E3 2017で発表された「モンスターハンター:ワールド」が、この8月にドイツで行われたgamescomで初めてプレイアブル出展された。その日本語版に触れる機会を得たので、前後編にわたってプレイレポートをお届けする。

目次
  1. アイテムの役割をシステムに落とし込んだ「環境利用」
  2. 今度のモンスターハンターは「止まらない」!
  3. ダメージ値の表示がもらたす恩恵

既に公開されているPVや、6月20日に配信された実機プレイ生放送からも伺えたが、とにかくこの「モンスターハンター:ワールド」は従来作とは一味も二味も違う。ハンターたちがモンスターと対峙するというシリーズの根幹は変わらないが、そのプレイ内容はガラリと変わっている。そのポイントは2つ、「環境利用」と「動き続ける狩り」である。

基本動作

Lスティック:移動
Rスティック:カメラ操作
○ボタン:アクション/特殊攻撃(近接武器)
×ボタン:しゃがむ
□ボタン:アイテムを使う、納刀
△ボタン:通常攻撃(近接武器)、抜刀
Lスティック+×ボタン:回避行動/ジャンプ(段差時)

L1ボタン:カメラリセット
L1ボタンホールド:体力/スタミナゲージの表示、ミニマップの拡大、カスタムショートカットの表示(Rスティックで選択し、ボタンを離すとアイテムを使用orアクションを実行)
十字ボタン:カスタムショートカットの切り替え

R1ボタン:納刀
R1ボタンホールド+Lスティック:ダッシュ
R2ボタン:抜刀、ガードなどの特別な武器アクション

L2ボタン長押し→R2ボタン:射撃(スリンガー使用時/遠距離武器使用時)

L3ボタン:ダッシュ
R3ボタン:ターゲットロックオン

※オプションで従来のモンスターハンターに近い操作方法に変更することも可能。

アイテムの役割をシステムに落とし込んだ「環境利用」

本作は自然と融和した狩猟が特徴となっているが、その一例が「導蟲(しるべむし)」である。これは、足跡などモンスターの痕跡に触れさせると、そのモンスターの元にハンターを導いてくれる存在だ。

導蟲そのものを強化すれば、モンスターを追うばかりでなく、モンスターの状態を教えてくれたりもする。従来はアイテムやスキルで補っていた部分を、システムに落とし込んだ形だ。これにより、ペイントボール、ペイント弾といったアイテムはなくなった。ペイントボールを何度も投げなくていいし、モンスターを見失うこともない。

狩りをする上で、モンスターに直接影響を及ぼす「環境利用」もある。PVにもあったように、原生しているツタでモンスターの動きを封じたり、茂みに身を隠して武器を研いだり、はたまた水流をせき止めている場所を爆破してモンスターを奔波(ほんぱ)に巻き込んだり。

まだまだある。樹に引っかかっている巨石を撃ち落としたり、刺激を与えると麻痺するガスを吐き出すカエルを利用して痺れさせたり、他のモンスターがいる場所におびき寄せてモンスター同士を争わせたりすることもできる。

さらに、ハンターが標準装備している「スリンガー」ではじけクルミをモンスターに当てて、ひるませることも可能。スリンガーで撃ち出せるアイテムは他にも多々存在し、ともすればムダになりがちだったアイテムも有効活用できる。

今回プレイしたフィールドは1種類だけだったにもかかわらず、自然に存在するこれだけのものが狩りの助けになった。フィールド上にあるものが使えるので、あれこれとアイテムを用意する手間も省けるのがうれしい。

また、「モンスターハンターの世界観」という観点で見れば、ハンターの領域にモンスターを引き込むのではなく、モンスターの領域にハンターが踏み込んでいく、よりスリリングな感覚が味わえた。ツタを使うにしろ、モンスター同士の争いを間近で見守るにしろ、そこには常に「自然」が感じられるのだ。

今度のモンスターハンターは「止まらない」!

この“自然と融和した狩り”も十分驚くに値するが、実際にプレイしてみると「動きを止めない狩り」のほうがエポックメイキングに感じられた。

実機プレイの生放送でも披露されたが、本作では回復薬やこんがり肉といったアイテムを、歩きながら摂取できる。苛烈な攻撃を仕掛けてくるモンスターを相手にした際、これは本当にありがたい。調合アイテムを自動調合に設定しておけば、該当するアイテムが揃い次第、オートで調合もしてくれる。

また、草・キノコ系アイテムや虫などの採取ポイントでは、通過時に○ボタンを押すだけで採取することが可能。あちこち走り回りながらアイテムを集められるので、採取にかかる時間は大幅に短縮される。

これまでのハンターたちは、採取したり、回復薬を飲んだりするたびに何かと足を止めてきた。それが狩りをする上での緊張感を演出する一要素にもなってはいたのだが、これを取り除くことで、本作は従来作以上に「狩りのしやすさ」が増した印象だ。抜刀状態からダッシュすると、自動で納刀した時にはビックリした。

狩りのしやすさはアイテム周りに限らない。既報通り、本作ではフィールド上にある「キャンプ」で、クエスト中でも武器・防具を自由に変更できる。防具に剣士・ガンナーの区別がなくなり、武器に特性があるのが大きな変更点だ。近接武器には物理ダメージ軽減が、遠距離武器には属性ダメージ軽減といった特性に分けられているようだ。

また、このキャンプでは食事をすることもできる。メニューで得られる効果が変わるのは従来通りだが、一定時間が経過すると食事をしなおすことも可能。「食事せずにクエストに出ちゃった!」なんてことはおさらばだ。ちなみに料理はめちゃくちゃおいしそうでした。

本作には、この「食事」にまつわる新システム「かまど焼き」というものが実装されている。採取したキノコから切断したモンスターの尻尾まで(!)、さまざまなものを焼くことができるそうだが、それがどんな効果を及ぼすのかは明かされていない。これは続報を待ちたい。

クエスト開始前・開始後の区別こそあるものの、武器の変更や食事の可不可などといった部分は、フィールド同様にかなりシームレスになっている。「武器選択→アイテム整理→食事→出発」と、良くも悪くも定型化していた狩りの流れを気にせずともよくなった。ハック&スラッシュの要素をもちつつ、こうした制約がクリアになったのは、「モンスターハンター」として大きな進歩なのではないだろうか。

ダメージ値の表示がもらたす恩恵

前編の最後に、派手でこそないが大きな変更点である、ダメージ値の表示に触れておこう。ダメージ量がわかるのはシリーズで初のことだが、これが思ったよりうるさくない――というより、あったほうが良いと感じたほどだ。

というのも、どの攻撃アクションでどれくらいのダメージを与えられたのか、自分が弱点にきちんと攻撃できているのかが、ダメージ値の表示によって非常によくわかるようになったのである。

特にガンナーは、直接攻撃する剣士に比べると手ごたえが感じにくく、効果的なダメージが与えられているのか少々わかりづらかったのだが、ダメージが可視化されたことで自分のプレイぶりがちゃんと把握できるように。例えば貫通弾ひとつにしても、どの角度から狙えばどれだけダメージが入るのか、きちんと目で見ることができる。ダメージ表示によって、ガンナーの印象がガラリと変わるはず。機会があれば、TGSなどでぜひ触れてみていただきたい。

後編では、今回の試遊で使った武器5種類の新アクションと、本作のプロデューサー・辻本良三氏、エグゼクティブ・ディレクター兼アートディレクター・藤岡要氏、ディレクター・徳田優也氏への質疑応答の模様を紹介する。

「モンスターハンター:ワールド」プレイレポート(後編)

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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