セガゲームスが2018年11月21日に配信予定のiOS/Android/PC向けタイトル「龍が如く ONLINE」。本作を一足先にプレイする機会が得られたので、そのレポートをお届けしよう。
「龍が如く ONLINE」は、眠らない街と称される大歓楽街・神室町を舞台にしたドラマティック抗争RPG。これまでの「龍が如く」シリーズと同じ舞台だが、本作では警察と近江連合が街の“表”も“裏”も支配しており、かつての熱気が失われつつある。そんななか、元極道であり出所したばかりの主人公・春日一番が、かつての街を取り戻すべく立ち上がる…という筋書きだ。
ゲームの流れとしては分かりやすいオーソドックスな作りで、まずはクエストやバトルの基本を覚えながらストーリーを進めていくこととなる。バトルは4人+助っ人1人の5人1チームで戦い、一定時間が経過するごとにオートで攻撃してくれる。プレイヤー自身が操作を行うところは、バトルスキルとヒートアクションの発動という2点。
バトルスキルは各キャラクターごとに用意されており、攻撃、防御、補助、回復という4つの“タイプ”で効果の方向性を判別できる。攻撃タイプであれば通常よりも大きなダメージを与えたり、回復タイプであれば文字通り味方の体力を回復するといった効果がある。
バトルスキルはキャラクターの頭上に上向きのマーカーが表示されていればいつでも使用できるため、攻撃タイプで編成していたら、すぐに発動して敵の数を減らすか、次のWAVEまで温存して強敵を一気に倒すかなど、使いどころを工夫できるのがポイントだ。
バトルスキルはキャラの頭上に上向きのマーカーが表示されたら、上にフリックすることで発動できる。なお、1回のバトルは複数のWAVEで構成されていることが多い。最初のWAVEで敵を倒すと次に進み、最後のWAVEの敵を全滅させるとクエストクリア。 |
もう1つのヒートアクションは、敵を攻撃したり味方を回復していくと溜まる“ヒートゲージ”を消費して放つ必殺技だ。ゲージはチームで共有のため、バトルスキルのように全員で一気に…とはいかないが、その分、戦局を変えるほどの効果を秘めている。
なお、バトルは手動/オートの切り替えが可能で、オートにしておくと通常攻撃だけでなくバトルスキルも自動で発動してくれるようになる。ただし、オートのときでもヒートアクションは手動での発動が必要なので、「ここぞ!」というときは自分の手でピンチを切り抜けていこう。
バトルで敵が手強く感じてきたら、キャラクターを強化したり、ガチャで仲間を増やしたり、編成を見直すことなどが重要となってくる。キャラクターの強化は、クエストなどで入手できる「強化玉」というアイテムとゲーム内のお金を消費することで行える。キャラクターのレベルが高くなるほど必要な素材やお金が多くなってくるため、序盤はチームに入れる主要メンバーに絞り、均等にレベルを上げていくのがいいかもしれない。
レベルを10や20など一定まで上げると、バトルスキルの強化やアビリティの修得といったことも行える。こちらはレベルアップに使うものとは別の素材が必要で、消費するお金も比較的高めになっているため、余裕が出てきたら手を出してみるとよさそうだ。
また、敵の属性が分かっている場合には、有利属性のキャラクターをそろえるといった編成も重要となる。属性は心、技、体、陽、陰の5つがあり、それぞれに相性がある。先述の通りキャラごとにタイプも設定されているため、長期戦になるなら回復役を1人は入れておくなど、タイプと相性を考えてチームを編成してクエストクリアを目指そう。
1章では主にバトル要素を把握していくことになるが、2章を進めていくと派遣やキャバクラ、連合といったコンテンツが解放されていく。まず最初に解放される派遣は、警備チームを5人編成して送り出し、お店を近江組から守るというもの。派遣時間は3/6/9/12時間から選択できる。時間が長いほど高い戦力を求められるが、その分、成功したときの報酬にも期待できる、という内容だ。戦闘に参加しないメンバーを送り出し、素材を集めておくといった利用方法になるだろう。
続いて解放されるキャバクラは、シリーズでもおなじみの要素。本作ではプレイチケットと呼ばれるアイテムを消費して利用できる。キャストとの会話を楽しむと“遊ポイント”が獲得でき、それを後述の連合への投資に利用できる。
キャストとの会話中には選択肢が出現し、どれを選ぶかによって相手の好感度が変化。キャストが喜ぶ選択肢を選ぶと獲得できる“遊ポイント”が増えるほか、親密度レベルが上がり、やがてはデートクエストが解放されていく。ゲーム内の曜日は現実と連動しており、曜日によってお店にいるキャストが異なるため、この曜日はあの子を指名に…という、リアルな感覚で楽しむこともできそうだ。
続いて連合についても触れておこう。これはプレイヤー同士で組織を組む、いわゆるギルドやクランにあたるもの。“ドンパチ”と呼ばれる連合同士の戦いがあるため、なるべく大人数の組織に成長させていくほど有利になるだろう。今回のプレイでは試せなかったが、1人連合のプレイヤー同士でドンパチに向けて自動で結成できる“若葉連合”もあるので、ソロプレイヤーでも気軽に参加できそうな雰囲気だ。
なお、ドンパチでは攻撃する襲撃部隊と、防衛する迎撃部隊をそれぞれ編成することになる。コストを消費して攻撃や奥義を発動し、仲間と協力しながら相手連合を攻撃して、より多くのポイントを稼いでいくのが目的だ。先ほどキャバクラで触れた遊ポイントを連合に投資することで、“号令”と呼ばれるドンパチ中のスキルを発動できるようになっていく。
ストーリーを進めてコンテンツを解放し、派遣でプレイチケットを集め、プレイチケットを使ってキャバクラで遊び、キャバクラで溜めた遊ポイントを投資して連合を強化。連合同士のドンパチに参加して強化素材をゲットし、キャラを育ててストーリーを進める。今回体験してみた範囲では、こうしてコンテンツ同士が関連を持ち、うまくプレイサイクルが作られていると感じた。
斬新と言えるほどのシステムはないが、うまく「龍が如く」の世界をスマホゲームに落とし込んだ、という印象だ。気になった点を挙げるとすれば、今回は小さめの端末を使っていたためホームボタンなど一部のボタンが押しにくく感じた部分と、ストーリーがフルボイスではないという点だろうか。作りはオーソドックスで非常に遊びやすく、やんちゃだが素直な面もある春日一番が紡いでいく物語にも興味を惹かれるため、安心して楽しめるタイトルではないかと思う。