スクウェア・エニックスは、5月26日に東京・高田馬場のベルサール高田馬場でスマートフォン向けゲーム「星のドラゴンクエスト」のオフラインイベント「ドラクエの日 みんなでギガ前夜祭」を開催した。今回はそちらの模様をお届けする。
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初代「ドラゴンクエスト」が発売されたのは、今から32年前の1986年5月27日。ということで、「ドラクエの日」と呼ばれる同日を記念すべく、その前夜祭として開催されたのが今回のイベントだ。
当日は13時から始まり19時に終了するという長丁場のイベントだったが、まず会場に着いて驚いたのはその人の多さだ。オープニングステージから始まりいくつかのステージイベントが行われていたのだが、その合間も物販や食事、フォトコーナーなどのほか、歴代CMの衣装展示コーナーにみんなのメッセージコーナーなど、自由に会場内を歩き回り楽しめるようになっていた。
16時からは、人気イラストレーターのカナヘイさんによる「カナヘイスタンプステージ」がスタート。なんと、頭に「あらくれマスク」を被ったままでステージに登場し、そのまま事前に募集されていたお題に答える形でスタンプ用のイラストを描いていた。
ちなみに、今回描かれたイラストのどれかは後日ゲーム内に実装される予定とのこと。
会場にいる全員が4人でマルチプレイに挑戦する「マルチプレイチャレンジ」を挟んで、17時半から開始されたのがお待ちかねの「ギガ前夜祭ステージ」だ。
まず最初にゲストとして登場したのは、「ドラゴンクエスト」の生みの親である堀井雄二氏だ。また、「星ドラやり込み芸人」として、トータルテンボスの藤田憲右氏が登場……すると思いきや、会場にはまだ到着せず!? とりあえず、藤田氏不在のままイベントは進められていった。
「ドラゴンクエスト」から始まらないタイトルに最初はもめた?
ここからは、レアキャラとも言われる堀井雄二氏が会場にいるということもあり、トークショー形式で「星ドラ」に関する様々な思い出話が語られていった。
喜屋武ちあきさん:「星ドラ」と堀井さんの出会いを教えて頂けますか?
堀井雄二氏:何年ぐらい前だったかね? 市村くんから話があって、こういうゲームを考えていると聞いたのが。
市村龍太郎プロデューサー:5年近く前かもしれませんね。一番最初で言うと。僕と畑さんで、スマートフォンの新しいRPGを作り始めていたんです。星をくるくる回して、拡大拡張して遊べるフィールドを作って、それをRPGにしていこうとしていました。そのときはまだドラクエじゃなかったんです。
あまりにも手触りが良く面白かったので、これでドラクエをやれば世界観も表現できそうだし、いいんじゃないかなと堀井さんの相談しにいきました。
堀井氏:星がくるくるって拡大していろんなところを見つけるというものでしたね。
市村プロデューサー:まだスマホ向けのドラクエのタイトルもそんなになかったときだったので、出すかどうかということも議論のうちに入っていたかもしれません。
喜屋武さん:堀井さんはくるくる回るゲーム画面を見せられて、どんな感想だったんですか?
堀井氏:これをどうゲーム化するかいろいろとやったよね。
市村プロデューサー:どこでもなんでも行けちゃう企画だったんですけど、なかなか難しすぎるなと。
堀井氏:タイトルもいろいろもめたよね。それまで「ドラゴンクエスト○○」というのが多くて、先に「星の」と付いてたので。それはそれで面白かなと思って。
市村プロデューサー:珍しいタイプですよね。スマートフォンで新しい試みはどうですかといって。それでも、最終的には「星の」しか残らなかったですね。
喜屋武さん:リリースして2年半の間、CMもたくさんありましたね。
堀井氏:いろいろやったよね。撮影も見に行ったり。
市村プロデューサー:本田翼さんから始まって、狩野英孝さんに出川さん。
堀井氏:面白かったよね。
市村プロデューサー:1年間本田翼さんのCMをやったあと、武田鉄矢さんも。定番のあのキャラクターで。ちゃんと許可を取っていますからね、あれ。学校で撮影しているので、廃校を撮影に使わせて頂きました。壇蜜さんと山下真司さんのCMも千葉の山奥でやりました。あれも学校でしたね。あとサッカー選手も。ラモスさんは面白かったね~。
永野雄太運営プロデューサー:ラモスさんは、まこうとするから(笑)
市村プロデューサー:もう終わりでいいでしょ? OKでしょ? って(笑)
喜屋武さん:一番聞きたいのは、直近の……ジャッキー・チェンさんですよ!
堀井氏:よく出てくれたよね(笑)
市村プロデューサー:ダメ元じゃないけど、サッカー選手のお祝い感よりもさらに上がるCMをやりたいと思って。これは相当大物にオファーしないとダメなんじゃないかと僕らも議論しました。ハリウッドスター級をリストアップして、日本でも絶対出てればわかる人でドラクエで出ても納得感のある方で検討した結果……頭の悪いフリをしてオファーしたらOK頂きました。嬉しいですよね~。
喜屋武さん:ジャッキー・チェンさんって、ドラクエ知ってらっしゃるんですか?
市村プロデューサー:聞いたことあるぐらいの感じでしたよ。中国でゲームは出てないので、プレイはしてないと思いますが。
堀井氏:僕ね、同い年なんですよ。
喜屋武さん:そうなんですか~!? 撮影はどちらでされたんですか?
市村プロデューサー:上海まで行って撮影してきました。すごかったですね。
喜屋武さん:あの山みたいなところに?
市村プロデューサー:あれはCG(笑)。あのアクションのキレ。このアクションですといって、本番をやって。ほぼミスがないんです。スーパースターでしたね。
堀井氏:(星ドラは)最初、モンスターじゃなくて装備でいきたいといってね。みなさん装備好きですね?
市村プロデューサー:最初は装備だけでヒットするのかという議論もありましたが、僕はどちらかというとモンスターを育てるよりも自分のキャラクターを育てる方が好きなタイプだったので、そういうゲームを作りたいと思っていました。不安しかなかったですけどね。
喜屋武さん:堀井さんも(ゲームを)やられているのですよね? お気に入りの装備はなんですか?
堀井氏:僕は歴代の勇者の格好をさせていますね。
トータルテンボス藤田氏がりゅうおうに挑戦!
ここで、不在だったスペシャルゲストの藤田憲右氏がなんとか到着。藤田氏が会場のプレイヤー3名を選び、「りゅうおうを倒せ!架け橋は七色の希望・魔王級」に挑戦するコーナーが開始された。
一般の人たちに交ざってグループにも参加し、毎日プレイしているという藤田氏。今回の「りゅうおう」はスパパラ編成で行きたいという、自分は楽をしたいのでパラディンを選択。残りのメンバーを応募者の中から選んでいった。
3名のプレイヤーも無事決まり、これから挑戦というとき藤田氏があいことばを口走ってしまうと言う凡ミスもありながら、なんとか挑戦は成功。無事助っ人として藤田氏をサポートした3名のプレイヤーには、藤田氏と堀井氏のサイン入り色紙がプレゼントされていた。
感想を聞かれた藤田氏は、「初っぱなのりゅうおうのときに、予定外の時間が掛かったのであせりました」と語っていた。
「ドラクエの日」が記念日協会に認定
続いてお待ちかねの、最新情報コーナーがスタート。そもそも今回のイベントは「前夜祭」と言われているように、5月27日の「ドラクエの日」を祝うために行われているものだ。そこで市村プロデューサーよりサプライズで、正式に記念日協会から5月27日が「ドラクエの日」になったことが認定されたことが発表された。
記念日ということで「ふくびき」(ガチャ)が気になるところだが、新装備としてジャッキー・チェンさんがCMで振り回していた「ルビスのこん」が登場する。その新装備を発表するために現れたのは、ジャッキー・チェンさんならぬそっくりさんのジャッキーちゃん。衣装もCMのジャッキー・チェンさんと同じ格好で、会場も盛り上がっていた。
気になる「ルビスのこん」の性能だが、新作はこの1本のみということもあり、かなり強くしたと市村プロデューサー。この「ルビスのこん」が入った11連星5装備2枠確定ふくびきは、5月27日~5月29に日23時59分までの期間登場する。
さらに、今回はギガ感謝ということもあり、「ルビスそうび」または「黄金竜そうび」25種類の中から、いずれかひとつが必ず当たるプレゼントふくびき(ひとり1回限定)も実施される。こちらも同じく23時59分までの期間限定だ。
今後のアップデートで「モンスター闘技場」やカジノも登場!?
ここまでは5月27日の情報だが、この先にも様々なアップデートが予定されている。昨年12月ぐらいに告知されていた「モンスター闘技場」だが、こちらも絶賛開発中だ。すでにゲームの中で動いてはおり、ある程度は出来てきているという。
丸々1本ゲームを作っているのと変わらないほどの、この「モンスター闘技場」。4体のモンスターを選んで対戦できるというものになっている。堀井氏からは「戦闘はAIって言っちゃっていいの?」と、ほぼネタバレの発言もあったが、戦闘はリアルタイムではなく非同期でAI同士が戦うとのこと。
また、モンスターはとある方法で入手することができ、コロニーと呼ばれる場所で育てることができるそうだ。
さらに、「ロトの紋章」とのコラボレーション開催も決定した。この「ロトの紋章」は、1991年から「月刊少年ガンガン」で連載されていた漫画で、ロトの伝説を継承した内容の作品だ。多くのユーザーから要望があり、今回のコラボレーションが決定したという。ボリュームも内容もすごいものになる。ちなみに開催時期は、早くないほうの夏頃とのこと。
藤田氏から、ゴールドの使いみちをなんとかして欲しいという要望が出ると、堀井氏がすかさず「カジノという話もあったよね」という発言が。市村プロデューサーによると、それらも含めて現在開発中だという。
最後に堀井氏から、「人生はロールプレイングです」という言葉でイベントが締めくくられた。
ネットで中継されたのはここまでだったが、さらに市村プロデューサーが会場にいる開発メンバーを壇上に呼ぶというサプライズも。もちろん全員ではないが、多くの人の手でこのようなタイトルが出来ているということを、イベントに訪れたユーザーに紹介していた。
10月には3周年を迎える「星ドラ」だが、そのときにまた大きなイベントが行われることを期待しよう!