グランゼーラから11月22日に発売されたPS4用ソフト「絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-」のプレイレポートをお届けする。
「絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-」は、巨大地震が起こった都市からの脱出を目指すアクション・アドベンチャーゲームの最新作。プレイヤーは災害に巻き込まれた一般人となり、さまざまな人と協力しながら安全な場所を目指すことになる。
シリーズの歴史は古く、第1作目は2002年まで遡る。その後ハードをPSPに移しつつ、さらに「絶体絶命都市4」もPS3での発売が予定されていた。しかし、2011年にPS3での発売中止がアナウンス。長い沈黙を経てPS4で「絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-」というタイトルでの発売が改めて決定した。結果的に長い期間待つことになっただけあって、シリーズファンにとっては満を持しての発売、と言えるだろう。
地震、火災、ビルの崩落…あらゆる災害がプレイヤーを襲う
とある理由で街へ行くためバスに乗っている主人公が、突然起きた未曾有の巨大地震に遭遇。主人公は命からがらバスから脱出するが、すでにオフィスビルが次々に倒壊、道路は寸断されている…というのが、本作のストーリーの導入だ。
主人公が街を訪れる“とある理由”はプレイヤー自身が選択肢で自由に選ぶことが可能で、就職活動中の学生だったり、商談に訪れた会社員だったりバリエーションもさまざま。選択肢はゲーム中に何度も出てきて、真面目な回答から一風変わったもの、悪人になりきれる発言まで用意されている。プレイヤーは選択肢をもとに主人公の人物像を形成、ロールプレイを楽しめる。
さて、本作のメインとなるのは、なんといっても災害に遭った都市を歩き回るアクションゲームとしての一面だ。このゲームでは歩く、走るといった一般的な動きに加えて、屈むアクションも取り入れられている。屈むのは狭い場所を通るときはもちろんのこと、時折発生する余震の際、転倒するのを避ける役割も持っている。余震は頻繁に発生し、プレイヤーの不意を襲ってくることもしばしば。□ボタンを押すだけでその場に屈むので、このアクションはまっさきに覚えておきたい。
ただし屈んでいる間は素早く動けないデメリットもある。余震をやり過ごしたと思ったら、目の前のビルが崩れてきて瓦礫に埋まってしまうことも。身の安全を確保するのは大切だが、それと同時に周囲の確認も大事、というのは現実もゲームも同じだ。
また本作ではキャラクターの喉の渇きや空腹、さらには排泄欲求まで設定されている。食料や水を確保すること、そしてトイレを見つけることも必要になる。もっとも、例えなにも食べなかったとしてもゲーム内でハンデを背負うことはなく、せいぜいキャラクターの動きに変化がある程度。ゲームシステムというより、災害の過酷さを演出している要素と言ってよさそう。
食料などのアイテムを収納するカバンは、道中でどんどんアップグレードできる。デザインが変わるだけでなく収納量も上がるので、見つけ次第装備し直していこう。そのほか主人公が着る衣装や、画面右隅に表示されるコンパスも収集できる。ゲームの攻略には直接関係しないが、マップの隅々まで探索して損はないだろう。
プレイヤーは善人にも悪人にもなれる
本作を語る際のもうひとつのポイントは、災害に直面した人々が織りなす人間ドラマだ。例えば序盤に登場する女子高生は、どうやら同じ学校の生徒をいじめている様子。いじめは災害によって止まるどころか、ストレスの捌け口としてさらにエスカレートしていく。また避難所では、地元の住人に迫害される外国人留学生の姿が克明に描かれている。極限状態に置かれた人間の脆さを表現しているのは、本作の大きな特徴だ。
もちろんゲームの中には悪人だけでなく、心温まるエピソードも多数用意されている。人助けしたとき、その人からかけられる何気ない感謝の言葉に安心させられるのは本作ならではの感情だろう。
こういった人間の内面をさらけ出す会話の数々はあたりを歩いている通行人にも見て取れる。余震に不安を感じている人もいれば、「会社に行けない…」と仕事のことばかり考えている人、事故現場を写真に撮るちょっと不謹慎な人、本当にさまざまな人がいる。攻略のヒントが聞き出せる、という理由もあるが、周囲にいる人との会話をチェックするのもこのゲームの楽しみかたのひとつ。
善悪両方の感情が渦巻くのは主人公も同じだ。豊富に用意された選択肢の中で、正義感にあふれたものを選ぶと「善行ポイント」が、逆に道徳的ではない選択肢だと「悪行ポイント」が溜まっていく。「悪行ポイント」が溜まる選択肢ばかりを選んでいると犯罪行為に加担してしまったり、ときにはキャラクターが命を落とす場合だってある。しかし悪人になることによって大金が手に入ることもあるので、プレイヤーにとっては悩ましいところだ。
地震に火災、液状化現象、浸水、地割れといった災害の数々。そして火事場泥棒や暴漢といった特異な行動、病院にあふれかえる被災者、車中泊をする人…。どれも「絶体絶命都市3」が発売されてから今までの10年間で実際に体験したこと、あるいはテレビで見たことばかりだ。そんな非現実的な、しかし実際に起こりうることをゲームで体験できるのは貴重だ。
ゲームなので多少脚色されている部分もあるが、その代わりとして本作には「ディザスターマニュアル」という災害時の教科書にもなるアイテムが存在する。知っているようで知らない基礎的な知識から、適切な情報の入手方法、怪我の対処方法などマニュアルの種類は多岐にわたる。「絶体絶命都市」は、災害を遊びにしているのではなく、災害を知るためのゲームに仕上がっている。ここにも本作がリリースされた価値があると思う。
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