スクウェア・エニックスがPS4/PC/Mac向けにサービス中の「ファイナルファンタジーXIV」。3月24日に開催された「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル2019 in 東京」にて、オフィシャルバンド「THE PRIMALS」のスペシャルライブが行われた。
「ファイナルファンタジーXIV(以下「FFXIV」)」のプレイヤー向けファンイベントとして、3月23日・24日に開催された「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル2019 in 東京」。
2日間に渡り開催された本イベントのフィナーレを飾ったのが、「FFXIV」のオフィシャルバンド「THE PRIMALS」のスペシャルライブだ。
これまでワンマン Zeppツアーの開催や、発売したライブBlu-rayがオリコンの音楽Blu-ray部門で週間ランキング1位を獲得するなど、ゲームのオフィシャルバンドの枠に収まらない活躍を続けてきた「THE PRIMALS」。Zeppツアー以来の日本でのステージということもあり、開演前から1万5千人の光の戦士たちの興奮が幕張メッセを包んでいた。
ライブがスタートするとお馴染み「雷鳴」をBGMに「THE PRIMALS」メンバーが登場し、「混沌の渦動 ~蛮神リヴァイアサン討滅戦~」「忘却の彼方~蛮神シヴァ討滅戦~」を披露。「忘却の彼方」のヴォーカルはギターのGUNN氏が担当した。
MCでは、今回のセットリストが“途中で休憩を挟む”バージョンと“最後まで光の戦士を倒しにいく”バージョンが候補としてあったことが語られ、今回は倒しにいくバージョンで演奏されることが告げられると、光の戦士たちは大きな歓声でこれを迎えた。
続くセットリストは「曲がらぬ刃~蛮神ラーヴァナ討滅戦~」「eScape ~次元の狭間オメガ:アルファ編~」「天つ風 ~白虎征魂戦~」。「天つ風」のメインヴォーカルを担当したのはなんと、「FFXIV」のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏。着用していた着物は、京都の職人によるオーダーメイドで白虎があしらわれている。合間のトークでは、この着物が驚きのお値段であることも明かされた。
その後は、「メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~」「魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~」「千年の暁 ~朱雀征魂戦~」「月下彼岸花 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~」が演奏される。千年の暁と月下彼岸花は、サプライズゲストとして声優の南條愛乃さんがメインヴォーカルを担当。テンゼンもとい、光の戦士たちは驚きと喜びの歓声でこれに応えた。
ライブもいよいよ佳境を迎える。ラスト4曲は「メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~」「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」「過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~」「ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~」と、正に“光の戦士を倒しにいく”布陣だ。
「ライズ」では“時間停止”ギミックを一発で処理、「過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~」では「火力無かったら俺らのこと倒せねぇからな!全力で来いよ!」と観客を煽る祖堅氏。光の戦士たちも本日一番のDPSを出してこれを迎え撃つ。最後の「ローカス」では、会場全体が一体となって最後の瞬間を楽しみ、惜しまれながらもスペシャルライブは幕を下ろした。
ライブ直後の「THE PRIMALS」へインタビュー!
ライブ終了後、「THE PRIMALS」への囲み取材が行われた。メンバーが、今回のライブへかけた意気込みや、今後の抱負などが語られたので紹介していこう。
――本日の公演を終えての感想をお願いします。
GUNN氏(Gt.):今回は曲数や演出も含めファンフェスの随分前から皆で考えてきました。上手くいくか分からない部分もあったんですけど、本番ではヒカセンたちが楽しそうにしてくれていたので、それが全てだと思っています。
たちばな哲也氏(Dr.):「THE PRIMALS」に参加して長くなりましたが、今回のようなセンターステージは初でした。音的な心配はあったのですが、評判も良く来てくれた人たちも喜んでくれたので一安心しています。個人的には反省もありますけど(笑)。
祖堅正慶氏(Gt.&Vo.):たった一時間半のライブでしたけど、物凄い要素を凝縮して積み上げたステージでした。ステージもセンターだったので難しかったのですが、なんとか出来たかなぁと思っています。ゲストも、ウチのボスと南條さんを呼べたのは、嬉しいポイントですね。他人の力を借りてなんとかするという(笑)。今後も色々な「THE PRIMALS」をみせられるように、引き続きこのメンバーで頑張っていきたいです。
イワイエイキチ氏(Ba.):1万5千人でセンターというのは、こんなにも疲れるのかと思いました(笑)。それでも大成功だったと思いましたし、何よりライブを重ねる毎に「THE PRIMALS」がバンドらしくなっていくことが感じられて良かったです。
マイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏(Vo.):今回は「THE PRIMALS」では一番曲数が多かったのですが、私は休みの曲が4曲もあったはずなんですけど今までで一番つかれたな、と。あれだけ多くの人がいるのを見ると頑張りすぎて6曲くらいで声がヤバい状態になっちゃって(笑)。皆が楽しんでくれていたのでそれだけで大成功だったと思います。次に向けて頑張りたいと思います。
――ラスベガス、パリ、東京と全国3ヶ所でライブをされましたが、オーディエンスの違いなどはありましたか?
祖堅氏:違うといえば違うけど、結局「FFXIV」が好きなんだなぁという部分は同じなんだなと感じました。楽しみ方は違うかもしれないけど、ポイントもだいたい同じですね。
たちばな氏:一人ひとりのマンパワーは違うかもしれないけど、外国の方ってやっぱ凄いじゃん。でもその差だけで、熱量は一緒かなって感じましたね。
祖堅氏:だいたいどこの会場でも建物が揺れるよね。お客様が盛り上がりすぎて。
――海外では、機材のトラブルなどがあったと聞きましたが、日本では皆さんらしい音が出せたのでしょうか?
祖堅氏:今日の東京公演も、初めてのセンターステージだったから僕らも未知数だったので、これが最善か否か、これから大反省会ってところですかね。
たちばな氏:でもウチのマネージャーが思ってたより凄い良い音してたって言ってたよ。
祖堅氏:確かにiPhoneでポンッて録音しただけでも、やたら音がいいんだよね。
たちばな氏:センターステージの方がいいのか? 俺ら(笑)。
――四隅から音が出ていたり、随所に拘りがみられました。
祖堅氏:そうですね、普通のステージングでは成り立たないことが多々あったんで、テクニカルなことは相当しています。まぁでも「THE PRIMALS」っていう形にはなっていたんで、お客様があれだけ喜んでくれたら本望ですね。
――休憩有りのセットリストと、光の戦士を倒しにいくセットリストがあったようですが、後者を選んだ決め手を教えてください。
祖堅氏:実はチーム側からは曲数を減らしてほしいというオーダーがあったんですよ。北米や欧州でのステージと曲数に差が出来てしまうこと、お客様の帰宅時間に影響が出てしまうこと、リハーサル時間の確保が難しくなることなどを総合的に見て曲数を増やしづらかったんです。ただ、今回はセンターステージでしたし、ゲストの入れ替えで花道を移動させる時間を考えると、どうしても流れが悪くなるので、最初は休憩ありのセットリストが候補でした。
――休憩有りだと何曲だったのでしょう?
祖堅氏:9曲くらいかな。その後でメンバーとも検討して、最終的に「THE PRIMALSとしては13曲バージョンでいきたい」という案を出したところ、プロジェクト側が決断してくれて、最終的に13曲でいこうってなりましたね。
たちばな氏:でも最初の2曲は、お客様を倒す前に俺らが死んでたよね(笑)。
一同:(笑)。
祖堅氏:サウナスーツを着て、全力疾走で2曲だからね。今回はGUNNさんが凄い嫌がってて(笑)。
GUNN氏:もう、ステージ着いたら脱ぎたかったよね(笑)。
祖堅氏:リハやってたら新生から熟成した匂いが柔道着のようにしてて、イワイさんが「くせぇっ!」って(笑)。
イワイ氏:(祖堅氏が)先に言ったんじゃん(笑)。
祖堅氏:俺か(笑)。そしたら今日はスタッフが頑張って消臭スプレーをかけてくれて、いい匂いの中やれましたね。
――涼しいモデルを新調したいですね。
祖堅氏:そこはなかなか難しいかもしれませんね。他にもお金をかけるべきところがたくさんあって(笑)。
――「Journeys: FINAL FANTASY XIV Arrangement Album」も発表されましたが、「THE PRIMALS」も関わっていますか?
祖堅氏:はい。どうしようかなと考えていて、どうせなら今日のように吉田直樹と南條さんが歌ったバージョンをレコーディングして出したいなと思っているんですけど、果たして! どうなることやら乞うご期待ということで!
――最後にファンの方へコメントをお願いします。
フォックス氏:曲数も増えて楽しい曲ばっかりなんですよ。そろそろバラード的な休める曲を作って欲しいなぁ―っと思いつつも、これからも全力疾走のバンドで頑張りたいなと思っています。
イワイ氏:またツアーできるように、曲数を増やしてやりたいなぁと思っていますのでよろしくお願いします。
たちばな氏:ラスベガス、パリ、東京とファンフェスをやらせてもらって、どこも盛り上がって、「THE PRIMALS」の評価がどんどん上がっていくことが本当に嬉しいです。ギャラも多分上がるんだろうなぁということも期待して、次も頑張ります(笑)。
GUNN氏:ツアーのBlu-rayも出まして、ファンフェスもありまして、アレンジアルバムの予定もあると。またライブで皆さんとお会いできるように僕らも仕掛けていくので、ぜひ期待していてください。
祖堅氏:毎回「THE PRIMALS」をお披露目して思うことは、とにかくお客様の熱量が凄いんですよ。今日も始まる時に柵が撤去された瞬間、人の波が“グワー!”ってなって、それを見てゾワっとしました。これだけ光の戦士たちの火力に圧倒されて、凄くありがたいです。でも、それってやっぱりゲーム体験に結びついていると思うんで、皆さんに愛されるバンドなれるよう「漆黒のヴィランズ」のサウンドも頑張っていくので、引き続き「THE PRIMALS」を宜しくおねがいします。ツアーやりてーなぁ!!
たちばな氏:あ、あとLive Blu-rayオリコン1位ありがとうございました!
――ありがとうございました。
セットリスト
- 混沌の渦動 ~蛮神リヴァイアサン討滅戦~
- 忘却の彼方~蛮神シヴァ討滅戦~
- 曲がらぬ刃~蛮神ラーヴァナ討滅戦~
- eScape ~次元の狭間オメガ:アルファ編~
- 天つ風~白虎征魂戦~
- メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~
- 魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~
- 千年の暁 ~朱雀征魂戦~
- 月下彼岸花 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~
- メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~
- ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~
- 過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~
- ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~