バンダイナムコアミューズメントは1月26日、幕張メッセにて開催されていた「ジャパンアミューズメントエキスポ2019」(JAEPO2019)の同社ブースにて、「ポーカースタジアム」のスペシャルステージを実施した。
会場には「ポーカースタジアム」でシュン役を務める松岡禎丞さん、ノエル役の高野麻里佳さんに加え、プロポーカープレイヤーである木原直哉さん、ゲームのプロデューサーである伊藤正吾氏が登場。まずは伊藤氏から本作で採用されているポーカーゲーム“テキサスホールデム”の基本的なルールが解説された。
テキサスホールデムは、手持ちカード2枚と場の共有カード5枚でポーカーの役を作っていくというもの。1回の勝負は4ラウンド構成で、ラウンドが進むごとにカードが各自の手持ちカード2枚、共有カードが3枚、1枚、1枚の順に配られていく。各ラウンドで配られたカードを見て、「勝負を降りる」「勝負を続ける」「賭け額を上げる」の3つから行動を選択していく。全員のチップが同額になったら次のラウンドに進む。
最終ラウンドで2人以上がチップを賭けた状態になったらショーダウンで互いの手札を見せ合い、役の強さを競い合う。ここで一番役の強い人がチップを獲得できる。また、途中でほかの全員がフォールド(勝負を降りる)した場合、残った1人がチップを獲得できる。
日本では手持ちカード5枚の中で、カードを交換して役をそろえるドローポーカーが一般的な印象だが、テキサスホールデムは海外のカジノなどで主流となっている。
プロポーカープレイヤーとして世界で活躍されている木原さんは、テキサスホールデムの魅力を「ゲームのPVには『欺け』『見破れ』とありますが、逆に欺かれないように、見破られないようにしなければいけないとも言えます。どうプレイするか突き詰めると難しいのですが、初めて遊んだ人でも世界チャンピオンに勝つことが普通にあるゲームです。そこを楽しんでほしいです」とコメント。
そのテキサスホールデムをゲームに落とし込んだのが「ポーカースタジアム」である。どういったゲームになっているのか、伊藤氏からより詳しい内容が語られた。
画面は上下の2画面に分かれており、上画面で自身を含む参加者5人が表示される。下画面はポーカーテーブルにおける自身の領域が表示され、配られているカードやチップがある。ここを指で直接タッチして、カードをめくったりチップを移動させるため、デジタルゲームながら対戦相手と向かい合って勝負をしているような臨場感を感じられるようになっている。
特徴的なのが、プレイヤーがカードをめくると上画面のキャラクターも連動してカードをめくる動きをすること。カードの読みあいやチップの応酬はもちろんだが、自分の動きが対戦相手に伝わるため、新しいカードが配られた際に「あの人は何を気にしているのか」といったことを意識することも重要となりそうだ。
また、本作には勝ち抜き要素がある。実際の勝負だとチップが多い人が有利に場を展開しやすいが、本作では15,000点を超えると勝ち抜けて次のテーブルに移る仕組みのため、チップの差が大きく開きすぎないようになっている。
ゲームらしく定型文のテキストチャットが用意されているのも特徴。「やめておくんだな」「ウソでしょ!?」など、相手にゆさぶりをかけることもできる。これについて伊藤氏は「ポーカーの勝負はポーカーフェイスという言葉がある通り、表情を出したり喋ったりしないものです。ですがゲームなので、本作では感情表現豊かに遊べるようになっています」と述べ、ネット対戦が可能な本作でコミュニケーションも含めて楽しんでほしいとした。
なお、ゲストに松岡さん、高野さんが参加していることもからも想像できる通り、登場キャラクターには豪華声優陣によるボイスがついている。各キャラクターの個性も非常に豊かで、松岡さんは自身が演じたキャラクターについて「シュンはものすごくまっすぐな男の子で、嘘がつけないんじゃないかっていうぐらいです」とコメント。収録の際にゲームのキャッチである「欺け」「見破れ」を意識したほうがいいのかと考えたようだが、「この子はまっすぐなキャラでお願いします」というディレクションがあったという。
高野さんは渡された企画書に載っていたキャラクターを見ていたところ、マリカというキャラクターがいたので「私はこの子をやるんだ」と思いながら台本を読んでいたというエピソードを披露。クールビューティな見た目に反して軽いノリだと思ったら、実際に演じるのはノエルというキャラクターだった、というわけだ。
このノエルについては、見た目通り軽いノリもあるが「そのノリが『欺け』といったところに直結しやすいキャラクターです」と話す。彼女のノリが軽さゆえか、それとも本気なのか、使っていて楽しいキャラクターとのこと。
このあとは松岡さんと高野さんが実際にゲームをプレイしてみることに。ほかのメンバーは別の場所から開発スタッフが参加し、5人での対戦。松岡さんは「破産させてやりますよ!」と強気に、高野さんは「勝負とか苦手なので、お手柔らかにお願いします~」と相手を油断させにかかり、プレイ前から早くも駆け引きを繰り広げる。
1プレイ5回勝負となっており、1回目は高野さんがレイズ(賭け額を上げる)でチップをつり上げ、開発陣は早めにフォールド、唯一松岡さんが応じる形で進行。松岡さんがかなり強気に出たことで、高野さんがフォールドし、チップの応酬だけで松岡さんが一気にトップへと躍り出た。
2回目も似た展開だったが、今度はショーダウンまで進む。共有カードは「クラブ7」「クラブJ」「ハート8」「ダイヤ5」「クラブ6」で、松岡さんの手札は「ダイヤ5」「スペードQ」でワンペア。高野さんは「スペード9」「スペード3」でストレートとなり、高野さんが取られたチップを奪い返すような結果となった。
以降も松岡さんが強い手札ながらも、悩んでいるうちに時間切れで強制フォールドになってしまい、悔しがる姿を見せるなど、見ているだけでも飽きない展開が続く。そして最後の勝負では、残りチップが少なかった松岡さんが初手からオールイン(全額賭け)。控えめなプレイだった開発スタッフを含め、全員が勝負に乗った。このとき一番チップが多かった高野さん以外がオールインの状態でショーダウンまで行き、結果は開発陣の1人がスリーカードで総どり。高野さんの残りチップを上回り、最後の最後でスタッフが1位をもぎ取る結果に。
対戦を終えた松岡さんは、「頭を抱えるほど悩みますが、楽しいですね!」と感想を述べた。某ゲームのカジノでしかやったことがないというが、カードをめくると役がそろっているか教えてくれる仕様のため「すごく親切設計なので、みんなで破産しましょう(笑)」とアピール。
高野さんも「独り言が増えそうなぐらい考えるゲームですね(笑)」と、対戦を振り返って集中していたことを話す。“マインドスポーツ”と呼ばれるだけあり、囲碁や将棋のように遊べる魅力があり、個人的にも続けてみたいと興味を持った様子だった。
最後に伊藤氏は「誰でも自分の判断力だけで平等に勝負が楽しめるゲームなので、対戦ゲームの新しいジャンルになると思います」と、木原さんは「『ポーカースタジアム』でルールを覚えた人が世界大会に出る、そんな未来が来るんじゃないかと思いワクワクしています」とそれぞれが稼働開始に向けた意気込みを語り、場を締めくくった。