トイロジックとSkybound Gamesより、2022年内中に発売予定のPS4/Nintendo Switch/Steam向け4人協力のアクションシューティングゲームの「グリッチバスターズ:スタックオンユー」。リリースに先駆けて、本作のメディア向けハンズオン体験会が開催された。
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ゲームの舞台となるのは、ウィルスに汚染されてしまったインターネットの世界。それを撃退するグリッチバスターズとして、街に繰り出し敵を倒していくといった内容の作品となっている。ものすごく簡単にいうと、4人のプレイヤーが集まりわいわいガヤガヤいいながら楽しむパーティゲームといった感じだ。
今回のメディア向け体験会では、その中からふたつのゲームモードを20分ほど体験。その後、本作のプロデューサーであるトイロジックの西井良哉氏にインタビューを実施した。インタビューに関してはゲームの要素にかかわる質問がほとんどであるため、こちらではゲーム内容を紹介しつつ、そちらから得られた情報も合わせてご紹介していく。
人気イラストレーターのしりもと氏がキャラクターやゲームのコンセプトアートを担当!
「グリッチバスターズ:スタックオンユー」では、大きく分けて3つのゲームモードが用意されている。メインともいえるのが物語を楽しんでいく「ストーリー」モード。そのほか、「パトロール」と「シミュレーター」と呼ばれるモードがある。「シミュレーター」モードでは、ユーザーが難易度やステージ、登場する敵の種類や武器など細かくカスタマイズして遊ぶことができる。
今回最初に体験したのは、その中から「ストーリー」モードのチューブシティと呼ばれるステージだ。ゲーム開始前にいるルームから、立った状態で乗るゴーカートのようなものに全員が乗り込むと、ステージに移動してゲームが開始される。
ちなみにグリッチバスターズの「グリッチ」とは、ゲームのバグを悪用したプレイなどで使われることが多い言葉だ。ここでは単純に、バグがモンスターのような姿で現れたと思ってもいいだろう。つまり、「ゴーストバスターズ」的なノリで、モンスターを倒しながらステージを進んでいくといった感じである。そうしたこともあってか、ゲーム内に流れている音楽も、かなりファンキーで気分も盛り上がってくる。
最初にゲームの映像を見たときに、海外で作られたゲームなのかな? と思ったほど、洋ゲーテイストに溢れているが、実はそうではない。本作に登場するキャラクターのデザインやステージなどのコンセプトアートを担当しているのは、日本のイラストレーターであるしりもと氏である。ゲームを見た人が、らくがき感覚で描けるようなシンプルな絵にしたいということからいろいろと探していたところ、本作のディレクターがしりもと氏のファンだったことから依頼することになったのだという。
また、ディレクターはアメリカのカトゥーンのファンということもあり、そちらのテイストも盛り込まれている。それ以外にも、老若男女年齢を問わず遊べることも考慮されているほか、日本国内だけではなく全世界で発売したいという考えから、このようなテイストの作品になったようだ。
足りないプレイヤーはAIが担当!画面分割にも対応したマルチプレイが楽しめる
「グリッチバスターズ:スタックオンユー」では、ひとりから最大4人まで同時プレイすることができる。人数が足りない部分はAIが担当するため、どの場合でもゲーム内に登場するプレイヤーは4人で始まる。この組みあわせもいろいろと工夫がされており、たとえばひとつのテレビを画面分割で見ながら4人同時に遊ぶことも可能だ。
また、ふたりはオフラインの画面分割でプレイし、残りのふたりはオンラインで参加といったパターンにも対応している。ゲーム内容は基本的にどのプラットフォームでも同じだが、Switchのみ本体を持ち寄って一緒に遊ぶこともできる。
ゲームの操作は至ってシンプルだ。左スティックを使ってキャラクターを移動し、右スティックで視点の変更ができる。持っている銃で弾を撃つときは右トリガーを使い、Aボタン(ボタン名は機種によって異なる)でジャンプといった感じだ。最初は単純に出てくるモンスターを銃で倒していくのだが、それだけではなくステージの先に進んでいくためには様々な仕掛けをクリアしていく必要がある。
そこで注目して欲しいのが、プレイヤーが操るキャラクターたちだ。頭は顔文字がモチーフになっているのだが、体部分は磁石になっている。それを利用して、壁に鉄板があるところではそのまま歩いて登っていくことができる。また、磁力を利用して、近くにいる他のプレイヤーのキャラクターに引っぱられるように移動することもできる。ステージの途中では弾で撃っても倒せない敵が出てくるのだが、そのときはこの磁力で引っぱられることを利用して、敵に当たって倒すといった使い方ができるというわけだ。
もうひとつ、プレイヤーたちが操るキャラクターの特徴に、縦に重なるように合体することができるというものがある。キャラクターが重なっているときは、下にいるプレイヤーが移動の操作を行う。上に乗っているプレイヤーは操作する必要は無く、視点移動でいろいろなところを見回すことができるといった感じだ。
さらに上に乗っているプレイヤーは左トリガーを押すことで、上に伸びることができる。これを利用して、ひとりでは行けない場所に移動することができるようになるのだ。
オンラインプレイが大好きな人にとって気になる部分は、マッチングシステムはどうなっているのかといった部分だろう。その点について西井プロデューサーにお聞きしたところ、フレンドを招待して遊ぶほか、パブリックなマッチングも用意されているという。ちなみに他機種同士のクロスプレイには、残念ながら対応していない。
パブリックのマッチングでは、部屋のリストが並んでおり、そこにどのステージでどのモードなのか見られるようなっている。プレイヤーはそこから、目的のものを選んで参加することができる。もちろん全員が全員マナーのいいプレイヤーばかりとは限らない。そうしたときに対処できる機能も、ゲーム内に用意されているそうだ。
協力プレイかはたまた邪魔しあう!?初見プレイではハチャメチャ感が楽しい
「ストーリー」モードでは、一定以上進むと何かしらのギミックを解除して先に進んでいく仕組みになっている。たとえばUFOの真下に行くと上に登ることができ、さらにそこで磁力で軸を回転させて上に上げ、次のポイントに移動していくといった感じだ。
今回遊んだバージョンでは、次にどこにいくのか明確な指示はゲーム中に表示されていなかった。そのため迷って違うところに行ってしまいがちだが、参加者がメディアの関係者ばかりである程度ゲームリテラシーが高い人たちばかりであったため、比較的サクサク進んでいった印象だ。
しかし、不慣れた人たちが集まった場合でも、ちょっとしたコミュニケーションができるような機能も用意されている。たとえば、チェックポイントで全員がいないと先に進まないところでは、「あつまれ」と全員に呼びかけることもできる。たとえひとりだけ離れたところに行ってしまっても、最悪の場合リスポーン機能も用意されており、一番近い仲間のところにワープすることも可能だ。
この協力プレイだが、必ずしも意図したようにうまくいかないこともあり、ヘタしたら仲間の邪魔になってしまう場合もある。だが、それがゲームプレイ中のカオス感を生み出しており、特に知り合い同士でプレイするときはかなり盛り上がりそうだ。
ちょっと古めのゲームでたとえなら、本来協力してプレイするはずの「マリオブラザーズ」で、なぜかお互いに邪魔ばかりして遊んでしまうといったようなノリに近いのかもしれない。特に初見でプレイするときは、ギミックの種類もわからずどこにいけばいいのかもわからない。ときにはかなり高所から移動しなくてはいけない場面もあり、ゲームとしてはかなりドキドキする仕掛けも満載となっているのだ。
最初にプレイした「ストーリー」は、道中に登場する敵やステージの構成、ギミックなど思っていた以上に豊富な要素が詰め込まれており、1プレイで17分ほど掛かった。最後にはラスボスが現れ、それを倒すことでクリアとなる。クリア後は、ゲーム中に獲得した様々なポイントが表示され、最後に優秀なプレイヤーが選ばれるといった流れだ。
それとは別に、もうひとつ体験したのが強制横スクロールのステージだ。こちらはステージ中を移動するといった要素はないが、ジャンプや左トリガーで体を伸ばしたり弾を撃っていったりしながら、クリアを目指していく。
これが初見ではかなり難しく、下のキャラクターが無駄な動きをすると一番上のいるキャラクターが頭をぶつけてダメージを受けてしまう。そうした中で、どんどん前から壁などが迫ってくるので、位置を調整しながらプレイしていく必要があり、仲間との連携がかなり重要となってくる。
また、今回の体験会ではプレイしていないが、「奥ステージ」と呼ばれるものもゲームには登場する。こちらは、奥から壁が迫ってくる仕掛けになっており、特定の穴が開けられている。そこにうまく当てはまらないとダメージを受けてしまうのだが、先に他のプレイヤーが入ってしまったときは、他の穴に行く必要がある。縦長の穴も登場し、こちらは全員が協力して縦に合体することで通り抜けられるようになっている。
ステージによっては得意不得意などが出てきそうだが、いずれにせよみんなでワチャワチャしながら遊ぶと盛り上がりそうなものばかりとなっている。
アンロックでキャラクターのカスタマイズも可能に
ステージ中、スコアと呼ばれるコインのようなアイテムを拾うことができる。こちらは集めていくことで、ゲーム中に登場するショップで武器などにアイテムにすることができるほか、獲得したスコアに応じてゲームクリア後に星がもらえるようになっている。この星を利用して、様々な要素をアンロックしていく事ができるのだ。
たとえばキャラクターのカスタマイズ要素としては、絵文字ベースの顔を怒っているものや笑っているものなどに変更することができる。また、顔と足の色などのデザインもカスタマイズすること可能だ。それ以外にも、帽子やサングラスなどのアクセサリーもアンロックして入手することができる。
ちなみに「ストーリー」モードは全部で8時間ほどのボリュームとなっているが、それだけではすべて要素をアンロックすることはできない。そのため、他のモード遊ぶなどやり込んでいく必要がある。また現時点では未定だが、リリース後は様々な追加要素も検討しているということなので、さらにアンロックでカスタマイズ出来る項目も増えていくかもしれない。
協力ゲームを作りたいというところから開発がスタート
この「グリッチバスターズ:スタックオンユー」は、協力ゲームを作りたいというところからスタートしている。協力してプレイするゲームはほかにもいろいろあるが、遊んでいるうちに仲間とはぐれてしまいがちだ。そうしたときに、単純に自分たちの居場所を教えてあげるだけではなく、直接的に合流することはできないかと考え、生まれたのが磁石ならば駆けつけることが出来るというアイデアだった。また、たくさん敵が出てきて倒せるようなゲームにしたいというところから、4人で協力して遊べるようにしている。
開発の初期は2~3人で行っており、協力プレイという要素は決まっていたものの、そうした遊びを同実現していくのか悩んだという。初期のアイデアではお互いにゴムが付いた状態になっており、くっついたり離れたりといったスタイルを考えていた。そこから現在の、プレイヤー同士が磁石で駆けつけられるようなものになるまでの試行錯誤に一番時間が掛かったそうだ。
というわけで最後に西井プロデューサーから、本作の発売を楽しみに待っているユーザーに向けて「『グリッチバスターズ:スタックオンユー』は、みんなでわいわい楽しめる内容です。登場するキャラクターも可愛いので、それを愛でながら友達や家族と一緒に遊んでもらいたいです」というメッセージが語られた。
オンラインでの協力プレイはもちろんのこと、昔ながらのスタイルでひとつの家に集まり、友達や家族と一緒にわいわいガヤガヤ言いながら遊ぶのには最適なゲームだ。パーティゲームで面白い作品がないかお探しなら、ぜひ本作もプレイしてみてほしい。