コーエーテクモゲームスが発売中のPS4/PS3/PS Vita用ソフト「討鬼伝2」のプロデューサー&ディレクターへのインタビューの模様を掲載。今回はゲーム発売後のインタビューということもあり、発売後ならではのお話を伺うことができた。
先に公開した「討鬼伝2」プレイレビューに続き、本作の開発陣インタビューということで、プロデューサー・森中隆氏とディレクター・関口和敏氏に、これまでの開発事情を伺ってきた。
本稿では開発現場ならではの裏話をはじめ、新作で力を入れたポイント、今後のDLC情報も話題に挙がったほか、インタビュー実施日が発売翌日の7月29日であったこともあり、発売日を迎えての感想も訊くことができた。気になる「討鬼伝2 極」のお話も?
2013年から、「討鬼伝2」を作ることを目指していた
――本日はお時間いただき、ありがとうございます。昨日7月28日の発売日から1日が経ちましたが、現在の心境はいかがでしょう?
森中氏:正直、バタバタでした……。
関口氏:ゲームでちょっとトラブルがありまして……。
森中氏:実は発売日直前に大きめの不具合が発見されて、その対応に急を要していたんです。
――不具合というと、昨日配信されたアップデートにて対処されたものでしょうか。
森中氏:はい、マスターアップ後に出てきた諸々に対応したのがVer.1.01で、直前に発見された不具合に対処したのがVer.1.02となります。この不具合というのがゲーム進行に関わるものであったため、ユーザーの皆さんには本当に申し訳ございませんでした。
――業界話としてはそれなりに聞きますが、実際にあるとゾッとする体験だったのでは?
森中氏&関口氏:その通りです……。
森中氏:ただ、これらの問題を含めても、発売日を迎えることができたことを大変嬉しく思っています。
――私も早速プレイさせていただいています。それでは本題ですが、まずは「討鬼伝2」の簡単なゲーム紹介からお願いします。
森中氏:「討鬼伝2」を含めた「討鬼伝」シリーズは、プレイヤーが特別な力を持つ戦士「モノノフ」となり、仲間とともに巨大な“鬼”を討ち倒す、ハンティングアクションゲームになります。和の世界観をベースに、部位破壊の爽快感、壮大なストーリーが楽しめる作品です。
今回の「討鬼伝2」では新要素としてオープンワールドを採用し、ひとつながりの広大な舞台の中で、より没入感のある体験ができるようになりました。加えて新機能の「鬼ノ手」によって、アクション性もより豪快になっています。
――「討鬼伝2」の企画の立ち上げは、いつ頃のこととなるのでしょう。
森中氏:企画のはじまりは2014年末頃です。ただ、「討鬼伝2」自体は当初から構想していたものでした。我々は2013年に初代「討鬼伝」を発売したときから、「討鬼伝」をシリーズ化していくということに強い気持ちがありましたので。
2013年当時、当社で本格的なハンティングアクションをリリースするのは初の試みでした。1作目「討鬼伝」では、まず他社の展開しているタイトルに追いつくことを目標とし、2作目「討鬼伝 極」では、それらのタイトルに並ぶくらいのボリュームを追加しようと考えました。
そして、ほかのハンティングアクションゲームと肩を並べられる内容にまで成長した次の一歩として、今度は我々なりの新しいハンティングアクションの形を追求すべく、「討鬼伝2」の開発をはじめたんです。
――つまり、ナンバリングタイトルの制作自体は予定通りであったわけですね。しかし、2014年末というと、(2015年4月23日の)PS4版「討鬼伝 極」の近辺であったと記憶しておりますが?
森中氏:「討鬼伝 極」のPS4への移植作業を進めていたときには、既に「討鬼伝2」をPS4で展開することを決定していました。そのため、PS4主導で開発を進める「討鬼伝2」への布石として、PS4版「討鬼伝 極」を通して、開発面での技術向上を図っていた側面があります。
――初代「討鬼伝」から約3年が経ち、ゲームを取り巻く状況も変化しました。PS4版「討鬼伝 極」の開発時期には、既に据え置き機を主軸とすることを目指していたのでしょうか?
森中氏:目指した、とはちょっと違います。ハンティングアクションの源流は、プレイヤーが携帯機を持ち寄り、アドホック通信でワイワイと遊ぶスタイルでしたが、この3年で「インターネットを介して遊びたい」「みんなで集まる時間が無い」という意見が徐々に増えてきました。
我々はこれらの時勢に対応すべく、“インターネット環境下でゲームをプレイできる”ことを重視する考えに至ったのです。そのため、携帯機と据え置き機の対比というよりも、昨今のユーザーの皆さんのプレイスタイルが変化してきたことを踏まえての決断と言えます。
とはいっても、従来のように友人同士で集まってプレイできるよう、PS Vitaのアドホック通信には引き続き対応しています。今回の「討鬼伝2」に関しては、ゲームの方向性の一つに、インターネット環境下での遊びやすさを取り入れたのが特徴となりますね。
――それは、昨今のスマートフォンゲームの繁栄も鑑みてのことでしょうか。
森中氏:それも一つですね、ゲームプレイのスピード感などは特に。最近はじっくりゲームを遊びたいという人に対して、ゲームに長い時間がかけられないという人もいますので。そういった人たちでも手軽に遊べるよう、「討鬼伝2」は従来のシリーズ作品と比べても、ゲーム進行に関してはわりとサクサク進められるようにしています。
――発売を延期した理由を伺っても構いませんか? 私は先行体験会で2ヶ月後の発売日が発表されたとき、驚愕の意味で「早すぎる!」と思ってしまったので、逆に安心したのですが。
森中氏:延期の理由については一つに、PS Vitaのオープンワールド体験版の用意が遅れたことが挙げられます。「討鬼伝」シリーズではこれまで、ユーザーの皆さんにゲームを体験してもらう機会を作り、その意見を吸収して製品版に反映してきました。そのため、PS Vitaユーザーの皆さんから意見をいただける期間が短くなってしまうのは、我々の思うところではなかったんです。
それともう一つ、PS Vitaのパフォーマンスを引き出すことに時間がかかってしまったこともあります。この2点が延期の真相です。
――そういうことだったのですね。あと海外展開についても質問があるのですが、「討鬼伝」のようなコテコテな和風作品は、欧米よりもアジア圏で人気があるのでしょうか?
森中氏:そうなんですよ、意外にもアジア圏で熱烈に応援してもらっています。特に台湾での人気が非常に高く、「討鬼伝」から「討鬼伝 極」から「討鬼伝2」に至るまで、現地では専用のミタマデザインイラストコンテストを開かせていただいているほどです。
どうも、欧米などではゲーム性や技術性を求めるユーザーの皆さんが多いのに対して、アジア圏ではキャラクター性やストーリー性に重きを置くユーザーの皆さんが多いようです。特に「『討鬼伝』シリーズはキャラクターやストーリーが熱い!」と好評をいただいており、嬉しい限りです。
――なるほど、アジア圏では「武侠」などの概念もあって、親和性が高いのかもしれませんね。
森中氏:台湾の方々の中には、コスプレをして発表会にいらしてくださる人もいますよ。
討鬼伝のためのオープンワールド
――今回の目玉のオープンワールド化ですが、ユーザーからの反響はいかがですか。
森中氏:前作までのファンには、新鮮な驚きをもって受け入れてもらえている印象です。特にマホロバの里を出て、マップに飛び出したときの風景や演出にワクワクしたという声が多かったですね。一方で、開発中はオープンワールドという言葉の多様性に悩まされましたが。
――オープンワールドの多様性、といいますと?
森中氏:例えば、海外のAAAタイトルでよく見られる要素は「ゲーム開始と同時にどこでも行ける」「ゲーム中になんでもできる」などです。ユーザーの皆さんの中には“これらの感覚がオープンワールドである”と捉えている方々もいます。そういった方々からは、「討鬼伝2は、オープンワールドじゃない」という意見を受けました。
ただ、我々としてはあくまで「『討鬼伝2』のオープンワールドはこういう形」と考えています。瘴気を晴らして、徐々に行ける場所を増やし、そこで出会う“鬼”と戦ったり、その土地の素材を集めたりと、我々の考えていた落としどころには辿りつけました。
関口氏:オープンワールドという言葉を大々的に売り出しましたが、我々は海外のAAAタイトルのようなオープンワールドを目指したわけではありませんでした。また、そういうシステムの中に「討鬼伝2」を落とし込もうとしたということでもありません。「討鬼伝」から「討鬼伝2」への進化を見せため、あくまで要素の一つとして、オープンワールドにしようと考えていました。
――私は本作の関連記事で度々“「討鬼伝2」は「討鬼伝」のままオープンワールドになったという印象”と書かせていただいておりますので、とても共感しやすいです。
関口氏:開発中は「討鬼伝」ならではのオープンワールドを表現するための方法に、常々気を付けてきました。当初はオープンワールドという言葉を聞いたとき、開発チームの各人でも思い浮かべるゲームやシステムに差異がありましたので。
しかし、迷ったときは「オープンワールドを作るわけじゃなく、『討鬼伝』を作るんだ!」といって、日々の制作を進めてきました。それでも、オープンワールドという言葉の強さには、良くも悪くもいろいろと引っ張られましたが。
――「無双」シリーズなどは、広義で言えば“マップ1枚で諸々を表現”していますので、御社にはオープンワールドに活かせるノウハウがあったと考えていましたが、実際はいかがでしょう。
森中氏:いや、中身でいえば全然違います。私も関口も「真・三國無双」シリーズに携わってきたので分かりますが、「無双」シリーズのフィールドは、やはり“一つの戦場を再現”しているだけなので、戦闘が終わればゲームのシステマチックな部分に戻ります。しかし、「討鬼伝2」に関してはすべてが繋がっていますので、システマチックな部分に戻れる機会が無いんですよ。
言ってしまえば、ゲーム内に逃げ道がないんです。すべてをオープンワールドの中で処理し、それでいてプレイしているユーザーの皆さんが納得できる内容に落とし込まなければいけないので。
関口氏:内部的に、里も戦場も同じ作りにしないといけないため、ゲーム的な処理や状況は限定的にはできませんでした。これが「討鬼伝」にオープンワールドを導入するうえでの最大のネックとなった部分です。従来の根本的なシステムをまるっと作り直すのは大変でした。
――マルチプレイに関しては、従来のMO型(部屋作成などのクローズドな形式)ではなく、MMO型のオープンワールドというのは考えなかったのでしょうか?
関口氏:ある意味、一つの夢ではありました(笑)。インターネットに接続するという遊びを考えたとき、それもアリかなと。ただ、ハンティングアクションは「部屋に集まって4人で遊ぶゲーム」が普遍的です。4人という数字は、「討鬼伝」のゲームバランスの指標でもありますし。
――確かに、ハンティングアクションを意識するなら、4人という数字は分かりやすいですね。
関口氏:「討鬼伝」が培ってきた魅力を表現するのならば、ここは残しておくべきポイントです。ただ、MMO型のアプローチを考えていたときの名残が、新機能である非同期型のマルチプレイ「共同作戦」に繋がっているとも言えます。
森中氏:それにMMO型にするということは、ある意味、完全な別のゲームになることでもありますから。「討鬼伝2」では「討鬼伝」「討鬼伝 極」からの発展を見せたかったですし、仮にもしMMO型のオンラインゲームにしていたら、ファンも困惑していたと思います。
――オープンワールドとなってからの推奨プレイはありますか? 私は目的地までパーッと走り抜ける「ほどよく無視プレイ」をしているのですが。
森中氏:それはそれで全然アリだと思います(笑)。正直、推奨するプレイスタイルがないことが、オープンワールドの楽しみ方かなと考えているので。ユーザーの皆さんに好きなようにプレイしてもらいたいから、今回オープンワールドを導入しているんです。
――内容の面で、オープンワールドにしたことでの苦労はありましたか?
関口氏:一番の苦労でいえば、「瘴気」の設定のことです。瘴気がある場所って、普通の人は暮らせないじゃないですか? その結果、里周辺にしか一般人が置けなくなってしまったんです(※瘴気の中は危険地帯。モノノフですら、一定時間で生命の危機に陥る)。
森中氏:仮に配置してしまったら、「なぜ、この一般人は瘴気の中で平然としているの?」ってなってしまいますからね(笑)。
関口氏:しかし、このままでは瘴気に対しての依頼を出せる人物も、任務の導線も限定的になってしまうということで、本作では新たに「ミタマに依頼を出してもらう」ことにしました。この辺りは工夫した部分であり、苦労した部分でもあります。
――それにちなんで、「討鬼伝2」のストーリーのコンセプトをお聞かせください。
関口氏:はい、これまでのシリーズ作品では、「ここはどこ」「これはいつ」などの時代設定をボヤかしてきましたが、「討鬼伝2」ではゲーム冒頭から「場所は出雲国の近く」「時代は明治」であると明かしています。そして、本作では現実世界の世界観と接続したうえで、この世界の裏側に踏み込むことを決めていました。
――「討鬼伝」の世界の裏側ですか? プレイヤーとしては非常に興味深いところです。
関口氏:最初の「討鬼伝」ではそこがどのような世界なのかを、続編の「討鬼伝 極」ではさらなる背景に少しだけ触れ、新作の「討鬼伝2」ではそれらにもっと突っ込んで「これが、こうだから、こうなっていました」まで踏み込んで描いています。また、続編にするにあたり、舞台の里や登場キャラクターを一新することは決定事項でした。
――前作・前々作のウタカタの里は、マホロバの里と地繋ぎの場所にあるのですよね?
関口氏:ゲームの舞台は「中つ国」というところで、「ウタカタの里」は東の果て、「マホロバの里」は西の果てにあります。中つ国を直線で突っ切れば行ける場所です。
――ストーリーでは「識」の存在が気になっています。このシリーズで悪役らしい悪役が登場するのは珍しいですよね?
関口氏:実は彼は、悪役らしい悪役を出したいというコンセプトから生まれました。最初のインパクトで「コイツが悪役で、コイツを倒すんだ!」というのは大切です。識には、それが一目で分かるような役を担ってもらっています。
ただ、シナリオ等々で気を付けるポイントとして、「討鬼伝」の世界には絶対悪をそのままにして出さず、悪という役割にも出来るかぎり“事情”を含ませるよう心掛けてきました。
――「討鬼伝」シリーズでは、悪役の振る舞いはあれど、嫌になるようなキャラクターや、厭らしさを感じる展開は少ないと感じています。
森中氏:勧善懲悪に見せつつ、実はそれぞれにいろいろな理由がある。そういうところにこだわっています。ここはですね、ぜひエンディングまでプレイもらえるとイイと思います(笑)。
――エンディングまで見ると、彼の諸々が理解できるわけですね?
森中氏:スッキリしますよ。
関口氏:いろいろなことが分かるかと(笑)。
――次はキャラクターの話です。「討鬼伝」の主人公には人格がなく、プレイヤーの分身であり、プレイヤーが没入できる存在として描かれていますが、これには何か理由がありますか?
関口氏:前提として、自身のキャラクターを自由にエディットして遊ぶという、ハンティングアクションのフォーマットに則ったところもありますが、仰るとおりに“プレイヤーの分身である”ことを表現したかったからです。そのため、人格であったり、来歴であったりは、極力持たせないようにしたいと私がリクエストしてきました。
しかし、人格がない透明な存在では、ゲーム内では空気のような扱いになりがちです。ですが、この辺は担当者がうまいこと制作してくれたポイントでして、人格がなくとも“その物語の主人公である”ことが伝わるよう、周囲のキャラクターによる掛け合いなどを積極的に盛り込んでいます。
ここはこれまでも苦心してきた部分ですが、「討鬼伝」のストーリーを描くうえでは、絶対に盛り込まなければならないものとして考えています。
森中氏:キャラクター性を立てずに、物語の中心を仕立てる物語作りって、難しいんですよね。例えば、主人公と登場キャラクターたちとの会話では、男女の性別すらも決めていません。主人公が男性でも女性でも成り立つ作りにしなければいけないので。
――活躍させすぎても、放っておきすぎてもいけない、繊細なバランスが要求されますね。ちなみに、ほかの登場キャラクターは設定ありきですか? それともイラストありきですか?
森中氏:設定ありきです。設定を元に、左さんにイラストを起こしていただきました。
――左氏のイラストを3Dグラフィックにする際の苦労などはありましたか。
関口氏:「討鬼伝」の3Dグラフィックは、2Dイラストを元にフォトリアル寄りで制作しています。2Dの魅力を表現できるトゥーンレンダリングとは違い、若干難しいアプローチです。
今回に関しては、「これまでよりも左さんのイラストの雰囲気をできるだけ出す!」をスローガンに、顔のリテイクについては相当時間をかけました。結果的にうまく魅力が引き出せたのではと思っていますが、ここに至るまでは本当に大変でした……。
森中氏:多分、グウェンが一番時間がかかりました。
関口氏:女性陣は概ねリテイクしましたが、グウェンは何度も作り直しましたね。
――個人的には「八雲」が分かりやすいキャラクターで気に入っています。
関口氏:彼に関してはコンセプトをそのまま形にしたようなものなので、姿形からあのようなキャラクターになるのが必然でした(笑)。
――それと、人物や世界観を含めて気になっているのが、「なぜ、カラクリ人形が登場したのか?」という点です。これについてはいかがでしょうか?
関口氏:カラクリ人形は、この世界の裏側や成り立ちを描くうえでの重要な存在でして、それらを紐解いていくために“カラクリ人形が存在していた文明”の情報が欠かせません。カラクリを作り出す技術のあった世界が、どうして“鬼”に満たされてしまったのか、これがキーとなります。
――“鬼”の裏設定を引き出すための「時継」ということですか?
関口氏:それだけではありませんが、一因ではあります。
森中氏:いまだ公開してはいませんが、“鬼”の存在に関しては、最初から深い裏設定を用意しているんですよ。ぶっちゃけ「○○(※自主規制)」なんですよね。
――それ、言ってしまってよろしいのですか?(笑)
関口氏:言っちゃって大丈夫でしたっけ(笑)。
森中氏:まーまー、そういった要素があるのが、「討鬼伝」シリーズなんですよ(笑)。
関口氏:今回は和風の世界の裏に潜んでいる設定を示唆するものとして、各地に「碑文」が存在しています。これを解明していくと、「討鬼伝」の世界設定の一端に辿りつけると思います。
森中氏:それらの話の核となるのが、登場人物の一人「博士」です。「討鬼伝2」では全体の物語を通して、いろいろな要素が彼女に繋がっていくようにしています。なので、今回のストーリーにおける一番の中心人物は、彼女なんです。
関口氏:「討鬼伝」シリーズでは、こういった設定の断片を直接お出しするわけではなく、ゲーム内のさまざまな場所に散りばめることで、ユーザーの皆さん自身に考察していただけるといいなーと、企画当初から考えてきました。なので、興味を持っていただけると嬉しいですね。
――キャラクターの話から広げますと、「討鬼伝」といえば、仲間NPCがとても強いゲームだと思いますが、前作・前々作よりもAIの強化は図りましたか?
森中氏:単純な強弱ではありませんが、強化は相当しています。
関口氏:武器やタマフリの使い方はこれまでのノウハウがありますが、鬼ノ手やタマフリの新機能に対応するのは大変でした。ただ、「討鬼伝」シリーズではユーザーの皆さんに仲間NPCの動きを見てもらい、「なんだあの動きは?」とか、「ああいう風に動いてみたい」とか、別の武器やスタイルで遊んでもらうための導線も担ってもらいたいので、しっかりと作り込んでいます。
――NPCの動きはお手本にしてもいいということでしょうか?
森中氏:例えば、今回の仲間NPCは戦闘開始と同時に、対象に鬼ノ手で一気に接近します。距離を詰める戦法として優秀ですので、そういうところから真似してみるといいと思います。
――NPCのAIの到達目標はありましたか? 仲間NPCだけで中型“鬼”が倒せるなど。
関口氏:まあ、いけてしまいますよ(笑)。
森中氏:しかし、制作時はそういった目標で設計しているわけではありません。登場キャラクターたちはそれぞれが武器の達人に近しい存在ですので、それに見合う動きをさせたいという思いで作っています。もちろん、NPCだからといって数値を弄るようなことはせず、プレイヤーと同じ土俵で、プレイヤーでもできる動きを突き詰めています。
これは別の場所でも話しているのですが、開発中にゼネラルプロデューサーの小笠原(小笠原賢一氏)からは「今回の鎖鎌(のキャラクター)は、一度飛んだら降りてこないくらいにしてくれ」と指示されまして、AIの担当者は素晴らしい動きを実践できるまで、トコトン追求したというエピソードがあります。だから、強いんです(笑)。
――大型“鬼”についても前々から気になっていることがあるのですが、“鬼”たちの名前って、どなたが考えているのでしょう?
森中氏:武器、防具、素材、“鬼”などの名称は大体、関口が考えています。
関口氏:作業中は森中に「ディレクターがそんなことやってていいのか!」とよく怒られますが。
――そうだったのですね。私では頭を捻っても「アマツミツツカ」や「ダイバタチ」といったネーミングが出てきそうにないので、気になっていたのです。
森中氏:それらすべての命名にはちゃんと意味がありまして、特に“鬼”の名前に関しては確実に意味を持たせています。
関口氏:アマツミツツカに関しては、光を使った攻撃方法や、ストーリーでの用い方がある程度固まっていたので、“天”の“光”を“束”ねるモノとして名付けました。
森中氏:“鬼”を作るときは設定があって、それに対して名前を付けるのですが、ときには制作中にデザインやコンセプトが変化して、まったく別物に仕上がることがあります。そういうとき、私が「じゃあ、この名前のままでいいか」と言っても、関口は「いやいや、その名前では出せない!」と返してきて、名前を変えてくるんですよ。新しいデザインに合わせたものに。
――「討鬼伝2」で名前が変わってしまった“鬼”はいたのでしょうか?
関口氏:今回は「オヌホウコ」を変えています。
森中氏:オヌホウコは元々なんだったっけ?
関口氏:「ヤソインガミ」でしたね。
森中氏:ヤソインガミいたね。すごい変わりましたねよ、アレは。
――オヌホウコにそんな前世の名があったとは。デザイン変更の影響で変えたのですか?
関口氏:デザインというよりも、制作中に当初の設定のコンセプトからだんだん変化していってしまい、どうしても名前が相応しくなくなってしまったからです。
森中氏:関口は元々、当社の「真・三國無双」シリーズであったり、「采配のゆくえ」であったりと、シナリオや設定の制作を得意としていましたので、「討鬼伝」シリーズではその力を十二分に発揮してもらっています。
新たな力「鬼ノ手」、その導入の意図とは?
――続いては「鬼ノ手」が生まれた経緯をお聞かせください。
森中氏:「討鬼伝2」はオープンワールドへの進化と同時に、アクション性の進化も目指しました。これまでも部位破壊の気持ちよさは追求してきましたが、「討鬼伝2」ではより気軽に扱える、直観的な気持ちよさを模索したんです。話し合いの最中に出た「“鬼”を握り倒したり、引きずり回すのはどう?」という発言が原案となります。
――鬼ノ手の仕様は、当初から現在のような挙動だったのでしょうか。
森中氏:いえ、鬼ノ手にはたくさんの紆余曲折がありました。やはり、ゲームを作っていると「あれもしたい」「これもしたい」と、いろいろな発想が出てくるので。当社では開発途中のゲームを社内の各部署で試遊してもらう機会があるのですが、最初のバージョンでは「鬼ノ手の使用前、方向キーで4通りの出し方を選ぶ」という仕様でしたよ。
――4通りの鬼ノ手ですか? ゲーム性が非常に高まってそうですね。
関口氏:形式的には、ミタマでどのタマフリを使うのかを選ぶような感じでした。
森中氏:中には「鬼ノ手がシールドになる」とかもありまして、それらの用途を選択してから、実際に使用するというアクションでした。ただ、社内から「出し方が分かりにくい」「特徴が分かりにくい」といった意見が多く出たので、ここで最初のコンセプトに立ち返ることを決めたんです。
――直観的な気持ちよさ、ですか?
森中氏:ええ、それを表現するために、複雑になる要素はすべて排除して、シンプルに「『掴む』という動作でできること」に絞りました。それが現行の鬼ノ手の原型となります。
――鬼ノ手をぶん回すとか、いろいろな案が挙がったのでしょうね。
関口氏:完全部位破壊アクションである「鬼葬(おにはぶり)」を使ったとき、鬼ノ手が剣の形に変形したりするのは、最初のバージョンでのデザインの名残です。当時は鬼ノ手の形状をさまざまなモノに変形させるようにしていたので。
森中氏:当初は、鬼ノ手で掴んだ“鬼”を引き寄せたりもできましたね。
関口氏:大型“鬼”を掴んで引き寄せられるバージョンでは、使用者は使用中に動けず、相手の位置をずらしたりなどのサポート行動として盛り込んでいました。要素としては面白かったのですが、引っ張る操作自体が面白くありませんでした。共闘では使い道も生まれますが、それを採用することでゲームに“面白くない時間”が生まれるのは避けたかったんです。
森中氏:最終的に鬼ノ手で対象を掴み、掴んだ場所に飛んでいけるようになったことで、戦闘に立体感が生まれたと強く感じています。
関口氏:まあ、それに伴って大きな仕様変更にも繋がってしまったのですが……(笑)。
――大きな仕様変更ですか?
関口氏:鬼ノ手は元々、“鬼”と特定のオブジェクトのみを掴むものでした。ですが、「掴むことを突き詰めるなら、木や崖も掴めるようにしよう!」という意見が出て、鬼ノ手の対象がオープンワールド全体になったんです。そのとき、マップ担当者からは「出来るようには作ってないです!」と言われましたね……(笑)。
これは「討鬼伝2」の開発時における大きな仕様変更の一つで、開発内でも良し悪しが懸念されました。ですが、これに対応したことで、鬼ノ手の使い道は大幅に広がっています。最初のバージョン以降は鬼ノ手でできることを削っていたので、社内からは「鬼ノ手の存在感が薄い」という意見も受けていましたが、結果的にその解消にも繋がっています。
――確かに、鬼ノ手が“鬼”だけにしか使えなかったら、持て余したかもしれません。
関口氏:鬼ノ手は今回の目玉ですので、目の前に大きな困難があったにせよ、「とにかくやってみて、気持ちいいアクションになるまでもっていくのが大事」としたかったんです。
森中氏:従来のシリーズ作品に導入していたとすれば、鬼ノ手の使用用途は戦闘だけでも問題ありませんでした。ですが、鬼ノ手をより自然に世界観に溶け込ませるためには、やはりオープンワールドに配置されたオブジェクトへのアクセスが不可欠です。開発に無理を言って対応してもらったものですが、現場には本当に感謝しています。
――「鬼千切・極」の代わりに導入された完全部位破壊アクション「鬼葬(おにはぶり)」についてはどうですか。
森中氏:初代「討鬼伝」の時から、破壊した部位に応じて“鬼”の動きが変化するギミックはずっと考えていたことです。これまではハードの制約や作り方に問題がありましたが、ようやくハードスペック等々の条件が揃ったので、いよいよ挑戦することにしたんです。
――完全部位破壊は、シリーズ立ち上げの頃からの念願というわけですか。
関口氏:大きな理想を言えば、完全破壊した部位数や場所に応じて、さらに細かくモーションが変化できたらさらに面白いと思いますので、今後の課題として考えていきます。
武器の作り方、意見の踏まえ方
――ここからは新武器「盾剣」「仕込鞭」の生まれた経緯を教えてください。
森中氏:まず「盾剣」についてですが、盾剣ってこれまでの和風の世界観で出てくる武器とは、雰囲気がガラッと違いますよね?
――そうですね、西洋風の武具に分類されると思います。
関口氏:これは新キャラクター「グウェン」の設定と、彼女を作っていく過程で連動して生まれた武器だったんです。新武器で何を作ろうと考えていたとき、盾剣というアイディアが出てきて、これをグウェンに装備させようと決めたのが事のはじまりです。武器としては、扱いやすさを重視したスタンダードなものとして作っています。
――それではもう一方、「仕込鞭」に関してはいかがでしょう?
関口氏:「仕込鞭」はトリッキーな武器を意識しています。当初は「和風の武器ではないのでは?」という話も挙がりましたが、武器構造的に面白い動きができますし、同じ近中距離武器の鎖鎌よりも空中戦がやりやすいようにするなど、差別化も図りました。
また、仕込鞭の制作時は、前述した鬼ノ手の仕様が固まっていない時期でしたので、単体で気軽に空中戦ができるような武器として調整しています。
森中氏:仕込鞭は名前の通り、ただの鞭ではなく、“仕込み”の部分に繊細な作りこみがされています。クナイも飛ばしちゃいますし。そういった部分に和の工夫を感じ取ってみてください。
――2つの新武器が生まれた時期は同発でしたか。
関口氏:いえ、新武器に関しては盾剣が先で、仕込鞭のアイディアが出てくるまでには、それなりに時間がかかりました。
森中氏:ほかにも新武器案はさまざまなものが出ましたが、続編だからといって増やしすぎはよくないです。何より既存の武器もしっかりとバージョンアップをしたかったので。
――既存武器9種に関しては、最初から調整することは決められていましたか。
森中氏:もちろんです。続編では既存の武器を必ず調整して、新しい技を追加すると決めていました。武器関連は純粋なブラッシュアップを目指してきた部分といえます。
――既存武器の新要素は、温めていた案か、新作ということで考えた案か、どちらでしたか?
森中氏:半分半分でしたよね?
関口氏:半分半分ではありましたが、基本的にはユーザーの皆さんからいただいた「この武器なら、もっとこういう動きがしてみたい」などの意見や、開発側がこれまでのシリーズで感じていたフィードバックを元として、全体的に上方修正を施しています。
例えば、「太刀」は居合抜きのような攻撃がしたいという意見から「虎穴(こけつ)」を追加しました。「鎖鎌」は特殊技「瞬迅印(しゅんじんいん)」を使わないと気軽に空中行動ができないことを鑑みて、瞬迅印を廃止し、分銅射出の汎用性を高めています。
これらの査収については、開発に直接いただいた意見のほかにも、ネット上で見られる意見を担当者が精査するなど、ユーザーの皆さんのコメントを総合的に反映しています。
――個人的には、操作が大分複雑になってきたのではと感じています。戦うこと自体は簡単なのですが、技数が多くなってきて、使い分けに苦心している人がいるのではないかと。
森中氏:操作の複雑化に関してはこちらも認識しています。初心者が攻撃の派生表を見たら「えっ、こんなにあるの!?」と感じてしまうかもしれません。が、このゲームでは戦闘中にすべての操作をやる必要はないと考えているんですよね。
自分が一番得意で、やりやすい形で戦ってもらうだけで、大概の“鬼”は倒せます。そのほかの技に関しては、より効率的でカッコいい討伐を目指す際に使ってみてください。あくまで、玄人向けの幅として用意している部分ですので。
――続いて、体験版や体験会で受けた意見にはどのようなものがありましたか。
関口氏:どちらかというと、操作性に関する意見が多く見られました。あとは情報面もですね。オープンワールドになったことで足りなくなる、受け取りづらくなる情報についてのご指摘をたくさんいただけました。
森中氏:それらの意見は、製品版では細かい部分にいろいろと活きています。
――これは盲点だった、みたいな意見はありましたか?
関口氏:オープンワールド体験版に関しては「今後は~~などを改善しなければ」と考えていたところと、ユーザーの皆さんから受けた意見が概ね合致していました。
森中氏:ですが、それを具体的に言っていただけること自体がありがたいんですよ。こちら側がなんとなく感じていることを、ズバッと指摘してもらえると、方向性も明確になるので。
――ユーザーの皆さんの意見が後押しになるわけですか。確かに、「討鬼伝」シリーズはさまざまな場で“ユーザーフィードバックでゲーム内容を詰めていく”と発言されてますよね。
森中氏:そうですね、それは初代「討鬼伝」の頃からずっとやり続けてきたことです。ユーザーの皆さんに遊んでもらえる機会を作り、そこで意見をいただき、それをゲームに反映して、より良い内容に仕上げていくという循環は、今後も崩さずに続けていきたいです。
作り手側が「これはこういうものです!」と提示するやり方もありますが、我々はユーザーの皆さんに「討鬼伝」シリーズを長く遊んでほしいと考えているので、多くの皆さんが気になった点は、できるだけ改善していきたいという思いがあります。
――ちなみに、ハンティングアクションではよく武器間の強弱のバランスが語られていますが、それらは想定していますか? 私はずっと「手甲」最強を唱えていますが(笑)。
森中氏:それはいつも起こることですね(笑)。
関口氏:実際のところはプレイやミタマの組み合わせもありますし、共闘であれば各々の役割も関わってきます。この辺りの試行錯誤をしながら、最強を目指してみてください。
「討鬼伝2 極」の構想は?
――開発中、PS4/PS3/PS Vitaのハード間で苦労したことはありますか。
森中氏:ここは本当に大変でした。「討鬼伝2」は異なるハード間でも一緒に遊べるクロスプレイ対応なので、内容をハード間ですべて統一しなければなりません。PS4のパフォーマンスと、PS3/PS Vitaのパフォーマンスを考慮して作るのは、最後の最後まで苦心してきました。
――今回はPS4をベースに開発がスタートしたのですよね?
森中氏:そうです、「討鬼伝2」はPS4スタートなので、PS3/PS Vitaでいかに動かすのかが課題でした。初代「討鬼伝」のようにPSPから開発をはじめ、PS Vitaにと、ハイスペック機種へのシフトは調整もアッパーにかけられるので比較的容易でしたが、その逆となると苦労の連続です。
関口氏:PS Vitaで広大なオープンワールドを表現し、描画するには中々パフォーマンスを発揮できずで……、最終的に「草を引っこ抜け!」で対処しました。
森中氏:しましたね、PS Vitaで草むしり(※フィールド上のオブジェクトを削除するの意)。この辺りの草はいらないでしょと。しかし、やりすぎるとマップが殺風景になってしまいますし、間違えて木でも抜いてしまったら大事になるので、常に気を配りました。
――草は非接触ですが、木は接触できるオブジェクトだからですか?
森中氏:その通りです。草と違い、木や岩などの判定があるオブジェクトを削ってしまうと、ゲームの挙動が変わってしまいます。これではクロスプレイ時に“異なる状況”ができてしまうので、これらは絶対残しつつ、関係ない部分を省いていくことが、非常に大変でした。
――つまり、ハード間ではビジュアルの仕様は違えど、ゲーム内容は同等なわけですね。
森中氏:まったく一緒です。
――それでは続いては、今後のDLC展開についてお聞かせください。
森中氏:今後は衣装やミタマのほか、シリーズお馴染みの「追加任務集」を定期配信していきます。詳細についてはまだ発表しておりませんが、継続的に配信する計画です。
関口氏:配信スケジュールを作ってみたら、けっこうなボリュームでした。
――「討鬼伝2」では継続的なサポートが行われるのですね。
関口氏:DLCもですが、機能追加・改善のためのパッチも提供していきます。実は9月末頃には大きめのバージョンアップとして、“新しい遊びの要素”を導入しようかと考えているところです。
森中氏:なので、現場では「このゲーム、本当にマスターアップしたの?」って感じるくらい、まだまだ休めていない状況ですよ。
――発売後に一息もつけてないという感じなのですか?
森中氏:発売日に開発で軽い打ち上げはやりましたが、一息はつけてないです(笑)。
関口氏:単純な休みより、気が休まらないという感じですかね(笑)。
――ぶっちゃけた話、“討鬼伝2 極”的な展開は予定されていますか?
森中氏:現時点ではまったくの白紙です。まずは「討鬼伝2」のアップデートやDLCの配信をしっかりと続けていくことを目指します。それに「『討鬼伝2 極』を作る!」と動くのではなく、「討鬼伝2」を遊んでくれたユーザーの皆さんの意見を踏まえ、どのように進化させていくべきかを練っていくことが大切なので、当面は皆さんの反応次第といったところです。
――あまり多くのことは言えないとは思いますが、先日の体験会で発表されましたiOS/Android「討鬼伝 モノノフ」について紹介できることはありますか?
森中氏:「討鬼伝 モノノフ」は、我々「討鬼伝2」の開発チームが作っているわけではありませんが、本作と同様、小笠原の指揮で制作されています。“スマートフォンで爽快な部位破壊アクションを!”という高い目標を掲げていますので、良いモノになると思っています。
――内容的には、ガチなアクションゲームが予定されているのでしょうか?
森中氏:我々もまだ開発段階のゲームしか触れていない状況ですが、かなりのガチ系でした。それに加えて、スマートフォンゲームならではの面白さが加味されています。
――世界観はどうなるのでしょうか。
森中氏:「討鬼伝」シリーズと同じ世界観を共有しています。同時に「討鬼伝 モノノフ」ならではの広がっていく世界にも注目してみてください。
――最近のインタビューでは毎回尋ねているので恐縮ですが、今年のトレンド「VR対応」についてはいかがですか? 「討鬼伝VR」などは?
森中氏:興味はあります(笑)。
関口氏:いろいろとゲームの可能性が広がりますし、ユーザーの皆さんのゲーム体験も劇的に変わるとは思うので、なにか機会があればといったところでしょうか。
森中氏:私は“VRにはVRに合ったゲーム作り”があると思いますので、ゲームをただVRに対応させるのではなく、VRならではのゲームを作る方がより良いと考えています。巡り合わせによっては、新しい「討鬼伝」の形が見えてくるかもしれませんね。
――本日はいろいろと貴重なお話、ありがとうございました。最後に「討鬼伝」を遊んでいるユーザーの皆さんに一言ずつお願いいたします。
関口氏:「討鬼伝」のストーリーや世界観には、まだまだユーザーの皆さんの元にお届けできていない情報がたくさんあります。また、タイトルを作るたびに思うのですが、毎回全力を尽くして作っても、どうしても発売後に「あそこはもっとこうできた……!」という部分を感じてしまいます。今後は「討鬼伝2」のより良いアップデートを探りつつ、「討鬼伝」の世界をより広げていきたいと考えているので、楽しみにしていてください。
森中氏:「ω-Forceの新しい柱になるようなシリーズ作品を作り上げよう!」を目指してスタートしたのが、「討鬼伝」シリーズです。「討鬼伝」から「討鬼伝 極」、そして新たな世界を見せる「討鬼伝2」。スマートフォンアプリでも「クイズバトル討鬼伝」があり、今後は「討鬼伝 モノノフ」が控えていたり、コミカライズにアニメPVもあったりと、「討鬼伝」という世界はどんどんと広がっています。こういった展開を通して、たくさんの皆さんに興味を持っていただけたらとても嬉しいです。