2019年8月30日、バンダイナムコエンターテインメントは、PS4/Xbox One/PC(Steam)用ソフト「CODE VEIN(コードヴェイン)」の店頭体験会を、東京・ヨドバシカメラマルチメディアAkibaにて開催した。
「ゴッドイーター」シリーズで知られるシフトとバンダイナムコスタジオが開発するドラマティック探索アクションRPG「CODE VEIN(コードヴェイン)」。PS4/Xbox One版が2019年9月26日、Steam版が2019年9月27日に発売が予定されており、2019年9月3日からはPS4/Xbox One版の無料体験版の配信もスタートする。
その配信直前となる8月30日に実施された店頭体験会では、2019年5月に配信した「ネットワークテスト版」で得たフィードバックを反映した最新ROMを、一足先にプレイすることができるようになっていた。
当日は生憎の雨にも関わらず、多くの熱心なファンが集結。会場には、本作のプロデューサーを務める飯塚啓太氏も来場しており、難易度の高いステージに苦戦するプレイヤーにアドバイスを送ったり、ゲームプレイの感想を聞いたりと、積極的に交流を行っていた。
ネットワークテスト版から多くの点が改善される
こちらの記事にも掲載されているが、筆者はすでにネットワークテスト版もプレイ済。ゲームの基本的なシステムの解説については上記の記事を参考にしていただくとして、ここでは会場で最新バージョンをプレイして筆者が感じた、ネットワークテスト版との差異ついて紹介していこう。
今回の体験会でプレイが可能となっていたのは、日本では初公開となるフィールド「干上がった海溝」の探索と、その最奥部にいる「氷刃の従者」とのボス戦。イベント専用に調整された内容で、体験会はプレイできる時間が限られるという配慮から、ステージ開始地点であるヤドリギからすぐにボスのいる地点にまでワープできるようにもなっていた。
「オウガ」「スティンガー」「アイヴィ」「ハウンズ」の4種の吸血牙装に、「片手剣」「両手剣」「大槌」「斧槍」「銃剣」の5種類のカテゴリの武器、「ダークナイト」 、「ハルモニア」、「プロメテウス」の3つのブラッドコードが予め用意されており、それらを自由に組み合わせ、様々なビルドを試すこともできた。
まずもっとも大きな違いとして筆者が感じたのが、全体的な操作感の改善だ。とくに変わったのが各種キャンセルを受け付けるタイミングが全体的に早くなったことで、ネットワークテスト版よりも劇的にレスポンスが向上している。これまでのバージョンでは、プレイしていてこちらの思い通りにキャラクターが動いてくれない、もたつきのようなものを感じることがしばしばあった。
筆者が軽戦士タイプのビルドをチョイスしたのもあるが、今回のバージョンでは意図する通りに回避や攻撃を行ってくれるようになり、スピーディでより快適な操作をすることができるようになった。ただし、スタミナの管理が厳しさは変わっていないので調子にのって攻撃や回避を連発していると、あっという間にスタミナがなくなってしまうことに注意したい。
ネットワークテスト版では、使いこなすのが難しかった受け流しだが、最新のバージョンでは攻撃後の隙をキャンセルして使用できるように。これまでは攻撃後の隙を消すにはステップやローリングで距離を取り直すか、ガードで反撃を防ぐかのほぼ2択となっていたのが、そこに受け流しという選択肢が加わり、よりプレイに幅が増した。
ただ受け流しはリスクの高い行動であるため、回避やガードが基本の行動となることに変化はないと感じたが、今回プレイしたフィールド「干上がった海溝」は、道幅の狭い通路に敵が待ち伏せをしていくことが多く、ステップやローリングによる回避が制限されることも。そういった状況では、場合によっては受け流しを狙っていくのも選択肢の一つとして十分考えられるようになった。
筆者はネットワークテストから銃剣を愛用していたのだが、以前の銃剣の射撃攻撃は命中精度が低く、意図せぬ方向に弾が飛んでいくことも珍しくなかった。一方最新バージョンでは、この射撃精度が大幅に改善されており、向きをいちいち合わせなくともしっかりとロックオンした敵に弾が飛んでいくように上方修正が加えられた。
近づかれる前の牽制はもちろん、吹っ飛ばした敵を追撃したり、後ろからバディを援護したり、積極的に活用していける性能に変化しており、大幅に使い勝手が良くなっている。この点は目に見えて差がわかりやすいので、ネットワークテスト版のプレイヤーは是非自分の目で確かめて欲しい。
こちらの攻撃がヒットすると、敵がしっかりと小さく怯むようなリアクションをとってくれるようになったことで、攻撃の手応えが増したのも嬉しい点。ただ、通常のヒット時の小リアクションは、敵の行動には一切影響がないので、「こちらの攻撃でよろけているから、その間は反撃はしてこないだろう」と踏んで攻撃を行っていると、手痛い反撃をもらい面食らうこともあった。このあたりは、プレイを重ね、ダメージが累積した時に出る「怯み」とのモーションを確実に見極られるようになれば問題ではなくなってくるだろう。
またネットワークテスト版は、敵を倒したのかギリギリHPが残っているのかの判別がしづらく、本来は既に倒している敵を無駄に攻撃しようとしてしまうという事態が頻発し、多数の敵に囲まれた際のストレス要素にもなっていた。最新バージョンではHPを0にすると敵がすぐに倒れてくれるため、無駄な空振りをすることがなくなった。地味な要素ながら、個人的にはゲームの快適性を高める上で、かなり大きな変更点だと感じた。
なお今回のバージョンではバディを「ミア」「ヤクモ」「イオ」「ジャック」の4キャラクターから選ぶことができるように。「イオ」と「ジャック」はネットワークテスト版で選択できなかったキャラクターとなる。
イオはバディヒールでの回復量も高く、豊富なサポート手段をもつキャラクターで、バリバリと前に出て戦う際などはとくにありがたい存在。反対にジャックは、積極的に前に出て攻撃を行ってくれるので、敵の注目を集めながらダメージも稼いでくれるので、練血や回復のタイミングも生まれやすい。それぞれ正反対の方向性の強みをもっているので、近距離系の練血をメインに使用する時はイオ、遠距離ならジャックといったように、ビルドの弱点を補ってくれるようなバディを選んでおくと戦いやすくなると感じた。
ボスとなる「氷刃の従者」は、ネットワークテスト版で登場したものと基本的な仕様は同様。一度倒しても復活するタフな相手で、何度も倒されてしまった苦い記憶が蘇るのだが、今回は初見で倒すことに成功。
試遊用にHPなどがネットワークテスト版よりも低めに調整されていたこと、操作性の改善で攻撃を回避しやすくなったことなどが要因となっているのも間違いないものの、敵の攻撃パターンとそれに対する有効な戦い方を理解しているだけでも、かなりボス戦が楽になることが改めて実感できた。
いよいよ体験版の配信も間近となった「CODE VEIN」。ベースとなる要素は変わっていないものの、細かい部分での調整が大量に加えられており、ネットワークテスト版からの着実な進化を感じ取ることができた。まだ本作をプレイしたことがないという方はもちろんながら、ネットワークテスト版をプレイしたという方にこそ、是非とも体験版で最新バージョンをプレイし、その違いを実感していただきたい。
なお今回レビューしたイベント試遊版は、ゲームバージョンこそ同じものの、配信される体験版とはプレイできるステージが異なっている。すでに店頭体験会は終了しているものの、9月12~15日にかけて幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ2019」にて同バージョンが出展されるとのことなので、イベント試遊版をプレイしたいという方は、そちらに足を運んでみてはいかがだろうか。
なお当日の会場では、本作のプロデューサーを務める飯塚啓太氏へのインタビューも実施。こちらの模様も後日掲載される予定なので、楽しみに待っていて欲しい。