2019年1月12日、一般社団法人日本野球機構とKONAMIが共同で開催する「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」のe日本シリーズが、東京ビッグサイト TFT HALL 500にて開催された。

「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」は、PS4/PS Vita用ソフト「実況パワフルプロ野球2018」を使用したeスポーツリーグ。プロ野球と同様、セ・リーグとパ・リーグに分かれてeペナントレースを戦う。そして勝ち抜いた2チーム、埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズが、今回の「SMBC e日本シリーズ 2018-19」へと駒を進めた。

これまでのリーグ戦と同様、実況と解説もプロ野球と遜色ない面々が揃った。実況にはニッポン放送ショウアップナイターなどで活躍する清水久嗣さん、さらに解説には真中満さん、谷繁元信さんといったプロ野球OBが出演した。

左から清水久嗣さん、真中満さん、谷繁元信さん。右は自身もプレイヤーとして活躍し、今回はゲーム解説を務めたぶんたさん

また壇上には「パワプロ」シリーズのエグゼクティブディレクター・谷渕弘氏も登場し、シリーズの最新情報を紹介。まず、「実況パワフルプロ野球2018」では2019年シーズンに対応するアップデートを実施するとアナウンス。実施時期こそ明かされなかったが、期待のルーキーや移籍市場がいち早く反映されるという。それだけでなく、オンライン対戦時の守備操作が向上したり、練習モードで配球やコースを細かく指定できたりと、さまざまな改善も行われるという。

そしてもうひとつ、東京ゲームショウ2018で電撃発表された「プロ野球スピリッツ2019」の発売日が、4月25日に決定した。スクリーンショットも何点か公開され、東北楽天ゴールデンイーグルスのユニフォームで躍動する浅村栄斗選手など、2019年シーズンならではのカットもあった。

谷渕氏(写真右)

初のe日本シリーズは21年前の“日本シリーズ”の再現

ここからはいよいよライオンズとベイスターズによるe日本シリーズが幕を開ける。ライオンズは15試合制のシーズンを13勝2敗という圧倒的な成績で勝ち上がった、日本一の最有力候補。一方のベイスターズは混戦になったセ・リーグの中で、チーム打率、防御率ともに1位という成績でe日本シリーズに進出した。

シーズンでも解説を担当してきた真中さんは「普段通りのプレイをしてほしい」と選手にエールを送る。また谷繁さんは、「21年前の日本シリーズと同じ顔合わせですよね」と、自身も選手として出場した1998年の日本シリーズに思いを馳せている様子だった。

ルールは9イニング制で、3イニングごとに操作するプレイヤーを交代。ライオンズはミリオン選手、BOW川選手、なたでここ選手の順。対するベイスターズはヒデナガトモ選手、じゃむ~選手、AO選手の順で対抗する形となった。

試合展開を左右する選手のコンディションはランダムで決まる。両チームとも打線の組み方と先発投手には熟考を重ねている様子だった。

まずはミリオン選手対ヒデナガトモ選手という構図の序盤戦。初回、2回は両チームとも打たせて取るピッチングが冴え渡り淡々と過ぎていったが、3回裏に試合が動く。ライオンズのミリオン選手がツーベースヒットを足がかりにチャンスを作ると意表を突くセーフティスクイズで先制に成功。ここでヒデナガトモ選手は浮足立ったのか、簡単に盗塁を許し、さらに自身のエラーも絡んで失点を重ねてしまう。結果、3回終了時点で5-0という思いもよらぬ点差になってしまう。

中盤戦は攻めるしかないベイスターズ・じゃむ~選手を、ライオンズのBOW川選手が迎え撃つ。じゃむ~選手は徹底した流し打ちでヒットを打つものの、なかなか連打にならない。内野ゴロや犠牲フライでなんとか2点を返すものの、BOW川選手も1点を追加。6-2とライオンズ優勢のまま終盤戦へなだれ込む。

最後に操作するのはライオンズがなたでここ選手、ベイスターズがAO選手。両選手ともチャンスこそ作るものの得点につながるケースは少なく、6-3とライオンズリードで最終回を迎える。ここまでくるとライオンズは小刻みな継投に入り、多彩な変化球で翻弄していく。AO選手も2アウトからヒットを放ち粘りを見せるが、反撃実らずそのまま試合終了。ライオンズが勝利し、初の日本一の座を掴み取った。

白熱の展開となった試合を振り返った真中さんは「派手さはなかったけど、堅実な野球でしたね」とライオンズの野球を総括。谷繁さんは「配球や守備シフトにも意図が見えて面白かったです」と、現実の野球に見劣りしない心理戦に驚いていた様子だった。

またヒーローインタビューではBOW川選手が「ファンの方から『がんばれ』と声をかけてくれることも多くて、そういった方の後押しもあってここまで来れました」と涙をこらえながらコメント。さらに最優秀選手賞に輝いたなたでここ選手は「まさか自分がこの舞台で、こんなタイトルを取れるとは思っていませんでした。2019年も新シーズンがあるので、目標とされるような選手になっていきたいです」と今後への意気込みを語った。

優勝トロフィーを贈るKONAMI代表取締役社長・早川英樹氏
こちらは最優秀選手賞を受賞するなたでここ選手と、祝福するプロ野球の斉藤惇コミッショナー

なたでここ選手のコメントにもあったとおり、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」の来シーズンが行われることがすでに決定している。「パワプロ」内のデータは更新され、さらに各チームに所属するプレイヤーも変わってくることだろう。今シーズンとはまったく異なるチームがe日本シリーズで戦うことも大いに有り得るだろう。日本を代表するe-Sportコンペティションとして、来年以降のさらなる発展にも期待していきたい。

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