グラビティゲームアライズからリリースされたパズルRPG「セイクリッドブレイド」をレビュー。「Dungeon Raid」をベースに大幅進化させたその内容は、今この時代にプレイする価値のあるものだ。

目次
  1. 「Dungeon Raid(ダンジョンレイド)」を大幅に進化させたパズルRPG
  2. 王道のJRPG的魅力を持ったストーリー
  3. 今この時代にプレイする価値のあるパズルRPG

「セイクリッドブレイド」は、グラビティゲームアライズからリリースされたスマートフォン向けパズルRPG。パネルを指で繋いでマッチングするというマッチングパズルをベースに、RPGのゲーム性を融合させた作品だ。

こうしたパズルRPGは、2012年に「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」がリリースされて以降、大量に作品がリリースされ、1ジャンルを築いた。しかし、スマートフォンのスペックが上がった昨今、あまり見られなくなったタイプの作品だ。そんな状況でリリースされる以上、もちろん本作は、今プレイするに相応しい内容を備えている。その内容について本記事で紹介しよう。

「Dungeon Raid(ダンジョンレイド)」を大幅に進化させたパズルRPG

パズルRPGといえば「パズドラ」。そんなイメージを持っている人がほとんどだろう。確かに「パズドラ」はパズルRPGの金字塔的作品。その上国民的ゲームといってもいい作品だが、パズルRPGの元祖というわけではない。「パズドラ」より先にリリースされていて、「パズドラ」開発者も参考にしたというゲームがある。「Dungeon Raid(ダンジョンレイド)」だ。

「Dungeon Raid」もパネルを指で繋いでマッチングするパズルRPG。ただ、「パズドラ」と違って敵もパネルとして登場する。敵パネルと剣パネルを繋いでマッチングすると、敵にダメージを与えられる…というルールだ。本作のゲームルールは、この「Dungeon Raid」をベースに大幅進化させたものになっている。

本作のゲームの流れは、ステージを選択し、バトルパートでクリア条件を達成すると次のステージへ進む…という構成になっている。クリア条件は概ね敵の全滅か、特定の敵を倒すこと。また、ストーリーもしっかり用意されており、ステージ開始前やクリア後に、会話シーンが挿入されることもある。

バトルパートに入ると、画面に「エレ」というスライムのようなキャラクターが並ぶ。この「エレ」がマッチングパズルにおけるパネルだ。同じ色の「エレ」を繋いでいくことでマッチングが行える。敵にダメージを与えたい場合、「Dungeon Raid」のように「エレ」と一緒に敵も繋げばOK。ただし、繋げる敵は「エレ」と同じ色のもののみだ。

これだけだと、「Dungeon Raid」から変化がないようだが、本作のルールは、これで終わりじゃない。マッチングの際、一定数以上繋ぐことでユニット毎のスキル攻撃がが発動するのだ。たとえばユニットが「ナイト」であれば、周囲1マスの範囲の敵へ同時攻撃が可能。なので、「エレ」と敵とを上手に繋ぎつつ、最終的にターゲットとなる敵の隣まで移動することができれば、効率的にダメージを与えられる。

スキル攻撃はユニットの職業ごとに異なっており、たとえば「ウィザード」であれば、周囲の6方向の直線状の敵を攻撃できる。自分のターンにどのユニットを操作するかは完全に自由。同じユニットを連続で動かすこともできるので、現在のターンで誰を動かすのが最も効果的か、常に判断に迫られるわけだ。

また、スキル攻撃の威力は、マッチングの数によって変化する。たとえば「ナイト」であれば「エレ」3匹を繋ぐと1チェインとなり、チェインが増えれば増えるほどスキル攻撃の回数がアップする。マッチングパズルでは、ただ大量に繋ぐだけでも達成感があって気持ちいいが、本作の場合、スキル攻撃の威力が目に見えてアップするので、爽快感が非常に強い。

さらに、マッチングに深みをもたらしているのが、アシストスキル。これは、ユニットが移動完了した際、ダメージを与えた敵の色と同じ色の味方ユニットが発動してくれるスキルだ。たとえば「パラディン」であれば、味方全体にデバフバリアをかけてくれるし、「ウィザード」であれば、画面内の敵全てを魔法攻撃してくれる。

ここまででも相当奥深いバトルが実現しているが、さらに本作をユニークなものにしているのが、ユニットによってマッチング方法まで異なるという点。たとえば「ナイト」や「パラディン」は、同じ色のユニットを一体ずつ、6方向に繋いでいく…というスタンダードなマッチング方法になっている。

一方「ウィザード」は、6方向にワープし、ワープ先で繋がっている「エレ」すべてを繋げたことになるという独特なマッチング方法。また、これが「ポポライダー」になると、別の色の「エレ」をジャンプして繋ぐことが可能。このため、「エレ」の配置にもよるが、「ウィザード」や「ポポライダー」を使うと、マッチング数が大幅にアップする。

どのユニットを使うか?どの「エレ」とどの敵を繋ぐか?移動完了時にどの敵を攻撃するか?アシスト攻撃はどうする?そもそもどのマッチング方法が最もマッチング数が大きくなる?…などなど、毎ターン毎ターン、考えることが非常に多く、悩ましい。だがこの悩ましさが楽しさに繋がっている!悩みつつ最善な手を探すのが楽しいし、ましてや自分の考えが上手く結果に結びつき、少ないターン数で敵を撃破した時の達成感たるやたまらないものがある。

王道のJRPG的魅力を持ったストーリー

本作のバトルパート以外の部分は、昨今のスマホRPGとしておおむね標準的なものといえるだろう。ただ、パズルRPGが全盛だった時代から見ると、「昨今のスマホRPGとして標準的」ということ自体が、「進化」といえる。「パズドラ」をはじめとするあのころのパズルRPGは今と比べれば育成要素も単純化されていたし、ソーシャルゲームの流れを引き継いでいたためストーリーはあってないようなものだった。

本作のストーリーは、JRPGの王道的なもの。舞台となるのはアスタマレア王国、シザライン教国、魔族が支配するヴァレスタ帝国という三国が存在する世界。三国の力関係は拮抗していたが、ある時、ヴァレスタ帝国が突然アスタマレア王国への宣戦を布告。王国の聖女リアは、戦争状況を打開する鍵となる「救世主」を求めて旅立つ。そして、聖女リアとの出会いによって救世主と告げられたのが、主人公たるアレスだ。プレイヤーはアレスとして、ヴァレスタ帝国の戦いに身を投じていくこととなる…。

今この時代にプレイする価値のあるパズルRPG

「Dungeon Raid」をベースにスキルの発動条件などを追加、さらにユニット毎にマッチング方法が異なるというユニークな機能を追加した本作。その奥深さは、一度プレイするとなかなかやめられない中毒性を持っている。「パズドラ」以降、さんざんパズルRPGをプレイしてきた…という人に対しても、その魅力は伝わるだろう。なんといっても、筆者でもハマってしまったくらいだから。

また、「パズドラ」などのように長い運営期間を誇るゲームでは、機能が複雑化している上、長期間やりこんでいるベテランプレイヤーに対応するため高難易度化していることも多い。その点、リリースされたばかりの本作は、機能も整理されており、難易度もほどよく歯ごたえがあり、ほどよく爽快といったレベルに調整されている。なので、本作は、今、この時代にプレイする価値のあるパズルRPGだと思う。RPGファン、パズルファンは是非一度プレイしてみてほしい。

セイクリッドブレイド-破壊神の鎖-

グラビティゲームアライズ

iOSアプリiOS

  • 配信日:2020年5月19日
  • 価格:基本無料

    セイクリッドブレイド-破壊神の鎖-

    グラビティゲームアライズ

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2020年5月19日
    • 価格:基本無料

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