KONAMIから2月10日に配信されたNintendo Switch版「GetsuFumaDen: Undying Moon」のレビューをお届けする。なお、2021年5月14日に早期アクセス版のレビューも行っているので、気になる人はそちらもチェックしてもらいたい。
1987年にファミリーコンピュータ向けに発売された「月風魔伝」の世界観をベースとした本作。「月風魔伝」はアクションRPGだが、本作は探索要素のある“ローグヴァニア2Dアクション”に。挑戦と失敗を繰り返して遊ぶ作品になっている。
敵に負けるとやり直しとなるが、一部の強化は引き継ぐことが可能。また、プレイヤー自身のスキルも上昇していくため、何度も同じ敵と戦っていると危険な動きや安全な間合いが分かってくる。そのため、ふたつの意味で自分が強くなっていくことを実感するのが楽しい。とくにどこでもプレイできるNintendo Switchは本作との相性がとてもよく、止め時を失ってしまう。
戦いでは回避が重要に。敵の攻撃にはスキがあるのでそのタイミングを見極めて回避を行い、背後から攻撃するのがセオリーとなる。
敵が攻撃をしようとした瞬間にこちらの攻撃を当てると“閃”と表示される攻撃が発動。大ダメージを与えることができ、敵の攻撃もキャンセルできるので気持ちがいい。また、敵に攻撃を当て続けると、“崩”を起こすことができ、この状態で通常攻撃を当てれば“殺”に。“殺”はザコなら一撃で仕留めることができ、ボスなら大ダメージを与えられる。
武器は主武器と副装備をふたつずつ装備することができる。主武器の操作感はかなり異なるので、場合によってはレア度は高いが使い慣れていない武器とレア度が低いが使い慣れた武器のどちらを使うかといった選択も迫られる。
副装備は弓矢や火縄銃といった遠距離攻撃が可能なもので、安全にダメージを与えることができる。ただし、クールタイムが存在するため、万能というわけではないので注意。
ゲームはステージで区切られた地獄を進んでいくことに。各ステージの最後に待ち構えている鳥居の先のボスを倒すことで次のステージへと進むことが可能だ。なお、ステージをクリアしたあとは次のステージへ進むか拠点に帰還するかを選択できる。ステージの途中でやられると入手したものは無くしてしまうが、帰還すれば持ち帰ることができる。一気に進んでいくか、安全に戦力を強化するかは悩むポイントになっている。
ステージの地形はランダムで生成されるため、敵や宝箱、手に入る武具は毎回変化する。そのため、同じステージでも攻略方法は変わってくるのでいつでも新鮮に楽しめる。
ステージの途中にはショップもあり、金子(お金)を使って買い物をすることができる。3種類のアイテムがランダムで配置されているので欲しいアイテムを購入するといいだろう。また、店員に話しかけることで所持している武器の段位を上げることが可能。金子と“魂の記憶”が必要だが段位を上げると攻撃力がアップして攻略がラクになるのでオススメだ。ショップは便利なので見つけたら必ず活用しよう。
また、拠点では武器ごとのスキルツリーを開放していく“技能開放”と、そのスキルを有効化する“活性化”、主人公自身を強化する“鍛錬”や回復薬の上限を増やす“秘伝”も行うことができる。強化には素材が必要なので一気に強くすることはできないが、少しずつ強くしていく楽しみがある。
Nintendo Switch版にはアーリーアクセス期間に追加された初心者用の難度“修練者”もバッチリ搭載。こちらは出現する敵の種類が減り、金子も3倍手に入るので気軽に遊ぶことが出来る。
アーリーアクセス版が登場した当時は歯ごたえのある難度が話題になった本作であるが、現在は遊びやすい難度も取り入れられているので当時はくじけてしまった人も再トライしてもらいたい。
なお、早期アクセス版のレビューで日本画をモチーフにした和のグラフィックの素晴らしさについて書いたが、プレイした感覚ではNintendo Switch版の画質も遜色なく感じた。TVモードと携帯モードの両方でプレイしたが違和感なくのめり込め、操作に関しても問題なく楽しめた。
アーリーアクセス版の難度はそのままに楽しめるだけでなく、より快適に、より開口の広い作品になっているので、ぜひ多くの人に楽しんでもらいたい作品だ。
ちなみに、本作のデジタルデラックスエディションにはデジタルアートブックとミニサントラも収録されており、本作の独特な世界を堪能できる。
さらにデジタルデラックスエディションであればファミコン版の「月風魔伝」もプレイ可能。洞窟や城などステージのバリエーションが多く、敵も多種多様。飽きずにプレイできる。
長い鞭を使う骸骨の“死門”や、くるくると回りながら下に落ちていくシュールな落下死など、シュールな面白さもあるので遊んでみてもらいたい。「魂斗羅」や「グラディウスII」の名曲も手掛けている前沢秀憲さんの曲も素晴らしいものばかりなので必聴だ。