ボクらのなつやすみはまだまだこれからだ！「サマー イン マーラ」ゲームコレクターインプレッション ゲームコレクター・酒缶が直感赴くままに10時間プレイしてみた！

海は広いし大きいけれど、海の具体的なサイズを表現することは困難です。高台から見る海も、高層ビルから見る海も、水平線までが限度で、その先を見ることはできません。当然ながら海をまるまる見ることはできません。海水浴に行けば、海に入って泳ぐことはできるのですが、大抵の人は砂浜からそれほど遠くまで泳ぐことはせず、遠く離れた島まで泳いで行ってしまうような人はマレなことでしょう。地球儀を見れば、地球に占める海の割合が多いことはわかるのですが、その単純思考をリアルに反映することは難しく、実生活で目にする海は、生活空間や移動空間の区切りでしかありません。

空を自由に飛びたいな、と口走ってしまえば、前回のインプレッションになってしまうのですが、現実世界を考えてみると、海の上を飛ぶよりも、舟で移動する方が現実的です。「無人島物語」や「サバイバルキッズ」のような、無人島からの脱出を目指すゲームでも、海で囲まれている島に閉じ込められたときに、舟に準ずる何かを用意することが最終的な回答でした。人はそんなに簡単に空を飛べる道具を作れないというのが、現時点での一般的な考えでしょう。

初代「ドラゴンクエスト」では、スタート地点からすぐ見える竜王の城まで、海を泳いでいくことができず、最終的には徒歩で辿り着きました。「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」では、舟を手に入れることで、世界中の海を自由に移動できるようになりました。

しかし、現実世界では舟を手に入れたからといって、海を自由に移動できるわけではありません。大海原に出た船は、沈没をしなければ、いつかどこかの島に辿り着けることでしょうけど、その時、乗っている人が生きているかどうかはわかりません。生きた人間が目的地までたどり着くためには、十分な食料や燃料を積み、目的地までの距離や方角を理解して、天候や潮の流れも十分に把握しないといけません。

「サマー イン マーラ」の主人公である少女「コア」は、島に住んでいます。ゲームのジャンルは「ファーミングアドベンチャー」なので、きっと「コア」は小さな島で自給自足をして生活をしているはずです。「コア」は里親「ハク」に島を出ることを許してもらえないため、島から出たことはなく、いつも島の外の世界を見たいと思っています。

「牧場物語」シリーズで、海に囲まれていない土地なのに、ストイックに自給自足を続けたボクら。海に囲まれた島に住んでいる少女「コア」は、自給自足をしながら、どのような気持ちで海に挑むのだろう、などと考えていたら、無意識のうちに「サマー イン マーラ」を始めていました。

1．「コア」の住む島を理解して40分経過
2．自給自足の生活に馴染んで2時間経過
3．島の外の世界を体験して8時間経過
4．海の広さを何となく知り10時間経過
5．そして、まとまらないまとめ

「コア」の住む島を理解して40分経過

ゲームを起動すると、平和な日常のようなタイトル画面。ヤシの木に手をかけているのが主人公の「コア」のようですが、いつ頃のイメージなのでしょうか。このまま見続けていると、寄せては返す波のように、拡大と縮小を繰り返し、これはこれで心地よいのですが、早速ゲームに入りましょう。

月夜に夜釣りをしているのどかな情景。

ところが、いきなり後方の船が爆発してしまい、舟に乗っていたと思われる赤ちゃんを、釣りをしていた人が助ける場面へ。この赤ちゃんが「コア」で、助けた人が里親の「ハク」のようです。

そして、場面が一気に変わって、屋根の上に子供が一人。これから何が起こるのかと思ってじっと見ていると、右のこいのぼりが風に揺られて泳いでいるだけで、特にイベントが始まる気配はありませんでした。

Rスティックでカメラを動かしてみると、屋根の上の子供を捉えることができました。どうやら、タイトル画面にもいた、少女「コア」のようです。

これは危険だと思いつつも、Lスティックで「コア」を動かしてみると、屋根の上を走り始めました。

屋根から落ちても、けがをしないようです。それなら、と今度は崖に向かってみると、崖から落ちても問題ないことがわかりました。

目の前に海が広がっているので、飛び込んでみると、普通に泳ぐことができました。

さて、どこまで行けるかと思っていると

画面がフェードアウトして、違う場所にワープしてしまったようです。どうやら、画面の左上に表示されているゲージが、あとどれくらい泳げるかを知らせるゲージのようで、ゲージがなくなると島に近いところに戻されるようです。簡単には島を脱出できないようですね。

魚の絵が描かれている看板があるので、調べてみると、どうやらここが釣りのできるポイントのようですね。

岩の上に鳥が止まったので、ちょっかいを出そうと思ったのですが、完全にスルーされてしまいました。

木に実がなっているようなので、木を蹴っ飛ばしてみると

木の実が落ちてきて拾えるようになります。

崖から落ちても大丈夫だったので、ちょっと足場が悪そうな場所でも、お構いなしに走り回れます。

ここには燃料があるようですね。何の燃料でしょうか？

これは扉のようですが、今は開かないようです。

椅子があればとりあえず座れるようでね。

洞窟の中にある岩をどうにかするには、いいかなづちが必要のようです。

ん？　そういえば、おばあちゃんって……。

崖から飛び降りて問題ないだけでなく、この手の崖も場所によってはジャンプでひょいひょいと登れました。

「ナオ」と「ニオ」って何だろう？

と思ったら、こちらから見ると、石像だとはっきりわかりました。

ここの椅子にも、やっぱり座れました。

豚がいたのでエサをあげて……エサなんて持っていましたっけ？？

これはさっきの豚を入れる檻なのかな。

やっと家まで戻って来れたけど……あの麦わら帽子は……。

ということで、やっとのことでおばあちゃんの「ハク」に会うことができました。

実のところ、ゲームを始めた後、屋根の上から直接こちら側に降りてくれば、すぐに「ハク」とのやりとりが始まったようですが、島のサイズ感が良くわかったのでこれはこれで良しとしましょう。ここでは最初に「ハク」からオレンジジュースを作るためにオレンジを3つ集めるように指示を受けるのですが、オレンジの下にはチェックが入っていました。

先ほど木を蹴っ飛ばして拾った木の実がオレンジだったようで、早速目的達成。即座に「ハク」にオレンジを渡しました。「コア」は利口ないい子です。

すると今度は畑を耕してニンジンを育てることに。

ということで、荒れ地を耕すと

畑になりました。

こんな感じで「ハク」のクエストをこなすことで、この島で自給自足をできる人間に育っていく「コア」。クエストをこなさずに話しかけると、「ハク」は厳しい対応をしてくるため、自然と厳しい環境に馴染んでいきます。

今日1日でたくさんの仕事をこなし、家に帰って眠りに着くと、今後の出来事を暗示するようなアニメーションが流れ、いよいよ本編の始まりのようで、

「ハク」がいない、「コア」一人だけの生活が始まったところで40分が経っていました。

自給自足の生活に馴染んで2時間経過

「ハク」がいない生活が始まり、身が引き締まる思いなのですが、画面をじっと見ると、ちょっとした変化がありました。画面の左上のゲージが体力ゲージで、その下のリンゴマークは満腹度を表しているようです。右上には時間が表示されているので、時間の経過がすぐにわかります。

家の周辺を回ってみると、先ほど耕したはずの畑がなくなっていました。

腹が減っては戦ができぬ、と、木の実を探してみると、オレンジ以外にブラックベリーが育っていました。

整っていたはずの豚の檻が壊されてしまっています。一晩寝ただけだと思っていたのですが、だいぶ時間が経過しているようですね。

かなづちで岩を砕いて素材を集め……。

木を切って木材などの素材を集め……。

家の作業台でアイテムや料理を作りながら、クエストをこなしていくのですが。

おや？　舟があるぞ！

などと興味本位に動き回っていると、「コア」が疲れているとのこと。画面の左上を見ると、確かに体力ゲージがほとんどありません。

休むという事は、家に戻って寝れば……と思ったのですが、家に辿り着く前にくたばってしまい……。

体力がちょっとだけ回復した状態で、屋根の上からの再開となりました。

お腹が空いているときも、体力がないときも、とりあえず何かを食べれば大丈夫という事を学びました。

ということで、適度にクエストをこなしながら、島で獲れるモノはなんでも積極的に取りまくり、木を切った分だけ、種を植えまくり、ひたすら自給自足をしまくる毎日。

するとある日、島に「ナポポ」がやってきました。

そして、「ナポポ」を助けるために、「コア」が島を出ることを決めると2時間が経過していました。

島の外の世界を体験して8時間経過

修理した船で島を出ると、舟で「カリス島」を目指します。ここで画面を確認すると、左上には体力や満腹ゲージの代わりに船の燃料が表示されてしました。画面の右下には周辺のマップがあり、舟の位置と方向が分かるようになっているのですが、マップの3方向に鍵マークがついているのがちょっと気になります。

そこで、試しに東の鍵に向かって進んでみると、残念ながら足止めとなりました。鍵マークの先に行くには、何か条件が必要のようです。

素直に北に向かってみると、「カリス島」周辺のマップになりました。

「カリス島」の港がちょっとわからなかったため、舟から降りて、泳いで島に辿り着くと、ヤドカリみたいなカニポスを発見。

もしかして「カリス島」では英語しか通じないのでは、と思ってしまったのですが、カニポスのメールは世界中から届いたメッセージという事でした。一安心。

ということで、これで島の人に出会えれば、と思ったのですが、上陸した場所が悪かったようで、なかなか人に出会えません。

えいやっ、と塀を飛び越えて、無理やり家に入ろうとするも、

特に反応はありません。

こっちの家も留守ですが。

忍び込むことはできませんでした。

この建物は何だろう？

これはリンゴかな？

自動販売機を発見！

などと探索をしていると、やっとのことで人を発見！

会話ができる相手の場合は、近づけばコマンドが表示されるようですね。

マップを開けば、会話ができる人の位置がわかるようになっていました。

クエストもここで確認できました。

そして、いくつものクエストを達成し、素晴らしい地図を手に入れると、8時間が経過していました。

海の広さを何となく知り10時間経過

地図のおかげで行動範囲が広がると、新たな島を発見。

探索をしていると、「コア」にとって新しい発見があるかと思えば、「コア」のセリフによってプレイヤー自身も情報を共有できることもあります。

島だけでなく、海を探索していても、釣り場も見つかりました。

海賊さん、こんにちは。

海には、宝を求めて潜水できる場所もありました。

などなど、ほのぼのとした世界観の中でクエストを達成しながら、行動範囲を広げていくと、物騒な人物に出会ったところで、残念ながら10時間が経過してしまいました。

そして、まとまらないまとめ

上記のプレイ状況では、新しく発見した内容を中心に報告したため、後半に進むと元々生活した島が疎遠になっているように見えますが、実際には、野菜の収穫や料理、アイテムのクラフトなどの要素は全て、生活していた島で行っているので、適度に島には帰っています。

ゲームを進めると、ファストトリップ機能が追加されるため、手軽に島へ戻れるようになるのですが、ファストトリップ機能を使うためにはお金がかかります。ご利用は計画的に。

クエストは全体的にお使い系で、アイテムを届けることが多いので、移動中に収集できるモノがあれば、面倒くさがらずにその都度取っておきましょう。クエストが発生した瞬間に目的達成となることがあるので。

ゲームのジャンルが「ファーミングアドベンチャー」なので、どのくらい「ファーミング」なのか気になっていたのですが、プレイしてみると、しっかりと農業をできるゲームでした。

とはいえ、時間や日々の進行はそれほど厳密ではなく、島の外での活動が増えると、戻ってきたら野菜が育っていることがあるため、毎日島に戻って野菜の世話をするような厳密さは求められていません。どちらかというと、農業をうまく活用すると、より攻略が楽になる、というくらいのテイストでした。多めに種を入手しておいて、島に帰るたびに、収穫したうえで新規に種まきをしておくと、効率よくいろいろな野菜を増やすことができます。

木の実に関しては、他の島で新しい木の実を見つけたら、安易に食べずに島で埋めておけば、どんどん増やすことができます。

島に植えることができる木の数には限りがあるので、特定の種を絶滅させないように気を付けながら、バランスよく植えていくとよさそうです。

レシピについては、いろいろな料理を作れるようになるのですが、いざ体力がなくなった時には料理よりもオレンジなどの素材そのものを食べた方が、節約になります。料理はクエスト達成や売買用に……いや、かえって安くなってしまうこともあるので、料理は計画的に。

ショップでは売ることもできるのですが、ショップによって売れる価格が異なるため、星の付いている商品についてはしっかりと金額を確認して、より高く売れる所で売りましょう。

釣りは、最初は釣り場にエサが置いてあるので、時間を置いて訪問すればただで釣りをすることができるのですが、ゲームが進むとショップでエサを購入することで、ある程度自由に行えるようになります。スポットごとに釣れる魚が異なるので、どこで何が釣れるか記憶しておきましょう。

数あるゲームと比較すると、移動できる範囲が決して広いわけではないのですが、一人の少女の視点で、自分の住んでいる島を拠点に冒険するには、十分に海の広さと大きさを実感できるゲームでした。いや、本当の海の広さを実感するのはこれからなのかもしれませんけど。

今回のプレイでは、「ハク」と「コア」の関係性がまだぼんやりとしかわからなかったり、「ナポポ」に関するクエストがあまり進展していなかったり、プレイの終盤で出会った「フィンク」の怪しさに不吉な予感がしたりと、ストーリー的にはまだまだこれから。ボクらのなつやすみの大冒険はこれからが本番なのです。

プロフィール

酒缶（さけかん）／ゲームコレクター

15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG　ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/
■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame
■ブログ「パッケージゲームを死ぬまで遊ぶログ（略称：パケログ）」
https://sakekan.themedia.jp/
■YouTubeチャンネル「ゲームコレクター・酒缶」
https://www.youtube.com/channel/UC0Bw6KIqS3fks-9ERRE_rEA
■電子書籍『まだ間に合う！？これから3DSのパッケージゲームをコンプリートするための傾向と対策　～ゲームコレクター・酒缶がパッケージを発売順に並べてコメントしてみた～ Kindle版』
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