バトルとクラフトで原作を追体験できる一作!「Dr.STONE バトルクラフト」レビュー

プレイレビュー
0コメント 田中一広

人気アニメ「Dr.STONE」を原作とするスマートフォン向けゲーム「Dr.STONE バトルクラフト」をレビュー。クラフト要素を活かしたバトルなど、その魅力について紹介する。

「Dr.STONE バトルクラフト」は、ポッピンゲームズジャパンからリリースされたスマートフォン向けストラテジーゲーム。タイトルにある通り、本作は週刊少年ジャンプで原作連載中のTVアニメ「Dr.STONE」をゲーム化した作品だ。人気作のゲーム化ということもあって、注目していた人も多いことだろう。もちろん、筆者もそんな一人。ジャンプ本誌で毎週読むとともに、コミックも購入。もちろんアニメも欠かさず見ている。なので、リリースの発表があってから非常に期待していた。この記事ではそんな本作の内容を紹介したい。

少年マンガに科学の楽しさを加えた魅力的作品「Dr.STONE」

ゲームの前にまずは原作「Dr.STONE」について軽く紹介しておこう。「Dr.STONE」は、週刊少年ジャンプで2017年から連載スタートした少年マンガだ。舞台は謎の光によって全人類が石化し、数千年が経過した世界。主人公である石神千空は奇跡的に復活を遂げ、科学の力で文明の復活を目指す。科学の力でといっても、数千年という年月によってかつての文明は完全に崩壊、千空をとりまく状況は石器時代レベル。しかし、だからこそ千空は「科学の力」を使う。科学とは、何も分からない中でひとつひとつ検証し、ルールを探していくという地道な努力のことだからだ。

原作の「Dr.STONE」の大きな魅力となっているのがこの「科学」。我々は普段文明の利器を当たり前のように使っているものの、実はそのメカニズムを詳しく知らないことが多い。たとえ「コーラ」は知らない人はいないといっていいくらい、めちゃくちゃメジャーで当たり前の飲み物だが、そのレシピとなると意外と知らないのではないだろうか。「Dr.STONE」はそんな我々が知らないメカニズムについて触れてくれる。しかもそれを、石器時代レベルの世界…ストーンワールドで実現しようというのだからおもしろくないわけがない。

こうした科学のおもしろさに、少年マンガの醍醐味であるバトル要素や魅力的なキャラクターなどを融合した作品が「Dr.STONE」。原作コミックもアニメもいずれもおもしろいので、未見の方は是非チェックしてほしい。

キャラクターを召喚して戦う!ラインディフェンス的バトル

そんな「Dr.STONE」を本作がどうゲーム化したか?本作の中心となっている要素はバトルとクラフトの2つ。まずはバトルについて紹介したい。本作のバトルは、サイドビューのディフェンスゲーム、いわゆるラインディフェンスゲーム的なシステムとなっている。

バトルの目的は、敵の拠点を破壊すること。画面右が自陣、画面左が敵陣となっており、それぞれの陣の最深部に拠点が存在している。敵拠点を破壊する前に自陣の拠点が破壊されてしまうと、ゲームオーバーだ。

拠点破壊の手段となるのがユニット。時間経過とともに貯まる資源を消費してユニットを召喚。召喚されたユニットは自動的に敵陣へと移動し、攻撃ユニットであれば、敵が攻撃範囲内に入ると攻撃も自動的に行う。このユニットとはもちろん、「Dr.STONE」でおなじみのキャラクターたちだ。

各ユニットは、「Dr.STONE」のキャラクターの特性が色濃く反映されている。たとえば原作の主人公、千空はノーマルレアリティの場合攻撃ユニットではなく支援型ユニットとなっており、攻撃ではなく味方キャラクターのHP回復を行う。

また、原作で圧倒的な体力を見せつけていた大木大樹は、本作でも高い防御力を誇っている。他のユニットとの壁として活躍するタンク役だ。原作でも大樹は、体力は飛び抜けているものの、戦闘が強いわけではないというキャラクターなので、完全にイメージ通りだ。

一方、原作で高い戦闘力を誇っていた獅子王司やコハクは、高い攻撃力を持つダメージディーラー役となっている。特に原作において武力の化身と言える獅子王司については範囲攻撃持ち。こんな風に、原作のイメージがそのまま反映されているため、原作を読んだことがあれば、各ユニットの細かなパラメーターを見ずとも、使いこなすことができるだろう。

なお、一般的なラインディフェンスゲームだと、資源を消費することで同じユニットを複数体召喚できるが、本作では同一ユニットの召喚数は1体のみ。既に召喚済みの場合、ユニットの強化を行うという形になっている。ただし、召喚されたユニットが敵に倒された場合は、再召喚が可能だ。

資源はユニットの召喚とレベルアップ以外に、資源Lvの上昇にも使用できる。資源Lvがアップすると、資源の獲得スピードがアップ。より効率的な召喚・レベルアップが可能になる。バトルの立ち回りとしては、手持ちのユニットを一通り召喚した後、資源Lvをアップしつつ、ユニットのレベルアップを行っていく…という形になるだろう。

また、資源を使った行動以外に、「リーダースキル」という要素も用意されている。これは「リーダー枠」に編成したユニットの「リーダースキル」を使用できるというもの。バトルスタートと同時にリーダースキルゲージが貯まり出し、満タンになると使用可能。たとえばノーマルレアリティの千空であれば、敵全体にダメージを与えるというスキルを持っている。

これぞ「Dr.STONE」!バトルの道具をクラフト

ここまで見てきたバトルに、「Dr.STONE」らしさを追加している要素こそ、本作の中心となっている要素の2つめである「クラフト」。素材を組み合わせてアイテムを作ることができ、バトルに持ち込むことが可能。持ち込んだアイテムは、バトル中ボタンタップで使用できる。

素材アイテムはバトル勝利時にゲットできるほか、「探索」に出ることでも獲得できる。「探索」は場所を指定した後、一定時間過ぎるのを待つという放置ゲーム的な仕組みだ。

クラフトはホームの「広場」で行うことができる。作りたいアイテムを選んだ後、一定時間経過すると完成。広場の施設Lvがアップすると、作れるアイテムの種類が増える他、一度にクラフトできるアイテムの数もアップする。施設Lvも、素材を消費することでアップ可能だ。

本作のストーリー進行にはバトルとクラフトの2つの要素が絡んでいる。バトルで一定ステージをクリアしたり、クラフトで指定アイテムを作ることでストーリーがアンロックされ、鑑賞できるという形。ストーリーは原作のストーリーに準拠しており、原作一話目からの物語を追体験できる。

原作の雰囲気を追体験できる作品!ただし細かなUI部分に課題も

クラフトとバトルという「Dr.STONE」の2大要素を原作のストーリーに沿って体験できるというのは、間違いなく本作の大きな魅力だろう。ただ、一方で本作は課題も多少抱えている。

課題のひとつは、UIに関する点。本当に細かい点であるのだが、本作のUIはやや手間に感じる部分がある。たとえば、会話シーンから一枚絵の演出シーンに移る際、2回タップが必要だったり、パーティ編成時にユニットの入れ替えができなかったりといった部分。前者は2回タップすればいいだけだし、後者はユニットを一旦枠から外した後、新たなユニットを配置すれば入れ替え可能なので、大きな問題とはいえないのだが、プレイしている上で何度も経験するため、どうしてもストレスに感じてしまう。ここに関しては今後のアップデートなどで対応してほしいと感じた。

課題のふたつめは、クラフトの存在感が弱いように感じられる点。これは筆者の個人的な印象でしかないのだが、原作「Dr.STONE」においては、科学アイテムの比重がとても高い。科学アイテムをクラフトすることで事態が打開され、物語が推進していく。一方で本作におけるクラフトは、ストーリー進行に必要な化学アイテムを作るケースもあるものの、基本的には一般的な消費アイテムを作るという範囲に留まっているように感じた。この点、たとえばクラフトで作り出せるアイテムが、バトルで切り札となるような威力を持っているなど、もう少しクラフトの比重が高かったなら、より「Dr.STONE」らしさを感じられたんじゃないかと思う。

ただ、課題について2点書いたものの、決して本作は魅力のないゲームではない。「Dr.STONE」の空気感をディフェンスゲームという形によく落とし込んだ作品だと思う。特に原作のイメージ通りにキャラクターをユニット化している点については高く評価したい。原作ファンであれば、一度プレイする価値のある作品だろう。一方、原作追体験するという部分が大きいため、アニメやコミックのいずれも未見という場合は、本作の前に原作に触れておくことをオススメする。

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