本日3月22日に、東京・秋葉原 書泉ブックタワーのイベントホールにて、「ひぐらしのなく頃に」シリーズなどを手掛けた竜騎士07氏の新プロジェクト発表会が行われた。
「ひぐらしのなく頃に」は、竜騎士07氏によるサウンドノベルゲームだ。2002年の夏のコミックマーケットにて氏のサークル「07th Expansion」より発売され、その重厚なストーリーと衝撃的な内容から話題を呼び、雑誌などにも取り上げられたことで知名度が上昇。現在ではドラマCDや漫画、アニメ、そしてゲームなどさまざまなメディアミックス展開が行われる人気シリーズとなった。
そんな竜騎士07氏による新たなプロジェクトの発表が、本日3月22日に書泉ブックタワーのイベントホールで行われた。本発表会には、原作者の竜騎士07氏のほか、ゲストとして声優の春名風花さん、進戯団 夢命クラシックスより滑川恭さん、舞原鈴さんが登場、タレント声優の汐路美晴さんが司会進行を務めた。
まずは、竜騎士07氏といえばこの作品。「ひぐらしのなく頃に」シリーズの新情報について。「ひぐらしのなく頃に」シリーズは、これまで「ひぐらしのなく頃に」(出題編)、「ひぐらしのなく頃に解」(解答編)、「ひぐらしのなく頃に礼」(番外編)のほか、PlayStationタイトルの「ひぐらしのなく頃に祭」やニンテンドーDSタイトルの「ひぐらしのなく頃に絆」など、さまざまなタイトルが発売されてきた。
本発表会では、「ひぐらしのなく頃に」の謎を解き明かす、これらの主要タイトルをすべてまとめた「ひぐらしのなく頃に奉」が、Nintendo Switch向けに2018年7月26日に発売されることが明らかとなった。
「ひぐらしのなく頃に奉」には、「ひぐらしのなく頃に粋」に収録されている鬼隠し編、綿流し編、祟殺し編など19本のシナリオに加えて、スピンアウト小説を元にした「ひぐらしアウトブレイク」、その続編となる「ひぐらしアウトブレイク~神姦し編~(かみかしましへん)」、そして「ひぐらしのなく頃に」の原典となる「雛見沢停留所」を合わせた計22本のシナリオが収録されている。
また本作の主題歌が、作詞/作曲を志倉千代丸さんが、ボーカルを松澤由美さんが担当する「僕達はもう知ってる」であることも明らかに。発表会では、両者からのコメントに加えて、新規収録されるシナリオ「雛見沢停留所」のキャラクターデザインを務めたともぞさんからのコメントも紹介された。
ともぞさんのコメント
はじめまして、今回雛見沢停留所のイラストの担当をしている、ともぞです。ひぐらしは学生の頃友人に薦められ遊んだらドップリハマっちゃって、まさかそのひぐらしにコミカライズ、そしてゲームに関わる事が出来るとは思っても見ませんでした。雛見沢停留所は原作とはまた違う独特のテイストの作品なので楽しんで頂ければ幸いです。
志倉千代丸氏のコメント
「ひぐらしのなく頃に」このシリーズ作品には毎回実に多くの謎が秘められているわけですが、僕はあえて竜騎士さんやスタッフの皆さんにその「真意」を尋ねた事はありません。作中のキーワードをできるだけ使用せず、とにかく頂いたテキストを読み解き、ユーザーの皆さんと同じ情報量、心理状態、疑心暗鬼のまま、楽曲づくりに臨みます。これまで多くの作曲や作詞を担当させて頂きましたが、つまりそのどれもが、あくまでも僕個人の解釈にすぎません。
竜騎士さんが書かれるテキストの行間に潜む「何か」に対する考察と仮説。そこから生み出された楽曲の評価はさておき、それこそが作家としてこのシリーズと向き合う為の最低条件であり、同時に何よりの楽しみでもあります。あ、指定された文字数を大幅に越えている!
新作「ひぐらしのなく頃に奉」の楽曲コメントについては、僕の各種SNSにてチェックして頂ければ幸いです!(笑)。
松澤由美さんコメント
はじめてOPのお話を頂いた時、主題歌のイメージがロック調と伺ったので、志倉さんが作られるデモ音源がくるまで、ドキドキしていました。実際音源を聞いた瞬間、疾走感の中に切なさの要素が盛り込まれていて、そこを表現しつつ、かっこよく歌えたらなと。ある意味私の中では新境地です(笑)。
「ひぐらしのなく頃に」の世界観を広げられるように、切なさの中のロック★をみなさんに届けられたら、嬉しいなと思います。
続いて、「ひぐらしのなく頃に」とリアル謎解きゲームのコラボタイトルとして、「ドラマチック謎解きゲーム×ひぐらしのなく頃に『雛見沢脱出計画(ヒナミザワ エスケープスキーム)』」が、4月22日から6月19日までの期間、西新宿ドラマチックルームにて開催されることが発表された。
プレイヤー(参加者)は趣味の山歩きの最中に足に怪我を負ってしまい、近くの「雛見沢」という村で怪我が治るまで暮らすこととなる。しかし、この村で暮らして以来徐々に体調に崩してしまい、ついには幻覚のような症状まで起こってしまう。意を決して村から出ようとするも、その時「竜宮レナ」という村で仲良くなった少女が訪れて……?
“ひぐらし”らしい狂気に駆られた物語がリアル謎解きゲームでどのように再現されるのか、今から楽しみにしておこう。
「ドラマチック謎解きゲーム×ひぐらしのなく頃に『雛見沢脱出計画』」公演概要
あなたは突然いなくなったりしないよね?
…よね?
6月のとある日、趣味の山歩きの途中で足に怪我を負ってしまったあなたは、何とかたどり着いた「雛見沢」という村で、怪我が治るまで暮らすことにした。
「竜宮レナ」や「園崎魅音」といった村の少女たちとも仲良くなり、年に一度行われるという「綿流し」のお祭りを楽しんだ。
しかし、その祭り以降、妙に体調が悪い気がする。心霊的な何かを感じ、ついには幻覚すら見えるようになってきた。
恐怖に駆られて一度は家に引きこもってしまうが、意を決して雛見沢から出ようとする。その時、レナが家にやってきた。怪我が完治していないのに山を降りるのは危険だと言っているが……?
どうやらこの地には、村人が隠している恐ろしい秘密があるらしい。謎を解き、情報を集め、雛見沢から脱出せよ!
公演期間:4月22日(日)~6月19日(火) ※金・土・日・祝日開催。
公演人数:1公演最大30人
価格:前売3300円、当日券3800円
会場:西新宿ドラマチックルーム
主催:stamps(よだかのレコード)
「なく頃に」の系譜を受け継ぐ竜騎士07氏の作品「うみねこのなく頃に」。こちらに関する新情報として、PS3向けに発売されている「うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~」「うみねこのなく頃に散 ~真実と幻想の夜想曲~」の2作品を1つにまとめたオールインワンパッケージ版が発売されることが発表された。本作のハードおよび価格、発売時期に関してはまだ未定となっているため、続報に注目しておこう。
本発表会の終わりには、竜騎士07氏とイラストレーターの樋上いたる氏がタッグを組んだ完全新作タイトル「惨劇サンドボックス」も発表された。本タイトルは竜騎士07氏が付けた仮称となっているものの、8割方のシナリオが完成している現在、そのままの名称で企画が進んでいるという。
また、本企画は制作会社から竜騎士07氏に企画の話がいき、竜騎士07氏がプロットを組んだ上でそのお話に合うイラストレーターを選定したわけではなく、竜騎士07氏と樋上いたる氏が互いに「こういうのをやりたい!」と話し合って生まれた作品なのだそうだ。竜騎士07氏は、「樋上さんが描く儚さのあるキャラクターを、“惨劇”という箱に入れたらどんな化学反応が起こるのか見てみたかった」と、本作の構想を語ってくれた。
ちなみに、サンドボックスとは“砂場”という意味があり、広義においては本番前の練習を行う場所といったニュアンスが含まれているという。この意味に気付いた春名さんは、「『うみねこのなく頃に』に登場する“猫箱(シュレーディンガーの猫)”と似た意味を持つのでは」と竜騎士07氏に訊ね、氏を動揺させる場面もあった。
はたして、“サンドボックス”が何を意味するのか、本作は2019年発売予定となっているため、詳細については続報に期待しよう。