千葉・幕張メッセにて9月15日より開催中の「東京ゲームショウ2016」。コーエーテクモゲームスブースで9月15日に行われた、PS4用ソフト「仁王」のステージをレポートする。
本ステージには「仁王」ゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウ氏、プロデューサーの鯉沼久史氏、そしてディレクターの早矢仕洋介氏、安田文彦氏の4名が登壇。ついに発売日が決定した本作の魅力と、ここまでたどり着いた思いを語った。
「仁王」が最初に発表されたのは2005年のことで、発売まで実に10年以上の時間を費やした。このことについてシブサワ氏は「感慨無量」と語る。もともとはコーエー単体でスタートしたが上手くいかず、そのうちにテクモと経営統合。そしてTeam NINJAと出会い作品を託すが、やはり実現は難しかったと振り返る。その後コーエーとテクモの総力を結集し、三度目の正直としてようやく完成までこぎつけたというのだ。
また鯉沼氏は本来2016年の発売予定だった本作について「今年を超えちゃいましたね」と苦笑い混じりに若干の延期を謝る場面もあった。その一方で全世界同時発売を実現したことには手応えを感じているそうで、「コーエーテクモ史上最大の言語数を見れば、いかに力を入れているかを感じてもらえると思います」と胸を張った。
ここから早矢仕氏によるコンセプトや世界観、システムに関する紹介へ移ると、本作が何度も負けながら打開していく「死にゲー」であるとの説明が入る。「死にゲー」という言葉にはシブサワ氏もこだわっているそうで「だんだんと勝ち方が分かり、何十回も挑戦して勝つ時の達成感は格別」とその魅力を説く。また「もう少しで勝てるのに、崖から落ちてしまうのもまた面白い」とも語っていた。
また鯉沼氏は「戦国無双」シリーズのプロデューサーでもあり、「戦国無双」と「仁王」の違いを世界観の観点から説明してくれた。それによると歴史背景が軸にあり、そのうえでのファンタジーを練りこんだのが「戦国無双」、それに対して外国人の目線で戦国感を表現したのが「仁王」なのだとか。妖怪が出てきたり、歴史上の人物が入れ替わり立ち替わりで登場するのも「仁王」だからこその部分だ。
会場では本作の最新PVも上映されているが、これは安田氏が監修したものとなる。PVの仕上がりについて安田氏は「これまではバトルをフィーチャーしていましたが、今回はストーリーを見せる内容になっています」と語る。そのため新しい武将やヒロインも映像の中には何度も登場している。
また映像の中には謎の男も登場し、ストーリー上の重要人物であることをほのめかしている。安田氏によると謎の男の名前は「ケリー」とのことで、それ以外は一切秘密だとか。主人公・ウィリアムとどんな関係であるかもストーリーの見どころになるという。
続いて安田氏は、TGS 2016で体験できるバージョンとまったく同じものを実際にプレイしてみることに。TGS 2016用のステージは本能寺。本能寺といえば織田信長が襲撃された場所として有名だが、本作の舞台はそれから少しあとの時代であり、寺自体も朽ち果てている。
またステージは常に雪が降っており、出現する妖怪も雪に関連したものが多かった。そのため炎属性の攻撃が非常に有効だと安田氏はアドバイスを送っていた。そのひとつが、ステージの後半で登場する一反木綿だ。一反木綿は白い反物のような姿が一般的だが、「仁王」では妖艶な女性となっている。早矢仕氏は「美しい妖怪の姿にもコーエーテクモらしさがある」とデザイン面に対してコメントしていた。
さて、ここまで安田氏は危なげなくプレイを続けてきたが、シブサワ氏が「この辺の敵はまだまだ弱いからね」と、安田氏を煽るように野次を入れてくる。さらに鯉沼氏まで「かなり慎重に進んでますね」と進行具合に注文をつけてくる始末。安田氏はボスにたどり着きたい一心だったようだが、思わぬところからの口撃に苦笑いを浮かべていた。
とはいえ無事にステージの奥まで到達すると、そこにはボス・雪女の姿が。雪女は足元を氷漬けにしてこちらのスピードを遅くしたりと、厄介な攻撃を仕掛けてくる難敵だ。ここではやはり炎属性が有効なので、ときには装備品を切り替えたり、アイテムを利用したりといった攻撃が重要になるという。このような説明をしながらプレイしていた安田氏だが、雪女をあと一歩のところまで追い詰めながらも落命。惜しくも観客に向けてクリアの瞬間を見せることはできなかった。
最後は登壇者全員が会場と、Web中継を見ていたファンに対して挨拶。その中で早矢仕氏は「自信を持てる形に仕上がってきたので、来年2月を楽しみにお待ちください」とアピールすると、シブサワ氏は「10年を超える開発ができたのは、みなさんの熱い応援があったからこそです」と改めてこれまで見守ってくれたファンに感謝の気持ちを述べていた。