プロeスポーツチームを運営するREJECTが新コンセプト「Road to Clutch」を掲げ新たな事業展開を発表「REJECT GAMING BASE内覧会・事業戦略発表」レポートが公開

0 2021年9月22日 18:12

担当：Gamer編集部

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プロeスポーツチーム「REJECT」を運営するREJECTは、9月16日に実施した「REJECT GAMING BASE内覧会・事業戦略発表」のレポートを公開した。

本発表会で同社は、新コンセプトである「Road to Clutch」を掲げ、eスポーツチームの運営のほか、アパレル事業や筑波大学との共同研究を行うことを発表した。

さらに、メンタルトレーナーによる指導や調理師による栄養管理、メディア向けのトークレッスン、マスコットのREJECT犬の存在など、選手の体調管理やアスリートとしてのスキルアップのために行っている取り組みも紹介された。

なお、「Road to Clutch」の「Clutch」は掴み取ると言う意味で、eスポーツ界隈では圧倒的不利な状況から逆転勝ちをした場合にも使われ、大きな事にチャレンジしていく姿を現した言葉となっている。

「REJECT GAMING BASE 内覧会・事業戦略発表」を実施！新コンセプト「Road To Clutch」および新たな事業展開を発表

発表会ではまず、甲山代表による新オフィスの概要発表が行われました。新オフィスの地下には完全防音のゲーミングルームである「REJECT GAMING BASE」を開設。これまで多くのプロeスポーツチームはシェアハウスとしてのゲーミングハウスを使用することが多い中、寮や自宅から通うタイプのゲーミングオフィスを採用しています。海外ではすでに同様の展開がなされており、ゲーミングハウスよりも多くの利点があると甲山代表は言います。

「一番大きな利点は完全防音です。一軒家やマンションだと完全防音の設備を整えるのは難しく、近隣に騒音の迷惑がかかることがあります。REJECTGAMINGBASEはもともとスタジオとしても使われており、近隣はおろか、隣の部屋の音も聞こえません。通信回線も特別な回線を入れています。ATMなどで使用されている回線で、一般的なオフィスの60倍以上の安定性と速度を誇っています。また、シェアハウスは若い頃は問題ないのですが、年を重ねてくると自分の時間がとれず辛さが増してきます。公私の区分けもしにくく、メリハリが付きにくくもなります。さまざまな観点からみて、ゲーミングオフィスを構えることはゲーミングハウスでの活動よりも利点が多いと考えています」

選手たちの出勤に関してもコアタイムがあり、スケジュールがしっかりと組まれています。比較的ルーズな印象を持たれるeスポーツ選手の生活ですが、ことREJECTにおいてはどこよりも厳しく管理されています。体調面の管理もできており、3階に用意されたキッチンスペースには派遣された調理師による栄養バランスがとれた食事が用意されています。

屋上にはハンモックやソファが用意され、ゲームで集中した脳や身体を休める施設が整っています。甲山代表やスタッフの愛犬である3匹のチワワが出勤していることもあり、屋上で彼らと一緒に遊ぶことで癒やされています。

2階はスタッフが常駐するオフィスフロアとなっており、1階には選手と交流できるコミュニケーションフロアを用意しています。

オフィスとゲーミングハウスが別な場合も多く、その場合、スタッフと選手が1度も顔を合わせたことがないという状況にもなりかねません。コミュニケーションスペースを用意することで、スタッフと選手の風通しが良くなっていくことを目指しています。

次にREJECTの新しい取り組みとして、筑波大学との共同研究概要の説明がありました。筑波大学体育系スポーツイノベーション開発研究センター松井崇助教が登壇。eスポーツにおけるスポーツ科学的検知からの検証をREJECTと共同研究することを発表しました。eスポーツアスリートの生活（特に睡眠）と健康における課題がテーマ。eスポーツアスリートにおける長時間プレイが生理、心理的特性に影響がでるかを検証していきます。さらにeスポーツやゲームのネガティブな問題である負傷、肥満、糖尿病などの関係性と対策やスポーツ科学の三大原則である運動、栄養、休養がeスポーツにも当てはまるのかなど、さまざまな観点からeスポーツを研究しています。

最後にその他のREJECTの取り組みの発表がありました。メンタルトレーナー高畑好秀氏によるメンタルトレーニングは月に一度行われており、先述した調理師による栄養バランスのとれた食事の提供も行われています。フリーアナウンサーである花村あづささんによるトークレッスンにより、試合後のインタビューやメディアの対応などが格段に向上しています。以前はカメラ前での受け答えに苦慮していた選手も、今では対応できるようになり、人となりも理解されるようになりました。eスポーツアスリートとしてのゲームの技量だけにとどまらず、健康管理や選手としてのさまざまな活動を支えるための施策が行われています。

発表会のあとには、REJECT GAMING BASEのオフィスツアーが行われました。REJECT GAMING BASE は3つの部屋に分かれており、PUBG MOBILEの選手が主に使う部屋、4人が横並びでプレイできる部屋。アナリストやコーチによる指導を受けられるミーティングルームと練習スペースが兼ねられた部屋となっています。ミーティングルームは部屋全体の照明のカラーを変えることができ、ゲーミングキーボードやゲーミングPCと同様に、ゲーミングルームとしての表現がなされています。またREJECT GAMING BASEの頭文字がRGB（光の三原色）となり、照明の色変化と関連付けています。照明の色によって気分を高まらせたり、落ち着かせたりすることができ、選手の練習効率を向上させています。