スクウェア・エニックスが2019年8月22日に発売を予定しているPS4/Nintendo Switch/Steam用ソフト「鬼ノ哭ク邦」。現在配信されている本作の体験版をプレイしてのインプレッションをお届けする。
「鬼ノ哭ク邦」は、輪廻転生によって命が繁栄した世界を舞台に、この世とあの世を行き来して魂を救う主人公・カガチとなり、“命”の物語を紡いでいくアクションRPGだ。作中の人物たち…というよりも、本作の世界では死に対して独特の考え方があり、死者に対して悲しみを持つことは死者をためらわせ、輪廻転生を妨げる禁忌とされている。
そうした世界でも、死者に対する想いを抱き続ける者であったり、生者への未練を持つ死者・迷イ人(マヨイト)たちが存在する。そんな彼らを救うのが、逝ク人守リ(イクトモリ)であるカガチというわけだ。独特な倫理観だったり、ちょっと古風な言葉が出てきたりするが、このあたりは体験版の範囲をプレイするだけでも把握できるストーリーラインになっている。
体験版では「ストーリーモード」と「バトルモード」がプレイできる。ストーリーモードはレベルなどに制限はあるものの、本編への引き継ぎも可能で、ゲーム序盤の物語やバトル・育成などシステムの基本が学べる内容になっている。そしてバトルモードはある程度ゲームが進んだところを体験版用に切り出し、さまざまな技を試したり待ち受けるボスと戦えるなど、戦闘の楽しみを集約させたモードだ。バトルモードの解放にはストーリーモードのクリアが必要となるので、まずはストーリーモードの内容から触れていこう。
本作はダンジョンを探索していくハック&スラッシュタイプのゲームとなっており、□ボタンでの通常攻撃をはじめ、○、△、R1、R2の各ボタンで事前に割り当てた技(スキル)を発動して、さまざまな魔物と戦っていくのが基本となる(操作方法はPS4基準)。□ボタンを連打しているだけでひたすらコンボがつながるため、ゲームを始めたばかりの敵であればこれだけでも倒せてしまうが、技はいずれも強力なため、積極的に使っていきたい。
技を使ううえで気を付けたいのが、待機時間(クールタイム)の存在だ。カガチは鬼ビ人(オニビト)という存在から力を借りて戦い、鬼ビ人ごとに技を最大4つまで設定できるが、一度発動すると同じ技を次に発動するまで一定時間が必要となる。待機時間は短めだが、連打はできない、ということを覚えておこう。
また、戦闘では回復手段が「癒し香」というアイテムだけに限られており、アクションゲーム寄りな作りになっているのもポイント。癒し香は開始時だと最大で5つまでしか持てないが、ゲームを進めていくと最大所持数が増えていく。敵を倒すと結構な頻度でドロップするほか、「現幽碑」(げんゆうひ)と呼ばれるセーブポイントに近づくとHPを全回復できるので、道中で癒し香を貯めつつ、なるべく最大数を持ってボス戦に挑むというのがセオリーになりそうだ。
なお、敵との戦闘を続けていると、徐々にカガチと鬼ビ人の“同調率”が上昇していく。この値は高いほど攻撃力が上がり、同調率は最大で200%まで増加するが、150%を超えると防御力が下がるデメリットもある。同調率が100%以上のときにL1ボタンを押すと「鬼哭化」が発動でき、能力がさらに上昇するほか、ダメージを受けても怯まない状態になれる。
ゲームプレイに自信がなければ同調率が150%を超えたら積極的に鬼哭を発動し、逆に自信があるなら200%を維持して攻撃力アップの恩恵をうまく活かし、ボス戦の要所で鬼哭を発動するといった使い分けが可能だ。鬼哭を発動後、すぐに敵を倒してしまった場合などは十字キーの下ボタンで納刀すると自動的に鬼哭も解除されるため、こうしたテクニックも活用していきたい。
続いて探索についてだが、カガチは現シ世(ウツシヨ=生者の世界)と幽リ世(カクリヨ=死者の世界)を行き来できるのが特徴で、初めて訪れた場所は現シ世から探索していくことになる。まず現シ世で想イ主(おもいぬし)と呼ばれる特殊な魔物を倒すことで、周囲の幽リ世を認識できるようになるという仕組み。
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| 想イ主を倒すと縛リ戻シ(しばりもどし)が出現する。これに近づいて「幽リ世渡り」を行うと幽リ世を認識できるようになる。 | |
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| 想イ主を倒さなくても幽リ世に渡ることは可能だが、認識できていない幽リ世では攻撃ができず、敵から攻撃を受けると大ダメージを受けるという危険しかない。鬼ビ人からも早く現シ世に戻ろうと助言される。ちなみに写真の左側が認識できていない幽リ世の状態。 | |
この現シ世と幽リ世の行き来は、攻略において重要な要素となる。例えばカガチが探す彷徨える魂は幽リ世いるため、話しかけるにはカガチも幽リ世にいる必要がある。そのためにも想イ主の討伐は必要だが、かといって幽リ世だけでエリアの探索が進むわけでもない。
幽リ世のポイントとしては、現シ世に干渉できないことが挙げられる。幽リ世にいても現シ世にいる人の存在は認識できるが話しかけることはできないし、家のドアやスイッチといった物質(オブジェクト)にも干渉できない。そのため、幽リ世で迷イ人に出会い「もう一度あの人に会いたい」と言われたら、その願いを叶えて未練を断ち切ってもらうために現シ世に移動。そして現シ世で家のドアを叩き、住民を呼び出して事情を話す、といったように物事を解決していく。
エリアを探索する際にも、現シ世では崖になって渡れない場所も、幽リ世に行けばワープゾーンがあったりと、解決の手段が見つかることがある。現シ世でしか物質には干渉できないが幽リ世でしか見えない宝箱も存在したり、マッピングの状況も別に記録されたりと、それぞれの世界での発見がうまくできている。
こうしてダンジョンで戦闘と探索を繰り返していくのだが、戦闘を重ねていくとカガチ自身のレベルが上がったり、鬼ビ人(オニビト)を成長させられるようになっていく。鬼ビ人はそれぞれ固有の武器とスキルを持ち、複数が仲間になった場合はリアルタイムに切り替えることも可能なため、いわば“ジョブ”のようなイメージだ。
例えば最初からカガチと共に行動しているアイシャは刀を使うため、出の速い攻撃と機動力を活かした戦いが得意で、最初のキャラクターらしいオーソドックスで使いやすいタイプだ。修得できる技も、突進攻撃や前方範囲攻撃、発動までに溜めがあるものの高威力の攻撃など、さまざまな状況に対応できるものが揃っている。次に仲間になるザーフは槍を使うため、アイシャとはまた攻撃方法が変わってくるのだが、このあたりの使い勝手についてはのちほどバトルモードの方で触れていこう。
さて、鬼ビ人の成長についてだが、その鬼ビ人の力を借りた状態で敵を倒していると、鬼ビ人の武器に応じた「○○の鬼魂(おにだま)」と呼ばれるアイテム、アイシャであれば「刀の鬼魂」を入手することがある。これをメニュー画面の「技奥樹(ぎおうじゅ)」から使用することで、新たな技を修得したり、鬼ビ人の能力を強化できる仕組みだ。
技奥樹はいわゆるスキルツリー形式で、枝葉のように成長ルートが複数存在し、手前から順に能力を解放していくこととなる。ルートが複数あるため成長方法はある程度自由で、能力アップには「ダッシュの回避時間が長くなる」といった便利なものもある。ただ、先述の通り技には待機時間が存在するため、まずは技の修得を優先し、4つフルに設定できるようにするとスムーズに戦える印象があった。
技奥樹では鬼ビ人の生前の記憶を解放することもできる。記憶を解放していくと鬼ビ人の過去が明らかとなっていくため、メインストーリーだけでなく、各キャラクターのエピソードにも注目したいところ。こうして技奥樹で能力を解放していくと鬼ビ人との絆が深まり、鬼ビ人を憑依させているときの能力が上昇するといった恩恵も得られるので、鬼魂が集まったら積極的に成長させていこう。
なお、戦闘では鬼ビ人をリアルタイムに切り替えられるため、ザコ敵であれば攻撃範囲の広い鬼ビ人でまとめて倒し、ボス戦では攻撃の隙が少ない鬼ビ人にするなど、複数の鬼ビ人を使い分けることが可能だ。育成も並行して進めてもいいし、1人の鬼ビ人を集中的に使っていく、というのも当然アリだ。以下ではバトルモードでプレイできる4人の鬼ビ人の感触を紹介していこう。
アイシャ
使用武器は刀。通常攻撃の出が早く機動力もあり、最初から仲間になっている鬼ビ人なだけあって使いやすいキャラクター。技も突進、範囲攻撃、遠距離攻撃、溜めは大きいが強力な一撃を放てる「明鏡無双」など、バリエーション豊か。ほかの鬼ビ人と比べると、やや攻撃範囲で物足りないところはあるが、どんな状況でも対応しやすいため、迷ったらアイシャを使い続けてもいいだろう。
ザーフ
使用武器は槍。技の威力は高めのものが多いが、「ミーティア」のようにジャンプしてから降下攻撃をしたり、鬼ビ人が作り上げた壁の後ろから突進攻撃をしたりと、技の発動までに時間があるため使用感に一癖ある印象。使い慣れてきたり、敵の行動パターンを読めるようになってきたら、高火力で敵を倒す爽快感が味わえそうだ。鬼ビ人アクションではジャンプができるのも特徴。
ウィル
使用武器は斧。武器の重量ゆえに攻撃の出はやや遅めだが、威力と範囲に特化した技が多い。敵を打ちあげてから斬りつける「デッドエンド」は攻撃がすべて決まれば大ダメージが期待できるし、離れた敵をまとめて攻撃できる「ヘルスラム」のような技もある。敵を吸い込みつつ連続でダメージを与える範囲攻撃もあるため、対複数の敵を相手にしても対処できる。鬼ビ人アクションはほかの3キャラクターと比べて移動系ではなく、ガードが行える。
イザナ
使用武器は鎌。ウィルと似て、威力と範囲に優れた技が多い。ウィルと異なる点は、敵の側面や背面から攻撃すると状態異常を付与できたり、威力が増大する技があるところ。鬼ビ人アクションがワープのため、敵の背後を取ってから攻撃すると真価を発揮できるだろう。攻撃後に透明になれる「グレイス」のような変わった技もある。
鬼ビ人によって当然個性は異なるが、設定した技次第ではどのキャラクターも、どんな状況にも対応できそうな印象だった。鬼ビ人はほかにも登場するので、よりピーキーで何かに特化したキャラクターが控えている可能性もありそうだが、ビジュアルやキャラクター性など、気に入った鬼ビ人を使っていても問題ないだろう。
両モードをプレイした範囲でのバトルは、道中は比較的易しめだが、ボス戦がかなり難しい印象だ。ストーリーモードで戦う最初のボスでもゲームオーバーになりかけたし、バトルモードのボスには4~5回ほど負けてしまった。ただ、ゲームオーバーになってもオートセーブのポイントからすぐにやり直せるため、ボス戦はすぐ再戦が可能となっている。敵の行動パターンを見極め、それに対処して勝ちに行く、そうしたタイプのゲームと感じた。
実際、使い慣れたと思っていたアイシャで4~5回ほど負けたが、アイシャでクリア後にイザナで挑んだら2回目で勝利できた。これはアイシャで何度も挑戦した経験が活きたからだろう。バトルモードのボスは途中で増援が出現し、近づくだけでダメージを受けてしまう特徴がある。そのため、遠距離から攻撃するのか、それとも出現直後に威力の高い技で瞬殺を狙うか、そうした試行錯誤を繰り返していくのが楽しい作りになっている。
とはいえ、アクションが苦手だと難易度の高さに不安を感じてしまう人もいるだろう。本作では「CASUAL(カジュアル)」、「NORMAL(ノーマル)」、「MANIAC(マニアック)」の3段階から難易度を選択でき、ゲーム中でも自由に変えられる。筆者が選択したのはノーマルなので、不安ならカジュアルを選択してみるといい。そして何より、体験版があるため自分でもプレイできそうかどうか、ぜひ体験版を遊んで確かめてみてほしい。
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