スクウェア・エニックスが2021年9月19日~22日にかけて実施した拡張パッケージ「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」のメディアツアー。ここで体験した内容を元に、本作のプロデューサー兼ディレクターを務める吉田直樹氏にインタビューを実施した。

新たなジョブ・バトルやフィールドをはじめとする数えきれないほどのコンテンツが追加されると共に、これまで「FFXIV」のメインストーリーで描かれてきた星と命を巡る物語、「ハイデリン・ゾディアーク編」が遂に完結する「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」。

拡張パッケージのリリースに先駆けて実施されたメディアツアーでは、新ジョブを含む全19ジョブのアップデートされたバトルや、新エリアの探索、フェイスを用いた新ダンジョンへの挑戦などを体験することができた。

本稿では、本作のプロデューサー兼ディレクターを務める吉田直樹氏に、メディアツアーで体験した内容を元に、気になった内容……主に新ジョブ「リーパー」「賢者」を含めたバトルバランスについて聞いたインタビューをお届けする。

「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。

――まずはジョブ全般についてですが、PLLでお話しされていた通り「正統進化」しているジョブが多い印象でした。

吉田氏:「FFXIV」を旧版から「漆黒のヴィランズ」まで作り続けていく中で、僕たち作り手のプレイヤースキルも上昇していきました。2.Xシリーズではレイドも含めて簡単だったというお声をいただいたこともあり、パッチ3.0からは、「よし、じゃあいっちょやったるか!」ということで、それぞれのジョブの個性を強め、メカニクスも複雑化し、かつレイドにノーマルとハードを用意したことで、ハードではアイテムレベルの上昇も考慮した、かなり攻めた調整を行いました。ですが、そもそもジョブを一通り使いこなすこと自体が難しいのに、コンテンツ側のギミックも難しくなってしまいまして……。ゲーム運営でありがちな一回目のパターンとして、進化とは「メカニクスが複雑になることである」みたいな状況がパッチ3.0だったと反省しています。

また、僕たちの元々の方針としては、1ジョブを極めてさえくれればいいというものでした。むしろ1ジョブで満足してもらえるようにという想いが強くなり過ぎていたのかもしれません。4.Xシリーズからは色々なコンテンツを横に広げていくことによって、「バトル一辺倒ではない、色々な遊び方が楽しめる『FFXIV』」が徐々に出来上がっていく中で、複数ジョブを遊ぶ方が増えてきたんです。レイドが好きな人でも週制限があるからと、複数キャラで零式に通ったり、2アカウント作ったりもしている方もいますね(笑)。

「FFXIV」の良いところは他のMMORPGに比べて、1キャラクターで色々なジョブをプレイできることでもあるので、色々なジョブを試しやすいように、共通化できるものは共通化したり……という流れがパッチ5.0で綺麗にはまりました。そこからの流れを汲んで新しいスキルを追加したり、足りない部分を補ったりしていった方が、より快適にプレイできるよね、というのが今回の調整のベースになっています。

――今回の新スキルには単体相手にも効果的だけど、複数相手に使うとなお強力というスキルが多いように感じました。これはどのような意図なのでしょうか?

吉田氏:これは今まで大きく踏み切れていなかった部分なのですが、これまでのスキル回しはIDなどで使う範囲ローテーションとボス相手に使う単体ローテーションをプレイヤースキルの一環と考えていて、工夫して上手く火力を維持してください、という考え方をしていました。しかし、レベルキャップの開放が繰り返され、複雑化してきてしまったこと、そしてその結果、パッドを使っているときのホットバーのやりくりが辛くなってしまいました。

特に新規で始めた方にとっては、今の「FFXIV」はレベルアップのスピードが早いので、アクションの修得に停滞がありません。同じレベル帯で同じスキルセットを使い続ける機会が少ないまま、どんどん新たな技が追加されるので、ローテーションを考える暇がないのです。

それにより、レベルがカンストしたときに持っている知見の差が、既存のプレイヤーと大きく開いてしまうことになり、更に拍車がかかっていると感じています。今回の調整では、範囲ローテーションをするときにわざわざ単体アクションを使ってバフを付けるみたいなことを無くして、フレキシブルに範囲と単体を切り替えることができるようになっています。また、単体攻撃と範囲攻撃を明確化したり、逆に単体でも範囲でも同じアクションを使えば良いなど、格差を是正するための施策でもあります。

単体用のスキルに範囲設定をしておくことで、単体と範囲で技を2つ用意する必要が無くなりました。複数の敵に当てるとダメージが減るという仕様も、範囲攻撃にダメージ減衰を付けているのではなく、単体攻撃に範囲攻撃を兼ね備えたという意味合いが強いです。ですので、今までのプレイヤーの方のイメージだと、範囲攻撃だから範囲のローテ側に置こうとスキルセットから外してしまうと、実は単体ローテでも必要なアクションだったりするものもあるため、意識を少し変えていただく必要があるかなと思います。

竜騎士の新スキル「天竜点睛」。対象に向かって前方直線範囲物理攻撃を行い、2体目以降への威力は50%減少する。

――リーパーも敵の被ダメージを増やす“デスデザイン”というデバフを持っていましたが、これも範囲で一片に付けることができました。

吉田氏:そうですね。そういう意味だと、今回はパッドで遊んでいる方のホットバーの枚数をできれば3枚で抑えられるようにと考えています。1枚は単体ローテーションで、2枚目は範囲ローテーションに加えて、単体ローテーションと共通で使用する技を入れても収まるようになったらいいなぁと……。残り1枚は薬やマクロもあるでしょうからね。

――たしかに今回は置き換えのスキルも多く感じたので、そういう意味での分かりやすさは凄く感じました。

吉田氏:結構悩ましいところでもあるんです……。感覚として、レベルキャップが開放されたのに使えるアクション数がぱっと見少ないので、なんと言いますか……、悲しみを感じる方もいるのかなとは思っています。「アクション数がなんで減っているんだ」とか「あっちのジョブはあんなにアクション数があるのに……」ということにはならないように、極限までやり過ぎないでくれというのはバトルシステム側と話しました。

もっと詰めようと思えばさらにアクションを減らすことができるジョブもあるのですが、この辺は印象の問題もあります。何もかもをシンプルにしてスッキリさせることが、必ずしも良い事ではないと考え、あえて2つあることに意味を持たせたりしながら、1ジョブずつチェックして個別にフィードバックをしています。

――近接ジョブの調整では、遠隔攻撃でコンボが中断されなくなりますが、それ以外のウェポンスキルを使用してもコンボが中断されなくなったように感じたものもありました。こちらについてはいかがでしょうか?

吉田氏:ジョブによっては中間にアクションを挟んでもコンボが途切れない、もしくは効果時間が短くてコンボが途切れていた部分を総じて伸ばしていたりするので、繋ぎやすさは上がっていると思います。色々なバトルコンテンツでギミックを作っていくときに、どうしても一度回避して戻るだけでは済まないギミックも増えてきました。そういったときに遠隔攻撃を使いやすくしているんですけど、それだけではコンボの猶予時間が短くて途切れてしまうこともあるので、その時間を延長したりしています。

――なるほど。体感では2倍くらいに猶予が増えているのかなと感じました。

吉田氏:そうですね。そこはもはや管理するところじゃないなと。次に押すスキルが決まっているのであれば、維持することがプレイヤースキルではありませんからね。

――機工士でドリルとアンカーを繋げて打つタイプの人間なので、考えないとハイパーチャージ後にコンボが切れていたのが「あれ!?繋がる!」となりました(笑)。

吉田氏:今回は、2スタックのチャージアクションにしているものが結構多かったり、60秒と120秒でシナジーが回るようになっていたりするので、ある意味でローテーションの波は忙しくなるはずです。そういった部分も踏まえて猶予時間は伸ばしています。

――ちなみにprocの効果時間も伸びていますか?

吉田氏:ジョブによります。黒魔道士なんかは伸ばしていますね。黒魔道士は今回も他のジョブに比べても機動性が低く、瞬間的な移動に弱い。そうなったときにファイガprocを長く持っていられないと、アストラルファイアの更新が難しい場面が増えます。今回、エノキアンを自動付与にしたとはいえ、アストラルファイアとアンブラルブリザードの効果が落ちれば、結局エノキアンの効果も消えてしまうので、切らしたらアウトであることに変わりはないんです。

できることが増えた分だけ、アストラルファイアの持続時間もちょっと伸ばしていますし、ファイガprocを長くしたので、しばらくprocを持ちっぱなしにしておいて、いざという時に使うことができます。折り返した後にもprocを保持できるので、そこはプレイヤーの方の腕の見せ所だと思います。トランスをしてからファイガprocを撃ったりすることでDPSを伸ばしたりもできますし……。黒魔道士は、どちらかというと火力の底上げというよりかは、上手くやれる余地を作るために伸ばしています。これもジョブ毎に、個別に調整を行っています。

――アビリティのリキャスト周期が全体的に60秒と120秒に寄せられていることで、野良でのレイド攻略などは息を合わせやすくなったのかなと思います。

吉田氏:そうですね。あまり意識を合わせなくても、ある程度は勝手に揃うのが理想だと思っているので、今回はそのような調整を行っています。

――これは純粋な疑問なのですが、吟遊詩人は猛者の撃や乱れ撃ちが60秒、120秒に寄せられて合わせやすくなっている一方、目玉の新スキル「光神のフィナーレ」だけ90秒リキャストなのが凄く気になりました。

吉田氏:光神のフィナーレは、使うタイミングによって効果量に違いがあるスキルです。逆に言えば、「タイムラインや状況に合わせて、早く使うかセーブするかを決められる」というのが最大の特徴です。まず前提として、フィナーレを実行するためのシンボルを付与するアクションのリキャストが120秒になっています。ですので、考え方として、リキャストはあえて120秒ではなくそれよりも少し短くしてあるのです。

吟遊詩人はギリギリまで調整を続けているため、このリキャストタイムの秒数もリリースまでに変更される可能性が高いです。例えば、開幕バーストでは早めに使用し、次に使うタイミングまで、リキャストは戻っていたとしてもセーブするとか、ボスがいなくなるので早めに使ってしまおうなど、「どこで歌うか」が腕の見せ所になるようになっています。

吟遊詩人は実装されてからの期間が非常に長く、特に「吟遊詩人なんだから支援をしたい」という方々と、「支援よりも自身の火力を出したい!」という方々で、大きく二分されているジョブです。5.Xシリーズの詩人は、支援を持つけれど、自身には効果が発揮されない、というところで、支援力と本体火力のバランスを取っています。今回、6.0では戦歌をベースとした詩人らしい支援効果にやや寄せています。光神のフィナーレは吟遊詩人本人にも効果が及びますし、他の戦歌アクションも自身に効果を発揮させるかどうか、ギリギリまでの調整を続けています。いずれにせよ、大きく異なる二つのフィードバック、両方を成立させることはバランス的に不可能ですので、中途半端にならないよう、気を付けて最終調整していきます。

――わかりました。「光神のフィナーレ」は今回の拡張パッケージタイトルにも通じるところがあるので、活躍が楽しみです。

吉田氏:そうなんですよ! みんなのスキルローテーションが全部終わった後の締め、つまり“フィナーレ”という意味もあるんです。

――ダブルミーニングだったんですね……! かっけぇ……!!

吉田氏:また調子いいこと言ってとか言われそうですけど(苦笑)。でも、きちんと全体を考えて作っています。楽しみにしてくださると嬉しいです。

――今回、タンクは特定の防御バフに4秒という短い時間で追加の軽減効果が得られようになっています。アクション要素が少し強まったなという印象なのですが、今回この仕様を入れることになった経緯を教えてください。

吉田氏:5.Xのタンクの調整コンセプトが、ある程度横並びを推し進めるもので、安定性が高いが故に、「個人差が出なくなった」「暇になった」というお声をいただきました。もちろん、この要素だけでカバーするわけではなく、リキャストが早くなったことでのローテーションサイクルの高速化や、こういった小技が効くことで「上手くやる余地」を作っていきたいと思っています。

4.X当時のタンクが面白かったというのは凄く分かりますし、僕たちもそれが面白いと思って作っていました。しかしその陰で、スタンスを切り過ぎてヘイトが飛んでしまったり、それに合わせDPS側でヘイトを抑えたり、ヒーラーがヒールに苦労するなど、色々な問題がありました。あの頃のタンクは、詰めようと思えば思う程、他のロールの対応もシビアになっていくんです。高難度コンテンツになればタンクの方にもそれが要求されますし、それが原因でタンク人口が減ってしまうということも実際問題として、起きていました。

そこでパッチ5.0で大きく方針を変えたのですが、データを見れば結果としてタンクのプレイ人口はめちゃくちゃ増えました。ですので、基礎方針は5.Xを踏襲しよう、というのが今回です。

とはいえ、今のタンクはタイムラインさえ覚えてしまえば単調になりがちではあるので、そこにもう少し個々人でプレイヤー差を出せるようにしようというのが実装の意図です。前述したように、今回はタンクもリキャストが60秒になっているものが多く、バーストのサイクルが早くなって忙しくなっています。それに加えてギミック処理もありますし、防御バフを張らなければいけないタイミングもある。そこでさらにテクニカルな要素を加えることで考える余地が増え、上手いプレイヤーはより上手さを発揮することができます。例えば、4秒しかない防御バフでも、タイミングを上手く合わせることで強力な攻撃の後のオートアタックまでケアできたりといった形です。

ただ決してマイナスに働くものではないので、今まで通りに使用しても防御バフはしっかりと付きますし、より詰めていくための小技が利くようになっていると思ってください。

また、タンクにもっと火力を! というお声については、各ロールが占める火力割合の逆転傾向は、なんとか調整しようとしています。ただし、DPSに近づくほどの火力が欲しい、というリクエストにはお応えできないのです。4.Xシリーズの火力割合に近づけると、最新の各コンテンツを3タンク、4タンクでクリアできてしまう、という状況が出てしまいます。HPが多い、硬い、火力が出る、ではギミック無視も含め、かなり危険なのです。ですので、タンクマスタリーが悪いということではなく、それを外したとしても、結局コンテンツクリアに占める火力割合は同じように調整することになるため、根本はコンテンツクリアの際のロールバランスにある、とご理解いただけますと助かります。とはいえ、火力割合は改めて6.0で調整しなおしていますので、こちらについては、今後もしっかり細かく見ていくつもりです。

タンクには新たに4秒間だけ追加の防御効果を得られるアクションが追加された。

――実際のプレイフィールとしても、“ガードしている感”というか、よりタンク本来の役割が感じられてすごく良かったと思います。続いて新ジョブについて伺っていきたいのですが、リーパーはめちゃくちゃ面白かったです。ゲージを溜めてアヴァターを呼び出して、さらにそのゲージを使ってアヴァターを憑依させるという2段構えがカタルシスに繋がっているというか。

吉田氏:開発中は、“死神化”と呼んでいましたが、シュラウドゲージは100まで溜めると2回連続で使うこともできます。50溜まってもすぐに使わずタイムラインに合わせたりすることもできるので、考える余地は結構ありますね。開幕は最速で溜めていけば綺麗にバーストに噛み合うようになっていますが、その後は腕の差が出るジョブだと思います。色々な層のプレイヤーの方に対応するため、もう少し簡単でも良いかなとも思ったのですが、下手にいじると一気に面白さが減る可能性もあり、「現状が気持ちよいから、これでいこう」と(笑)。

――憑依後は方向指定が無くなるのもいいですよね。プレイに爽快感が生まれていると感じました。

吉田氏:そうですね、そこは最終調整に向けて若干議論にもなりましたが、スキル回しが早いからこそ、手で覚えてもらって、ギミック処理やAOEを避けながら攻撃できたほうが“上手くやれた感”は出るかなと考えました。

――一方で回避に難しさが詰まっているなと感じていて、リーパーの遠距離スキルには詠唱が必要じゃないですか。

吉田氏:そうなんです。その代わりにリーパーは移動アクションを使った後に、遠距離アクションがprocして無詠唱で発動することができます。移動アクションを使って回避し、遠距離アクションを一発撃って戻るという流れですね。

――そこの使いこなしはかなり腕の差が出そうな部分ですよね。移動スキルを積極的に使って回避をしないと、一発分損をするというか。

吉田氏:ただ、常時それをローテーションに組み込んでいるわけではないので、そもそも移動系アクションを使った際、更に一発遠距離アクションを使うかどうか、むしろ使わないで即ボスまで最接近するか、こういった細かい部分はやり込んでいくと分かっていただけるのではないかな、と思います。

――実際のコンテンツで使っていくのが今から楽しみです。もう一つの新ジョブである賢者についてですが、こちらもかなりテクニカルなバリアヒーラーだなという印象でした。

吉田氏:前回の拡張ではヒーラージョブの追加が無かったこともあり、僕が思っていた以上にたくさんのお声をいただきました。ヒーラーを追加するにあたり、既存の3ジョブとも違う特徴を出す必要があったのですが、新規のヒーラーの特徴を作るはかなり難しいのです。「FFXIV」の場合、ヒーラーには攻撃ローテーションという考え方を入れないため、体験の差が作りにくいからです。これまで3ヒーラーでも特徴を出すことに苦慮し、結果バランス調整も非常にシビアになりがちでした。そこで、今回はピュアヒーラー、バリアヒーラーで明確に役割を分け、特徴を出しやすくしたうえで、バリアヒーラーの基本が詰まっている学者に比べ、ややテクニカルで攻防一体型というイメージで賢者が作られています。

――攻撃することで回復も入るというのはかなり面白いですね。

吉田氏:ヒーラーを遊ばれている方の中にも、「回復は十分だから、もっと攻撃をしたい!」という方は多くいらっしゃいます。ただ、そこを強く意識したというよりは、同じバリアヒーラーとなる学者が、攻撃魔法を撃っている時にフェアリーが光の癒しで回復をしてくれるため、それと似たような位置づけ、と思ってください。攻撃だけしていれば、それがメインの回復手段となる、というわけではないのです。

しかし一方で、攻撃とバリアが連動しており、張ったバリアが消滅することで、新たな攻撃リソースが増えるなど、これまでにない要素が多くなっています。理解するまで時間がかかると思いますので、いち早く慣れるためには、低レベルのコンテンツで慣らし運転をする方が、逆に理解が早いかもしれません。

――専用のリソース「アダーガル」は、白魔道士と違い、非戦闘状態でも自動的に溜まりますが、レイドなどのワイプ時はどうなるのでしょう?

吉田氏:コンテンツ突入時とコンテンツリスタート時は溜まった状態で始まるようになっています。

――移動スキルがあるのも面白いなと感じているのですが、どういったシチュエーションで使うと効果的なんでしょう?

吉田氏:自分中心の軽減アクションや、射程の短い範囲攻撃を持っているので敵に近づいて攻撃するなどの用途が主になるかなと思っています。あとは設置型のヒールスキルもほぼ無いので、移動スキルでパーティーメンバーがちょうど入るように位置調整しながら範囲ヒールを使うなどの用途もありそうです。この辺もテクニカルな部分ですね。

――ここまで新ジョブついて伺ってきましたが、今回は召喚士が“ほぼ”新ジョブといっていいほど調整されます。これにはどういった経緯があったのでしょう?

吉田氏:パッチ5.0をリリースした時点で、グローバルクールダウンのアクションの食い込みや、ペットの挙動について、たくさんのフィードバックをいただいていました。直せる部分は直して出来る限りの調整はしたのですが、僕たちの中ではパッチ5.0でのアップデートが限界で、召喚士のプレイフィールをこれ以上向上させるには、作り直しに匹敵する大改修が必要になる、と考えていました。

「FFXIV」の新生に合わせて構築されたジョブですが、ごく短い期間で開発したこともあり、プログラム的にも厳しくなってきたうえ、「召喚士というよりもDoT士」というお声もあったので、「より召喚士らしく!」を合言葉にガラッと変えています。召喚獣を呼ぶことによって、術者自身のアクションも変わるという構想は結構初期から決まっていましたが、そのメカニクスを仕様書でやり取りしている時間が一番長かったかもしれません。

――なかなかに難産だったんですね……。

吉田氏:そうですね、初期実装では召喚士自身のプレイフィールにあまり差が無く、この点は初期コンセプト通りに、ギリギリまで粘って再構築したくらいコストをかけてきました。新ジョブに匹敵するくらいですね。

――なるほど……。ですがそのかいあってといいますか、プレイフィールはとにかくド派手で使っていて凄くテンションが上がりました。メインジョブはリーパーにしようと決めていたのですが、ここで既に心が揺らいでいます(笑)。

吉田氏:僕もSNSなどで、先日のPLLやジョブアクショントレーラーを観た皆さんの感想を拝見しています。「召喚士、強すぎにならないか?」というご意見もありましたね。ただ、「どの召喚獣から使っていくか」という部分は、コンテンツのタイムラインに応じて切り替える必要があり、そこで腕の差は出ると思っています。きっちり最速で召喚していかないと、リキャストが溢れるという状態にはせず、多少間にアクションを挟む余地は意図的に作っています。こうした工夫の余地により、火力差が出やすいと思いますし、何よりDoTがすべてなくなった分、もともと「DoTを切らさなければOK」だった火力ベースが、すべて各アクションに振り分けられているのでご注意ください。

ただ単純に派手で、色々なことができるのが楽しいと思ってもらえれば、まずは改修としては成功だと思いますので、引き続きギリギリまで調整を続けていきます。

――それでは、最後に「暁月のフィナーレ」を楽しみにしているプレイヤーの方へメッセージをお願いします。

吉田氏:ジョブやバトル、コンテンツにはもちろん注目して欲しいのですが、何より拡張パッケージの最大のウリにメインストーリーがあり、そこからキャラクターの成長やコンテンツが広がっていきますので、まずはメインストーリーをしっかりと楽しんでもらいたいです。今回は“ハイデリン・ゾディアーク編”の完結をテーマにしてはいますが、終わりに向かって歩くというよりは、拡張パッケージのタイトルでもある「ENDWALKER」にもある通り、一度目の終末に向かって歩んでいくというイメージになっています。

歩んでいく過程で、またその先も感じてもらえる拡張になっているので、ぜひ色々なところでそのニュアンスを拾い上げながら、“一旦のラスト”に向かって、冒険者として歩みを進めてください。

あとは、今回も物凄いテキスト量と物凄いカットシーン量なので、急がずに遊んでもらえると嬉しいです。前回はエメトセルクがさらっと重要なことを話すヒントトークがあったと思いますが、今回はその物量が半端じゃないんです。暁のメンバーが凄く多いので(笑)。皆さんと11年間共に歩んできた上に成り立っているキャラクターたちのセリフなので、ぜひそういったところも楽しんでいただきつつ、踏みしめながら、噛みしめながら遊んでもらえると嬉しいです。ぜひ楽しみにしていてください!

――ありがとうございました。

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