2019年6月29日、福岡・マリンメッセ福岡にて「アイドルマスター ミリオンライブ!」(以下、ミリオンライブ!)の6thライブツアー「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!!」福岡公演「Fairy STATION」のDAY1が開催された。
iOS/Android向けアプリ「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(以下、ミリシタ)が配信中の「ミリオンライブ!」。4月の仙台公演「Angel STATION」、5月の神戸公演「Princess STATION」とまわってきた今回の6thライブツアーも、ついに福岡公演「Fairy STATION」を迎えた。Fairyタイプのアイドルを演じる13人が出演した公演より、ここでは1日目の模様をお届けする。
福岡公演DAY1 出演者
田所あずさ(最上静香役)
雨宮天(北沢志保役)
愛美(ジュリア役)
南早紀(白石紬役)
渡部恵子(周防桃子役)
小岩井ことり(天空橋朋花役)
藤井ゆきよ(所恵美役)
斉藤佑圭(永吉昴役)
野村香菜子(二階堂千鶴役)
戸田めぐみ(舞浜歩役)
阿部里果(真壁瑞希役)
山口立花子(百瀬莉緒役)
中村温姫(ロコ役)
Fairyタイプのメンバーによるユニット
- 夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-:天空橋朋花(CV.小岩井ことり)、所恵美(CV.藤井ゆきよ)、二階堂千鶴(CV.野村香菜子)、百瀬莉緒(CV.山口立花子)
- EScape:真壁瑞希(CV.阿部里果)、白石紬(CV.南早紀)、北沢志保(CV.雨宮天)
- D/Zeal:ジュリア(CV.愛美)、最上静香(CV.田所あずさ)
- Jelly PoP Beans:ロコ(CV.中村温姫)、舞浜歩(CV.戸田めぐみ)、永吉昴(CV.斉藤佑圭)、周防桃子(CV.渡部恵子)
仙台、神戸と放送拠点(会場)を移して行われてきた番組「UNI-ON@IR」。今回は福岡からお届けする「UNI-ON@IR」福岡公演Fairy STATIONだ。ベースの構成自体は今まで同様、前半は「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION」(以下、MTG)シリーズのユニットにフィーチャーしたステージを展開。しかし、いい意味で予想を覆される驚きの演出や選曲で、直前のラジオで「エモエモフェアリー」と称していたのも納得の内容だった。
福岡公演初日の6月29日は「ミリシタ」2周年当日であり、765プロライブ劇場の事務員・青羽美咲さんの誕生日でもある。スクリーンに登場した彼女がそのことを説明すると、プロデューサー(アイドルマスターのファンの呼称)たちから「おめでとう!」の声が飛ぶ。
そして、福岡の方言を交えたスタートの合図で、いよいよ福岡公演「Fairy STATION」DAY1の幕が開いた。オープニングはフェアリースターズによる、タイプ別楽曲「FairyTaleじゃいられない」だ。個性溢れる“ユニット衣装”に身を包んだ13人が、まさにFairyを象徴するこの曲で格好良くスタイリッシュなステージを披露した。
引き続き、ユニットごとのステージに突入。「FairyTaleじゃいられない」が熱さと強さ全開の楽曲なだけに、次はどのユニットが来るのかと期待の空気が充満する中、「ハーモニクス」のイントロに乗せて「D/Zeal」(愛美さん、田所あずささん)が登場。感情溢れんばかりに歌声を響かせる2人だが、歌のクセや個性は全く違う。だからこそ個性がぶつかりあい、共鳴しあうのは熱く、向かい合ってお互いに手を伸ばすシーンも胸に突き刺さる。
しかも、ここからさらにすごい展開が待っていた。D/Zealの2曲目と3曲目に披露したのはジュリアのソロ曲「流星群」と静香のソロ曲「SING MY SONG」なのだ。「流星群」で愛美さんのギターから田所さんの歌声が響くと、どよめきが起こる。愛美さんがソロパートから「シズ!」とパスすれば、田所さんも曲中に「ジュリア!」と呼び捨てにするなど胸熱な展開の連続。普段は「ジュリアさん」と呼んでいることからも、いかに熱いステージだったかがわかる。2人の顔も声にも一緒に歌える嬉しさが出ていて、ここに立っているのは間違いなくジュリアと静香だった。
さらに、「SING MY SONG」はアコースティックコーナーとして、演奏は愛美さんのギターのみ。MCで明かしていたようにクリック(テンポを刻む音)もなく、イヤモニを外してギターの音だけで歌ったそうで、そこにはジュリアと静香、2人だけの空間が広がる。ジュリアの演奏に優しく顔を向ける静香。そこでちょっとお互いが頷きあったのも最高にエモい瞬間だった。
D/Zealラストは「餞の鳥」。2人それぞれが“あの人”への想いを噛みしめるように、気持ちを込めて歌う。手を伸ばし、手を掲げて、想いのすべてを空高くまで響かせると、その想いがみんなの胸にも届く。スクリーンには上空から無数の羽根が舞い落ち、ゆっくりと階段を登った2人が手を合わせるように形作ってステージを後にした。
2番手で登場したのは、「夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE- 」(以下、夜想令嬢)の小岩井ことりさん、藤井ゆきよさん、野村香菜子さん、山口立花子さん。夜想令嬢はユニットの先陣を切ってリリースされ、ミュージカルをほうふつとする楽曲や劇中ドラマが、驚きとともに「ミリオンライブ!」らしいと評判となったユニットだ。
そんな夜想令嬢がみせたステージは、ミュージカルそのもの。「昏き星、遠い月」と「Everlasting」は2曲合わせてひとつのミュージカルとなっており、劇の途中途中に曲のパートが挿入されていたと言った方がイメージは伝わるかもしれない。開演ブザーが鳴り、スクリーンに「座席に腰掛けてご鑑賞ください」の文字。ナレーションから始まり、エドガー(所恵美)、クリスティーナ(天空橋朋花)、アレクサンドラ(二階堂千鶴)、エレオノーラ(百瀬莉緒)の物語が紡がれていった。
劇中には、辺境伯婦人エレオノーラが悪女の表情でヴァンパイアハンターであるアレクサンドラに囁く場面や、エドガーを助けるために首に噛みつくヴァンパイアのクリス、アレクサンドラが剣を抜きエドガーと対峙するシーンなど、一瞬たりとも目が離せない。「昏き星、遠い月」のラストにあるエレオノーラの長セリフで、彼女の心の内が明かされるところも熱かった。
「Everlasting」はリリースイベントでも歌われなかったため、今回が初披露。この曲はAメロがそれぞれのソロで4回繰り返される挑戦的な構成なのだが、このステージのために作られたと思えるほど没入感が半端ない。歌いながらエドガーに寄り添ったクリスが肩に手をかけ、エドガーも自分の手を重ねるシーンも感動的で、最後はエドガーとクリスが手をとって“約束の地”に駆け出していった。こうして見事に演じきった後はカーテンコールまで実施。キャストとしてのMCは一切なく、朋花、恵美、千鶴、莉緒がステージを完遂していた。
3組目は、クール系美少女ユニット「EScape」(阿部里果さん、南早紀さん、雨宮天さん)。彼女たちが劇中ドラマで演じたのは、感情を持たない3人のアンドロイド。しかし、監視対象であるチハヤと接するうちに、彼女たちの心に変化が起きていく――という内容であり、その物語がステージに反映されていたのもポイントだ。
まずは、近未来感のある演出にアンドロイドのような機械的なダンスも特徴的な「I.D ~EScape from Utopia~」。歌い方や表情も含め、そこにいるのは識別番号44、識別番号51、識別番号33の3人だった。その3人が名前をもらいミズキ、ツムギ、シホへと変わっていく様が、ステージを通して表情や歌声などから伝わってくる。2曲目は「Mythmaker」をカバー。暗闇の中で衣装が光る演出も格好いい。歌詞を読んでみると、彼女たちに通じるところもあるのは感慨深い。
そして、スクリーンに星空の光が輝き「Melty Fantasia」へ。まだまだ表情が乏しい3人のアンドロイドたちに、徐々に感情が芽生えていって表情が豊かになっていく。歌声も活き活きとしはじめ、Dメロでの南さんのファルセットの美しさも心に響く。だが、最後は後ろを向いて動きを止めてしまう……。
ここで終わりかと思いきや、再び動き出した3人は「LOST」をカバー。「私に喜びを教えてくれた人」といったフレーズは、彼女たちにも通じるところがあり愛おしく感じる。優しさに溢れたとてもいい表情を浮かべて歌う3人だったが、最後はステージに横たわり手を繋いで活動を停止。キービジュアルを完全再現したこのシーンはとても感動的だった。
4ユニットのラストに登場したのは「Jelly PoP Beans」(中村温姫さん、戸田めぐみさん、斉藤佑圭さん、渡部恵子さん)。彼女たちの楽曲のようなイントロが流れるものの、途中で違う曲だとみんなが気づく。披露されたのはロコのソロ曲をレトロポップにアレンジした「ART NEEDS HEART BEATS(Four Heart Beans)」。アレンジは「月曜日のクリームソーダ」の編曲を担当したラムシーニさんによるものだ。
ポップに歌う中、4人が次々と「シング!トーク!アクト!ダンス!」と言うところも印象的で、MCでもJelly PoP Beansのメンバーにぴったりの言葉だと話す。もともとこの曲自体がみんなと何かを作るのは楽しいという内容なだけに、4人で歌えて感無量だと中村さんは語っていた。
そして、「I did+I will」でさらにノスタルジックな雰囲気へと誘う4人。手でハートを作ったり、笑顔に歌ったりと可愛さも満点だ。曲中にRGB(レッド、グリーン、ブルー)それぞれのスポットライトがメンバーに当てられ、中村さんには光の三原色が合わさったホワイトのライトが当たるという演出も粋なもの。逆説的に言えば白から色を生み出すのもアートだから、との言葉も飛び出していた。
最後は「月曜日のクリームソーダ」を「UNI-ON@IR」スペシャルバージョンでお届け。スーツ姿のJelly PoPタップダンサーズによるパフォーマンスや、金色の衣装に身を包んだ8人のダンサーも彩りを添え、賑やかで華やかなダンスホールに。4人とも笑顔いっぱいで歌い踊りステージを楽しむと、会場からは「パッシュワ」の掛け声が響く。最後にはフェアリースターズの他のメンバーも登場して、全員でポーズを決めていた。
ライブ後半は、メンバーのソロ曲や新鮮な組み合わせのユニット曲を披露。まずは山口さんによるソロ曲「Border LINE→→→♡」。みんなを魅了するようなセクシーさを出しつつ、それでいて可愛さやいじらしさが詰まった莉緒の魅力をみせていく。セクシーさを出したくて、山口さんは「私はセクシー」と言い聞かせたのだとか。
続いて、ポップアップで登場した中村さんは「STEREOPHONIC ISOTONIC」を可愛く元気に披露。前回披露した時を超えなきゃというプレシャーもあったそうだが、早口パートもバッチリ決まり、ロコがステージを楽しむ姿そのままにステージを繰り広げた。
ミラーボールが輝き、「Oli Oli DISCO」でダンサブルなステージをみせたのは戸田さん。力強い歌声とリズミカルなダンスは成長の証であり、プロデューサーたちの声を聞いて嬉しそうな表情を浮かべる。今回は振りを増やしたとのことで、その経緯を説明しつつ振付師の先生に感謝の気持ちを伝えていた。
南さんは「瑠璃色金魚と花菖蒲」で力強い歌声を響かせる。いつも以上に感情が歌声にも表情にも表れており、泣きそうなほどの感情表現や艶やかさ、後半には嬉しさも垣間見せ、心を貫くような迫力も圧倒的だ。これまでは余裕がなくて表情をつけられなかったそうで、紬の気持ちや表情を伝えられるように臨んだとMCで振り返っていたが、まさに言葉通りのステージをみせた。
そして、愛美さんはギターを弾きながら「スタートリップ」を披露。噛みしめるように気持ちの入った歌声は、感情がこぼれるかのような熱さ。ジュリアは福岡出身ということで、愛美さん自身もエモーショナルが溢れたという。同時に、笑顔で気持よさそうに歌っていたのも印象的で、本人曰く「地元、マジ感謝」とのこと。
ひときわ大歓声が起こったのは雨宮さんと田所さんによる「Decided」だ。この組み合わせを待ち望んでいた人も多かったのだろう。入り込んだ表情で歌声を届ける雨宮さんに、気持ちをのせて静かに、かつ力強く歌う田所さん。それぞれが交互に、それが重なっていくシーンでも2人のすごさをみせつけてくれた。
ライブはいよいよ最終ブロックとなり、野村さん、斉藤さん、南さん、山口さんは「brave HARMONY」を披露。胸躍る軽快なメロディにのせて、格好いい歌声と美しいハーモニーを響かせる。「Like a blue moon」の歌詞に合わせて4人が大きく手を回すと、ステージのセットは青き月のように輝いていた。
阿部さんが鋭いほどの格好良さをみせたのは「Silent Joker」。サビでは一段と声に強さが加わり、強さと可愛さを両立させていたのも魅力的だ。それは瑞希が不器用ながらも表現している姿であり、MCではこれに満足しないで自分を追い込んで努力したいとの意気込みも述べていた。
そして、小岩井さんはイントロの第一声からみんなを引き込み、「鳥籠スクリプチュア」を歌唱。心をギュッと掴むような歌声はもちろん、セリフも魅惑的で、「天空騎士団の七の誓い」は会場を覆い尽くすようなボリュームでみんなが叫ぶ。ラストでマイクを両手で握り前を見つめる表情も印象的だった。
熱さ全開で魂の叫びを響かせたのは、ユニット「サジタリアス」(藤井ゆきよさん、阿部里果さん、戸田めぐみさん)による「Raise the FLAG」だ。オリジナルメンバーでの披露は、みんなを導くかのような絶対的な強さと格好良さがすごい。これでもかと言わんばかりに突き上げた声と拳はまさに激アツ。
さらに、オリジナルメンバーの愛美さんと渡部さんに、中村さんと小岩井さんを加えた4人が「俠気乱舞」を畳み掛ける。赤く染まった会場に情感豊かな美声を響かせつつ、曲の後半には嬉しさもにじませていく。MCを挟み、本編ラストは再びフェアリースターズが勢揃いして「DIAMOND DAYS」。晴れやかな表情で仲間たちやプロデューサーたちと一緒にステージを楽しんでいた。
アンコールではこの日のハイライト映像が流れ、衣装「ヌーベル・トリコロール」に着替えたメンバーがステージへ。田所さんの掛け声から「UNION!!」を披露し、ステージにはみんなの笑顔が溢れかえる。「この歌声がUNION!! この歌声がMILLION!!」などのフレーズを会場全員で合唱するのは感涙モノだ。
そして、曲後はひとりずつ挨拶があり、ライブの感想や福岡の食べ物が美味しくて幸せハッピーだったこと(野村さん)、プレッシャーを感じていたこと、仲間の心強さなどをそれぞれの言葉で語る。ユニットにフィーチャーしたライブだからこそ得るものもたくさんあったようだ。そんな仲間たちと一緒に、最後は「Brand New Theater!」で福岡公演DAY1を締めくくった。
セットリスト
M01. FairyTaleじゃいられない/フェアリースターズ
M02. ハーモニクス/D/Zeal(愛美、田所あずさ)
M03. 流星群/D/Zeal(愛美、田所あずさ)
M04. SING MY SONG/D/Zeal(愛美、田所あずさ)
M05. 餞の鳥/D/Zeal(愛美、田所あずさ)
M06. 昏き星、遠い月/夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-(小岩井ことり、藤井ゆきよ、野村香菜子、山口立花子)
M07. Everlasting/夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-(小岩井ことり、藤井ゆきよ、野村香菜子、山口立花子)
M08. I.D ~EScape from Utopia~/EScape(阿部里果、南早紀、雨宮天)
M09. Mythmaker/EScape(阿部里果、南早紀、雨宮天)
M10. Melty Fantasia/EScape(阿部里果、南早紀、雨宮天)
M11. LOST/EScape(阿部里果、南早紀、雨宮天)
M12. ART NEEDS HEART BEATS(Four Heart Beans)/Jelly PoP Beans(中村温姫、戸田めぐみ、斉藤佑圭、渡部恵子)
M13. I did+I will/Jelly PoP Beans(中村温姫、戸田めぐみ、斉藤佑圭、渡部恵子)
M14. 月曜日のクリームソーダ/Jelly PoP Beans(中村温姫、戸田めぐみ、斉藤佑圭、渡部恵子)
M15. Border LINE→→→♡/山口立花子
M16. STEREOPHONIC ISOTONIC/中村温姫
M17. Oli Oli DISCO/戸田めぐみ
M18. 瑠璃色金魚と花菖蒲/南早紀
M19. スタートリップ/愛美
M20. Decided/雨宮天、田所あずさ
M21. brave HARMONY/野村香菜子、斉藤佑圭、南早紀、山口立花子
M22. Silent Joker/阿部里果
M23. 鳥籠スクリプチュア/小岩井ことり
M24. Raise the FLAG/藤井ゆきよ、阿部里果、戸田めぐみ
M25. 俠気乱舞/中村温姫、愛美、渡部恵子、小岩井ことり
M26. DIAMOND DAYS/フェアリースターズ
<ENCORE>
EN1. UNION!!/フェアリースターズ
EN2. Brand New Theater!/フェアリースターズ
(C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
※画面は開発中のものです。
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