EXNOAが2020年11月26日に発売したPS4/Xbox One/PC用ソフト「RIDE4」のプレイレポートをお届けする。
「RIDE4」は世界中で人気を博す「RIDE」シリーズ待望の最新作。ゲーム内には世界各国のメーカー22社から実際に発売されている250種類以上のバイクと、世界各地にある34種類以上のサーキットが実名で収録されている。
また、本作では初の試みとしてレース中に天候が変化する「ダイナミックウェザーシステム」や、世界で最も過酷でエキサイティングな「長距離バイクレース」に特化した新モードが導入されている。1人でストイックにタイムを縮めるもよし、最大12人が参加できるマルチプレイで競い合い高みを目指すもよしのタイトルだ。
リアル過ぎる操作に四苦八苦!
本作のプレイレポートをお届けする前に、まずは筆者のスタンスからお伝えしていこう。筆者は、実は「RIDE」シリーズをプレイするのはこれが初めてで、かつ本物のバイクにも乗ったことが無い。バイクに関してはずぶの素人である。とはいえ、特段レースゲームに苦手意識があるわけでもないので、今回プレイする「RIDE4」に関しても、「少し癖の強いレースゲーム」くらいの認識だった。ちょっと練習すればスイスイ走れるようになるだろうと高を括っていたわけだ。
だが、この甘すぎる幻想はゲーム開始早々に打ち砕かれることになった。では、具体的にどこで詰まったのか? チュートリアルである。
本作はゲームを開始して、自身の分身となるライダーのキャラクタークリエイトなどを済ませた後、チュートリアルとして「筑波サーキット」をプレイすることになる。ここではタイムアタック形式で目標タイムに到達するまで同じコースを走り続けることができるのだが、操作が難しくカーブ一つ満足に曲がることができなかった。
そもそも「RIDE」シリーズは、リアルライディングシミュレーターというジャンルのタイトルなので、操作性なども徹底的に現実に即して作られており、カーブを曲がる際にもきちんとしたテクニックが必要になるようだ。なんどもクラッシュを繰り返して、これは何となくプレイしていても埒が明かないぞ……と気づかされた。
ということで、上手い走り方を調べることにしたのだが、ゲームプレイ時は本作の発売前だったので情報は無いに等しい。しょうがなく「バイク 曲がり方」などのキーワードで本物のバイクの操縦の仕方を調べてみると、「コーナーに合わせてブレーキング」、「マシンをバンクさせながらコーナーに進入」、「コーナーの出口が見えたらゆっくりスロットルを開ける」などといった有益そうな情報にたどり着くことができた。
とはいえ、これはあくまで現実世界でのバイクのテクニック。いくらリアルなライディングシミュレーターと言えど、これがどこまでゲーム内で活用できるかは未知数だ。早速聞きかじった情報を頼りに、もう一度「筑波サーキット」へ向かった。
これでバリバリに走れるようには……、残念ながらならなかったが、現実のライディングテクニックはゲーム内でもしっかりと活用することができ、明らかにクラッシュする回数は減っていった。そうなればしめたもの。コースを覚えて、加速してもいい場所などを少しずつ把握していくことで徐々にタイムは縮まっていく。そして、見事最初の目標である1分19秒でコースを周ることができるようになったのだ。
最近だとリアル過ぎる稲作要素が魅力の「天穂のサクナヒメ」なども、リアルを追求しているが故に農林水産省の公式サイトが攻略に役立つと話題になったが、「RIDE4」もまさにその口で、リアルでのライディングテクニックをゲームプレイに遺憾なく発揮できるタイトルに仕上がっていることが感じられた。これは後に聞いた話なのだが、ゲームをあまりプレイしない人でも、普段バイクに乗っている人なら本作の操作感をすぐに掴むことができるそうだ。
様々なゲームモードでプロライダーを体験!
チュートリアルをクリアすると、晴れて様々なモードが解放される。本作のメインモードはプロデビューから世界の頂点を目指す「キャリアモード」。EU、ASIA、アメリカという3つの地域リーグから始まり、ゆくゆくはワールドリーグに挑戦していくことになる。ここでは、ゲーム内でプロライダーとしてのリアルな人生を体験することが可能だ。
筆者のようなアマチュアライダーには、「レースモード」の存在が嬉しい。コースやバイク、天候や走る時間などを自由にセッティングして遊べるシングルモードや、じっくりと練習がてら遊べるタイムトライアル、本作で新たに追加された“長距離バイクレース”に特化した耐久レースなど、目的に沿った様々なモードが用意されている。
特に耐久レースは本作から新たに追加されたモードということもあり、かなりのこだわりようだ。それこそ現実世界での長時間レースも設定によっては可能で、レース中にタイヤがすり減ってきたり、給油が必要になるとピットインでマシンのメンテナンスが必要になる。
また、本作から新たに追加された「ダイナミックウェザーシステム」の影響を最も大きく受けるのも耐久レースの特徴だろう。気象条件や日照などが動的に変化していくので、 刻々と変わるシチュエーションに対応したライディングが求められる。「RIDE4」の魅力をこれでもかと実感できるレースといえるだろう。
バイクファンにとっては、収録されているバイクの種類も気になるところなのではないだろうか。本作では、前作「RIDE3」からゲーム内すべてのアセットを一新。CADやレーザースキャン、3Dスキャンを駆使して、250以上のバイクが完全再現されている。グラフィックの再現はもちろん、エンジン音にもこだわりが詰まっており、30機以上の新たなエンジン音も収録されている。
バイクはカスタムすることも可能で、AKRAPOVICやヨシムラなど有名パーツメーカーのカスタムパーツも登場し、様々な個所のカスタムが可能だ。また、アライヘルメットやダイネーゼなど17のライダーアパレルも実名で登場している。
個人的に面白かったのがフォトモード。レース中のワンシーンを切り取って、カメラの位置や角度、明るさやフィルター、フレームなどを駆使して自慢の愛車で最高の1枚を作り出すことができる。
「RIDE4」は、実写と見間違うほどの圧倒的クオリティのグラフィックと、リアルなバイク操作が試されるライディングシミュレーターだ。普段バイクに乗らない人がプレイすると、やはり難しさが先にきてしまうが、それだけバイクの操作は難しいということだろう。ちなみに、ここでは難しさを強調してしまっているが、本作にはガイド機能も搭載されている。コース上に表示されている青い矢印がそれで、ライン取りだけでなくスピードが出過ぎていると赤色になって注意を促してくれるので、最初のうちはこれを頼りにプレイするといいだろう。
本作はバイクが好きな人にはもちろんおススメのタイトルだが、バイクに乗ったことが無い人にとっても良いきっかけのタイトルになりそうだ。バイクに詳しくない人でも、ビジュアル的な魅力からバイクが好きという人も多いはず。これを機会に、本作からバイクを知っていくというのも面白そうだ。