セガゲームスが今冬に配信を予定しているiOS/Android用アプリ「リボルバーズエイト」の先行プレイレポートをお届けする。
本作は、桃太郎やシンデレラ、金太郎といった国内外を問わず多彩なおとぎ話のキャラクターが集結、作品イメージを飛び越えたパンクなヒーローたちと共に世界中のプレイヤーと戦う、リアルタイムストラテジーゲームだ。プレイヤーはさまざまな特徴を持った8枚のカードを駆使して、相手のタワーを壊すことが目標になる。
本格的なリアルタイムストラテジーと独創的なキャラクター、そしてプロデューサーに菊池正義氏、キャラクター原案に五十嵐孝司氏と、コンシューマのゲームファンにもおなじみのスタッフが揃っている点にも注目したいタイトルだ。
10月23日からはクローズドβテストも予定されているが、それに先駆けて同じバージョンをプレイする機会が得られた。本稿ではそのプレイレポートを紹介する。
桃太郎、シンデレラが活躍する異色のゲーム
本作の基本的なシステムは、8枚のカードでデッキを組み、それをたくみに使い分けて敵陣地のタワーを倒す、というもの。カードにはヒーローのほか、建物、ミニオン、魔法といった種類が存在する。これらをどう組み合わせるかがカギを握るというわけだ。
デッキには大きく分けて、敵陣に自ら切り込んでいく「強襲タイプ」、カウンターを狙う「反攻タイプ」、遠距離攻撃中心の「砲撃タイプ」の3種類があり、デッキを組むとこのいずれかに分類される。また、デッキはイチから自分で作ることも可能だが、3種類のデッキもあらかじめ用意されている。それを元に徐々にアレンジしていくのもあり、というより、こうしたほうが初心者には分かりやすいかもしれない。8枚のカードのバランスが物を言うゲームであり、「見た目がなんとなく強そうだから」という理由で8枚を並べてもなかなか勝てないからだ。
バランスという意味では、カードが持つ消費インク量にも注意したい。本作ではカードを召喚する際に必ずインクを消費する。そしてこのインクは、時間経過しないと回復してくれない。目測を誤るとインクが空で、無防備な状態のところを攻撃されてしまう。なんとなく想像がつくと思うが、強力なカードほど消費インク量が多く、なかなか繰り出す機会に恵まれない。つまり、強力なカードだけでなく、地味だけど消費インク量が少なく、すぐに出撃できるカードも何枚か用意していくことが大切というわけ。
冒頭でも触れたとおり、おとぎ話に登場するキャラクターがヒーローとなり、対戦するのが本作の魅力のひとつ。中には子供のときの想像からかけ離れたデザインもあるが、それはそれで本作が持つインパクトと言えるだろう。
ヒーローにはスペシャルスキルとノーマルスキルの2種類を持っており、ノーマルスキルは30秒に1度のタイミングでいつでも発動できる。一方のスペシャルスキルは、デッキのリーダーに指名した1人しか発動できない代わりに効果も強力。例えばシンデレラの場合、敵陣のタワーに瞬間移動してダメージを与えることができる。また桃太郎は敵の元へ瞬間移動してダメージを与えられる。じっくり攻めるのが基本のリアルタイムストラテジーにおいて、瞬間移動がどれだけ強力か、このジャンルの経験者なら理解してくれるはず。スペシャルスキルをどのタイミングで使うか、逆にどう封じ込めるかは重要な戦略ポイントになりそうだ。
ここからはバトルの流れを紹介していく。まずはホーム画面から「出撃」を押すとマッチングが始まる。製品版では全仕様が変わる可能性があるものの、少なくともクローズドβのバージョンではマッチングに時間が掛かるなどの不備は感じられなかった。この点に関してはひとまず安心してよさそうだ。
無事にマッチングが終わると、早速相手プレイヤーとの対戦がスタート。この場合、自陣は必ず画面右側になり、向かって左側へと攻撃することになる。対戦時間は3分で、決着がつかなかった場合は1分間の延長線に突入する。先程自分自身で“じっくり攻めるのが基本”などと書いたし、実際間違ってはいないものの、同時にいかに手早く攻めるか、3分間を有効活用するかを考えるのも勝敗を分けるポイントだ。
そして画面下に表示されているのが自分の手札とインクのゲージとなる。手札で光っているものはすぐにでも出撃できるが、相手の出方次第では温存しておくのも手のひとつ。焦って出撃させて、待ち構える敵に一網打尽…なんてこともあるので注意したい。
同じく画面の左隅のアイコンがノーマルスキル、右隅がスペシャルスキルを使えるヒーローを表している。ここでひとつ気をつけたいのが、スペシャルスキルはリーダーが出撃していないと使用できないということだ。また、対戦中に一度しか使えないことも覚えておきたい。戦況を一変させる強さを誇る代わりに、発動させる条件とリスクも高い。
日本では「リアルタイムストラテジー」というジャンル自体がメインストリームではないし、「リボルバーズエイト」がどれだけ受け入れられるかは蓋を開けてみないと分からない。しかし本作に触れてみると、このジャンルが元々持つ面倒な部分を排除し、手軽さを突き詰めていることがよく分かる。またキャッチーなキャラクターと世界観もヒットに一役買ってくれるかもしれない。作品そのもののヒットと同時に、“ジャンルの普及”という側面でも期待したいところだ。