タイトーは8月18日、タイトーステーション 溝の口店3Fのアーケードライブバー「MEGARAGE(メガレイジ)」にて、「ZUNTATA NIGHT SPECIAL アリス・ギア・アイギス 溝の口シャード集会」を開催した。
コロプラより配信され、ピラミッドが開発・運営を行うスマートフォン向け3Dアクションシューティングゲーム「アリス・ギア・アイギス」。サウンドを手がけるタイトーのサウンドチーム・ZUNTATAによる、ゲーム中の楽曲をまとめたサウンドトラックCD「アリス・ギア・アイギス オリジナルサウンドトラック」が9月25日に発売されることを記念して行われたのが今回のイベントだ。
サービス開始からすでに半年以上が経過している「アリス・ギア・アイギス」だが、リアルイベントは今回が初ということもあり、会場は立ち見の人が大勢出るほどの盛況ぶり。DJステージ、サウンドやゲームにまつわるトークで盛り上がった、イベントの模様をお届けしよう。
コンポーザーそれぞれの制作のこだわりが語られたサウンドトーク
イベントのオープニングを飾ったのは、コンポーザーのCOSIO氏によるDJステージ。ホーム画面でおなじみの「Green Office」から始まり、バトル中に流れるBGMの数々をDJプレイならではのアレンジで披露していく。そして最後はメインテーマである「over the future」で締めくくり、場を盛り上げていた。
続くサウンドトークのパートでは、サウンドディレクターおよびサウンドエフェクトを手がける石川勝久氏、コンポーザーのMASAKI氏、下田祐氏というZUNTATAの面々が登場。元ZUNTATAの一員であるCOSIO氏も加えた4名で、「アリス・ギア・アイギス」のサウンド・効果音に関するトークを繰り広げていった。
まずは今回のイベント開催のきっかけともなったオリジナルサウンドトラックの収録内容を紹介。2枚組56曲と現時点で制作されている楽曲のほとんどを収録しており、ゲーム内で使える特典や、ZUNTATAのジャケットを手がけているデザインチームによる着せ替えジャケットも用意されている。
COSIO氏が担当した楽曲には「Blue Garage」「Silver Sky」といった、色を含んだ曲名が多い。これは最初に「Green Office」を制作した際、清潔感のあるイメージからタイトル決めをしたことを受けて統一したからだという。ただ、そのバリエーションが尽きてしまったため、ボス曲に関しては異なるルールになっているとか。
そしてCOSIO氏が特に話をしたい曲として挙げたのが、Bメロのメロディが“エモい”という「White Lounge」。実際にピアノ演奏アプリで音を鳴らしながらそのコード進行を説明するなど、熱のこもったトーンでアピールしていた。
「アリス・ギア・アイギス」の楽曲の中でも比較的最近の楽曲を手がけるというMASAKI氏は、現時点ではまだゲーム内には登場していないバトル曲「VALKYRIE」を一押し曲として紹介。そのタイトルからも連想されるように、神話をコンセプトにしており、民族楽器を取り入れつつ、シンプルなメロディーに仕上げているという。そのほか、「VANGUARD」や「SPIRAL 4th」「AEGIS」などの楽曲も担当しており、全体的にメロディに重点を置いた作りを心がけていることに触れていた。
下田氏がピックアップしたのは、ゲーム内イベント「リンちゃん探検隊」で使われた、全体的に70年代のテイストが盛り込まれた楽曲「BECAUSE IT'S THERE」。また、ラップをテーマとした「RHYME CRIME」については、制作にあたって本場のラップを意識したそうで、できればMCをつけてみたいという希望も寄せられていた。
また、今回は欠席となった土屋昇平氏が作曲した「Tropical Rainforest」「Refreshing park」といった、各々が気に入っているという楽曲のトークも繰り広げられつつ、効果音を制作した石川氏が武装ごとの音の違いに触れたり、ゲーム中に登場する中華料理の調理音は、実際に自分で調理しながら録音したものだという驚きのエピソードが語られていた。
ゲームトークでは宇佐元杏奈の田澤茉純さんも参加!
後半に行われたゲームトークのパートでは、石川氏が引き続き進行役を務め、ピラミッドの代表取締役社長で「アリス・ギア・アイギス」ではプロデューサー、開発ディレクターとして携わる柏木准一氏、運営ディレクターの加賀純氏、スクリプトディレクターの今村雄一氏、そして宇佐元杏奈役の田澤茉純さんを交えて、開発・運営にまつわるエピソードの数々が披露された。
柏木氏によると、「アリス・ギア・アイギス」は、企画の立ち上げ時からピラミッドで一番作りたいものをゲームにするというコンセプトのもとスタートし、その時から音楽をZUNTATAにお願いしたいと考えていたそう。加賀氏は初期に少しだけ関わっており、その後しばらく離れた期間がありつつ再び参加、「ダライアスバースト」に長く関わっていた今村氏は、シューティングパートのスタッフとして呼ばれたのかと思いきや、スクリプトを担当することになったとか。
ちなみに、今村氏が担当するスクリプトは、イベント中でキャラクターたちをどのように表現するのかを考える役割。田澤さん演じる杏奈については、当初ニュース番組のアナウンサーとして登場することから、その内容に応じたバリエーションの演出を考えたそう。また、今村氏は、楽曲を使用する場面の指定なども行っている。
「アリス・ギア・アイギス」といえば細かなSF設定も魅力の一つだが、これに関しては当初からチーム内に設定班を用意したほか、今はシナリオ班も参加して構築しているそう。独自の単語も多数登場するため、ボイス収録に参加した田澤さんはわからない単語もあったそうだが、その一方でキャラクター自身の設定もしっかりと構築されていて演じやすかったと振り返っていた。
田澤さん演じる杏奈はシステムやナビのボイスも用意されていることから、収録も2回に分けて行われたのだとか。 また、収録当時で実際にプレイさせてもらえるぐらいにゲームが出来上がっていたのは珍しいと感じたそう。 |
アクトレスたちが装備するアリスギア(以下、ギア)のデザインに関するトークでは、最初に楓の専用ギアデザインを考えて、その後汎用ギアのデザインを作っていったという開発当時のエピソードをはじめ、各デザインごとに異なる戦闘スタイルを用意している点や、それぞれの専用ギアごとに島田フミカネ氏、海老川兼武氏などが起こしたデザインをさまざまなアプローチで表現している点などに触れた。
ちなみに、「アリス・ギア・アイギス」は本編もさることながら、ゲーム内イベントも突飛なものばかり。サウンドトークでも触れられていた「リンちゃん探検隊」のほか、配信してすぐの時期に行われた「おにぎり狂想曲」については、その内容に社内からも戸惑いの声があったとか。それでも毎度作り込んだ内容に仕上がるのは、これまで家庭用ゲームを手がけたピラミッドならではの思想が開発・運営に反映された結果なのだそう。
その最たるものの一つが、オリジナルサウンドトラックの発売を記念してゲーム内で行われているZUNTATA任務。どのミッションも元タイトルのゲーム内容を再現したものになっているのは、タイトルを知ってもらおうというスタッフの作り込みの賜物だ。第4回も8月24日より行われるそうなので、ぜひ注目しておこう。
ゲームトークの締めくくりでは9月から新キャラが登場することや、8月23日に新たなストーリーが追加され、CDにも収録される新曲によって、バトルのイメージが変わっていくことなども告知される。今後の展開にぜひ注目しよう。
その後は石川氏(キーボード)、MASAKI氏(ドラム)によるミニライブ、そして出演者のサイン色紙や、イベント内で紹介されたグッズをプレゼントする抽選会などが行われ、盛況のまま3時間に及ぶイベントは終了となった。
「アリス・ギア・アイギス オリジナルサウンドトラック」商品ページ
http://zuntata.jp/lineup/zttl0101.html