼煙」が発動できるようになる。

決戦の狼煙を発動すると、カッコいいカットイン+煙弾(調査兵団が壁外調査で使うアレ)を上空に撃った後、周囲の味方が一斉に巨人へと襲いかかる援軍パワーと、一定時間攻撃力が増加+ガスやブレードが損耗しないなどの恩恵を受けることができる。

決戦の狼煙は、(1回の戦闘中に)使用回数を重ねるほどにその効果が上昇していくので、任務終盤の強敵に合わせて調整していけば、攻略もスムーズに進められるはずだ。

顔グラフィックの左側、黄色いゲージが「決戦の狼煙」用のゲージ。
「決戦の狼煙」発動中は、キャラクターの周囲に青いオーラが纏わりつく。

最後に、人類の前に立ち塞がる巨人たちを一部紹介しておこう。巨人は小型・中型・大型と大小さまざまで、外見だけでも100パターン以上が収録されている。それらはバリエーション豊かな顔ぶれとなっており、中には特殊な動きで翻弄してくる「奇行種」や、原作で印象的であった巨人を再現したものなども存在する。

メインメニューのギャラリーで、巨人が「巨人1~」からズラッと並べられている様子は、思わず一つ一つを見比べてしまうほどの魔力が放たれている。さらに、超高難度のミッションでは、ゲームだけに登場する特殊な巨人も存在するとか…? 巨人コレクションがいっそう捗る。

「進撃の巨人」らしい、「進撃の巨人」に

進撃モードではアニメ1期の放送範囲に加えて、ゲームオリジナルシナリオが収録されているため、原作漫画の読者/TVアニメの視聴者であっても、新鮮な気持ちでプレイに臨むことができる。それに、単純なアクションとしての爽快感、ハック&スラッシュで楽しめるプレイスタイルも、ゲームの魅力としては十分すぎるくらいだ。

さて今回は最後に、本作に対する総論を述べさせてもらいたい。それは筆者がこのゲームから感じた、“コーエーテクモゲームスの本気のゲーム作り”の凄味についてだ。本作は、「進撃の巨人」という昨今であれば誰でも知っているようなビッグタイトルを用いながらも、内容を万人受けするカジュアルさに振ることはせず、新機軸の操作方法をもって、「だって、こういう難しさこそが、立体機動装置でしょ?」と提示してきた。

立体機動は実際にプレイしてみると、市街地の建物や視点の煩雑さも相まり、上空に高度を取らないとスムーズに動きづらい。だが、それが操作性のアラになっているわけではなく、むしろ「立体機動装置を使いこなせていない自分」な気分にさせてくる。ゲームとしての一線を超えた出来栄えからくる、“そう思わせる力”だ。

また一方で、CERO D(17歳以上)のゴア表現も、人によっては得手不得手が如実に現れてしまうラインであるし、セールス面で制限が掛かるしで、老若男女のファンを獲得している人気IPの取り扱いとしては、下策に思えてしまう。だが、それゆえに本作は、あの絶望感や恐怖感をギリギリまで表現に落とし込みつつ、ゲームシステムと両立させてきた。そのため、このゲームには「『進撃の巨人』を、『進撃の巨人』らしく作ること」に一切の妥協を感じさせない説得力がある。

そして何よりも、本当にかつてないほどの操作感を提供してくれる本作は、「ゲーマーのための『進撃の巨人』」としての強度が非常に高い。それはいっそ、キャラゲーというくくりが似合わないほどにだ。当然、原作ファンも、カジュアルユーザーも、進撃を知らない人であっても、本作を楽しめることは間違いない。だが、ゲーム媒体に載せる記事ゆえ、改めて私の見解を述べておこう。コーエーテクモゲームスの放った「進撃の巨人」は、ゲーマーこそやるべきである。

進撃の巨人

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  • 発売日:2016年2月18日
  • 17歳以上対象
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  • 同梱:設定資料集、OST、マフラータオル、缶バッジセット、限定コスチューム
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(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
(C)コーエーテクモゲームス

※画面は開発中のものです。

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進撃の巨人

タクティカルハンティングアクション
機種
PS4PS3PSVita
プラットフォーム
パッケージ
OS
会社
コーエーテクモゲームス
ジャンル
アクション
公式サイト
公式サイト
  • Figgy
  • 「黎の軌跡(くろのきせき)」特設サイト
  • プリコネR特集

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