ネクソンがPS4/Xbox One/PC(Steam)/iOS/Android向けに2022年内リリース予定のレースゲーム「カートライダー ドリフト」。8月28日(木)に開催された本作の日本リリース決定発表会・先行体験会の模様をお届けする。
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「カートライダー ドリフト」は2004年にサービスを開始した「カートライダー」の後継作。基本プレイ無料タイトルでありながら、Unreal Engine 4の採用により実現した美しいグラフィックで、最大8人による白熱のオンライン対戦を楽しむことができる。
登壇したネクソン事業本部事業室室長・望月雄介氏によると、「カートライダー」シリーズは全世界に3億8000万ものユーザーがいて、とくに開発会社・ニトロスタジオのある韓国では、人口の半数以上がプレイしている国民的ゲームなのだという。
そんなシリーズの新作が日本でもリリースされるということで、現時点では海外での認知度と日本国内のそれには大きな差があるように思う。発表会はそんな「カートライダー」を知らない日本のゲームファンにも本作の魅力がよく分かるプログラムとなっていたので、今回はじめて「カートライダー」を知った方も、ぜひ最後まで読んでいってほしい。
「カートライダー ドリフト」4つの魅力と“Pay to Win”ではない課金モデル
「カートライダー ドリフト」の魅力は、大きく分けると以下の4つになるという。順番に詳しく書いていこう。
・クロスプラットフォーム
・キャラクター&カートのカスタマイズ
・多彩なコンテンツ
・大会
本作のオンライン対戦はすべての対応プラットフォームでクロスプレイできる。世界中のプレイヤーと、国や地域はもちろんのこと、使用しているハードの壁もなく、レースを楽しめるのだ。さらにクロスセーブにも対応。外出時はスマホで遊んで、家に帰ったら家庭用ゲーム機やPCで続きを遊ぶといったこともできるようだ。
オンラインでたくさんの人と一緒に楽しむならば“個性の主張”をしたいもの……ということで、プレイを続けていく中で、多彩なキャラクターやカートが使えるようになり、その組み合わせは自由自在。カートは色の組み合わせを変更したり、オリジナルのステッカーを作って好きなところに貼り付けることもできる。
発表会では運営ディレクターの阿部寿頼氏が壇上でゲームをプレイし、カートのカスタマイズを実演して見せてくれた。プレイヤーが施したカスタマイズはひとつひとつ保存できるので、複数あるお気に入りのカスタマイズの中から、その日の気分に合ったものを選ぶといった楽しみ方もできるそうだ。
なお、キャラクターやカスタマイズの選択項目などは、ほとんどがプレイを続けていけばアンロックされていくとのこと。壇上でのプレイでは、ユニークな特殊カラーも数多く用意されていることが確認できた。
ゲームモードも充実している。目玉となっている最大8人によるオンラインマルチプレイは、コース上に配置されているアイテムを拾って使えばライバルを邪魔したりできる「アイテム戦」と、アイテムが登場せず、より実力勝負となる「スピード戦」の2つのモードが存在。また、対人戦だけでなく自分以外をすべてCPUにして遊ぶこともできる模様だ。
一方のソロプレイでは、タイムアタックでストイックに腕前を追求するのもやりがいがありそう。「ライセンス」はアイテムの使い方やゲーム知識、テクニックなどが学べるモードで、初心者はこちらをプレイすれば上達方法が自然と身につきそうだ。「レーシングパス」や「チャレンジ」のモードも、ゲームを長くプレイするモチベーションになってくれるだろう。
最後に大会についてだが、誰もが気軽に参加できる「カジュアル大会」や中・上級者向けの「マスター大会」を計画しているほか、より多くの人にアピールできるような特殊な大会「イベント大会」も開催したいとのこと。「イベント大会」はYouTuberやインフルエンサーなどを起用するような企画も検討中。これを切っ掛けにユーザー人口が増えてオンラインが盛り上がれば、既存ユーザーにとっても嬉しいイベントになりそうだ。
こうした紹介の中で、阿部氏は本作がいわゆる“Pay to Win”(より多く課金したユーザーが勝利しやすいようなゲームデザインのこと)にはならないと強調。課金要素の詳細はまだ明かされていないが、前述のカスタマイズに関わる部分といった、レースゲームとしてのバランスとは無関係な部分に絞られることが予想できる。
レースでは「スピード戦」「アイテム戦」で異なる楽しさが味わえる
ここからは、発表会のあとに行った先行体験会での感触も交えて、レース部分のゲーム性についてご紹介していこう。先行体験会は時間を区切って「スピード戦」、「アイテム戦」の順番で行われた。
いずれにも共通する操作性については、シンプルで爽快。ドリフトの滑る挙動に慣れるには少しコツが必要だったが、マスターすれば軽快にカーブを曲がることができそうな印象。壁にぶつかったときの減速がそこまで大きなものになっておらず、“跳ねる”ような挙動でレースに復帰しやすいあたりは、まだゲームに不慣れなプレイヤーでもストレスを感じづらいポイントだろう。幅広い腕前のプレイヤーが猛スピードで駆け抜ける爽快感を楽しめるゲームになっていると言えそうだ。
また、スマホ版の仮想パッドでの操作性もかなりいい感じ。こちらではスタート時のダッシュのみタイミングよく画面をタップする必要があるが、それ以降は何も操作をせずともカートが加速。プレイヤーは基本的にカーブ時の左右への方向転換とドリフト、それからアイテムの使用時の操作に集中すればいい。常時押しっぱなしにしなければならないボタンが無いことで、家庭用ゲーム機/PC版でのコントローラー操作と比べても煩わしさをほとんど感じず楽しめた。これはぜひ一度体験してみてもらいたい。
「スピード戦」はドリフトを如何に使いこなすかが勝利のカギ。このモードでは走り続けていると画面中央下に表示される“ブースト”のゲージが溜まるのだが、ドリフトを使うとこのゲージがより早く貯まる。ゲージが満タンになると使用できるブーストでカートはスピードアップするので、これが勝敗の分かれ目となるのだ。
もちろん無茶をしてカーブで失敗したり、ブーストが制御し切れず壁に突っ込んだりしたらタイムロスになるので、ブーストゲージを貯めればいいというものでもない。しかし、上手くなればストレートでもあえてドリフトでゲージを貯めながら走るといった芸当も可能ということで、極めがいがありそうだ。
「アイテム戦」は下位の人ほど強力な妨害アイテムが手に入りやすい調整となっていて、多少腕前に差があっても最後までどちらが勝つか分からないレースが楽しめた。一方、1位になると手に入りやすいアイテムは“シールド”で、ライバルの攻撃タイミングを読んで使用すれば、妨害から身を守ることができる。これによる攻防がなかなか熱く、「上手い人が損をしている」ような感覚にはなりづらいあたりが絶妙だ。
今回のプレイは会場内のみでのマッチングだったこともあり、最大でも3人でのレースしか体験できなかったが、8人対戦時の「アイテム戦」は、さらにド派手にアイテムが飛び交い、順位がコロコロと入れ替わるようなレースになるだろう。パーティーゲーム感覚に近い、気軽かつ賑やかに遊べるモードだと言えそうだ。
コースの種類も豊富。今回のプレイでは見つけられなかったが、ショートカットできるポイントが設けられたコースもあるとのこと。これを見つける楽しさ、そしてレース時に利用することでライバルを出し抜く楽しさもあり、ここまでの作り込みで基本プレイ無料なのは、なかなか凄いことだと思う。
基本無料・マルチプラットフォームによる“遊ぶハードルの低さ”で日本でもヒットなるか?
ネクソンのマーケティング室室長・河本清翔氏によると、「カートライダー ドリフト」の強みは以下の3つだという。
・オンラインゲームであること
・誰でもどんなデバイスでも遊ぶことができること
・そこで自己表現ができること
基本プレイ無料、さらにマルチプラットフォームのクロスプレイ対応レースゲームということで、グラフィックはリッチ、奥深いゲーム性を備えていながら遊ぶためのハードルが低い本作は、日本でも大きなヒットとなるかもしれない。
発表会同日より事前登録もスタートしているので、気になっている人はぜひ登録方法を確認してほしい。また、リリース前にクロスプラットフォームでの大規模テストプレイも予定されている。こちらの詳細は近日中に案内があるとのことなので、公式Twitterを要チェックだ。