千葉・幕張メッセにて9月21日より開催中の「東京ゲームショウ2017」。そのディースリー・パブリッシャーブースにて試遊可能となっていた「地球防衛軍5」、「地球防衛軍4.1 ウイングダイバー・ザ・シューター」、「EARTH DEFENSE FORCE:IRON RAIN」の3タイトルのプレイレポートをお届けする。
目次
「地球防衛軍5」は、プレイヤーの成長と、隊員達との絆を感じられるストーリー面が大きく進化
「地球防衛軍」は、ディースリー・パブリッシャーから発売されているTPS。プレイヤーは地球を守る防衛隊の一員となり、地球侵攻を目論む昆虫型を中心としたエイリアン達との激闘が描かれるシリーズで、「地球防衛軍5」はその最新作となる。
「地球防衛軍」の特徴でもある、マップを覆い尽くさんばかりに出現する大量の敵を簡単操作で蹴散らし、エリアに存在するほとんど全てのオブジェクトを破壊することができるといった要素は本作でももちろん健在。挑戦したいクエストと難易度を選択し、敵を倒した際にドロップする、アーマーやウェポンといったアイテムを回収し、プレイヤーを強化していくという基本的なゲームの流れも、これまでのシリーズと同様だ。
プレイヤーが操作可能なキャラクターは、オーソドックスな歩兵である「レンジャー」、飛行が可能な「ウイングダイバー」、重装備による高い火力と防御力を誇る「フェンサー」、友軍の支援を要請し、戦況を一変させる「エアレイダー」の4種類の兵科に分かれており、それぞれに操作方法や性能がまったく異なる。今回は、もっとも使い慣れた兵種である「レンジャー」を選択した。
オーソドックスなTPSに近いレンジャーの使用感は、これまでのシリーズ作品とほぼ同様で地面を側転している間無敵状態となる「緊急回避」のアクションを立ち回りの軸に、エイリアン達の攻撃を凌いでいくことになる。
「4」からの変更点として、スティックを押し込むことでダッシュを行うことが可能となった点が挙げられる。「地球防衛軍」シリーズといえば、戦闘マップの広大さの割にキャラクターの移動速度が遅く(乗り物などに乗って補うこともできる)、レンジャーは緊急回避を連打してマップを移動するのが一種のお約束にもなっていたが、これにより緊急回避を連打することなく、早い速度での移動することが可能となった。
ただし、ダッシュ中は攻撃や緊急回避などのアクションが咄嗟に行えなくなる上、加速が始まるまでに独特の間があり、小回りも効きにくい。そのため、戦闘中に咄嗟に敵に近づかれた際、敵との距離を取り直すなどの用途としては使いにくく、あくまで「移動用」だという印象を受けた。
加えてレンジャーは、これまでマップ内に配置されていた軍用バイク「フリージャー1」を、敵を倒してゲージ貯めていくことで、どのミッションでも任意のタイミングに呼び出すことも可能となった。ちょっとした段差に引っかかると転倒したりと、操作性にクセはあるものの、前述したダッシュと合わせて、機動力が大幅に上昇したと言えるだろう。
ストーリー上の他の隊員たちの掛け合いが大幅に増加した点も、印象が変わった部分として挙げられる。EDFに入隊したばかりの主人公が、様々な戦場を経験して一人前になっていくというストーリー部分も見所で、「よくやった、ルーキー!」など、敵を倒していくと周囲から賞賛が上がり、まさに物語の主人公になった気分を味わえる。
基地内に侵入したエイリアンを撃退する最初のミッションでは、隊長の背中を追いかけて基地内を移動する、アクションアドベンチャーゲームのような展開もあり、出現する敵をひたすら倒していくだけに留まらない、ストーリー面が大きく進化しているように感じられた。
その他にも、TGS 2017では、新登場する巨大ロボ「バルガ」や、シリーズ初の人型エイリアンとなる「コスモノーツ」らが登場するミッションも体験可能。とても一度では遊びきることができない、ボリューム万点の試遊内容となっていた。
「地球防衛軍4.1 ウイングダイバー・ザ・シューター」は、カジュアルな操作性と「地球防衛軍」らしさを両立
一方、「地球防衛軍4.1 ウイングダイバー・ザ・シューター」は、「地球防衛軍4」の 初のスピンアウト作品となる縦スクロール型3Dシューティングゲーム。「地球防衛軍4.1」の世界観をベースに新たに作られた、マザーシップ撃墜作戦の裏側で起こったアナザーストーリーが、女性のみの特殊部隊である「降下翼兵ウイングダイバー」の視点から描かれる。
本作の特徴は、なんといっても画面を覆い尽くさんばかりに出現する異世界生命「フォーリナー」が繰り出す熾烈な攻撃の数々。本作の敵となるフォーリナーたちは、とにかくその物量が凄まじく、プレイヤーは自身に向かって浴びせかけられる大量の攻撃をかいくぐりつつ、迫る敵を倒していくという、「弾幕系」とも呼ばれるジャンルのシューティングゲームに近いプレイ感覚となっている。
縦スクロールシューティングということで、スティックでの上下左右の移動、2種類まで携帯可能な武器の切り替え、射撃を行う攻撃ボタンと、操作方法はかなりシンプルでわかりやすくなった。
本作ならではの要素となるのが、画面左端に表示されるエネルギーゲージを消費する代わりに、一定時間無敵状態をまといながら高速移動する「ブースト」と呼ばれるアクションが可能となっていることだ。本作では敵の攻撃が凄まじいため、位置取りによっては攻撃を避けられる場所が完全になくなってしまう状況が発生することもあるのだが、その際にはこのブーストを使用することで、ダメージを受けることなく敵の攻撃をくぐり抜けることができる。
こうした緊急回避手段は、他の弾幕系シューティングゲームでも何らかの形で実装されていることが多いが、本作のブーストには一定量のエネルギーゲージを消費する以外のデメリットはなく、連続使用も可能となっているため、結構な頻度で使用できる。
個人的に、弾幕シューティングの楽しさの肝は、一見避けるのが不可能に思えるほどの攻撃を凌ぎきった時の「俺スゲェ!」という達成感と爽快感にあると考えているのだが、このブーストはまさにそれを体感させてくれるような作りとなっている。そのため、特に弾幕系シューティングにあまり触ったことないプレイヤーにその楽しさを味わってもらえる要素として、非常に優れたシステムだと感じられた。
本編シリーズと同様に、敵を倒していくと様々なアイテムを入手することもでき、シリーズお馴染みの武器も登場。ウイングダイバーを代表する武器である、拡散する照射ビームを放つ「レイピア」なら、高い攻撃力をもつ反面、射程が短くエネルギーゲージを大きく消費するデメリットがあり、調子に乗って撃ちすぎると、肝心なところでブーストが使えなくなってしまう……といった、本編に近い使い勝手が再現されており、「地球防衛軍」シリーズを遊んでいるという感覚をしっかりと味わえる。
ここまで解説した通り、システム自体はかなりカジュアルなのだが、ゲームとしてはなかなか歯ごたえのある難易度となっており、難易度ノーマルで挑んだ一回目の挑戦では、最後に出現する巨大な蜘蛛型のボスの攻撃の前に破れ、ゲームオーバーとなってしまった。
やはり弾幕系シューティングでは、敵の攻撃パターンを把握しておくことが重要で、相手の攻撃の安全地帯を冷静に見極めてからの攻撃を徹底した2回目の挑戦では、無事クリアすることができた。ブーストはかなり強力な回避手段ではあるのだが、それを適当に使っているだけではクリアできない、しっかりとした歯ごたえも用意されている。
「EARTH DEFENSE FORCE:IRON RAIN」では、新アクション「エナジームーブ」により大きくゲーム性が変化
最後に紹介するのが、従来のナンバリング「地球防衛軍」シリーズとは一線を画した世界観で展開される、「もう一つのEDF」とも言える「EARTH DEFENSE FORCE:IRON RAIN」。19日の「2017 PlayStation Press Conference in Japan」で発表されたばかりのタイトルだが、早くもプレイアブルの状態で出展が行われている。
ミッションを選択し、大量に押し寄せる昆虫型のエイリアンを、重火器を使って次々となぎ倒していくという基本的な流れは本作でも同様。操作性も本編シリーズを踏襲しているため、シリーズの経験者ならすんなりとゲームに入ることができる。
本編シリーズと同様に異なる性能をもつ兵科が用意されており、今回プレイ可能となっていたのは「トルーパー」と「ジェットリフター」の2種類。それぞれの兵科ごとに性別の切り替えも可能で、アサルトライフル、ショットガン、スナイパーライフルといったお馴染みの武器を2つまで持っていき、戦闘中に自由に切替えることができ。
まず「トルーパー」は、オーソドックスで扱いやすい「レンジャー」に相当する兵科。最大の違いは、レンジャーにとっての命とも言えた緊急回避がなくなったことで、代わりに、任意の方向に素早くステップするような動きを行う新アクション「エナジームーブ」が可能となった。
このエナジームーブは、これまでの緊急回避の上位互換にあたるような性能をしており、キャラクターの向きを変えることなく、そのままスライドするような動きで大きく移動することができるのが特徴。中でも後ろ方向に大きくステップする動きは、瞬時に敵との距離を離すことができるため使い勝手が抜群で、ロケットランチャーなどの爆風で自身を巻き込んでしまう可能性のある武器を使用する際に非常に役立ってくれた。ジャンプなどで空中に上がった状態でも使用でき、その際は地上で使用した時とは異なる、斜め方向に落下しながら移動するような動きとなる。
ただしその使用には、画面右端に表示されているゲージを消費する必要がある。ゲージは時間経過と共に自然に回復していくのだが、ゲージを一度使い切ってしまうと使用することができなくなる上、回復するまでに多くの時間が掛かってしまう。これまでの緊急回避のような感覚で使っていくと瞬く間にゲージを使い切ってしまうので、立ち回りの基本が本編シリーズとは大きく異なってくる。
また、スティックを押し込むことでスプリント(ダッシュ)を行い、素早く移動することも可能。「地球防衛軍5」のレンジャーにもダッシュは追加されているが、こちらは一般的なTPSでのダッシュと同様に、加速がすぐに始まり、小回りも通常移動と同様に効くため、戦闘の立ち回りの中にも積極的に入れていくことができ、かなり重要度の高いアクションとなっている。緊急回避の分を、エナジームーブとスプリントを使って補っていくという形になりそうだ。
一方の「ジェットリフター」は、従来の「ウイングダイバー」に相当する兵科。こちらのエナジームーブは、ゲージを消費している間空中を自由に飛行することができるというもので、ほぼ本編と同じ感覚で操作できる。空中へと飛び上がるまでの間がかなり短く、ちょっとしたジャンプのような形で使うこともできる。
大きく変わったのは武器面で、トルーパーと同じ武器を使えるようになった。「地球防衛軍」シリーズでは飛行系の兵科の武器はエネルギーを消費する形式で、飛行で消費するエネルギーとの兼ね合いに頭を悩ませることになっていたのだが、本作のジェットリフターの武器は武器ごとに設定された弾数で管理されている。トルーパーとの使用感の違いで戸惑うといったこともなくなり、全体的にマイルドで動かしやすくなった印象を受けた。
共通した要素として、左右のスティックを押し込むことで、「オーバードライブ」と呼ばれるパワーアップ状態に突入することもできる。使用中は、エナジームーブが一切減少しなくなることに加え、武器のリロードや全体的な動作が高速化されるため、 ただし一つのミッションで1回きりしか発動できない、文字通りプレイヤーにとっての「切り札」的な要素となっている。
エナジームーブは、プレイヤーが何らかの攻撃を受けてダウンしてしまった際に、やられモーションをキャンセルして次の行動に移ることができるといった性質もあり、「地球防衛軍」シリーズと比べると、全体的にアクションがキビキビとして隙が少なく、ゲームのテンポがよりスピーディになっていると感じられた。
その分、エナジームーブやオーバードライブ、回復アイテム(本作の回復アイテムは出撃の際にあらかじめ選択し、戦闘中の任意のタイミングで使用するという仕様に)など、限られたリソースが増えており、どのタイミングでそれらを使用していくかという、ミッション中の戦略性が重要となってきそうだ。
作品全体が纏う空気感も異なっており、「地球防衛軍」が日本のアニメや特撮的な熱く泥臭い作風とするなら、こちらは「スターシップ・トゥルーパーズ」など、対エイリアンものの洋画を彷彿とさせる、幾分かクールでスマートな雰囲気となっている。 |
それぞれに異なる魅力をもった3つの「EDF」。TGS 2017にお越しの際は、是非ディースリー・パブリッシャーブースに足を運び、その違いを自分の目で確認してみて欲しい。