“ローグライク”と“お世話”のかけ算で生まれる科学反応は?「void tRrLM(); //ボイド・テラリウム」プレイレポート

プレイレビュー
0コメント ヨッシー

日本一ソフトウェアが、2020年1月23日に発売するPS4/Nintendo Switch用ソフト「void tRrLM(); //ボイド・テラリウム」。“お世話育成”と“ローグライク”という、まったく異なる側面を持つ2つの要素が特徴の本作を紹介します。

本作は、菌類に汚染され荒廃した世界を舞台にした、人類最後の少女“トリコ”と“お世話ロボット”によるローグライクお世話RPGです。お世話ゲームといえば、1996年にバンダイから発売され大きな社会現象となった「たまごっち」がブームの火付け役として知られておりますが、2019年となった今も様々な要素やジャンルと組み合わせ、脈々と受け継がれてきた人気のゲームジャンルとなります。

そしてそんな“お世話”と“ローグライク”を掛け合わせたのが、今回紹介する「void tRrLM(); //ボイド・テラリウム」。汚染された世界では生きていけないトリコのため、プレイヤーはロボットとなり、彼女が唯一過ごせる「テラリウム」の環境を充実させていく、というのが大筋です。

また、本作のディレクターおよびキャラクターデザインを担当するのは「htoL#NiQ-ホタルノニッキ-」や「ロゼと黄昏の古城」で知られる古谷優幸氏。氏が得意とする美しくも残酷な世界観も魅力の1つです。

ここでは、「void tRrLM(); //ボイド・テラリウム」を実際にプレイして感じた魅力を紹介していきましょう。

からっぽの世界に、詰められた少女

本作は文明が滅び、有毒な菌類に汚染された世界が舞台となります。プレイヤーはひょんなことから自我が芽生え動きだした“ロボット”となり、荒廃した世界を探索します。

探索を続けていくと、文明が滅びてから数百年も経つ世界でなぜかひとり生き残っていた少女“トリコ”、勢いあまって人類を滅ぼしたという“ファクトリーAI”に出会います。汚染された世界でトリコが生きていられるのは、フラスコの形をした「テラリウム」の中だけです……。

トリコは、有毒な菌類に汚染されたこの世界では生きることができず、生存環境「テラリウム」内でロボットのお世話を受けながら生きながらえることになります。
ファクトリーAIは、滅びかけた人類が急造した“自己増殖シェルター”を、総合的に管理していた人工知能です。身動きはとれないので、データベースから得られる知識や情報から探索やお世話の手助けをしてくれます。

トリコを助けたいロボット、百年ぶりの話し相手をなくしたくないファクトリーAI、奇妙な3人(?)による物語が始まるのでした。

本作は大きく、素材や食料などが調達できるダンジョンを探索するダンジョンパート、トリコのお世話をするテラリウムパートの2つを行き来しながらゲームを進めていくことになります。ただしこの2つは密接な関係にあり、ダンジョン探索中も常にトリコの体調を気にかけながらプレイする必要があります。

ダンジョンパート テラリウムパート

死ぬことが容認された世界で、何度も運をコントロールしていく楽しさを

ダンジョンパートではトリコに与える食料や、テラリウムをより良い環境にするためのアイテムをクラフトする素材を探していくことになります。数百年放置された世界には、人類が滅びたあとも自己進化を続けた「機械」や、菌の汚染により突然変異を遂げた「異常生物」たちが待ち構えていますので慎重に探索をしていきましょう。

本作はランダム生成されるダンジョン内を探索していくローグライクとなるわけですが、ローグライクといってもキャラクターの成長要素が強いものから、一度死んでしまうとゲームオーバーなものまで様々です。では本作は? というと、これが可愛らしい見た目のわりにゴリゴリのローグライクとなっています。

死んでしまったり探索を終了すると、装備やアイテムはもちろん、レベルや覚えたスキルも全て初期化されてしまいます。ゲーム内容はかなりハード……なのですが、一般的なダンジョンRPGのようにダンジョンの攻略が目的ではなく、あくまで「トリコのために食料や素材を集める」ことが目的となるのがミソです。探索終了時に持っていたアイテムはロストするわけではなく、全て「資源」に変換されます。つまり、死ぬことが容認されたゲームサイクルであると言えるでしょう。

本作では後述するクラフトをする際に、各種資源が必要となります。
一度に持ち歩けるアイテム数には限りがあるので、アイテムリストが一杯になったら死んで戻ることが効率的な場面も。

このシステムは実際のゲームプレイにも影響してきます。例えば、ローグライクではお馴染みですが本作にもHPと別にスタミナの要素があります。主人公がロボットとなるので「EN」というバッテリーがそれに当たるのですが、これが尽きるとターン毎にダメージを受けてしまいます。

これを回復するにはダンジョン内で手に入る「バッテリー」アイテムを使えばいいのですが、バッテリーを含む全てのアイテムはそれぞれ資源に変換する際に「有機資源」「無機資源」「エネルギー資源」「汚染資源」という4つに分類され、トリコのお世話の際に必要となってきます。

プレイヤーは、「このアイテムを使えば探索は楽になるけど、資源として取っておきたい」というジレンマを抱えながら、ダンジョン内を探索していくことになります。

ダンジョン内で各種行動をする度に消費される「EN」。常に余裕をもっておきたいところですが……。
アイテム説明の下にある「資源」という4つの項目が、それぞれ変換された時の値になります。

また、レベルや覚えたスキルも初期化されると先ほど説明しましたが、ここも本作のポイントです。ローグライクはダンジョン内容がランダム生成されるため、毎回異なるプレイフィールが楽しめるのが特徴ですが、本作ではレベルアップで習得できるスキルもランダムとなっているからです。

レベルアップするたびに2つの選択肢が提示され、プレイヤーは状況に応じて1つを選択します。なかなか思うようにロボットを育てられない時がある一方、スルスルと理想のスキル構成に辿り着ける時もある。運をコントロールしていく絶妙なバランス感覚がとにかく面白いです。何度も探索を繰り返すゲームサイクルとマッチしていて、ついついもう一回とダンジョン探索に足を運んでしまう、沼のような魅力があります。

スキルには習得すると常に効果を発揮する「パッシブ」と手動で発動する「アクティブ」があります。
星の数でおおよそのレア度がわかります。低レベルでもいきなり強力なスキルを覚えられることも。
レアモンスターを倒した時に手に入るMODも沼です。ロボットの性能が大きく変化するので、強力なMODを手に入れると脳汁が溢れ出ます。

ローグライクは元々ランダム要素の強いゲームジャンルで、運を上手くコントロールしていく難しさと、それが上手くいったときの達成感が面白い部分ですが、本作はそこがより強調されている印象です。ゲームにしっかりとやりごたえを与えながらも、運悪く死んでしまった際にも資源としてプレイヤーにリターンがある。このテンポの良さが本作の魅力です。

おなじみの「モンスターハウス」も登場しますよ。
日によっては天候が汚染される場合も。強力な敵が出現する一方、汚染されて強力になったアイテムを拾えるので、さらにピーキーなバランスでゲームが楽しめます。

ダンジョン探索にも影響を及ぼすトリコのお世話

続いて、トリコをお世話していくテラリウムパートを紹介していきましょう。

汚染された世界で、無防備なトリコは息をするだけでも命が脅かされていきます。飢餓や菌による汚染、未知の病気など、さまざまな苦難が待ち受けていますので、彼女が安心して暮らせる「テラリウム」作りが必要となります。

ゲームを始めたばかりのテラリウムはひび割れて、今にも壊れてしまいそう……。

トリコの状態は、滅亡前の人類社会で大流行した育成ゲーム「おせわっち」で管理することができます。おせわっちでは、トリコの空腹状態や病気状態、テラリウムの汚れなどが一目でわかります。飢餓状態になってしまったりテラリウムが酷く汚れてしまうと、トリコは病気になってしまうので、こまめに見てあげましょう。

トリコにあげる食料はダンジョンで入手することになります。汚染された外界から持って帰ってきたものなので、食べ物自体がひどく汚染されていることも。汚染の蓄積や空腹状態が続くと、トリコは体調を崩して風邪を引いてしまったり、時にはトリコの身にさまざまな症状が現れます。治療のための物資は、探索で手に入れることが可能です。

食べ物アイテムはダンジョンで拾うことができます。「黒光りする虫」って……。
蓄積や空腹状態が続くと、トリコの身にさまざまな症状が現れます。

また、トリコは「テラリウム」に文字通り“瓶詰め”状態です。ロボットが探索に出かけている間、ひとりで待つトリコのために「テラリウム」内の環境も充実させてあげましょう。ダンジョンで手に入る素材を使えば様々な家具やオブジェクトをクラフトすることができます。配置するオブジェクトによっては、トリコが特殊なアクションを見せてくれることも。

また、クラフトは初回時にボーナスがありロボットの性能がアップします。この効果だけはリセットされないので、ダンジョンが難しくなってきたと感じたら作ったことがないアイテムをクラフトするのも手です。

ここまでテラリウムパートでのトリコのお世話要素を紹介してきましたが、実はダンジョンパートでもトリコの状況は刻一刻と変化していきます。時間が経てばたつほどトリコのお腹は空いていきますし、テラリウムも汚れてしまいます。

ダンジョン探索中でもトリコがお腹を空かせていれば帰ってあげなければいけませんが、自分の思い通りにロボットを育成できていればいるほど、どうしようか迷ってしまうもの。テラリウムの掃除ならば、おせわっちの機能から行えますが、それにも大量のENを消費してしまいます。トリコの体調には気を付けつつ最大限効率的に進めるにはどうしたらいいか、考えながらプレイする楽しさも本作の魅力です。

ダンジョン内でもおせわっちでトリコの様子が確認できます。テラリウムの掃除はおせわっちの機能から行えますが……。
一部クラフトボーナスにはトリコの能力を上昇させるものも。トリコの腹持ちが良くなれば、ダンジョン探索の自由度も上がりそうです。

「void tRrLM(); //ボイド・テラリウム」体験版が本日配信開始!

ここまでゲームの大きな2つの要素からタイトルの魅力を紹介してきましたが、本作には独特の世界観や美しいBGM、そして不思議な3人の物語がどこへ終着するのか……などなど、気になる要素がたくさんありました。ぜひこの続きはご自身の目で確かめてください。

そしてなんともタイミングが良いことに、実は本日12月12日より「void tRrLM(); //ボイド・テラリウム」の体験版が配信されています。ゲーム序盤からでも本作の魅力がビシビシと伝わってきますので、ぜひお手に取ってみては?

※画面は開発中のものです。

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