スクウェア・エニックスが今冬発売予定のPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X/PC(Steam)向けサードパーソン・シューティングゲーム「OUTRIDERS」(アウトライダーズ)。「東京ゲームショウ2020 オンライン」の開催に併せて本作を試遊する機会を得たので、そのレポートをお届けする。
※記事内で使用している動画、画像は開発中のため、日本の製品版とは表現に差異がある可能性がございます。
スキルをフル活用したハイスピードバトルが展開
本作の舞台となるのは、地球の荒廃が進み、宇宙移民が開始された近未来。地球を後にした人々は、地球に近い環境の惑星「エノク」への移住を開始する。しかし、新しい楽園となるはずのエノクは、謎の電磁波や時空の歪みが発生し、僅かな資源を巡っての争いも耐えない、過酷な地であることが判明する。
プレイヤーが操作するのは、エノクの電子波の影響によって特殊な能力に目覚めた先遣隊「アウトライダーズ」の1人。プレイヤーは、ゲーム開始時に自らの分身となる主人公の外見・名前に加え、このエノクへの植民の際に発現した、様々なカテゴリの特殊能力を使用するクラスを選択してゲームをスタートすることになる。
ここで選択可能となっていたのは、任意の地点にワープしたり、敵をスロー状態にする「トリックスター」、炎を自在に操り、強力な攻撃を駆使する「パイロマンサー」、高い防御力を誇り、重力を操作して戦う「デバステーター」、味方のサポートに特化した「テクノマンサー」の4つのクラス。
本作のベースとなっているのは、開発を担当したスタジオ・People Can flyが関わってきた「Gears of War」シリーズのエッセンスも感じさせる、銃撃戦とカバーアクションを搭載したTPSだが、この4つのクラスがもつ強力なスキルを、いかに使いこなして戦うかが特徴となっている。
このクラス固有のスキルは、最大で同時に3つまで装備することができ、それぞれが非常に強力な性能を有している。一方、再使用までのクールタイムは全体的に短めになっているので、これを積極的に活用するのが攻略のカギ。普通のTPS的な感覚で、物陰にカバーで隠れながら銃撃戦を行ったりしていると、気づかない内にスキルのクールタイムが終わっていた……ということもかなり多かった。
またTPSにおいては、プレイヤーキャラクターの体力が減少した場合、一定時間の経過で自動で回復するか、アイテムを使用して回復を行うかのどちらであることが多い。しかし本作はそのどちらのパターンでもなく(少量のダメージなら自然回復する)、各クラスのスキル効果や、敵を倒した際に回復が行われるという、かなり独自性の強いシステムとなっており、これがゲームプレイ面にも個性を与えている。
例えば今回筆者は、4つのクラスの内「パイロマンサー」のキャラクターをメインにプレイしていたのだが、パイロマンサーのスキルには炎の柱を発生させ、進路上の敵を炎上の状態異常を付与する効果があり、この炎上状態の最中の敵を撃破することで体力が回復するようになっている(スキルでトドメを刺す必要はなく、炎上状態になっていれば銃撃など他の攻撃手段で倒しても問題ない)。
この体力回復の仕様はクラスごとに異なるものの、基本的には物陰に隠れて撃ち合うよりも、敵の集団に一目散に突撃し、スキルで複数の敵を攻撃しながら敵を一気に殲滅、ダメージを受けながらも最終的に体力は全回復させる……といった、一般的なシューターではあまり推奨されないことの多いプレイングが強力なゲームデザインがなされている。
これに先程述べたスキルのクールタイムの速さ、登場する敵の数の多さなども手伝って、ゲームスピードが非常に早い。近接攻撃に特化したタイプの敵は、凄まじい速度で接近戦を仕掛けてきたり、プレイヤーと同じように特殊な能力を使用してくる敵が出現することもあり、目まぐるしく戦況が動くことも珍しくなく、最初はそのバトルスピードの速さに戸惑ったほどだった。
またパイロマンサーはスキル以外にも、格闘攻撃に敵を炎上させる効果があり、スキルのクールタイム中や敵に接近された時など、スキがあれば格闘攻撃を積極的に狙っていくのも重要だと感じた。
ダッシュ中に格闘入力を行うと、軽くその場に飛び上がりながら攻撃を行うダッシュ格闘にモーションが変化し、着地地点の周囲を一気に炎上させる範囲攻撃へと性能も変化する。このダッシュ攻撃の使い勝手が非常に良く、銃での打ち合いだけではなく、戦闘における近接攻撃の比重が大きいのも、本作ならではのポイントとなっている。
ワールドレベルによって、プレイヤーの腕に自然に適した難易度に
本作のもうひとつの特徴と言えるのが、ワールドティアと呼ばれる15段階にわかれた難易度設定。本作には、ランダムで敵がドロップしたり、マップ中に点在する装備を集めるハック&スラッシュ的な要素も存在しているが、ワールドティアが上昇すると敵も強力になっていくのに加えて、入手できるアイテムもより性能がいいものになる。
この難易度はゲーム中に変更が可能だが、最初からすべての難易度が開放されているわけではない。ゲームをプレイして敵を倒していく内にポイントが加算され、自然と上位のワールドティアが開放され、より強力なアイテムの入手を目指せるようなる。一方、何度も戦闘不能に陥っていると、逆にワールドティアは下がっていくため、自然とプレイヤーの腕にあった難易度にバランスが調整されていく(一度レベルが下がっても、手動で元の難易度に変更することは可能)。
装備以外にも、キャラクターのレベルが上がっていくことで選択可能なスキルが増えていったり、クラスごとに異なるスキルツリーが用意されているなど、RPG的な成長要素も充実している。今回は短時間の試遊ということもあり、成長要素はほとんど体験することができなかったものの、キャラクターの育成が進むにつれ、どんどん人間離れしたド派手な戦闘を楽しめるようになっていくという。
注意したいのが、一度作成したキャラクターのクラスは変更できないこと。別のクラスでプレイするには新たにキャラクターを作り直す必要があるので、メインで使うクラスはしっかりと吟味した上で選びたいところ。ただ、プレイ中に入手した装備はすべてのキャラクター間で共有されるので、途中で別のクラスのキャラクターを遊びたくなった際にも、それまでのプレイが無駄になることはないので安心だ。
また本作は、ストーリーの進行にあわせてマップを移動していく、いわゆるリニアタイプのゲームスタイルが基本となるが、メインストーリーには関係ない、サイドミッションが発生する脇道のようなエリアも用意されている。サイドミッションは何度でもプレイできるようになっているそうなので、繰り返しプレイしてワールドレベルをあげつつ、キャラクターを成長させ強力なアイテムをどんどん揃えていく……というのが、主なゲームプレイの流れになりそうだ。
こちらも今回は体験できなかったが、プレイヤー1人がホストとなり、最大3人でのCo-opプレイも可能になっている。人数が増えるごとに、敵の数が増えたりと自動でバランス調整が行われるものの、トリックスターの時間停止スキルで動きをとめたところに、パイロマンサーの炎スキルでまとめてダメージを与えたり、一人プレイの時には行うことができない、複数のクラスのスキルを組み合わせての戦いが可能になるため、より困難なミッションを乗り越えられやすくなっているという。
今回はそれほど長い時間の試遊ではなかったものの、それでも強く感じられのが、ハイスピードで繰り広げられるTPSアクションの楽しさだ。
筆者はシューター系のゲームをプレイする時も隠れたり待ち伏せたりするより、「とにかく真っ先に敵に突っ込んで銃撃戦がしたい!」という堪え性のないタイプのプレイヤーなのだが、本作はそういったプレイが非常に強いゲームデザインとなっていることもあり、他のTPSにはない爽快感を味わうことができた。筆者と同じような「やられる前にやる」前のめりスタイルを好むプレイヤーには、とくにおすすめしたいタイトルだと言える。今後の続報にも要注意だ。