スクウェア・エニックスが2018年2月15日に発売を予定しているPS4/PS Vita/PC用ソフト「聖剣伝説2 シークレット オブ マナ」。一足先に序盤をプレイする機会を得られたので、新たに生まれ変わった本作のポイントについて紹介していこう。
美しくなったグラフィックやボイスの追加で、より深く物語を体感
本作は、1993年にスーパーファミコン向けとして発売された「聖剣伝説2」をフルリメイクした作品。壮大なストーリーはそのままに全編ビジュアルをリニューアルし、キャラクターボイスの追加、楽曲アレンジ、トークイベントの追加など多数の要素が盛り込まれている。
舞台はかつて不思議な力「マナ」によって栄えたものの、それによって激しい戦争が引き起こされた世界。聖剣を携えた勇者によって平和がもたらされたが、長い年月を経て再びマナを狙う国が現れてしまう。
主人公のランディは、ちょっと気弱で臆病な少年。ある日、聖剣を引き抜いてしまったために住んでいた村を追われ、恋人を探す気の強い少女・プリムと迷子になった妖精の子供・ポポイと共に聖剣やマナを巡る戦いの運命へ立ち向かうこととなる。
フィールドを自由に動き回り、アクションゲームのように敵と戦う「モーションバトルシステム」、画面を切り替えずにさまざまな武器や魔法、アイテムを呼び出せる「リングコマンド」と呼ばれるシステムが特徴。複数人でプレイキャラを操れるオフラインでのマルチプレイも楽しめる。
筆者はリアルタイムにSFC版をプレイした一人だが、本作でまず目を引かれたのは刷新されたグラフィックだ。キャラクターやフィールド、モンスターなども細部に至るまで美しく描かれているが、オリジナルのもつ雰囲気はきちんと残されていると感じた。デフォルメすぎず、かといってリアルすぎない絶妙なバランスで物語を彩ってくれる。
フィールドも鮮やかに甦り、生き生きとした植物や流れる水の表現にはつい足を止めてしまうほど。画面右上に配置されたナビマップは周囲を探索する上で非常に便利なのはもちろん、オリジナルのドットの雰囲気が残っていて見た目にも懐かしい気分になれる。
そしてオリジナルのプレイヤーとして「おおっ!」となるのは、やはりキャラクターボイスの追加だ。ランディ、プリム、ポポイといったプレイヤーキャラクター、深く関わることになるサブキャラクターはもちろん、街中のNPCにもしっかりボイスがついている。
登場人物の人間性をオリジナル以上に深く体感できる分、ストーリー開始直後にランディが禁忌とされていた聖剣を引き抜き、村人から追い出されるシーンでは臨場感がすごくてとても悲しくなってしまったほど。一方、ジェマはこれまで以上に頼り甲斐を感じられ、ディラックはイケメン度3割増しくらいに思えたので他のキャラクターにも非常に期待が高まった。
トークイベントやプレイの合間に挟まれる幕間エピソードでは、キャラクターの個性をより感じられるようになっている。個人的にランディはだいぶ気弱な男の子という記憶でいたのだが、本作ではプリムやポポイに勢いで劣るものの少年らしい明るさやコミカルさも十分備えているように思えた。プリムの可愛らしさ、ポポイのヤンチャぶりも懐かしさと新鮮さが入り混じり、この先どんなイベントが見れるのだろうというワクワクが抑えきれなかった。
「あらすじ」「図鑑」「ショーカット」など、より楽しめる新要素が追加に
それでは、本作の新要素についてさらにチェックしていこう。シリーズでもおなじみのリングコマンドはそのままだが、本作には新たな項目も追加されている。ゲームの進行度に合わせてストーリーを振り返ることができる「あらすじ」、旅の途中で出会った仲間やモンスター、武器を記録する「図鑑」が登場し、図鑑では3Dモデルを左右にぐるぐると回転させることもできる。モンスターもかなり表情豊かになっていたが戦闘中にゆっくり見ている暇がないので、細部までじっくり眺められるのは嬉しいポイントだ。
また、今回はL1ボタン/R1ボタンにアイテムや魔法など使用頻度の高いものを登録する「ショートカット」が追加された。とくに序盤は回復アイテムを登録しておくといざという時に役立ったので、冒険の状況に応じて色々と試してみたくなる。
オプションではさまざまな設定を変更できるが、なかでも注目はいつでもBGMをオリジナルとリマスターで切り替え可能な「音源設定」だ。サウンドは作曲家・菊田裕樹氏監修のもとで全編アレンジされていて、オリジナルの印象に近いものもあればかなり派手になっている曲もある。つい気になってフィールドでは両方をループさせ、イベントシーンは設定を変えて2度見直してしまった。とくにオリジナルのプレイヤーには、プリムと初めて出会うシーンをそれぞれの設定で聞いてみてほしい。
こんな風にこまめに聞き直せたのも、本作で登場した「オートセーブ」による恩恵。宿屋の宿泊やニキータの出張サービスだけでなく、エリアの移動などロードを挟むタイミングで行われるのでうっかり全滅してしまってもリスタートしやすいのはありがたい。初めて「聖剣伝説」シリーズに触れるプレイヤーや、アクションがあまり得意でないプレイヤーも安心して進められるだろう。
わずかなプレイ時間だったが、夢中になって遊んだ当時を思い出してのめり込んでしまった「聖剣伝説2 シークレット オブ マナ」。オリジナルを遊んだファンはもちろん、これまで「聖剣伝説2」を遊んだことがない人もぜひ触れてほしい仕上がりなのは間違いない。2018年2月15日の発売日が待ちきれないが、それまで楽しみにまっていよう。