コーエーテクモゲームスが2019年3月1日に発売するPS4/Xbox One/Steam用ソフト「DEAD OR ALIVE 6」の先行プレイレポートを紹介する。
前作「DEAD OR ALIVE 5」がPS3とXbox 360で発売されたのは2012年、その後PS Vita版やアーケード版、PS4版など多彩な展開を見せてきたが、ナンバリングの最新作という意味では実に7年ぶりとなる「DEAD OR ALIVE 6」。本作は、「NINJA GAIDEN」や「仁王」などでも有名なTeam NINJAが手がける3D格闘ゲーム。美しいビジュアルと臨場感あふれるステージ演出、そして玄人好みの駆け引きが楽しめるゲームシステムは“激闘エンターテインメント”と称されている作品だ。
発売まで約1週間に迫った今、自らの実力を早く試したいプレイヤーも多いことだろう。また、2月22日に配信、2月23日・24日の2日間限定でプレイできる豪華体験版のニュースで興味を持った人もいるはずだ。そんな本作は一体どんな進化を遂げたのか、そして初心者が介入する余地はあるのか。発売に先駆けてプレイする機会が得られたので、その手触りを紹介していく。
なお、発売前ということもあり本稿で触れるのはオフラインで遊べるストーリーモードやDOAクエストにのみとなっている。オンライン対戦については、豪華体験版で実際に確かめてほしい。
三すくみの関係にプラスされた、必殺技を打つ駆け引き
まず、「DEAD OR ALIVE」シリーズに共通する基本的なバトルシステムについて解説しよう。本作では「打撃」「投げ」「ホールド」が三すくみの関係になっており、この強弱関係で勝てる技を当てると、それはハイカウンターヒットとなって相手に大ダメージを与えられる。安易に打撃を繰り出すと相手のホールドで受け流されるし、逆にホールドばかりで動きが遅いと、投げ技の餌食になってしまう。この3つの攻撃をバランスよく、そして瞬時に使い分けることが「DEAD OR ALIVE」シリーズの醍醐味であり、そして難しさでもあるわけだ。
さらに最新作ではこれに加わる形で、必殺技を打つための「ブレイクゲージ」が導入された。ゲージはダメージを与えたり、逆に受けることで徐々に溜まっていき、これを消費することでさまざまな必殺技が繰り出せる。具体的には、敵の打撃をさばきつつ打撃を叩き込む「ブレイクブロー」と、相手のあらゆる攻撃を返せる「ブレイクホールド」の2種類だ。
上述の「打撃」「投げ」「ホールド」に関しては相手の動きをある程度読む必要があり、それが上級者と初心者の大きな壁になっていた。しかし「ブレイクブロー」「ブレイクホールド」はタイミングを合わせるだけなので、その壁はぐっと低くなっている。
ちなみにこのブレイクブローを女性キャラクターに上手く当てると、服が破れるちょっと嬉しい演出も。もちろん揺れるところは揺れるし、ファンなら納得の仕上がりと言えるだろう。
もうひとつ便利なコマンドとして覚えておきたいのが、Sボタン(PS4版はR1、Xbox One版はRB)を連続で押すと発動する「フェイタルラッシュ」だ。こちらはボタンひとつで繰り出せる、言わば“お手軽コンボ”といったところ。格闘ゲームといえばさまざまなコマンドを組み合わせてコンボを組み立てるケースが多いが、本作に限ってはそれがひとつのボタンに集約されているのだ。
ブレイクゲージが満タンの状態でフェイタルラッシュを発動すると、最後の技が自動でブレイクブローに変化する。ブレイクブローを単発で出すことももちろん可能だが、流れの中で確実に発動するのは大きな魅力だ。また、フェイタルラッシュの攻撃がうまく当たると、相手を「フェイタルスタン」というスタン状態にできる。フェイタルスタン中だと、相手はほとんど行動ができないので、さらなる攻撃に打って出ることも容易だ。
ただし、フェイタルラッシュは攻撃のパターンに乏しく、また発動も若干遅く感じた。オンライン対戦では上級者が簡単に対策してしまう未来も想像できる。決して万能ではないので、数ある攻撃方法のひとつ、くらいに思ったほうがいいだろう。
逆にこちらがフェイタルスタンになってしまったとき、唯一できる行動が相手の攻撃をいなすブレイクホールド。チャンスを確実に活かすのか、それともピンチのときに備えるのか…。ブレイクゲージの使い方がとにかく鍵になってくる。
ストーリーモードでは多くのキャラクターがまんべんなく活躍
ここからはソロプレイで楽しめるストーリーモードやDOAクエストについて紹介していこう。まずストーリーモードは特定の主人公は存在せず、さまざまなキャラクターのエピソードが少しずつ解放されていく仕組み。すべてのキャラクターの物語を徐々に把握していく中で、全体像が浮かび上がってくる。
ひとつのエピソードは短くまとまっており、イベントシーンとバトルを合わせても5分程度といったところ。また対戦で使うステージが物語の舞台になっているケースがあり、対戦における障害が、ストーリー上でもキャラクターを襲うという面白いシーンが見られる。
自然な流れで多くのキャラクターを使用することになるので、自分に合ったキャラクターを見つけ出すには最適なモードといえる。未プレイのキャラクターを扱う場合はチュートリアルで基本操作を覚えることも可能だ。
そしてDOAクエストは、さまざまなミッションが設定されたクエストをクリアしていくモードとなる。ミッションの内容は「敵の中段パンチを2回ホールドする」「サイドステップ中の相手に3回攻撃をヒットさせる」など、攻撃方法を指定するものが多い。そしてミッションを一定数クリアすると、あらたなクエストが解放される。
ただ単にクエストをクリア、つまりCPUとの対戦に勝利するだけなら苦労することはないが、すべてのミッションとなると途端に苦労する。クエストの種類も豊富で、プレイヤーの現在の実力を測るにはうってつけだ。
これらのモードは製品版で思う存分プレイできるが、豪華体験版で触れることができるのはストーリーの冒頭や各種トレーニングモード、そしてオンラインを介したランクマッチとなっている。かすみやあやね、ヒトミなどおなじみのキャラクターが一通り使用できるので、ダウンロードする価値は充分にあると思う。そしてオンラインでの使用感を確かめて、来たる製品版の発売に備えよう。