アソビモが2019年にリリース予定の「ETERNAL」の第二回CBTバージョンをレビュー。日本を代表するトップクリエイター達が作る超大型国産MMORPGの魅力に迫る。
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「ETERNAL」は、アソビモが2019年にリリース予定のiOS/Android用MMORPG。キャラクター・モンスターデザインに天野喜孝、主題歌にLUNA SEA、ゲームサウンドにMONACAという日本を代表するトップクリエイターが集結。さらに、開発は数々のMMORPGを世に送り出してきたアソビモ。MMORPG好きなら無視できない超大型“国産”タイトルだ。そんな話題の本作が、11月8日より第二回クローズドβテスト(CBT)を実施。今回、このCBTに参加することができたので、そこで分かった本作の魅力を紹介したい。
美麗さの先にある臨場感!世界を描き出すグラフィック表現
プレイしていない人にも伝わるであろう本作の魅力のひとつが、グラフィックだ。スクリーンショットをご覧いただけば一目瞭然、本作のグラフィックはリアル志向で、非常に美麗なものになっている。スマホゲームとしてはトップクラスといっていいだろう。しかし、ただ美しいだけではない。
本作では気候や時間の変化をビジュアル的に表現。ゲームをプレイしていると、時間経過に従って日が暮れ、夜になり、やがてまた日が昇っていく。
つまり、本作の世界の時間の昼夜の移り変わりや空気感といったものを表現しているのだ。このため、3DCGとして美しいというより先に、本作の世界のリアリティを感じ取ることができる。このため、臨場感が高い。
勢力の対立を描いた硬派なストーリー
美麗な3DCGというのは、それだけでキャッチーだ。ただ、そこで思考停止するのではなく、世界のリアリティという「その先」を描こうとする姿勢からは「硬派」なものを感じる。CBTをプレイしていて、筆者はこの「硬派」さこそ、本作のキーワードのように感じた。というのも、ストーリーも硬派なのだ。
ストーリーは人間の宗教国家「ノルダニア神聖国」と、多種族の連合体「オルド」連合体との争いを描くもの。つまり、ファンタジー世界の中での勢力抗争。プレイヤーは一人の人間としてこの戦いの流れに巻き込まれていくことになる。MMORPGとして王道のストーリーを真正面から描いたものだ。
ゲームの流れも、王道。NPCからモンスターの討伐や素材アイテムの収集といったクエストを受注し、達成することで進んでいく。プレイヤーが最初に受けるクエストはノルダニア軍の訓練生としてのもので、これがプレイヤー向けのチュートリアルも兼ねているという趣向。クエストが本格的なものになっていくに伴い、徐々に勢力抗争の物語が姿を現していく。
今回はCBTという形ではあったが、用意されているクエストはメイン/サブとも豊富。実際にリリースされたら、ソロクエストだけでもたっぷり遊べそうな感じだ。
オートプレイにも戦術性!手応えのあるバトルと育成
MMORPGの華といえば、なんといってもバトルと育成。本作のバトル&育成も、作品の華としての魅力を持ったものになっていた。
本作のバトルは、仮想パッドによる自由移動と、ボタンタップによる攻撃&スキル使用を組み合わせたアクションRPGよりなシステム。このシステムもまた、MMORPGとして王道といえるスタイルだが、最近のスマホRPGのように、コンボアクションでガンガン攻め立てて爽快という方向性ではない。手数で攻め立てるというより、戦い方に応じたビルドをしっかり行い、その場での1アクションをしっかり考えてプレイする…という方向性だと感じた。
「戦い方に応じたビルド」というのがよく現れているのが、「特性」システムだ。これはいわば、「ジョブ」に対する「サブジョブ」のようなもの。たとえば、筆者が選んだ「ウォーリア」は、近接攻撃と防御に優れる、典型的なタンク型のジョブで、「剛腕」、「激情」、「鉄壁」という「特性」を持っている。そして、選ぶ「特性」によって、スキルセットが変化。
たとえば、「剛腕」なら、近接攻撃系で、敵複数体への攻撃が可能なスキルが揃っている。一方、「鉄壁」は、防御系のスキルが揃う。なので、ソロプレイ重視で複数の敵を相手にするというなら複数体への近接攻撃特化型「剛腕」に、パーティープレイでタンクを担うなら防御特化型の「鉄壁」に…といった形で、戦い方や状況に合わせた「特性」選択が重要になってくる。戦闘スタイルに合わせたキャラ育成が楽しめるというわけだ。
キャラ育成を楽しむ上では、自分の理想や、自分自身をどれだけ投影できるかという点も重要だが、今回のCBT時点でキャラクターの容姿のカスタマイズ機能がしっかり実装されていた。まず、「ウォーリア」「パラディン」「メイジ」「プリースト」という「ジョブ」を選び、さらに男女の性別を選択。その上で容姿をカスタマイズする…という形だ。
また、見た目は装備を切り替えることでも切り替わる。クエストをこなすことで新たな装備をどんどん獲得し、自分好みのキャラクターを作り上げていくという楽しさは、RPGの真骨頂といえるだろう。
ちなみに、スマホのMMORPGといえば欠かせない機能が、オート機能だ。クエストボタンをタップすることでクエストの目的地まで移動、さらにはバトルや素材採取までこなしてくれる…という機能。人によっては「ゲームは自分でプレイしてこそ」と思うかもしれないが、スキマ時間でサクッと楽しむ…というプレイスタイルの人も多いスマホMMORPGでは、放置ゲーム的にプレイできるオート機能は必須と言っていい。もちろん、本作にも搭載されている。…しかし、これが普通のスマホMMORPGとはちょっと違う形なのだ。
本作ではオート機能向けに「戦術」という仕組みが用意されている。これはオートプレイ時のプレイヤーキャラクターの行動を組み立てるという仕組み。「誰が」「どんな状況で」「どんな行動をするか」といった要素を組み合わせることで、オートプレイ時の行動を細かく設定できる。近いものとしては「ファイナルファンタジーXII」の「ガンビット」システムが挙げられる。通常のオート機能よりお手軽さは減る分、AIを組み立てるような別種の戦略性が詰まっていると感じた。この機能ひとつだけでも、かなり楽しめそうだ。
MMORPGの楽しさに真正面から取り組んだ作品!楽しみにリリースを待ちたい
今回、第二回CBTを経験して、本作がただクリエイターのネームバリューだけで作られたような作品ではなく、真正面から楽しいスマホMMORPGを目指して作られた作品だと感じた。
その一方で、気にならなかったところがないわけじゃない。攻撃については、もう少しスピードと爽快感があってもいいかなと感じたし、プレイヤーキャラクター/敵/アイテムといったオブジェクトが別の座標へワープしてしまう…という不具合的な現象にも遭遇した。ただ、まだ今回のβテストはオープンでもないクローズドなもの。ゲームの中の手触りや不具合といったものは、これからリリースまでに手が入れられることだろう。本作の内容でしっかり調整されれば、確実に良作MMORPGとなるに違いない。楽しみにリリースを待ちたい。