バンダイナムコエンターテインメントより、2019年内の発売が予定されているPS4/Xbox One/PC(Steam)用ソフト「CODE VEIN(コードヴェイン)」。ここでは、ネットワークテスト版のプレイインプレッションをお届けする。

目次
  1. 充実したキャラクターメイキング
  2. バディと共にフィールドを探索
  3. 主人公を成長させ、強敵に再び挑む
  4. 高難易度フィールド「深層 贄の街」は、かなりの難しさに

「ゴッドイーター」シリーズで知られるシフトとバンダイナムコスタジオ開発するドラマティック探索アクションRPG「コードヴェイン」。発売が2019年内に延期されて以降、その続報を多くのプレイヤーが待ち望んでいることかと思うが、2019年5月8日からは、オンラインを介してのマルチプレイも体験できるネットワークテストの応募が開始されることが明らかになった。今回先行してプレイできたのは、そのネットワークテストに用いられるバージョンのものとなっている。

充実したキャラクターメイキング

ゲームを開始して最初に行うのは、プレイヤーの分身となるキャラクターのメイキングだ。昨今のRPGでは、いわゆるプレイヤーの外見を自由に設定できるタイトルも少なくないが、それらと比較しても本作のキャラクターメイクの自由度はずば抜けて高い。肌や瞳の色、髪型といった基本的な項目は当然のこと、髪のつやや毛先、メッシュの色、白目の色や模様といった細かい項目まで変更可能になっている。

また本作のキャラクターメイクが特徴的なのは、肌の色や瞳、傷といった、いわゆる異形の見た目のキャラクターを作ることができるということ。

本作の舞台は文明が衰退した近未来で、人類はその滅びに抗うため、不死の存在である「吸血鬼-レヴナント-」と化しており、プレイヤーキャラクターもその一人。一般的な人類とは異なる存在となっているため、「レヴナント」らしい、人間からかけ離れた存在をロールプレイするための項目が非常に充実している。

筆者もさまざまなキャラクターメイク要素のあるゲームをプレイしてきたが、本作のようなアニメルックなモデルを採用したタイトルの中では、これ以上の自由度というのはなかなか思いつかないほど。「ここまで変えられるのか!」という驚きがたくさんあり、誇張抜きにキャラクターメイクだけで丸一日が潰れかねない。

キャラクターメイクに時間を費やしすぎると、本編の体験時間が減ってしまうため、ある程度のところで切り上げざるを得なかったが、モデルそのものの品質が非常に高いため、適当に作ってもかなりかわいい見た目のキャラクターが作れるのが嬉しいところだ。

さほど時間をかけたくないプレイヤーのためのプリセットもかなりの種類が用意されている。
コレをベースに、さらに自分なりのアレンジを加えていける。

アクセサリ一つをとっても、メガネや帽子、ヴィッグにグローブといった多様な項目が用意されており、キャラクターにいろいろなアクセントをつけられる。中には天使の輪のようなユニークなアクセサリーもあり、しっかりとゲーム中のカットシーンにも反映される。

アクセサリはメガネ+ペンダント+ヴィッグといったように複数を組み合わせることも可能だが、個別にコストが設定されており、装備上限が存在する。ただしコストはかなり余裕をもって設定されているようなので、概ね思うままの外見に設定することができるはずだ。

衣装は複数のパーツに分けて構成されており、
個々のパーツの表示・非表示を切り替えて細かく見た目を変えることができる。

なお髪型や服装などの大半の項目については、ゲームを進めると利用可能になる拠点の鏡から変更可能だが、性別などの一部の項目は、最初に選んだものから変更することができないので、慎重に選ぶ必要がある。後からの変更できない部分に関しては、キャラクターメイクのそれぞれの項目欄に記載されているので、しっかりと確認しておこう。

バディと共にフィールドを探索

キャラクターメイクを終えた後は、チュートリアルで操作方法を教わったあと、本作の序盤のストーリー部分を体験できる。

記憶を失ったレヴナントであるプレイヤーは、同じく記憶を失った白い髪の少女の導きによって一命を取り留める。
しかしその直後、無法者の吸血鬼たちに捕まり、血涙を集めるための強制労働を強いられることになる。

本作は「ソウル」シリーズや「仁王」などに代表される、難度の高い骨太なアクションRPGとなっているが、ストーリーや世界観にも非常に力が入っているのが特徴。個性的なキャラクターにミステリアスなストーリー展開、カットシーンやイベントの演出も多く、このあたりは「ゴッドイーター」シリーズを手がけてきた開発スタッフならではといえる。

また本作は、「バディ」と呼ばれるプレイヤーの相棒となるNPCの存在も特徴で、序盤のストーリーでも、すぐにバディとの共闘を体験できる。

バディは積極的に敵を攻撃したり、敵の注意を引きつけてくれるうえ、こちらのHPが0になって倒れてしまった際にも回復してくれる、かなり頼もしい存在。ただしバディも多数の敵に囲まれると倒されることもあり、時間内に回復させられなかった場合は、そのままフィールドから消えてしまう(キャラロストではなく、回復ポイントで復活させられる)。

今回体験できた範囲では、ストーリー上の流れによって一時的にバディが離脱してしまい、一人で戦わざるを得ない場面もいくつかあったのだが、バディがいる時といない時では、同じ敵と戦っても難易度が大幅に変わってくる。いかにバディを生き残らせたまま戦えるかが肝になってくるだろう。

最初のバディとして共に戦ってくれるオリバー。見ず知らずの主人公の手助けをしてくれる気のいい人物なのだが……。

ゲームプレイでは、そんなバディと共に洞窟内のようなフィールドを探索することになる。フィールドには敵が大量に徘徊しており、本作の敵は非常に手強く、ザコ敵相手ですら油断するとすぐに倒されてしまう。

そんな戦闘で重要になるのが、「錬血」と「吸血」という2つのアクション。「錬血」は、戦闘中に使用できるスキルのような位置づけで、一時的に能力値を強化したり、体力を仲間に分け与えたり、直接必殺技のような攻撃を行ったりと、様々な効果をもつ。

ただしこの錬血には、それぞれクールタイムが設けられているのに加え、錬血には冥血ストックの消費が必要。冥血ストックには限りがあり、自然回復も行われないため、連発しているとあっという間に使い切ってしまう(装備していると効果が常に発動し続けるパッシブタイプの錬血もある)。

錬血の中には、必殺技のようにド派手なエフェクトが発生する攻撃も。

その際に必要になるのが「吸血」。吸血を行うと大きく冥血ストックを回復することができるうえ、ストック可能な最大量も増えるメリットがある。ただし、通常の吸血は攻撃の発生まで時間がかかり、敵に対して大きな隙を晒してしまうため、使用するタイミングを見極めるのが難しいアクションとなっている。「ゴッドイーター」シリーズのプレイヤーなら、捕喰を思い浮かべてもらえば分かりやすいだろう。

その弱点を補うのが、コンボ吸血や特殊吸血といったアクション。コンボ吸血は、通常攻撃からの連携で発動できる吸血攻撃で、ほぼ通常攻撃と同じ感覚で繰り出すことができるため、筆者はこのコンボ吸血を冥血ストックを回復するための主な手段として活用していた。ただ通常の吸血と比べると、獲得できる冥血ストックが少ないという欠点もある。

一方の特殊吸血は、敵の背後をつくバックアタックや、敵の攻撃タイミングにあわせてボタンを押す「受け流し」のアクション成功時など、特殊な条件を満たすことでのみ発動できる吸血で、通常の吸血以上の冥血ストックを回復できるうえ、敵に与えるダメージも大きくなる。

ただし、受け流しの方はタイミングがかなりシビアで、少しでもタイミングがズレると確実に敵の攻撃を受けてしまうため狙うにはリスクが大きい。まさにハイリスク・ハイリターンな択だが、成功すると敵を拘束できるうえ、爽快感抜群の特殊な攻撃演出が挿入されることもあり、ついつい狙いたくなる。

またこれらの吸血アクションの性能は、装備する吸血牙装のタイプによっても変化し、自身のプレイすたいるにあった吸血牙装を選ぶことも重要になる。

敵の攻撃力が非常に高い本作では、攻撃を回避することがもっとも重要なアクションだ。本作では、ステップ、ローリング、ヘヴィローリングの3種類の回避アクションが用意されており、装備の重量によってどの回避になるかが決まっている。

もっとも確実な回避方法は、相手の攻撃の範囲外にローリングやステップで逃れることだが、本作では敵の攻撃の踏み込み速度が早く、範囲が広い攻撃も多いため、回避したつもりでも、範囲外に逃げきれておらず、ダメージを食らってしまうことが多かった。ただローリングなどの回避行動には、一瞬無敵時間が発生しているようなので、敵の攻撃に無敵のタイミングが噛み合えば、攻撃の範囲内でも回避することができる。

ただし回避にはある程度のスタミナが必要となり、スタミナは攻撃によっても消費される。本作には、片手剣や両手剣などの全部で6種の武器種が存在するが、攻撃力の高い重い武器はスタミナの消費も大きい。

攻撃後の隙を回避でキャンセルし、ヒットアンドアウェイで戦うのが基本的な戦い方になるが、攻撃でスタミナが残っておらず、敵の攻撃をもろに受けてしまうということも。多少ダメージを食らってしまうデメリットもあるものの、時にはガードも駆使しながら敵の攻撃をしのいでいく必要がある。

主人公を成長させ、強敵に再び挑む

そんな難度の高いゲームである本作だが、敵を倒した際などに獲得できる「ヘイズ」を消費することで、キャラクターのレベルアップを行うことができる。レベルが上昇すると、HPやスタミナ、攻撃力といったパラメーターが軒並み上昇するため、それまで苦戦していた相手との戦いも楽になる。

残されたヘイズは時間経過で消滅することはないが、する回収前に再度敵に倒されると失われてしまう。

なお主人公の成長は、フィールド内の様々な場所に配置されているヤドリギで行う。ヤドリギは最初は力を失っており、主人公がその場所にたどり着き、解放を行うことで利用可能になる。

ヤドリギの解放後は、周囲の地形情報が全体マップに表示されるようになったり、他のヤドリギへのワープなど様々なメリットがある。敵に倒されてゲームオーバーになった場合はもっとも近くのヤドリギから再開できる、セーブポイント的な役割も担っている。

ヤドリギではHPと、レヴナントが使用できる回数式の回復手段である「再生力」を最大まで回復することも可能だが、回復を行うと、フィールド内に存在する敵がすべて復活してしまうデメリットもある。

そのため道中の敵を倒し、安全を確保した上でヤドリギに戻り、HPを回復してから進むといったことはできない。ただし、ヤドリギの回復は何度でも代償なしで利用できるので、近くにいる敵を倒して戻り、レベルアップを繰り返すことで延々と主人公を強化していけるため、最初は歯が立たなかった相手にも、次第に立ち向かえるようになっていく(バディも主人公のレベルにあわせて成長していく)。

また主人公は「ブラッドコード」を装備することで、能力値や使用できる錬血を変化させられる。ブラッドコードは、レヴナントたちがもつそれぞれの血液型のようなもので、本来は一人につき一種類しかもつことができないのだが、自身のブラッドコードを失っている主人公は、他者のブラッドコードを取り込み、複数の種類を使用することができる。

ブラッドコードには「ファイター」「キャスター」「レンジャー」といった種類がいくつもあり、ファイターなら近接攻撃、キャスターなら強力な錬血攻撃など、それぞれに特徴をもっている。RPGにおける職業のような位置づけをイメージすると分かりやすいだろう。

ブラッドコードは、レベルと同じように、ヘイズを消費して成長を行うことで様々な錬血を習得できる。習得した錬血は、使い込んで熟練度をあげることで継承することができ、継承を行った錬血は他のブラッドコードでも使用できるようになる。

一度に装備可能な錬血には制限があるものの、プレイを重ねていけばいくほど、使用できる錬血の幅というのは大きくなっていく。ブラッドコード自体にはレベルのような概念は存在せず、ほぼ武器や防具の感覚でいつでも交換が可能なので、敵や状況にあわせて、頻繁にブラッドコードを切り替えながら戦うといったプレイもできるようになっている。

またフィールドの各所には宝箱も配置されおり。強力な装備を入手できることも。宝箱が配置されている場所は行き止まりになっていたり、強力な敵が配置されていることも多いのだが、メリットがしっかりと用意されていることが多いので、自然とフィールド内をくまなく探索したくなる。

本作は、何度も倒されながら敵の動きを覚え、プレイヤー自身のスキルを高めていくことの重要性が非常に高いタイトルではあるが、ゲーム内のキャラクターも成長要素が豊富に用意されているため、時間を掛けた積み重ねが無駄になりにくい。高難度ゲームでありがちな、「心を折られる」ということが起こりにくくなっている。

加えて、そうしたジャンルのタイトルでは、操作やシステムに慣れるまでの序盤が大きな壁となることが多いが、今回体験できるバージョンでは、復活地点であるヤドリギがこまめに配置されていることもあり、誰でもクリアできる難易度に抑えられていると感じられた。アクションゲームが苦手なプレイヤーでも、本作の独特の世界観を知ることができるはずだ。

高難易度フィールド「深層 贄の街」は、かなりの難しさに

一方、歯ごたえを求めるプレイヤーに向けた要素として、ストーリークリア後に解放される拠点から、高難度フィールドである「深層 贄の街」に挑戦することもできる。

この「深層 贄の街」は、かなり容赦のない難度となっており、道中のザコ敵ですら倒すのは至難の業。その分、獲得できるヘイズの量は、比べ物にならないほど多く、手に入る装備の性能も優秀なので、キャラクターの成長に利用できる。

盾によるガードからカウンターで反撃してくるタイプの敵は、乱戦になると非常に厄介。
開けた地形では、どの順番で敵を倒していくかもかなり重要になる。

「深層 贄の街」には、ボス的な存在も配置されており、筆者はどうにかボスまでたどり着くことはできたものの、圧倒的な攻撃範囲の前に歯が立たず、あえなく敗北してしまった。腕に覚えのあるプレイヤーは、是非ともすべてのボスの撃破を目指してみて欲しい。

ボスに至るまでの道中にいる敵は、意外と戦わずに無視できるものも多いので、戦闘は必要最低限に抑え、HPを温存しながら進むのもいいだろう。

深層では、途中に堕鬼(正気を失い、異形と化したレヴナント)が突如乱入してくることも。
堕鬼たちは周囲の敵以上に手強い相手となっている。
深層の奥で戦うことができるボス敵は、かなりの強敵。勝利を目指すには、相応の根気が必要だ。

拠点ではNPCに話しかけることで、装備の強化やアイテムを購入や、「嗜好品」と呼ばれるアイテムをプレゼントしたりもできる。深層を挑む際には、レベルや冥血だけではなく、様々な装備の強化やアイテムの準備も必要になる。

ただしアイテムの購入にもヘイズが消費されるので、レベルアップに錬血、装備のどれに優先してヘイズを振り分けるかの取捨選択も重要になってくる。

また今回のプレイでは体験することができなかったが、本作ではフィールド内で救難信号を出すことで、ネットワーク上の他のプレイヤーに助けを求め、最大2人のプレイヤーでマルチプレイをすることも可能。他のプレイヤーを招いた場合は、自身+バディ+他プレイヤーの3人分に戦力が増強されるので、難易度も大きく変わってくると思われる。是非他のプレイヤーと共に攻略に挑んでみて欲しい。

いよいよ、発売に向けて本格的な動きが見え始めた「コードヴェイン」。筆者は昨年開催された体験会でも本作をプレイしたのだが、その時と比較すると、操作レスポンスが大幅に改善されており、操作時のストレスが軽減された印象を受けた。

とくに変わったのが、ダメージを受けたり、攻撃をギリギリで回避した際にたまっていく「集中ゲージ」の仕様。集中状態に入ると、敵の攻撃でひるみにくくなったり、敵を打ち上げるようになるなどのパワーアップ効果を得られるのだが、前回体験した際には、集中ゲージがたまる判定がシビアで、なかなか狙って発動させるのが難しかった。

今回のバージョンでは、それほど意識しなくてもピンチになると集中状態がよく発動するようになっていたので、追い込まれた状態でも長く生き残りやすくなったように感じられた。

加えて、レベルにブラッドコード、武器や吸血牙装にアイテムと、積み重ねていける育成要素が非常に多いため、どうしても勝てない強敵が現れた際にも、レベルや装備をさらに整えてから再挑戦しようという気が湧いてくる。マルチプレイで他のプレイヤーに助けを求めることもできることを考えると、トライ&エラーを繰り返すタイトルの中でも、かなりユーザーフレンドリーな仕様になっていると言えるだろう。

多くのプレイヤーが発売を今かと待ち望んでいることかと思うが、今回の体験で、本作がその期待以上のクオリティで開発が進んでいること確信することができた。

とくに、近年盛り上がりを見せている、トライ&エラーを繰り返す、俗にいう「死にゲー」に興味はあるが、敷居の高さを感じて敬遠していたというプレイヤーには、是非とも本作を一度プレイしてみることをオススメしたい。

また今回の試遊に合わせて、本作の開発を担当するバンダイナムコスタジオのディレクター・吉村広氏とアクションディレクター・依田優一氏へのインタビューも実施しているので、そちらの記事も一読をお願いしたい。

コードヴェイン

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  • 発売日:2019年9月26日
  • 17歳以上対象

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  • 17歳以上対象

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  • 発売日:2019年9月26日
  • 17歳以上対象
  • Steam

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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