スクウェア・エニックスの人気RPG「ブレイブリー」シリーズのスマートフォン向け最新作「ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ」。本日1月27日より配信開始となった本作の魅力を紹介していこう。
「ブレイブリー」シリーズは、2012年にニンテンドー3DSで発売された「ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー」を第1作目とするRPGの人気シリーズだ。「ブレイブ&デフォルト」システムをはじめとする戦略性の高いバトル、ファンタジー世界を舞台とした重厚かつ意外性あふれるストーリー、Sound HorizonやLinked Horizonを主宰するRevo氏が手掛けた魅力的なサウンドなどが話題を呼び、多くのファンの支持を獲得。「ブレイブリーセカンド エンドレイヤー」や「ブレイブリーデフォルトII」など、これまで数々のタイトルがリリースされてきた。
本作「ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ」は、この「ブレイブリー」シリーズの10周年を記念したスピンオフ作品だ。舞台となるのはヴェルメリオ大陸にある「錬金の街ブラス」。ある日、この街の近郊に建つピラミッドに謎の光の球が出現した。見習い錬金術師の少女・クレアは護衛役の青年・スティールとともにピラミッドに向かうが、そこでふたりはルクセンダルクの冒険家・サンドラ、エクシラント大陸の魔法学者・ルーファスと出会う。
一方、ブラスにも「来訪者」と呼ばれる異なる世界の人間たちが現れ、街は大騒ぎになっていた。そんな中、クレアたちは錬金の妖精を称するルミナと出会い、彼女の導きに従って世界を救うべく、ルクセンダルクやエクシラント大陸といった異世界へと旅立つことになる。
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斜に構えているが実は優しいスティール、頼りがいのあるサンドラ、魔法に強いこだわりを持つルーファスなど、 個性豊かなキャラクターたちとともにさまざまな冒険を繰り広げていく。 |
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「ブレイブリーデフォルト」のイデアや「ブレイブリーセカンド」のジャンなど、 おなじみの面々も来訪者として登場。 |
注目すべきは過去のシリーズ作品とのクロスオーバーの数々。クレアたちは世界の災いを取り払うために異世界へ向かい、そこで歴代のキャラクターたちと出会うことになる。ネタバレになるので詳細は避けるが、意外な人物が意外な姿で登場したりするので「思わずニヤリ」の連続。歴代シリーズ作品のさまざまなエピソードの裏側がうかがえるようになっているのも魅力で、どんどんストーリーを進めたくなることだろう。
こう言うと、シリーズを未プレイの人は置いてけぼりになりそうだが、決してそんなことはない。歴代の作品をまったく知らなくても楽しめるストーリーになっていて、本作オリジナルのキャラクターたちも魅力たっぷり。「ブレイブリー」シリーズを初めてプレイするという人も十分にハマれるはず。むしろ、本作をきっかけにシリーズをプレイしてみたくなるのではないだろうか。
妖精ルミナの存在も見逃せない。いにしえの大錬金術師から遣わされたと称しているが、クリスタルの息吹を探すこと以外の寄り道をやたら嫌うなど、どこかうさん臭い。過去のシリーズ作でも妖精がさまざまな形で物語に大きく関わってきたのはファンにはご存知のとおりで、ルミナの動きや言動も物語の見どころのひとつと言えそうだ。
そのほかにもクレアの師匠で伝説的な錬金術師であるデバコフ教授や、その名のとおりちょっと態度のでかい化学ゼミの学生・イヴァールといった多彩なキャラクターたちが登場。クレアたちの前に何度も立ちはだかる土の将・ガイラ、得体の知れない不気味な大神官、盗賊のスコーピオン・ビリーなど、敵キャラクターもクセ者ぞろいで「ブレイブリー」シリーズならではの先の読めないストーリーを楽しめる。
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クレアたちを導くことになる妖精ルミナ。 火、水、風、土の息吹を集めて彼女の霊力を解放すれば世界の災厄は取り除かれるというが……。 |
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戦闘民族国家ザレルの将であるガイラ。ときどき脱力するようなことを言うが、絶大な力を誇る強敵だ。 |
以上はメインのストーリーだが、クレアやスティールたちの人となりや隠された一面がうかがえる「キャラストーリー」というサブクエストも用意されている。アニエスやジャンといった、おなじみのキャラクターたちが登場してくることがあり、発生するバトルもなかなかやり応えがあるので、こちらもぜひプレイしてみることをおすすめする。
奥の深い戦闘システムも「ブレイブリー」シリーズの魅力のひとつ。まずはパーティの編成だ。キャラクターたちは味方を守る特性を持つ「防御」、アタッカータイプの「近距離」、攻撃魔法などを得意とする「遠距離」、回復などを行う「支援」という4つのタイプに分類されており、それぞれのタイプのキャラクター4人でパーティを構成。防御と近距離は前衛、遠距離と回復は後衛となる。
戦闘はターン制で敵味方が順番に行動していき、全員が行動し終わると1ターン終了。キャラクターたちはそれぞれ固有のアビリティを3種類所持しており、いずれかを選択することで敵を攻撃したり、味方を回復したりすることができる。単体への物理攻撃やMPを消費する強力な攻撃、味方の守備力を上げる補助魔法など、さまざまなアビリティが使用可能だ。どのタイミングでどのアビリティを使うか、コマンドRPGならではのバトルを楽しめる。
シリーズの象徴となっている「ブレイブ&デフォルト」システムも健在だ。「ブレイブ」は行動数を増やすコマンドで、BPというポイントを消費することで1ターンでの行動数を最大4回まで増やすことができる。一方、「デフォルト」は守備体勢を取ってBPを貯めるという行動で、実行するとBPが1プラスされ、さらに受けるダメージが50%軽減される。
BPは前借りも可能になっていて、ゼロの状態でもブレイブして行動数を増やせるが、その場合はBPが-1となり、次のターンは行動不能になる。たとえばBPゼロの状態で3回ブレイブしてBPが-3になると、そのあとの3ターンはまったく何もできなくなるのだ。ブレイブで一気に攻撃をたたみかけたり、回復魔法を連続で使用したりと、さまざまな使い方ができるが、数ターン行動できなくなるというリスクもはらんでいるため、使いどころが非常に重要になるというわけだ。
もちろん、敵側も「ブレイブ&デフォルト」を使ってくる場合がある。敵がデフォルトでBPを溜めたら、次のターンは連続攻撃を仕掛けてくる可能性があるのでデフォルトでダメージの軽減をはかる。逆に、ブレイブでラッシュをかけてBPを溜めた敵に行動順が回る前に撃破してしまうなど、ブレイブ&デフォルトをめぐる駆け引きを本作でも存分に堪能できる。
本作特有の要素となっている「シールド」と「ブレイク」の存在もなかなか面白い。敵と味方のいずれもシールド値というパラメーターを持っており、アビリティの中にはこの数値を減らす効果を持つものが存在する。そして、シールド値がゼロになると、そのキャラクターはブレイク(気絶)状態となり、次のターン終了まで行動できなくなるのだ。
敵をブレイク状態にすれば一気にバトルが有利になるが、逆に味方がブレイク状態にされるとピンチを招く恐れがあるなど戦いの行方が大きく左右される。戦闘中は味方のシールド値に気を配るのはもちろん、どのアビリティがシールド値を減らす効果を持つか、しっかり把握しておこう。
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アビリティの効果を覚えていない場合はコマンドをロングタップするといい。 アビリティの性能が表示されるのでバトル中でも内容を確認できる。 |
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各バトルには「戦闘不能0回でクリア」「5ターン以内にクリア」といったミッションが設定されており、 これらを達成すると追加の報酬がもらえる。 |
敵味方の行動順はターン開始時に決まっていて、次に誰が行動するかは画面左に表示されるタイムラインで確認できる。行動の順番はキャラクターの行動値で決まるのだが、この行動値を特定の攻撃のアビリティで減らすことが可能になっているのだ。次のターンでの敵の行動順を遅らせることができるので、こちらも積極的に狙っていくといい。
このようにさまざまな戦略的要素が盛り込まれており、歯応えは申し分なし。序盤は非常に簡単でサクサク進められるが、力押しだけではすぐに勝てなくなるだろう。特に、要所で出現するボスは非常に手強く、けっこう苦戦させられた。どこで「ブレイブ&デフォルト」を使うか、どのアビリティでどの敵を狙うかなど、タクティカルなバトルを存分に満喫できる。
キャラクターの入手方法も紹介しておこう。「錬金の街ブラス」には、異世界からやって来た来訪者たちが集まっている広場があり、おなじみのキャラクターたちと会話をしたり、プレゼントを贈ったりすることが可能になっている。コミュニケーションを取ったキャラクターは友好度がアップ。最大値になると仲間になってくれるという仕組みだ。また、仲間になったキャラと会話することで、さまざまなプレゼントをゲットできる。
会話とプレゼントは1日1回に限定されており、友好度をフルにするのはけっこう大変。これらの手間を省きたい場合は、エリン商店という店でゲーム内通貨のミスリルを支払って直接雇用すればいい。特にうれしいのがガチャ方式ではなく、好きなキャラクターを自由に選べること。そのため、スマホゲームにありがちなキャラクター集めの負担とストレスはほとんど感じずに済むのだ。また、現時点での雑感だが、能力差もあまりないようで、どのキャラクターでも一定以上の活躍が期待できる。
キャラクターたちの強化・育成要素も充実している。特に重要になるのが武器、防具、アクセサリといった装備類で、これらは戦闘やガチャなどで入手できる。装備は工房でのパワーアップが可能になっていて、装備品のレベルをアップする「強化」、同じ装備品を組み合わせてランクを上昇させる「覚醒」、レアリティを上げる「精錬」などを実行することで、より強力な装備に改造することができる。攻撃力重視で武器を集中的に強化するもよし、ディフェンス重視で防具を強化してもよし。プレイヤーのスタイルに合った、さまざまなパワーアップをはかることができる。
もちろん、キャラクターのレベルも重要で、経験値は「EXPポーション」というアイテムでも獲得可能になっている。キャラクターの能力も強化可能で、ゲームを進めると入手できる「教本」というアイテムを使用することでアビリティの能力がアップ。さらに、「石板」というアイテムでレベルが上限に達したキャラクターをもっとレベルアップしたり、クエストで獲得できる「JP」を使って「サポートアビリティ」を習得したりと、いろいろな方法でキャラクターを育てられるのだ。
「EXPポーション」、「石板」、「教本」といったキャラクターを成長させるアイテムを入手できる専用の強化クエストも用意されている。キャラクターたちの強化を進めたいときは、これらのクエストも利用するといい。また、キャラクターを送り出して一定時間が経過すると経験値やアイテムが手に入る「遠征」なども利用可能になっている。
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装備品はレアリティごとにレベルの上限が決まっており、 最高レベルまで上げたら、それ以上強化することはできない。 |
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攻撃力や防御力を上げる、特定の種族に与えるダメージを増加するなど、 さまざまなサポートアビリティをセットできる。 |
他のプレイヤーと協力する「チーム」についても簡単に触れておこう。メインストーリーを進めると、チームを創設してメンバーを集める、誰かのチームに加入するといったことができるようになる。チームはメンバー同士で協力することでチームレベルがアップ。より強力なレイドボスと戦うチームレイドに挑戦できるようになる。もちろん、チャットでの交流なども楽しめるようになっている。
また、最深部を目指して各階の敵を倒していく「ブラス地下遺跡」などのやり込みコンテンツも用意されている。定期的なイベントの開催なども行われるようなので、こちらも期待したいところだ。
スマホならではの手軽さと「ブレイブリー」シリーズならではの奥の深さをあわせ持つ「ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ」。「ブレイブリー」のファンはもちろん、コマンドRPGが好きという人もぜひプレイしてみてほしい。