ゲームフリークが手掛ける、2026年8月4日に発売予定のPS5/XBOX Series X|S/PC(Steam/Windows)向けアクションRPG「Beast of Reincarnation」のプレイレポートをお届けする。
本作は“一人と一匹のアクションRPG”と銘打たれており、現代から2000年後の文明が崩壊した日本で、“穢れ人”と呼ばれるエマと、相棒となる腐食犬・クゥのコンビネーションを活かした探索・バトルを通してストーリーが進展されていく。パブリッシャーはFictionsで、XBOXとWindowsではGame Passに初日から対応。PS5向けパッケージ版の国内販売はハピネットが担当する。
このたび、ディレクターの古島康太氏(ゲームフリーク所属)によるトークセッションを交えたプレイイベントにて、本作を3時間ほどプレイすることができた。この記事では、そこから筆者が受け取った所感について書いていくので、本作が気になっている人に参考にしていただけたら幸いだ。
なお、プレイしたのはPC版だ。また、ゲームは開発中のバージョンにつき、製品版とは仕様が異なる可能性がある。

古今のさまざまな創作物のエッセンスが渾然一体となり、総合的には独自の色に
「Beast of Reincarnation」の舞台となる“4026年の日本”では、我々の文明は滅んで久しく、自然が世界を覆う中で、人々は人工生命体のゴーレムとともに、高度なテクノロジーと原始的な生活様式が混ざりあった生活を営んでいる。そんな生活もまた、あらゆる生物を蝕み、“腐蝕体”に変えてしまう“穢れ”の蔓延によって崩壊を迎えようとしていた。
エマは“穢れ人”として周囲の人々から疎まれてきたが、その身体に腐蝕体の力を取り込むことができるため、この力を使って穢れの元凶である“輪廻の獣”を討伐する任を命じられる。そして、ある出来事を切っ掛けに同じく“穢れ”に犯された存在であるクゥと行動をともにするようになり、“一人と一匹”は旅をすることになるのだ。


本作に実際に触れてみて最も感銘を受けたのは、そのゲームプレイ及びアートスタイルのバランス感覚だ。
身も蓋もない言い方をすれば「ニーア オートマタ meets SEKIRO meets もののけ姫」みたいなことを言えなくもないのだが、古今の創作物のさまざまなエッセンスが渾然一体となったような作品世界は、総合的に何物とも違った調和のもと成り立っている。ゲームプレイもまた、そうしたバランスを最大限に活かすべく要素の取捨選択が行われているような印象を受けた。


既出の情報でもたびたび言及されてきた通り、本作は古島氏を中心に「世界観やキャラクター、ゲームデザインも決めずに、そのゲームから得られる感覚を己に問い掛ける」ところから生まれたタイトルだという。
これまでゲームフリークの新規タイトル開発制度“ギアプロジェクト”から生まれたタイトルは、ソリティア×競馬な「ソリティ馬」や、瓦礫や鉄屑の再構築がステージ攻略とバトルのカギを握る「GIGA WRECKER」など、“ゲームプレイのアイデア”が核にあるようなものが多かったが、本作の構成要素は“胸中にあるイメージから膨らませた世界をゲーム化するうえでの最適解”を突き詰めた結果と言えるのかもしれない。
グラフィックのハイエンドな美しさから“ゲームフリークのAAA級タイトル”のような形容をされがちな本作だが、映像表現もあくまで「イメージを実現する上でベストな様式」が今回はフォトリアルなものだったというのが因果としては正しい模様。その内実は、おそらく世界でメガヒットを飛ばすべく莫大なバジェットで作られたゲームのような、「すべてにおいて最高品質な体験を提供する」タイプのタイトル“ではない”。

これは「だから期待のハードルを下げるべきだ」と言いたいわけではなく、“プレイヤーに見せたいこと、感じてほしいこと”の焦点を絞り、そこに最大限注力することにより、「Beast of Reincarnation」で味わえる体験は、エッジの効いたユニークなものになるであろうということだ。
覚えることは少なくないが、習得するたび極めて大きなフィードバックが待っている
プレイイベントで体験できたのは、章仕立てになっている本作のチャプター1が終了するところまで。エマとクゥの旅路は、現在の関東から京都あたりを目指すようなロードムービーをイメージしたものになるという。
探索できるフィールドは、すべてがひと繋がりになったいわゆる“オープンワールド”ではなく、チャプターが切り替わってストーリーが進展することで、それまでとは別のフィールドが探索可能になるという構造になっているとのこと。ストーリーが進むにつれて西へ西へと向かっていくため、それ以前まで探索できたフィールドをまた探索し直すことはできない。ストーリーが進むと時間の経過によって季節も移ろいゆくということで、世界を覆う自然は、多様な表情を見せてくれそうだ。


それでいて、チャプター1で探索できたフィールドだけでもなかなか広大なものになっており、ストーリー攻略上必ず訪れる場所以外もかなり作り込まれていた。穢れにより暴走したゴーレムや獣が点在しているのだが、好奇心の赴くまま駆け回っていると、かなりの強敵に出会うことも。
倒されてしまっても、チェックポイントの“野営地”に戻されるだけで、ほかにペナルティは無い模様。敵を倒せば手に入る経験値が貯まればレベルアップでエマとクゥそれぞれが強くなっていくし、素材やポイントを集めて武器・装備の強化やスキルツリーの習得も出来るので、アクションの腕にそこまで自信がない人ほど、いろいろと試してみるのがいいかもしれない。

バトルで最も大きな比重を占めているのは、刀による斬撃と、敵の攻撃にタイミングを合わせて防御を入力することで発動するパリィだった。クゥは独自の判断で共闘してくれる状況もあるが、最大の特徴は任意のタイミングで使用できるコマンド技(開花技)。クゥの開花技を使用するには、パリィの成功で得られるポイントを消費する必要がある。本作ならではのバトルを最大限楽しむためにも、やはりまずはパリィに慣れるのが最重要だ。
とはいえ、パリィの入力判定は緩めであり、プレイした範囲では敵の攻撃モーションも素直なものばかりだったので、タイミングを掴むのはかなり容易な部類と言える。また、パリィ成功とはいかずとも、攻撃を受ける前に防御ボタンを押しておけば、ガードが崩されない間は身を守れるので、攻撃のタイミングを掴み切れないうちはパリィだけに固執しなくても大丈夫だ。このあたりは、決して高難度を売りにしたタイトルに類する難しさのゲームではない。


各種操作は、実戦の中で丁寧なチュートリアルが差し込まれることで、ひとつひとつ慣れていくことになる。最終的に使うボタンは決して少ないとは言えないが、同系統の3Dアクションゲームをいくつかプレイしている人ならば、「このボタンを押せばこういうアクションが出るはず」という感覚に従うだけで、大部分のアクションを直感的に扱えるだろう。
逆に、こうした3Dアクションゲームに慣れておらず、この手の操作系にゼロから向き合う場合、自在にエマを操作できるようになるまでは、それなりの苦労が伴うかもしれない。3段階の難易度や、成長要素により時間を掛ければ攻略が楽になるゲームサイクルが採用されているとはいえ、この点はちょっと覚悟しておいたほうがいいかもしれない。
そうは言いつつ、もうひとつお伝えしたいのは、本作が「ひとつひとつのアクションを上手くこなせるようになるたびに得られるフィードバックがいずれも極めて大きく、爽快である」ということ。アクションの成功によって反映される画面演出と効果音、そしてゲーム上での恩恵は、いずれも外連味が強く、なおかつハイテンポだ。


たとえば、パリィを連続で成功させて敵のダウンゲージを満たせば、一撃で撃破できる必殺攻撃を放つことができ、その演出も実に爽快。クゥの開花技の選択中は、時間の流れがとても遅くなるので、激しい戦闘の最中でも落ち着いて思考ができるし、入力時にタイミング良くボタンを押せば敵への攻撃だけでなくエマの体力も回復できるので、ピンチのときほど打開のチャンスになる。
筆者の場合、要所での戦闘では何度か倒されてしまったが、上記のような調整のおかげで短時間で上達の実感をたくさん享受出来た。ひとつひとつしっかり習得していけば、それぞれがより良い相互作用を生み出すゲームプレイにどんどん夢中になれるはずだ。
NPC史上最高の相棒になるポテンシャルを持ったクゥ
探索とバトルの双方にまたがる要素としては、敵に見つかっていない状態で繰り出せる“暗殺”も多用することになるアクションだ。敵の頭上から、しゃがみ歩きで背後から、遠距離武器で遠くから、クゥに奇襲させるなどなど、状況に合わせた暗殺方法が用意されている。
エマはジャンプボタンを長押しすることで“穢れ髪”を蔓(つる)のように伸ばし、足場にして移動出来るのだが、この髪の伸びる方向が“前方斜め上”であるのが肝。高所にある足場にたどり着くために活用できるだけでなく、少し離れた場所にいる敵に対して、強引に頭上からの暗殺に持ち込むことが出来るのだ。


ほかにも、特定のアイコンが表示されるポイントでは、髪を鉤爪のように引っ掛けて跳躍することが出来るのだが、この跳躍を受け付ける距離は、横にも縦にも“想像の3倍くらい届く”と思ってほしい(「そんな感覚、人それぞれでは?」と感じるかもしれないが、近いアクションをイメージできる人であれば、きっとプレイしたとき同じくらいの感覚だと思うはずだ)。
前方斜め上へ“穢れ髪”を伸ばすことによる移動と、特定のポイントでの跳躍。さらにエマ自身の走る速度もかなり速く、スタミナなどの概念もないため、移動はまさに縦横無尽でストレスフリーだ。これらを駆使して広大なフィールドを駆け回り、バトルやアイテム・素材の収集をしていく手触りが、本作は非常に良好だった。

ゲームが進むと、野営地からブラッドとカグラが帰りを待つ二足歩行の乗り物、“浄化船”へと帰還できるようになった。ここでは野営地と同様の機能以外に、食料を栽培したり、エマの能力にバフを掛ける料理をカグラに作ってもらったり、クゥやカグラとの交流により親密度を上げたりすることができる。
ゲーム開始時点では、エマには心(感情)も、かつての記憶もなく、まともなコミュニケーションが取れるのはエマにしか見えない霊体の少女・ヴァイオレットだけだ。
しかし、クゥやカグラとの交流、ブラッドの助言などにより、このあたりは少しずつ変化していくのかもしれない。エマが長い旅路を通してどんなことを感じるようになるのか? ストーリーについては、このあたりが個人的に注目ポイントだ。チャプター1のラストを踏まえると、ほかにもいろいろな“仕掛け”が用意されていそうで、先が気になる作り。



ちなみに、各キャラクターの性格付けは割とアニメ的なデフォルメが効いており、グラフィックのリアルさからリアリティの高いやりとりを期待すると、少々イメージとはズレるかもしれない。普段から二次元的なリアリティラインに慣れている人ならば、問題なく作品世界に没入できることだろう。
まとめると、「Beast of Reincarnation」は作品世界に心を惹かれたのであれば、その魅力を最大限に引き出すために焦点を絞ったゲームプレイやストーリーに魅了され続ける、大いにプレイの価値ある作品になりそうだ。プレイヤーによって任意のタイミングで連携が取れるクゥは、NPC史上でも最も愛着が湧く相棒のうちの“一匹”になるかもしれない。

ゲームプレイの面で言えば、「ハイエンドなグラフィックで構築された美しい世界を駆け回る楽しさと、歯ごたえや達成感を適度に感じたいが、過度な努力が要求されるほど苛烈な体験がしたいわけではない」くらいのニーズを持っている人がプレイすれば、ほかに換えが効かないほどフィットするゲームになるのではないかと思う。もちろんハードモードでプレイすれば、高難度ゲームに匹敵する歯ごたえを楽しむこともできるだろう。
今回プレイできたのはチャプター1だけなので、育成要素やスキルツリーによるゲームプレイの広がりについては断定できることがあまりなかったが、このあたりについては製品版で確かめるのを楽しみにしたい。

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※画面は開発中のものです。
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