コーエーテクモゲームスより2019年9月26日に発売されたPS4/Nintendo Switch用ソフト「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」(Steam版は10月29日に発売予定、DMM GAMES版は発売日未定)。本作のプロデューサーを務める細井順三氏へのインタビューをお届けする。

想定外だった発表時の反響

――「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」(以下、「ライザのアトリエ」)は「アトリエ」シリーズとして新たな世界での物語が展開されますが、立ち上げの経緯などを教えて下さい。

細井氏:「アトリエ」シリーズの20周年記念プロジェクトとして、シミュレーションに寄せた「ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~」(以下、「ネルケと伝説の錬金術士たち」)、そして「アーランド」シリーズの新作である「ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~」(以下、「ルルアのアトリエ」)を発売いたしました。

「ルルアのアトリエ」の開発中に、我々が「不思議」シリーズで培った技術の完成形はある程度見えると思っていたので、その次のタイトルはさらに新しい表現方法やシステムに取り組む必要があると考えていました。「アトリエ」シリーズについては、ユーザーさんの声などでも徐々にマンネリ化を感じられている部分もありましたので、全てを一から見直そうということでスタートしています。

細井順三氏
細井順三氏

――立ち上げからはかなり遡るのでしょうか?

細井氏:去年のことではあります。「ライザのアトリエ」をどうやって作ろうか考えた時に、「ルルアのアトリエ」と同じ立ち位置にするのか、まったく新しいものにするかで意見が分かれていました。

そこで「リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~」(以下、「リディー&スールのアトリエ」)が我々の培ってきた表現方法やシステムなどの最高峰と考えつつも、もっと上を目指せるということで、「ルルアのアトリエ」を立ち上げました。その一方で、22年めを迎える「アトリエ」シリーズ最初のタイトルは完全に新しいものにすると決めました。

――完全に新しいものとして本作の企画の形が出来上がったと思うのですが、まずは本作のゲームのコンセプトをお聞かせください。

細井氏:物語ではなくゲームそのものとしてのコンセプトは、“これまで当然だったポイントを全て見直す”です。採取や調合、バトルなど、「アトリエ」ってこうだよねという部分を全部見直して、全てをブラッシュアップすることにしました。ここはそのままでいいよねというポイントも当然ありますが、全てを見直した結果、生まれたのが「ライザのアトリエ」になります。

かつ、ユーザーさん含めて、ターン制RPG自体をもっとアクションやリアルタイムに寄せてほしいという意見が大きくなってきていましたので、バトルは確実に見直すことにしました。完全に新しいものを作るうえで、昨今の流れは見る必要があると思いましたし、アクションやリアルタイムというものも、もう1つのコンセプトではあります。

――みなさん、リアルタイムのバトルを求めていますもんね。

細井氏:私たちのRPGの定義って、古いものだったのかなと思いました。今のRPGの定義は凄く曖昧だと思っていて、成長要素やストーリーもありますが、構造自体はアクションなんじゃないかなっていうくらい突き抜けているものもあるので、我々もそういう方向に目を向けるべきなんじゃないかと。

そういったこともあり、昨今の流れも含めて全てを見直したんですが、「アトリエ」のミニマルループや、調合で新しいアイテムを生み出すシステムなど、独自の魅力は研鑽しつつも新しいチャレンジを行っています。アイテムを1個ずつ消費するというのも我々にとっては普通のことですが、初めてプレイする人にとっては心理障壁になり得るポイントでもあると思います。なので、今回はアイテムの消費を気にせず使える“コアチャージ”というシステムを用意したりしています。

――情報が発表されていく中でインパクトがあったのが、キャラクターの部分かなと思うのですが、今回トリダモノ氏を起用された経緯を教えてください。

細井氏:まずはコンセプトありきでした。今回は夏という季節を描くため、陰影を強くするグラフィック表現をしたかったので、そこからイラストレーターさんはどなたがいいか、と考えていきました。

あと、私自身が出会いと別れだったり、青春をフィーチャーすることが好きだったりするので(※)、それに共感してくれる方ということで、イラストも含めてトリダモノさんが凄く合いそうだと思ってお声がけしました。

※細井氏は過去に「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」(以下、「BLUE REFLECTION」)のプロデューサーを担当)。

「ライザのアトリエ」のコンセプトを説明したところ、最初は「やります!」という感じだったんですけど、その後に「やっぱり僕無理だと思うんですよねぇ」と言われて(笑)。

――(笑)。

細井氏:トリダモノさんは「僕と『アトリエ』は合わないん気がするんですよ。これまでのイラストレーターさんのように華やかな感じは出せませんし……。僕が作ったら『アトリエ』のイメージを崩しそうで……」とお話しされていて。

ただ私としては、まさにそれが狙いだったんです。今までのイメージがあるからこそトリダモノさんにお願いしたいんです、と。これまでのイメージの流れを踏襲していても、「『アトリエ』の新シリーズが発表されたね」という印象で終わっていたと思うんです。完全に新しいものだからこそ、ここで思い切って変えたほうがいいなと思ってお願いしたのですが、それがトリダモノさんの心理障壁になっていたと(笑)。

――発表されたときにこれだけの反響があるのは予想されていましたか?

細井氏:正直に言うと、まったく無かったです。出合い頭に「マジで!?」みたいな(笑)。トリダモノさんとは「発表したけど、どうなるんだろうね」という感じだったんですけど、こんなに反響があるとは思ってもいませんでした。

――個人的にもびっくりでした。時代が違うとは思うのですが、雰囲気としては「アーランド」、最初の「ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~」を発表されたときの反響に近いのかなと。

細井氏:「アーランド」シリーズをはじめ、これまで「アトリエ」シリーズがファンを増やしてきたタイトルは、新シリーズであるとともに、新しいプラットフォームへの挑戦と一緒になることが多いんですよね。岸田さんの絵も当然ありましたが、当時PS3でガスト初の3DRPGを出すというキャッチーさがありましたし、「ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~」の時は、「アトリエ」としては初めてPS4に挑戦して、かつPS3やPS Vitaの3機種に出しますということと、NOCOさんとゆーげんさんによるWイラストレーターという部分が凄く魅力的だったのではないか、とチーム内ではよく話しています。今回、「ライザのアトリエ」はプラットフォームとしての新しさは無かったものの、トリダモノさんのおかげで「アトリエ」をとり巻く環境が大きく変わりました。トリダモノさんは最後の最後までライザを地味だとおっしゃっていましたし、私としても「本当にいいのかな?」という不安は凄くありました。

じつはトリダモノさんが初めて自分のキャラクターデザインに納得されたタイミングって、キャラクターをゲームの実機でご覧になってからなんですよ。「この世界なら、このキャラクターが最高だったんだ」という感じで。凄く設定に寄せたキャラクターデザインだったこともあり、ここまで大きな反響はまったく予測していませんでしたね。

――私も正直そこがひっかかるポイントだと思っていませんでした。

細井氏:ですよね! メディアの方に「こういうゲームなんですよ」って説明しても、キャラクターがめっちゃ良いですねといった感想よりも、ライザのふとももについて聞かれることのほうが多かったです(笑)。

――ふとももに注目されている方々は従来のファンとは違う層かなとも思います。私自身もファンの1人なのですが、気づけなかったポイントでもありました。

細井氏:今回は新規のユーザーさんたちにもご予約いただいて、いろいろな新しい気づきの機会を与えてもらった気持ちです。

――トリダモノさんご本人としては、してやったりという感じなのでしょうか?

細井氏:いえ、そんな感じではないんですよね。「少しは狙っていたけど、ここまでフィーチャーされるのはちょっと……」みたいな感じです。もともとトリダモノさん的には、ライザは素足が良かったんですよ。でも私が「それは絶対ダメ」とお伝えして。「3Dとしても下半身だけのレベルとしても、情報量が足りないから絶対にブーツとかを履かせてほしい」ってお願いしました。そして、トリダモノさんに現在のデザインに昇華していただきました(笑)。

――キャラクターのデザインに関して、全体のコンセプトや意識されたポイントがあれば教えて下さい。

細井氏:キャラクター個人が持っているバックボーンに沿ったデザインになっています。ライザに関しては、農家の娘なので動きやすい服装ということでホットパンツにしました。

左:立ち絵イラスト、右:3Dモデル

レントやタオに関してはそのままで、タオは本の虫、レントに関しては父親が飲んだくれで、それに反発する息子という立ち位置で、父親がいらないと思っている武具を身に着けて、一旗あげてやるみたいな感じです。

左:立ち絵イラスト、右:3Dモデル
左:立ち絵イラスト、右:3Dモデル

クラウディアに関しては商家の娘なので、ある程度ライザとは対照のデザインラインで、高貴というか良いところのお嬢様に見えるようにしようと。だから夏なのにタイツを履いています。

左:立ち絵イラスト、右:3Dモデル

リラに関しては、トリダモノさんの好きが凝縮されていると皆さんおっしゃっていますが、彼女のバックボーンがクーケン島じゃないことなどが、肌の白さをはじめ、色々な要素として組み込まれたデザインになっています。

左:立ち絵イラスト、右:3Dモデル

アンペルのデザインは当初はお爺さんでしたが、少年少女たちのほんのちょっとの成長、という物語を描くうえで、「お爺さんというのはどうなんだろう?」ということになり、外見を若くしました。デザインにも、彼が着ているコートなどには当初の設定の名残がありますね。

左:立ち絵イラスト、右:3Dモデル

どのキャラクターも基本的には個々人が持っているバックボーンを意識して作っていて、その上で、「アトリエ」としての要素をどう入れていくかを考えました。「『アトリエ』のキャラクターはこうじゃなきゃ」という固定観念よりも、実際の設定に沿った子たちが活躍することが重要だと思っていますし、そこを担保していけば、自ずと「アトリエ」に見えてくるはずだ、とも思って進めてきました。

――ビジュアルだけを見ていると、最近のタイトルのデザインとはテイストが違うと感じるのですが、それをゲームに落とし込んでみると意外と馴染みますよね。

細井氏:最初にお話ししたとおり、ゲームでの陰影表現を一新するところも踏まえてからトリダモノさんにお願いしていまするので、我々としてはある種、デザインも、ゲームへの落とし込みも、含めて想定通りになってくれたなと安堵はしています。

――話は逸れるのですが、先日ワンダーフェスティバル2019夏に行った際にライザのフィギュアが発表されていて、それが複数社だったことにびっくりしました。そういう話が来ること自体が異例のことなのかなと。

細井氏:異例ですね……。実はオファー自体を数社からいただいていて、各社様といろいろお話しさせていただいる段階です。本当にプロデューサーの私自身が驚いていて、キャラクターが人気になるっていうのはこういう感じなんだなと思いました。「アーランド」シリーズを思い出しましたね。第一報のインパクトが凄くて注目されましたから。そういえば「ソフィーのアトリエ」は発売後に人気になった印象ですね。

東京ゲームショウ2019で展示された、Wonderful Works制作によるライザの等身大フィギュア。
分かりやすさを意識した調合と、ターン制の遊びも残したリアルタイムバトル

――ここからゲーム内容をお聞きしていきたいと思います。まず調合は「アーランド」シリーズ以降のタイトルをプレイされている方にとっては大きな変化になったと思うものの、全体としてはわかりやすくなった印象です。

細井氏:ある程度のガイドを用意したのが大きいですね。初心者の方にも分かりやすくしたかったので、調合画面でツリー状になったマス(マテリアル環)ごとに設定された属性に合う材料を投入して、そのマスの属性値を満たせば隣のマスが開放されてつながっていく、という仕組みにしました。「不思議」シリーズのパネル調合は凄いグラフィカルで分かりやすいと思っていたんですが、やっている内に分からなくなるという意見もありまして。

――調合のシステムについては、過去作でも骨格の部分だけであれば分かりやすい工夫はされていましたが、そこから要素が継ぎ足されたりして、ゲームの進行の過程でどうしても難しくなっていきますからね。

細井氏:今回の「リンケージ調合」に関しては、投入できる回数の上限こそありますが、自分が開放したい効果をもったマテリアル環を目指したり、たくさんの特性をつけるために試行錯誤したりなど、個々人によってアイテムの作りたい方向性がきちんと分かりやすくプレイできるようになっているんじゃないかなと思います。「アトリエ」は、どのシリーズもそういった形にはなっているのですが、今回は特に分かりやすさを重視して作っています。

やりこみ要素としては、これまでは何回も同じアイテムを調合してつくるというところが魅力でしたが、今回は一回作ったアイテムをアイテムリビルドという形でさらに調合して強化できるようになっています。“ジェム”という専用の材料を使って、たとえばフラムを最強のアイテムにしてみるなどという遊びが可能になっています。

――過去の作品だと材料が思い通りに用意できないこともあったのですが、そこで何を用意すればいいのかがシンプルに提示されているので、凄くわかりやすくなっていますよね。

細井氏:パネル調合では錬金成分という形で、属性のようなものをパズルのピースの色で表現していましたが、色の違いは人によっては分かりにくいということもありました。今回は色だけでなく、マスのつながりも表現しているので、多分パネル調合よりもさらに分かりやすくなっているはずです。分かりやすさについては、常に意識しています。

――色については盲点でした。

細井氏:パネル調合の場合、色が分からないと非常に分かりづらいんですよね。今回は、色はオマケ的なものですので、あったほうがわかりやすいけど無くてもできるようになっています。一番重要なのが属性値なので、属性値が分かれば大丈夫です。

――採取についてもお聞きしたいのですが、採取に関しては最近のシステムを発展させた印象です。その中で、今作ならではのポイントを教えてください。

細井氏:私が一番に感じていたことは、能動的にアイテムを採りたいということです。例えば木が一本あったとしても、木材を採りたければ斧を使えばいいですし、樹液を採りたければ使う道具も変わる。人間は同じ物から採れる物でも、その物の種類に応じてとる行動や手段が変わってくるはずなので、それが直感的にわかる採取にしたかったんです。今までの採取はランダム要素が凄く強かったのですが、多少はランダム要素を残しつつも、自分が主導権を持っている採取にしたかったんです。

――プレイしていて、最初は従来の感覚になっているので切り替えを忘れていたりするのですが、逆に今回触られる方にとっては、それ自体が楽しさになるのかなと思います。

細井氏:私としてもそれが楽しいと思っているのですが、ユーザーさんの反応を見て、次回作などでどうするかは、また考えます(笑)。

――採取道具のバリエーション自体にも結構幅がありますよね。使えるものと使えないものがあるので、それも含めて楽しいなと思いました。

細井氏:基本的にユーザーさんの知識がしっかりとゲームに反映されるようになっています。

――能動的っていう部分が凄く出ていますよね。

細井氏:ルーレットのような感じでランダムにするという考えもあって、本当はどちらにするか迷ったんです。「おお、めっちゃいいやつ採れた!気持ちいい!」みたいな方向を伸ばすのか、自分で木を切ったときにきちんと木材が手に入る方向にするかで考えて、やはり後者のように能動的に採れるほうが面白いと思ったんですよね。

――マップに関しては、これまでのシンプルな造りと違って全体的に入り組んだ造りになっていて、広さも含めて造りに違いがあるなと感じました。どういう意図でこういう形にしたのでしょうか?

細井氏:今回は街も、街の周辺も何度も行き来することになるので、何度来ても飽きないというか、それに耐えうるものにしたいという意図がありました。今作は夜の時間帯もありますし、そこでもマップの表現を変えるためにはある程度の広さが必要かなと判断した結果です。

――移動する場所自体はそこまで広くないのでしょうか?

細井氏:ある程度の広さはありますよ。「フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~」のようにずーっと向こう側まで続いているという感じではなく、いつもの「アトリエ」より多少の広さを用意しています。

――奥行きや高低も意識されているのかなと。

細井氏:そのあたりは、従来よりも新しい要素として意識していますね。

――バトルは先ほどおっしゃっていたようにアクティブなものになっていますが、その中で今回のバトルを構築する上で、意識した部分を教えてください。

細井氏:まず戦闘を考える時にディレクターと一緒に話して決めたのが、アクションの方向として、リアルタイムにユーザーの行動がそのままダイレクトに反映されるものにしたいというところです。あとは先ほどの採取の話と似ていますが、自分がゲームの主導権を握っている感覚というか、アクション的な感覚を持たせたいという、この大きく2つを意識して作りました。

元々はもっとフリーなバトルにする予定だったのですが、これまでの「アトリエ」をプレイされているお客様にはターン制で楽しんでいただいている部分もありましたので、本作のバトルでは、一人のキャラクターだけに操作を絞って遊んでいただければ従来のターン制、そして一度のバトルの中で複数のキャラクターを切り替えて遊べば遊ぶほどリアルタイム制が増していくようにしました。

たとえばですが、ターン制がいいならライザだけを操作していればターン制に近い遊び方ができ、上手くなってきたら、ライザの次にレントを動かしてといった具合にリアルタイムでバンバン操作キャラクターを切り替えていけるようになると思います。要はプレイヤースキルに依存するリアルタイム制にするということですね。

――凄くアグレッシブですよね。感覚的にも考えれば考えるほどにより効率的な選択肢があるのと、行動によって次の仲間の行動に派生があるので、やれることは多いなと感じます。

細井氏:そうですね。ひとりに絞っても、複数を切り替えても、どういった遊び方にするかは、プレイヤー次第です。ただ、私はライザを操作しているのが気持ちいいので、ライザを操作することが多いです。あとはクラウディアとかですかね。あまり操作しないキャラクターもいますけども。

――それは何故ですか?(笑)

細井氏:うーん……、なぜかあまり使わないんですよ(笑)。キャラクターゲームなので、皆さん好きなキャラクターを使ってほしいですよね。当然、私自身もすべてのキャラクターはチェックしています。ちなみにディレクターは操作キャラクターをバンバン切り替えて遊んでいますが、そういうプレイも見ていて凄く楽しいんですよ。ただ、現状の私はライザしか使わないです(笑)。

――その幅の広さがやっぱり魅力ですよね。

細井氏:そこが今回は重要だと思いましたので。ゲーム開発において、開発チームはプレイがどんどん上手くなっていくんですよ。そういった環境でも、私は敢えてライザしか使わないプレイスタイルを貫かないと、ユーザーさんの目線に立てないなと思って。プロデューサーの私でもライザしか使っていないので、全然大丈夫です。誰でも遊べます(笑)。

――APとかを気にしながらプレイするとかなり意識は割かれるなと感じました。

細井氏:私から見ても、やはり最初はバトル画面の情報量が多いなと感じるんです。でも、それが面白くなってくるんですよね。情報を見て判断するというのはターン制に近い部分であり、そうした詰将棋の要素をリアルタイムで楽しめるようになっています。

――行動を選択するところで止めてしまえば思考する隙間もありますし、そこの幅はやっぱりいいなと思いました。焦る部分を抑え込めるクッションになっていると思います。

細井氏:そうなんですよ。焦ったらクイックアクションを押しましょう!(笑) もう本当に無理だと思ったら、難易度をEASYにすると凄く簡単に楽しめます。

――先ほども少し触れたグラフィックについて、陰影に力を入れられているようですが、個人的に印象的だったのが、キャラクターが逆光になっていて、輪郭が浮き上がるような形になっていたことです。そういう表現が今までの「アトリエ」には無かったですね。

細井氏:「BLUE REFLECTION」を作った際に光の影の表現を凄く意識したのですが、それを「アトリエ」のようなファンタジーに落とし込んだらどうなるのかなと思い、今回採用しました。トリダモノさんも、ファンタジー世界の中で光の表現を「アトリエ」に落とし込む、というところで意識してくださいました。後は(表現として)どう嘘をつくというか、見ていて気持ち良いものを作るかですね。ゲームに限りませんが、真実そのものも重要ですけども、そこに真実じゃないものが入ってくることによる化学変化はアリだと思っていますので。

――嘘の部分が凄く印象的でしたね。遊ぶ方にとっては全然意識しないと思うんです。自分も途中までは意識していなくて、ふと「あ、これって表現的にあえてしているんだな」っていうのを随所に感じました。

細井氏:「ライザのアトリエ」では夏を感じさせたかったので、ハレーションがきつかったりするんです。光を当てすぎじゃないかと思われる部分は絶対あると思います。でも今回のタイトルのキーワードは“夏”で、ひと夏の思い出にしたかったのであえて強くしているんです。

――もともと「アトリエ」は季節感が無いと思うので、そこも含めてですね。

細井氏:先ほども申し上げましたが、ゲームとしてのコンセプトのひとつは“これまで当然だったポイントを全て見直す”ですが、そのなかで今回の「アトリエ」のコンセプトがもうひとつあるんです。それは、「アトリエ」という季節感の無いものに対して、“日本の夏を入れてみる”です。だからセミが鳴いていたり、入道雲っぽいものがメインビジュアルに描かれていたりします。

ただセミや入道雲って、海外の方からみたら夏のイメージではないんですよね。でも日本人からしたら夏じゃないですか。だから日本人が作るファンタジーの夏はこういうものじゃないかな、というものを作りたかったんですよ。

社内からは海外では夏にセミは鳴かない、入道雲はイメージとして通じないといった意見もありましたが、私としてはそれでいいんです。日本人の夏を表現したかったので。

――逆に海外の方に日本の夏のイメージを伝えられますしね。

細井氏:全てを海外基準というか、我々を知らないところにもっていく必要はないと思っています。今回は日本の夏を「アトリエ」というファンタジーに入れ込むという、ある種日本人にしかできないことをやりたいと思ったんです。

――そういう意味でも独特なグラフィックというか空気になっていますよね。そうした空気感で描かれるストーリーについては、主人公のライザだけでなく、周りのキャラクターについても等身大なエピソードだなと思いました。ゲームを通してどのようなストーリーを描いていくことを意識されたのでしょうか?

細井氏:基本的には等身大のものを描きたかったのですが、ひと夏の成長ってたかが知れていると思うんですよ、言い方はちょっと悪いですけども。だからこそ、身体的な成長ではなく、精神的な成長を描きたかったのです。そして私の中のポイントとなっているのが「思い出をつくる」という行為です。3年後でもいいですし10年後、20年後、もしくは死ぬ時に「あの時の仲間たちとの思い出は特別だったよね」って思える“ひと夏の冒険”なんです。それを描きたかった。

「BLUE REFLECTION」では、一歩を踏み出すということについて、人によっては何気なく踏み出す小さな一歩が、自分にとっては凄く大きな歩幅になり得るかもしれないっていうのを描きたかったんですが、今回は、ある種そういう部分もありつつも「色褪せない思い出」をみんなで作る物語というイメージが強くあります。

私が携わる作品は大体、自己肯定の話になるんです。要は何も無いっていうところを、「何も無いというのもいいものかも」と返す感じで(笑)。何も無いというのは、自分が勝手にそう思っているだけなんですよね。なのでライザも最終的にそういう成長を見せていくと思います。

――「BLUE REFLECTION」を触っている身としても、やはり雰囲気が少し似ているとは感じました。

細井氏:語弊はあるかもしれませんが、私がプロデューサーとして「アトリエ」シリーズの新シリーズに携わるのは今回が初めてというのもあります。

「リディー&スールのアトリエ」や「ルルアのアトリエ」はそれぞれのシリーズの流れを汲みながらも、ユーザーさんが期待されているものも明確にありましたので、よりユーザーさんに向けて作るという意味合いが大きかったんです。また、「ネルケと伝説の錬金術士たち」に関しても、「アトリエ」シリーズ20周年の集大成としてのタイトルでしたのでそれに相応しいものというのをまずは考えていました。

もちろん今回もユーザーさんに向けてきちんと作っていますが、自分として新しい「アトリエ」シリーズを作るならこうだ、というものをきちんと入れたいなと思いました。

発売後には追加ストーリーも用意

――まだ気が早い部分もありますが、今後のお話も聞いていきたいと思います。まず、「アトリエ」シリーズの中で、「ライザのアトリエ」の今後はどのように考えられているのでしょうか?

細井氏:(次回作で)みなさん、ライザが師匠になって出てくるんじゃないかと予想されていますが、正直、師匠で出てくるという流れには飽きています。「またか!」って思うじゃないですか。

――随分続きましたからね。

細井氏:ライザは師匠としては登場しないですが、シリーズとしては続けていきたいと思っています。

――それはやはり世界観を同じくするシリーズということでしょうか?

細井氏:そうですね。作っていきたいなという想いはあります。ただ、最終的にはユーザーさんの反応を見て、判断すると思います。

――発売後のダウンロードコンテンツについてはいかがでしょうか?

細井氏:ダウンロードコンテンツに関しては、今後の無料アップデートでフォトモードが追加されます。無料アップデートによる機能拡張はいくつか予定していまして、そこでちょっとした遊びも入れる予定です。あと、追加ストーリーは検討しています。そこは有料のダウンロードコンテンツになるかなとは思うのですが。

――それは作中の一場面を描くような感じですか?

細井氏:作中もありますし、ゲーム開始時直後というか、作中には出てこなかった、一歩離れたものもあります。主人公も変わります。リラとか。

――今まであんまり無かった試みですよね。

細井氏:そうですね。今まであまり無かったと思います。

――ライザだけじゃなく周りのキャラクターもどういう背景があるのか楽しみです。今年は結果的に、「ネルケと伝説の錬金術士たち」「ルルアのアトリエ」に続いて「ライザのアトリエ」で3作目のリリースとなりますが、それぞれ特色の異なるタイトルということもあり、実際に制作してみて感じられた点や大変だったタイトルなどがあればお聞かせください。

細井氏:私にとって一番大変だったタイトルは「ネルケと伝説の錬金術士たち」ですね。20周年の重みってこういうことか!と感じるくらい大変で、何を決めるにも「これで合っているのかな」という気持ちになりました。その一方で「アトリエ」の歴史の長さを感じられて非常に楽しいタイトルでもありました。「アトリエ」シリーズは、1作目の「マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~」のときはシミュレーション要素が強かったので、街づくりと「アトリエ」の要素を組み合わせたらどうなるんだろう、というところから始まっています。たとえばRPGにした場合、「アトリエ」の主人公を何十人も錬金術士として出すのは非常に難しい部分がありましたし、みんなをきちんと扱いたかったのでシミュレーション寄りの内容にしました。

「ルルアのアトリエ」は岸田さんと話して、「作ろう!」と決めてからは、要素など諸々に関してもスムーズでしたね。何が今のユーザーさんに受け入れられて、何が変えたほうが良いポイントなのかというのは、「ロロナのアトリエ」「トトリのアトリエ」「メルルのアトリエ」のシリーズ3作のフィードバックがあったので、それをきちんとお返ししようと思っていましたし、「アーランド」の続編を望む声もありましたので。そうしたユーザーさんの声にお応えする形で出そうというところもあり、作りやすいタイトルでした。後は、現行で我々が持っているシステムの最高傑作というか、我々の今の最高点はこういうものだよ、というのをお見せしたかったというのがあります。

「ライザのアトリエ」に関しては「新しくする」というのがありましたので、「ルルアのアトリエ」とは対比になっていますし、開発チームも初期の段階では分かれています。「ルルアのアトリエ」でこういうことをするんだったら、「ライザのアトリエ」はこういう風に変えたほうがいいね、というのが「ライザのアトリエ」の開発チームにはありました。「ルルアのアトリエ」をプレイした後に「ライザのアトリエ」をプレイしていただくと、表現が全然違うものになっていますし、キャラクターの描き方も全然違いますので、どちらのタイトルもそうした違いも含めて楽しんでいただけるのではないかと思います。

――最後に、これからプレイされる方へメッセージをお願いします。

細井氏:「ライザのアトリエ」は完全に新しい「アトリエ」として作りました。ユーザーさんからいただいたご意見などもきちんとフィードバックして作ったつもりですので、色々なご感想いただければと思います。我々としては凄く新しくして満を持して発売するタイトルです。皆さん是非お買い求めください!

――ありがとうございました。

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ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~ Digital Deluxe

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※掲載されている画面写真は、PlayStation4で開発中のものです。

※画面は開発中のものです。

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