ヤマハは、VRコンテンツなどとの相性に優れた立体音響技術「ViReal(バイリアル)」による3Dヘッドホン再生技術の本格提供を2018年1月より開始、これに先立ちカプコンの「バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション」および「モンスターハンター:ワールド」で本技術が採用されたと発表した。
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昨今、「VR」(Virtual Reality)を用いた映像コンテンツが注目を集めています。全方位に投影される映像は、実際にその場にいるかのような没入感をユーザーに与え、大きな驚きと新鮮な感動を提供しています。
こうした“視る”VRに対して、「ViReal」は、ヤマハが提案する“聴く”VRを実現する技術の1つです。私たちが普段、何気なく聴いている音はさまざまな方向から聴こえてきます。足音は足下から、傘に当たる雨粒の音は頭上から聴こえます。「ViReal」は、こうした前後・上下・左右、あらゆる方向から聴こえてくる音をヘッドホン(イヤホン)・スピーカーでも再現することができる技術です。
また、「再生」のみならず独自のマイクテクノロジーとサウンドエンジンによって立体音響の「収録」「制作」についても総合的にサポートします。その活用方法はさまざまで、例えば VR 映像に活用することで映像と音、双方から圧倒的な没入感を実現したり、ビデオ会議に活用して遠隔地にいる相手が同席しているかのような空気感を再現したり、音楽データに活用してライブ会場の臨場感を再現したりするなどが考えられます。
これまで「ViReal」は、一部のコンテンツに対してのみ試験的に技術提供を行ってきましたが、さらに体制を強化し、「ViReal」を構成する技術の一部である3D ヘッドホン再生技術「ViReal Headphone」の外部提供を2018年1月より本格的に開始します。
「ViReal」について
360°の音を扱う立体音響は、従来とは異なる収録、編集、再生方法が必要となります。「ViReal」は、それぞれに対応した4つの独自のテクノロジーで構成されます。
あらゆる方向の音を方向情報を保ったまま一度に64chで録音する「ViReal Mic」、立体音響のままのミキシング・加工に対応し、音素材を空間に自由に配置してミキシングできる「ViReal Sound Engine」、任意の数のスピーカーを自由度をもって配置し、極めてリアルな音空間を再現する「ViReal Speakers」、そして2018年1月より提供を開始する3D ヘッドホン再生技術「ViReal Headphone」が充実の立体音響効果を実現します。
3D ヘッドホン再生技術「ViReal Headphone」詳細(2018年1月より提供開始)
人は左右の耳に入るわずかな音の違いを聞き分けて方向を判断し、音を立体的に捉えています。
「ViReal Headphone」は、左右の耳に入る音を機械的に制御することでヘッドホン・イヤホンでも立体的な音響効果を再現します。
約100人もの人間の耳・頭部の形状を独自に収集、解析、学習することで独自の頭部伝達関数を開発。あらゆる方向への滑らかな音源移動による圧倒的な立体サウンドを実現できます。
サンプル音声:http://bit.ly/2fBJXHl
通常は足元から聴こえる足音が、回りながら自分の頭に近づいてきて遠ざかります。ヘッドホン・イヤホンでお楽しみください。
「バイオハザード」「モンスターハンター」最新タイトルでの先行採用について
2018年1月からの本格提供に先立ち、カプコンが12月14日に発売予定のゲームソフト「バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション」(PS®4/Xbox One/PC用)、2018年1月26日に発売予定の「モンスターハンター:ワールド」(PS®4用)で、「ViReal Headphone」が先行採用されます。「ViReal」の高品質な立体音響がこれまでにない臨場感と没入感を”音”の面からも提供します。「モンスターハンター:ワールド」については、9月21日から9月24日(一般公開日:9月23日、9月24日)にかけて幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ 2017」のカプコンブースにて体験できます。各ゲームタイトルの詳細についてはカプコンの公式サイトをご覧ください。