アイゼンクラウドゲームからリリースされたスマートフォン向け美少女パズルRPG「パズルガールズ」をレビュー。奥深い戦術性が楽しめるマッチングパズルベースの戦闘を中心に、その魅力を紹介する。

目次
  1. 連鎖・位置・属性相性を考慮する奥深いバトルシステム
  2. お気に入り艦嬌を育てるより攻略重視?育成システム
  3. 一歩進んだ戦略性を見せてくれるパズル×RPG風バトルが魅力の作品

「パズルガールズ」は、アイゼンクラウドゲームからリリースされた美少女パズルRPG。舞台は、人類が宇宙へ進出した世界。宇宙探索の結果人類は、人型の宇宙戦艦「艦嬌」を発明する。この「艦嬌」というのが本作で活躍するキャラクター達。軍艦を美少女化した存在だ。プレイヤーはスペースガールズフリートの前線指揮官として、「艦嬌」たちと共に冒険を繰り広げることとなる。

連鎖・位置・属性相性を考慮する奥深いバトルシステム

ゲームの流れは一般的なスマートフォン向けRPGの形式を踏襲している。マップ上から挑戦するステージを選択。ステージ内に登場する敵を決められた数倒すとステージクリアとなり、次のステージが解放される。ストーリー性はないわけではないがそれほど強くなく、各ステージは基本的にバトルメインで会話シーンはほとんどない。

本作のバトルシステムは、画面に並んだドロップの中から同じ色のものを3つ以上組み合わせて消していく「マッチングパズル」の仕組みとRPGの戦闘システムを組み合わせたもの。こうしたシステムは、スマートフォン向けゲームを代表するシステムと言っても過言ではないだろう。少しずつ形を変えながら、様々なスマートフォン向けゲームで採用されている。

そんな中で本作は、どれだけ多くのコンボを繋ぐのかという「連鎖」、盤面のどの場所のドロップを消すのかという「位置」、そして敵の苦手属性を突くという「属性相性」という3つの要素を組み合わせた点が特徴だ。

基本となるルールは、「マッチングパズル」の標準的なシステムを踏襲。プレイヤーは盤面に並んだドロップの内、各ターン1ドロップ、上下左右に1マス分動かすことができる。動かすことで同じ色のドロップが3つ以上揃うとマッチング成立。マッチングによって敵キャラクターへの攻撃が行える。

マッチングでドロップが消えた分、盤面のドロップが移動し、新たなドロップも出現。もちろん、移動と出現によって同じ色のドロップが3つ以上揃った場合、改めてマッチングが発生する。いわゆるコンボ…「連鎖」だ。多くの連鎖が成立するのはそれだけで気持ちいい。さらには敵へ大ダメージを与えることもできる。「マッチングパズル」の醍醐味ともいえる爽快感は、本作でもバッチリ味わえる。

ただ、とにかく多くの「連鎖」を組めればいいのかというと、そうではない。というのも本作には「位置」の要素があるからだ。マッチングが成立すると、消したドロップが弾となって、画面上方向へ放たれる。

これは単なる演出ではなく、いわゆるシューティングゲームのように、ショットが実際に敵へ当たらなければならない。このため、敵がいない位置でいくら第連鎖を組んだところでショットが当たらず、敵にダメージを与えることができないのだ。

とはいえ、敵がいる場所じゃないとマッチングの意味がないのかというと、そうではない。ドロップを消すことで、ドロップと同属性の味方キャラクターの必殺技ゲージが増えるからだ。必殺技ゲージが満タンになると、味方キャラクター固有の必殺技が使用できる。このため、敵がいない場所であっても、あえてマッチングするという選択肢は十分あり得る。

また、盤面のドロップ配置を変えるために、敵がいない場所のドロップを消すという選択肢もある。ドロップ配置を変えた結果、狙った場所での大連鎖が可能なのであれば、1ターン消費するとしても決して無駄ではない。

特にマッチングパズルでおなじみ、4つ以上のドロップを繋ぐと特殊ドロップが出現するという要素が本作にも存在している。ドロップを4つ繋いだ場合、周囲のドロップを十字型に巻き込める特殊ドロップに変化。さらにドロップを5つ繋いだ場合は、画面上に存在する同色のドロップをすべてマッチングする特殊ドロップへ変化する。

こうした特殊ドロップを作ることができれば、ドロップの配置を変えて不利な局面の打開に繋げることが可能だ。さらに、場合によっては偶然の大連鎖に繋がることだってある。

こうした判断に加わってくる最後の要素が「属性相性」。必殺技ゲージの説明で触れた通り、ドロップと味方キャラクターには属性が設定されている。さらに敵にも属性が設定されており、有利な属性で攻撃すると大ダメージが与えられるものの、不利な属性で攻撃するとダメージが軽減されてしまう。このため、不利属性での連鎖を狙うより、連鎖ナシでも有利属性で攻撃した方がいい…というような状況が発生するのだ。

とにかく連鎖を組んでいくのではなく、連鎖・位置・属性相性を考慮して、どの位置のドロップを消すのか?連鎖すべきかどうか?などの判断をしていくのはとても奥深い。従来のマッチングパズルゲームより、歯ごたえを強く味わわせてくれる。ただ、その分お手軽さは少ないかもしれない。

一応、お手軽機能としてオート機能も用意されているもののその場その場で最も多くマッチングするドロップを消していくという形なので、敵とのレベル差が離れた状況でないとなかなか使えない。お手軽放置プレイ向けの機能というより、周回プレイ向きの機能と考えた方がいいだろう。

お気に入り艦嬌を育てるより攻略重視?育成システム

ここまでバトルシステムを中心に触れてきたが、美少女キャラクター「艦嬌」を育成するというRPG要素も本作の重要な側面。ただ、個人的には若干、育成面に引っかかりを感じる部分があった。それは、「艦嬌」の戦力の面。レア度による戦力差が激しいように思うのだ。

もちろん、レア度の高いキャラクターの方が戦力が高いのは、スマートフォン向けRPGとして当然。そのことは筆者も分かっている。ただ、最近では育成によってレア度をカバーできるという作品も多い。とりわけ、キャラクター重視の作品では、「能力が高いから育てる」というより、「性格やルックスが好みだから育てる」…つまり、「推しを愛でる」ことを前提とした作品も増えているように思う。

そんな中、本作はレア度の違いがかなりストレートに能力差に反映されているため、どうしてもレア度「SSR」投入…という形になってしまう。レア度によってある程度育成の手間がかかるのは仕方ないとして、もう少し戦力差が小さいと嬉しかった。

なお、一応、この状況を変える要素として「隊形」というものがある。これは、パーティー編成によってボーナス効果が発生するという要素。たとえばパーティーに戦艦を3艦以上配置すると防御力+5%ボーナス効果が発生する。

このため、「隊形」を発生させるために、たとえレア度が低くとも特定の艦種の「艦嬌」を育てるということは十分あるだろう。ただ、艦種が「隊形」の条件を満たせばいいわけなので、レア度の高い艦種を持っているのであれば、やはり、あえてレア度の低い「艦嬌」を配置するメリットは少ない…。

とはいえ、育成面でのこうした部分は、奥深いパズル性を追求した裏返しともいえる。パズル側をいかに攻略するかを目指して「艦嬌」を育て、「隊形」を踏まえて最強のパーティーを作りあげていくという攻略を前提とした育成の楽しさは、十分味わうことができた。

一歩進んだ戦略性を見せてくれるパズル×RPG風バトルが魅力の作品

純粋に美少女キャラクターを愛でたい…という美少女育成ゲーム的な方向性でプレイすると、若干物足りなさを感じるかもしれない。しかし「マッチングパズル×RPG」という方向性でプレイすると、本作は奥深い頭脳プレイの楽しさを味わわせてくれる。

「マッチングパズル×RPG風バトル」という、スマートフォン向けゲームプレイヤーにとって非常に馴染み深いシステムをベースとしながら、一歩進んだ戦略性を見せてくれるだろう。パズルゲームファンは、一度プレイする価値のある作品だと感じた。

パズルガールズ

アイゼンクラウドゲーム

iOSアプリiOS

  • 配信日:2021年7月22日
  • 価格:基本無料

    パズルガールズ

    アイゼンクラウドゲーム

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2021年7月22日
    • 価格:基本無料

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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