スクウェア・エニックスより2021年2月26日に発売予定のNintendo Switch用ソフト「ブレイブリーデフォルトII」。その「Final Demo」と銘打たれた体験版が12月17日に配信された。本稿では、この体験版をプレイしてみての感想をお届けしよう。

目次
  1. 制限時間の中で、限りなく製品版に近いゲームを体験
  2. いくつかの新要素が堪能できた戦闘システム
  3. “低レベルボーナス”でジョブチェンジがお手軽に
  4. 面白さが分かったら、あとは発売日を待つばかり!

「Final Demo」は「ブレイブリーデフォルトII」の体験版としては第2弾。現在は配信を終了している第1弾「先行体験版」ではオリジナルのストーリーが描かれたが、今回は製品版の序盤のストーリーの一部が楽しめる。また、システム面には「先行体験版」でのユーザーからの意見をフィードバックした改善が施されている。つまり、限りなく製品版に近いバージョンで、プレイフィールを確かめることができるというわけだ。

筆者はこの「Final Demo」で「ブレイブリー」シリーズにはじめて触れる、シリーズ初心者。シリーズのお約束も知らない状態からプレイをはじめたが、ゲームシステムもストーリーも、問題なく楽しむことができた。本作をプレイするかどうか迷っている方に、参考にしていただければ嬉しい。

なお前回の「先行体験版」のプレイレポートは、Gamer編集部のTOKEN氏によるものが公開されている。基本的なシステムから知りたい方には、こちらも併せて読んでみるのがおすすめだ。

制限時間の中で、限りなく製品版に近いゲームを体験

「Final Demo」は、プレイ時間に5時間という制限が設けられている。ただし収録されている範囲のメインストーリーを最後までクリアすれば、制限時間が2時間加算され、合計で7時間まで遊べるようになる。時間が許す限りのやりこみを満喫することが可能だ。

また、制限時間が経過した時点でソフト自体が遊べなくなるわけではなく、セーブデータごとに「プレイ時間が5時間になった時点で終わり」という仕様。よって途中まで遊んだセーブデータからプレイを再開したり、“NEW GAME”を選んで最初からプレイし直したりすることはできる。なお、製品版へのデータの引き継ぎはできないので注意。

ゲームをはじめると、まず最初に難易度をカジュアル、ノーマル、ハードの3段階から選ぶことに。これも「先行体験版」からのフィードバックで取り入れられた要素のひとつなのだそう。なおこの難易度はプレイの途中で変更することも可能となっている。

難易度を選択(筆者はノーマルを選んだ)すると、今回遊べるエピソード「1章 逃げ水を追いかけて」の物語がスタート。「序章」が終わり、セス、グローリア、エルヴィス、アデルのパーティメンバー4人が集結している状態からはじまるこの体験版では、本作の戦闘・育成システムが持つ奥深さを最初から存分に堪能できる。

なお、前回の「先行体験版」もプレイしている人が多いであろう点を考慮してか、「Final Demo」ではゲームの基本をレクチャーするチュートリアルがプレイ中にポップアップすることはなかった。ただ冒頭で説明があるが、メニュー画面からチュートリアルを読むことはできるので、今回はじめてプレイする方も、あまり困ることはないはずだ。

砂漠を抜けて王都サヴァロンに到着すると、イベントが発生。「先行体験版」のボスだったというバーナードの姿も見える中、一行はこの国の王子・カストルを同行者に加えつつ、ダンジョンに向かうことに。目的はバーナードに仕える吟遊詩人・オルフェを倒すこと。だが、レベル上げもそこそこにダンジョン最深部で待つオルフェとのボス戦に挑んでみると、あっさりと敗北してしまった。

パーティメンバーの十分な育成、そしてゲームシステムへのしっかりした理解が伴わなければ強敵に勝つのは難しい、歯ごたえ十分のゲームバランスは、「Final Demo」でも健在。筆者は理解不足のままボス戦に挑んだことを悔い改め、このときようやくチュートリアルをチェックして、ゲームシステムを細部まで確認しはじめたのだった。

いくつかの新要素が堪能できた戦闘システム

本作の戦闘システムの肝といえる「ブレイブ&デフォルト」。デフォルト(防御行動)によって貯めたBP(ブレイブポイント)を、ブレイブによって消費して最大4回までの連続行動が可能というこのシステムの使いどころが分かると、戦闘が劇的に面白くなった。

BPを貯めなくても行動を“前借り”できるシステムは、使うと後のターンで行動不能になってしまうが、“前借り”によって敵を仕留め切れそうなときは使いどき。しかし仕留め切れなかったときのリスクが大きい……といった具合に、いつ攻勢をかけるかの駆け引きがめちゃくちゃアツい。また、前回からの改善点で、行動する直前の敵には“!!”マークが表示される仕様になったため、この敵を真っ先に倒して攻撃を受けるのを防ぐ、といったこともできるようになった。

こういった駆け引きは味方への回復やサポートにおいても生じる。パーティ全員が重症を負っている大ピンチを一気に逆転するために、回復魔法をブレイブによって重ねがけする、BPが貯まっている敵のターンが迫っているとき、味方が受けるダメージを減らすアビリティを重ねがけする、などのテクニックによって難を逃れたことも少なくなかった。もちろん計画的にBPを貯めていけば、行動不能のリスクを負わずに連続行動ができるため、いかに戦略的にデフォルトを組み込んでいくかを考えていければ、より安全な立ち回りも可能だ。

戦闘に関するそれ以外の注目すべき要素として、カストル王子が同行者として冒険に参加している間は、彼も戦闘に参加する。パーティメンバーに加わるわけではないが、ほかのキャラクターと同様、自分のターンになると現れては、敵に攻撃を加えてくれていた。製品版ではほかにも、物語の進行に沿って一時的に同行者になるキャラクターが何人かいるのかもしれない。

また、これも「先行体験版」からの変更点なのだが、前回必殺技を使えたのはセスだけだったが、今回はグローリアも使えるようになっていた。今回グローリアが初期設定されていたジョブである白魔道士の必殺技は、味方全員のHPを大きく回復し、状態異常も解消。さらに専用BGMが流れている間は全員の受けるダメージも減少するとあって、非常に頼れる能力となっていた。製品版ではエルヴィスとアデルも必殺技が使えるはずなので、こちらも楽しみ。

ブレイブ&デフォルトを理解し、十分にレベルを上げ、各キャラクターの能力に適した装備品を揃えることで、再戦時はなんとかオルフェを撃破! この達成感は歯ごたえのある難易度ならではのもので、喜びもひとしおだ。

“低レベルボーナス”でジョブチェンジがお手軽に

オルフェを撃破すると、彼のジョブである“吟遊詩人”を入手。パーティメンバー4人も吟遊詩人へのジョブチェンジができるようになった。

これを切っ掛けにエルヴィスのメインジョブを吟遊詩人に変えてみると、いままで攻撃魔法を得意とする黒魔道士として活躍していたのが、歌唱のアビリティによって味方のサポートに秀でた能力を持つことに。

新たに手に入れたジョブはレベル1の状態からスタートするので、様々なアビリティを使うためにはレベルを上げなければならない。しかし「Final Demo」から導入された“低レベルボーナス”のおかげで、メインジョブに設定したジョブは、レベルが低いあいだならばぐんぐん育っていく。これによって「Final Demo」では、「先行体験版」以上にジョブチェンジがいろいろ試しやすくなっているのだ。

一度覚えた各ジョブ固有のアビリティは、サブジョブにしているときも使用できるようになるので、様々なシチュエーションを想定した育成が、かなり手軽に楽しめる。

たとえば、エルヴィスの「Final Demo」における初期ジョブである黒魔道士は、攻撃魔法で敵の弱点属性を突けるときは役立つが、弱点を突けない場合、あまり高いダメージは与えられず、少々使い勝手が悪い。こういったときのために、吟遊詩人のアビリティで味方をサポートしたり、すっぴんのアビリティで敵の情報を調べたりと、別の選択肢があると心強い。

回復魔法に秀でているものの攻撃力が低く、戦闘の序盤はやることがあまりない白魔道士のグローリアも、戦闘序盤で使いやすい攻撃魔法系やサポート系のアビリティがあれば、使い勝手がさらに良くなるだろう。こうして考えれば考えるほど、ジョブシステムは本当に秀逸なシステムだと感じられる。

「Final Demo」に登場するボスキャラクターは、オルフェ以外にもうひとり。こちらのボスを倒すと、“魔獣使い”のジョブが手に入り、これで育成・戦略の幅はさらに広がる。

面白さが分かったら、あとは発売日を待つばかり!

今回はゲームシステム面で感じた魅力を、新要素も絡めて紹介してきたが、本作はストーリーも、先が気になる、非常に面白いものに仕上がっていた。この辺りはぜひ実際にプレイして確かめてみてほしい。

また、ふたつ目のダンジョンで目的地とは別の方向へ進むと、ダンジョンを抜けた先には「希少種」と呼ばれる桁違いの強さを誇るモンスターが生息していた。このモンスターにはふたり目のボス撃破時の戦力でも太刀打ちできなかったので、やり込み好きのプレイヤーには、ぜひ挑戦してみてほしい。とあるミニゲームの解禁もあり、「Final Demo」はメインストーリーを終えたあとも、お楽しみがいっぱいだ。

フィールド上での操作性やユーザーインターフェースの分かりやすさなど、「先行体験版」から改善されている点はほかにも無数にあるようなので、前回不満を感じた方も、ぜひもう一度プレイしてみてほしい。

「Final Demo」のプレイを通して「ブレイブリーデフォルトII」の面白さに確信が持てたなら、あとは製品版の発売日である2021年2月26日を待つだけだ。

ブレイブリーデフォルトII

スクウェア・エニックス

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  • 発売日:2021年2月26日
  • 15歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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