2019年2月28日にスクウェア・エニックスよりリリース予定のPS4/PC用ソフト「LEFT ALIVE」。今回は発売に先駆けて本作をプレイする機会を得たので、そのインプレッションをお届けする。

「フロントミッション」シリーズの世界観を踏襲した新作

「アーマード・コア」シリーズを手がけてきた鍋島俊文氏がディレクター、「メタルギア ソリッド」シリーズで知られる新川洋司氏がキャラクターデザインを務めるという、豪華な布陣によって制作が行われた本作。プロデューサーは「フロントミッション」シリーズも手がける橋本真司氏が務めているが、本作ではその「フロントミッション」シリーズと世界観を共有する作品となっている。シリーズの象徴とも言える巨大兵器「ヴァンダー・パンツァー」(ヴァンツァー)を始め、ザーフトラ共和国やオシアナ共同連合(O.C.U.)といった国家も引き続き登場する。

キャラクターは一新されているため、「フロントミッション」シリーズの知識がなくても
ストーリーに置いていかれることがないので安心。
メニュー画面から開けるデータベースや、マップ中で入手できるアーカイブから、世界観への理解を深めることもできる。

「ガルモーニヤ共和国」が、隣国「ルテニア共和国」に対して侵攻を開始したところから本作の物語は始まり、その2国の間に位置する国境の町「ノヴォスラヴァ」が主な舞台となる。

「生きるのか、生かされるのか」というキャッチコピー、ジャンルが「サバイバルアクション」となっていることからも分かる通り、本作の目的は「生き残る」こと。戦火に巻き込まれたノヴォスラヴァの町から、ミハイル・オリガ・レオニードという3人の主人公を代わる代わるに操作し、それぞれに脱出を目指す……というのが主なゲームの流れとなる。

ルテニア陸軍に所属するヴァンツァーパイロットであるミハイル。ノヴォスラヴァの防衛のために出撃するも、
敵に撃墜されてしまう。命からがら機体から脱出したミハイルは、孤立無援の状況の中残存する友軍との合流を目指す。
紅一点となるオリガは、ノヴォスラヴァ市警察に勤める警察官。ノヴォスラヴァ市内で頻発する行方不明事件の調査中、
うずくまる謎の少女を保護したオリガだったが、ガルモーニヤ共和国の攻撃が開始され、戦火へと巻き込まれていくことになる。
ノヴォスラヴァ解放運動グループ「NGFP」のもと幹部メンバーであるレオニード。グループのリーダーであった
ルスランの殺害容疑で投獄、死刑判決も受けるも、なぜか死刑は執行されておらず、戦闘の混乱に乗じて脱獄する。
レオニードはその原因を作ったルスランが生きていることを知り、その行方を追い始める。
プレイヤーが操作キャラクターを選択するのではなく、チャプターごとに操作する主人公が切り替わる方式。
基本的なパラメーターに変化はないが、主人公ごとに手に入りやすい装備や素材の傾向が異なるようだ。

そうした方向性は、全体のゲームデザインやバランスにも反映されている。本作では、チャプターごとに動き回れるマップの中に、赤いアイコンで示された目標地点が設定されており、そこにたどり着くことでイベントが進行する。目標地点に到達するには一筋縄ではいかず、プレイヤーの行く手を遮る敵兵が多数配置されている。

目標地点にどうやって辿りつくかはプレイヤーに委ねられており、少しずつ敵を排除しながら進む、もしくは敵の警備が手薄なルートを探し出してこっそりと抜ける、敵をおびき出して移動させて後に通過するなど、さまざまなルートが用意されている。

また一般的なTPSに近い操作形態になっているので勘違いしがちだが、本作はシューティングゲームでも純粋なアクションゲームでもない。そもそもの弾薬が入手機会の限られるのに加えて、敵の耐久力がかなり高めに設定されており、ヘッドショットを当てても即死しない。

というのも、本作に登場する敵兵士は、身体能力を向上させる強化外骨格を装備しており、プレイヤーができないような超人的な動きを取ることもできる。対するプレイヤーキャラクターは、皆訓練こそ受けてはいるものの、全員が普通の人間であるため、もともと正面から戦うのは不利だという前提でバランスが設計されている。

筆者は普段からそれなりにFPS・TPSをプレイしているので、エイミングには慣れている方なのだが、それでも正面からの撃ち合いになると、序盤に登場する兵士一人相手ですらギリギリの戦いを強いられるほどだった。

ゲームを開始すると、いきなり銃弾の雨にさらされることに。ハンドガンの弾は手に入るものの、反撃するより逃げる方が得策だ。
体力ゲージは一定時間ダメージを受けずにいると自然回復するようになっているが、
5つに分けられたゲージ1本分以上のダメージを受けると、体力の上限が減少し、それ以上は回復しなくなる。
生き残るには「ガジェット」の活用が必須

ではどうすれば生き残ることができるのか、方法の一つが「ガジェット」と呼ばれる道具を使うことだ。

本作には「火炎瓶」や「フラググレネード」、「有刺鉄線」に「索敵センサー」といった、数えきれないほど多くの種類のガジェットが存在し、さまざまな使い道が存在する。FPS・TPSでもこういった装備はサブウェポン的な位置づけで登場するが、本作ではむしろガジェットがメインウェポンと言ってもいいほどに、重要度が比較にならないほど高い。敵との撃ち合いよりも、それぞれのガジェットの特性を理解し、状況に応じて使いこなすというのが、攻略の際にもっとも重要なポイントとなる。

ガジェットはマップ内に配置されているものの他に、素材を消費していつでも作成することもできる。ただしそのマップ内で獲得できる素材の数には限りがある上、例えば「爆破缶」「IED地雷」は、ともに「爆薬」を素材として作成するため、爆破缶を大量に作ったあとに、地雷が必要となった時、作れないというケースも頻繁に発生する。

加えて、武器や素材、ガジェットには全て重量が設定されており、プレイヤーが所持できる重量には上限が存在するため(バックパックを拾うと上限は増やせる)、全ての素材を持ち歩くことはできない。直面した状況に合わせて何が必要かを考え、いかに少ないリソースを使ってクリアできるかに頭を悩ませることになる。こうした、その地で入手したものを利用してやりくりしている感覚は、まさに本作のジャンルにもなっているサバイバル的な要素だと言える。

筆者が行き詰まりそうになった時に役立ったのが、
一定範囲内の視界を奪うスモークグレネードと、効果中は一定ダメージを受けても死亡しなくなる鎮痛剤。
どうしてもステルスが難しい場面では、緊急回避のローリングと合わせて、強引な突破を図っていた。

なお持ちきれないアイテムはマップの各地に配置されているアイテムボックスに入れておくことができるのだが、アイテムボックスの中身は共有ではないため、一度離れると再回収は難しい。

ただし、本作では異なるキャラクターを操作して同じマップをプレイする場面があり(オリガ視点のチャプター4と、レオニード視点のチャプター5など)、そうした場面では前にプレイしたキャラクターが置いていたアイテムや素材を別のキャラクターが利用することができ、攻略が楽になるといった要素も存在する。

1周目は意識して役立てるのは難しいが、2周目以降には「あとのチャプターで来た時のために、アイテムボックスにグレネードを残しておく」といった攻略法も使えるようになるかもしれない。

ルートを見極めて戦いを極力避ける

そうしたガジェットを使っての攻略には、リソースを消費するという最大の欠点がある。リソースを温存する上でもっとも効果的なのは、戦わずにやり過ごすことだ。

本作には物陰に隠れながら移動・攻撃するカバーアクション、姿勢を低くして移動するなど、俗にいうステルス系のゲームでお馴染みのアクションも一通り用意されており、敵に忍び寄って背後から近接攻撃で倒すという、ステルスキルのような立ち回りも可能となっている。ステルスキルなどで倒すことができれば、完全に無力化することができるのでその後の行動の自由度が大幅に上がる。

頻繁に拾うことのできるガジェットである「空き缶」。攻撃効果はないが、物音を立てて敵兵をおびき寄せる効果がある上、
再度回収して使用できるので非常に便利で、ステルスキルを狙う際に役立つ。
クラフト素材にもなるので、うっかり使い切らないように。
ダウンした敵を追撃するダウン攻撃は、近接武器でのみ使用可能で、物音を立てずに一撃で致命傷を与えられる。
一撃で敵をダウンさせられるダッシュ攻撃やスライディングでダウンさせた敵にダウン攻撃でトドメを刺すのは、
かなり重要なテクニック。

だが、近接攻撃を行う際に使用する武器(金属パイプ、シャベルなど)には耐久値が設定されており、何度か使用を続けていくと性能が下がっていき、最終的にはほとんどのダメージを与えられない状態となる。銃に頼りにくい本作では、近接武器がかなり重要で、これが壊れてしまうと大幅に立ち回りに制限が掛けられるため、金属パイプの1本ですら無駄使いは避けたい。銃は入手が限られる弾を消費するのはいうまでもなく、そもそも「戦わない」という選択も必要となってくる。

しかし、敵にまったく気づかれずに進むというのは簡単なことではない。

本作は、ステージ全体のマップをいつでも見ることができ、マップ上には敵の警戒度の高いエリアが色分けされて表示される。そのため、だいたいどのあたりのルートを通るのがいいのかの想像はつくのだが、色の濃いエリア以外にもしっかりと敵兵は配置されており、気を抜くことはできない。マップ上では通れそうに見えても、いざ行ってみると道が繋がっていなかった……ということも少なくなく、筆者は序盤のステージから敵に見つかっては殺され、見つかっては殺されを何度も繰り返す羽目になっていた。

ただ、本作が面白いのは、そうしたトライ&エラーを何度も繰り返していくと、ふとした瞬間に嘘のようにあっさりと突破できる瞬間が訪れること。最初は「絶対に無理だろ!」と思えるようなところも、ほんの少しルートやタイミングを変えるだけであっさりと通過できた……ということが頻繁に起こりうる。

その例の一つが、警備が厳しい地上を避けて、地下を抜けて目的地を目指すというルートで、こちらは配置されている敵が少ないことが多い。こういうと地下の方が安全に思えるが、地下は地下で逃げ場が少なく、一度見つかってしまうと切り抜けるのが難しいデメリットがあるため、実は地上の方が抜けやすい…というケースも発生する。とにかく一つの方法、ルートに固執せず、時には発想を転換してみることが、かなり重要なゲームだとも感じられた。

一方で、ボス戦のように正面からの戦闘を回避することができない状況が発生することもあり、その際には、それまでに集めたガジェットや銃弾を惜しまずつぎ込んで戦うことになる。難しいのが、それまでの道中でガジェットなどを消費しすぎていると、こうした強制戦闘での難易度が跳ね上がること。いかにリソースを温存しながら道中をやりくりして、リソースを回せるかが、攻略のポイントになってくるだろう。

助けるか、見捨てるか――プレイヤーの「選択」の重要性

どのガジェット、どのルートを選ぶかという「選択」が重要なゲームといえる本作だが、NPCとの会話イベントで選択肢が発生するなど、プレイヤーの選択はイベントの中でも発生する。

例えば最初のチャプター1では、道中に負傷した友軍の兵士が倒れており、話しかけると選択肢が発生。筆者が答えをためらっていると(選択肢によっては、選ばなくても時間経過で進行してしまう)、しびれを切らした兵士に貴重な銃の弾を奪われてしまうといったことがあった。

この後、兵士は敵に見つかって殺されてしまうのだが、元の位置に戻ると奪われた銃弾が落ちている。なんとか銃弾を取り戻したかった筆者は、引き返すことを選択。とはいえ敵はその場に残っており、弾がない状態でまともに戦っても勝ち目がないため、空き缶を投げて敵の別方向に気をそらした隙に銃弾を拾い、その場から逃げることに成功した。

もちろん無視して先に進んだり、敵兵士を殴って倒すといった行動も可能で、状況に対してとれる行動の自由度の高さも本作の特徴となっている。

ストーリー上かならず発生するイベントにも選択肢が出現することも。
チャプター1のラストでは、筆者はミハイルの上官であるアレクサンドルを殺害されてしまったが、
別の選択肢を選べば、生存させることもできたのかもしれない。

またそれぞれのチャプター内には、戦闘に巻き込まれた市民などの生存者が取り残されており、彼らを助けるかどうかの判断もプレイヤーに委ねられている(ゲーム中ではサブクエスト扱い)。

生存者たちを救助する場合、マップ内に存在するシェルターまで誘導する必要があるのだが、武器をもっていない生存者たちは、敵兵に見つかると何もできずに殺されてしまう。そのため、シェルターまでのルートの安全を確保する必要があるのだが、前の項目でも触れた通り、本作では敵兵を倒すのに何かしらのリソースを消費するため、すべての生存者を助けようとすると、かなり難易度が高くなる。

面白いのは、そこまでのリスクを負って助けても、ゲーム的なメリットが一切ない(いわゆるクエスト報酬が存在しない)場合も少なくないこと。「ゲーム的なメリットはないかもしれないけど、それでもリスクを負って助けるか?」と、プレイヤー自身の道徳心を問われるような作りになっている。

筆者はこうしたサブクエストがある場合、ほぼ全部クリアしてから進まないと気が済まないタイプだったのだが、本作では他人を助けている余裕がなかなかないこともあり、敵の警備が厳しい場所にいる生存者は見捨てることも少なくなかった。極限まで追い込まれているサバイバル感を、こうした要素からも味わうことができる。

アイテムが獲得できたり、ストーリーに変化が起きることもある。

なお「フロントミッション」シリーズでの主役ともいえるヴァンツァーは、通常のマップ中にも敵として配置されており、見つかったら立ち向かうのはまず無理と言っていいほどの、圧倒的な戦闘力を誇る。

非常に厄介な敵ではあるのだが、ロボット好きとしては一兵士の視点から見たヴァンツァーのスケール感に圧倒され、思わずテンションが上がってしまった。

土嚢に身を寄せて隠れている真横をヴァンツァーが歩いて通り過ぎていくのを緊張しながらやりすごしたり、ヴァンツァーに発見されてしまった時の絶望感は、本作でしか味わえない体験だ。

一部のチャプターでは、実際にヴァンツァーに乗り込んで操作できるミッションもあり、がらりとゲーム性が変わる。従来のシリーズのように、ヴァンツァーをカスタマイズしたりすることはでないのだが、敵ヴァンツァーを破壊すると、その機体が装備していた武器がドロップし、装備している武器と持ち替えられるという要素も存在する。

ひとたびヴァンツァーに乗れば「一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやる!」と鼻息を荒くして、強化外骨格をまとった敵兵相手に、これまでの鬱憤を晴らすこともでき、メリハリとしてうまく機能しているように感じた(ロボット好きとしては、もっと自由にヴァンツァーに乗り、町の中を移動したりしたいという気持ちもあるが)。

プレイ全体を通して感じたのは、本作は良い意味でも悪い意味でも、人を選ぶゲームだということ。ほんの少しの距離を進むだけですさまじい緊張感があり、どんなに警戒しても、死ぬときにはあっさりと死ぬため、トライ&エラーがあまり好きではないプレイヤーにはまずおすすめできない。

ただその分、一見無理かと思える包囲網を、自身の知恵と発想で潜り抜けられた時の喜びは格別。システムが複雑でやれることが多い分、なかなか直観的に動かしにくいUIや操作周りにはまだ課題も感じたが、その分やりごたえを求めるプレイヤーには、たまらない内容となっているはずだ。

※難易度は4段階に分けられているが、最低難易度の「LIGHT」でもごり押しでのクリアはほぼ不可能なバランスになっており、かなりの歯ごたえがある。

キーコンフィグはボタン配置からエイムの感度までかなり細かく設定できるため、自分に合った操作性に変更することが可能。

なお本作では、カットシーンなどのチェックポイントで発生する際に行われるオートセーブのほかは、マップにいくつかあるセーブポイントでのみ行えるようになっている。オートセーブはそこまで行われる頻度が高くないため、死ぬと大きく戻されてしまうことも少なくない。そのため、こまめな手動セーブはかなり重要で、命からがら次のセーブポイントにたどり着くことができた際には、得も言われぬ安心感を味わえる。

また今回のプレイでは体験できなかったが、オンラインに接続すると、多くのプレイヤーが死亡した位置を表示することができるようになり、危険な地帯を察知しやすくなる。できるだけその位置を通らないルートを考えたいところだが、他のプレイヤーの死亡地点にはアイテムが落ちていることもある。個人的にはこうした体験や要素は、ディレクターの鍋島氏が在籍していた、フロム・ソフトウェアが手掛ける「ソウルシリーズ」にも通じるものがあると感じた。

筆者は一つ一つのセーブポイントを「拠点」のようなものと考え、少しずつ安全に通れるルートを確保して素材を集めたら、
一度戻ってきてセーブを繰り返し、探索が完了したら次の地点に向かう……といったやり方でゲームを進めていた。

「爽快感」という言葉からはほど遠い、とにかく泥臭く、骨太な内容となっている本作は、開発陣からの「クリアできるものならやってみろ!」という、一種の挑戦状のようなものだとも感じられた。幾多の試行錯誤の果ての達成感を味わいたいというプレイヤーは、是非とも体験してみることをオススメしたい。

LEFT ALIVE

スクウェア・エニックス

PS4パッケージ

  • 発売日:2019年2月28日
  • 価格:8,300円(税抜)
  • 17歳以上対象
LEFT ALIVE

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スクウェア・エニックス

PS4ダウンロード

  • 発売日:2019年2月28日
  • 価格:8,300円(税抜)
  • 17歳以上対象
LEFT ALIVE

LEFT ALIVE

スクウェア・エニックス

PCダウンロード

  • 発売日:2019年3月6日
  • 価格:8,300円(税抜)
  • 17歳以上対象
  • Steam
LEFT ALIVE
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CHARACTER DESIGN: YOJI SHINKAWA (KOJIMA PRODUCTIONS Co., Ltd.)

※画面は開発中のものです。

この記事のゲーム情報

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