エレクトロニック・アーツが、2020年10月9日にPS4/Xbox One/PC向けに発売する「FIFA 21」(「ULTIMATE EDITION」および「CHAMPIONS EDITION」は2020年10月6日に発売)。人気サッカーゲームのシリーズ最新作となる本作の見どころを紹介していこう。
実在の人気選手やビッグクラブが多数登場するなど、現実のサッカーシーンの再現に定評のある「FIFA」シリーズ。そうした要素は本作でも健在で、イングランドのプレミアリーグやスペインのラ・リーガなど30以上の公式リーグ、700以上のチーム、17000名以上の実名選手が収録されている。
映像のクオリティも非常に高く、有名選手の挙動やゴール時のパフォーマンスなどが忠実に再現されており、試合のハイライトシーンは思わず見惚れてしまうほどだ。スタジアムの描写も本物さながらで、本場のサッカーシーンの雰囲気を存分に堪能できる。
気になる操作感だが、いい意味で従来のシリーズ作と大きな違いはない。パス、シュート、スライディングなどの基本的な操作方法はまったく同じなので、しばらくシリーズを離れていたという人でもほとんど違和感なくプレイできるだろう。
もちろん、新たなドリブルテクニック「アジャイルドリブル」、選手のポジショニング意識を向上させた「ポジショニングパーソナリティ」、攻撃時にAI選手を細かく操作できる「クリエイティブラン」といった新たな操作やシステムも多数導入されている。特に使い勝手が良いと感じたのが「クリエイティブラン」のひとつである「ディレクテッド パス&ゴー」だ。パスを出したあとの選手を右スティックで好きな方向に動かせるというもので、AI選手のオフ・ザ・ボール時の動きを簡単な操作で自由にコントロールできる。
たとえばパスを出した選手をスペースに走り込ませ、そこにダイレクトでパスを出してワン・ツーを決める。前線の選手にボールを預けたボランチをマーカーがいないところに動かし、そこにパスを戻すことでビルドアップを図る。中盤の味方にパスを出したサイドバックに中央のエリアに走り込むインナーラップを狙わせるなど、リアルなサッカーそのままの多彩な展開を作り出すことが可能。狙った攻撃がうまく決まったときの爽快感も格別で、いろいろなパターンを試してみたくなることだろう。
やはり「クリエイティブラン」のひとつである「選手ロック」も面白そう。左右のスティックを押し込むことで操作する選手を固定(ロック)するというもので、ボールを持っていない選手を自由に動かすことができる。AI選手がいいタイミングでパスをくれなかったり、ボールを失ってしまったりする場合もあるため、使いどころがちょっと難しいが、より複雑なオフ・ザ・ボールの動きを狙えるので、ぜひ使ってみることをおすすめする。
「ウィップドクロス」、「ドリブンクロス」といった高速クロスも、個人的に多用してみたいと思わされた操作だ。「ウィップドクロス」はR1/RB+L1/LB+クロスボタン、「ドリブンクロス」はR1/RB+クロスボタンで発動。スピーディな鋭いクロスをゴール前に送ることができる。サイドからのチャンスメイクはサッカーの基本だけに、上手く使いこなせるようになれば強力な武器になるのではないだろうか。
「キャリアモード」では、より多彩な選手の育成が可能に
自分だけのチームを作る「ULTIMATE TEAM」、選手や監督としてシーズンを戦っていく「キャリアモード」といったおなじみのモードも健在。特に注目したいのは「キャリアモード」を監督でプレイしたときの選手育成の要素だ。本作では所属選手の個々の育成プランを選ぶことが可能になっていて、ポジションがウイングの選手だったらダッシュやクロスなどの能力を伸ばしてサイドアタッカー型にする、あえてパスや視野といった能力を上げてサイドのプレイメーカーとして育てるといった自由な選手育成を楽しめるのだ。
ポジションを変更する、いわゆるコンバートも可能になっている。たとえばポジションはストライカー(ST)でスピードはあるけれど、やや得点力に欠けるため起用しづらい選手がいるとしよう。これまではそうした選手を適性のないポジションで使わなければならなかったが、本作ではウイングやサイドMFにコンバートして突破力を生かすといったように、選手の能力や個性にマッチした柔軟な起用ができるわけだ。
監督モード特有の機能である「シミュレート」の存在も見逃せない。下の画像のような簡易化された映像で試合の経過を追えるというもので、進行速度は通常の試合の2倍なのでチームのパフォーマンスをある程度チェックしつつ手軽にシーズンを進められる。もちろん、選手の交代や戦術の変更を行うことも可能になっている。
途中で通常の試合に戻して自分で操作したり、逆に試合から離脱して「シミュレート」に移行したりする機能も搭載されている。負けそうなときに自分で操作して流れを変える、通常プレイで点差が開いたらあとは経過を見守る、チーム全体の動きを見て戦術決定の参考にするなど、いろいろな使い方ができるのだ。
そのほか、選手のパフォーマンスがアップする「鋭さ」というパラメーターや新たな移籍オプションの追加など新機軸が満載。非常に自由度が高く、やれることが多いのでサッカーファンならハマってしまうこと請け合いである。
監督モードばかりに注目が集まりがちだが、ひとりの選手としてキャリアを積んでいく選手モードもなかなか楽しい。こちらも、さまざまなトレーニングメニューを組んで、自由に能力を伸ばすことが可能で、すべての能力をまんべんなく伸ばしてオールラウンドな選手に育てたり、ひたすらシュートのトレーニングを積んで得点能力に特化したストライカーにしたりすることができる。
試合の目的は通常の試合とは多少異なっていて、いかにその選手を活躍させつつ勝利を狙うかがポイントになる。たとえ試合に勝っても、その選手のパフォーマンスが悪ければ監督から良い評価は得られない。特にオフェンシブな選手は得点に絡むプレイが求められるので、その選手にボールを集めてゴールやアシストを狙わせたいところだ。
また、その選手だけを操作することも可能になっている。他の選手はAIが操作するので、いかに味方からパスを引き出すか、守備時にどう動くかといった、ボールがないところでのプレイやポジショニングが重要になる。ポジションを守らずにフリーダムな動きをしていると監督からの評価も下がってしまうため、自身の役割を踏まえたプレイをする必要があるのだ。与えられたタスクをこなしてチームを勝利に導くという、このモードならではの楽しみ方ができる。
「VOLTA FOOTBALL」でストリートサッカーの世界を体験
ストリートサッカーの世界を再現したゲームモード「VOLTA FOOTBALL」も前作に引き続き登場。3~5人の少人数で対戦するモードで、壁に囲まれたコンパクトなピッチで試合をしたり、ゴールキーパーなしで戦ったりと、さまざまな形式のゲームを楽しむことができる。
どの形式のゲームも同じだが、一番の特徴は展開がスピーディなことだ。ピッチが狭いため、攻め込んでいたと思ったら、あっという間に自陣ゴール前までボールを運ばれてピンチになるなど攻守が目まぐるしく変化。ワザと壁に当てて味方にパスをするといったトリッキーなプレイも可能で、11人同士のサッカーとはまた違った魅力がある。
1対1での局面が多いのも面白い。必然的に重要になるのがドリブルで、相手をひとり交わせば一気にチャンスになるだけに、さまざまなドリブルワークにチャレンジしたくなることだろう。
それだけに有効と思われるのが、先述した新操作のひとつ「アジャイルドリブル」だ。素早いタッチでボールを足下で細かく動かすというもので、マーカーの足が止まったスキを突いて、一気に加速して抜き去るといった使い方ができる。操作はいたって簡単で左スティックでのドリブル操作時にR1/RBを押すだけ。手軽にトリッキーかつスピーディなドリブルを繰り出せるので、ドリブルが大きな武器となるこのモードでは、かなり重宝するのではないだろうか。もちろん11人対11人のサッカーでも積極的に使っていくことをおすすめする。
オンラインでの協力プレイもこのモードの注目要素のひとつだ。最大3人のフレンドとチームを組んだり、他のプレイヤーと即席のチームを結成したりすることが可能。残念ながらこの原稿を書いている時点では実際にプレイできなかったのだが、5対5やフットサル形式での試合などが楽しめるようになっているので、ぜひ一度体験してみてほしい。
ストリートサッカーの世界をフィーチャーしたストーリーモード「デビュー」も楽しめるようになっている。日本ではあまりなじみのないストリートサッカーのカルチャーを知ることができるモードで、ブラジル代表などで活躍したカカをはじめとするレジェンド選手がゲストとして登場。往年のスターたちが、どういった形で物語に関わってくるのかも見どころのひとつになっている。
ただ、あくまでチュートリアル的なもので物語自体はさほど長くはない。せっかくのストーリーモードなのだから、もう少し物語のボリュームや展開の起伏などが欲しかったところだ。とはいえ、世界各地を転戦してストリートサッカーの世界でのし上がっていくのはなかなか面白い。ストリートサッカーの特徴も把握できるので、前作を未プレイの人はまずこのモードからプレイしてみるといいだろう。
シリーズを重ねているだけに安定した面白さがあり、モードの種類や内容も非常に豊富。オンラインとオフラインのどちらでもさまざまな楽しみ方ができるなど、人気シリーズならではの充実の面白さを改めて感じることができた。サッカーは好きだけど、「FIFA」シリーズは未体験だという人、しばらくシリーズから離れていたという人も、この機会にぜひプレイしてみてほしい。
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