KONAMIは、「桃太郎電鉄」を教育分野で活用する取り組みとして、2023年よりブラウザ版「桃太郎電鉄 教育版 Lite ~日本っておもしろい!~」を無償で学校教育機関へ提供すると明らかにした。
「桃太郎電鉄」は、1988年の第1作発売以来、30年以上にわたり幅広い世代に楽しまれているボードゲームシリーズ。プレイヤーが鉄道会社の社長となり日本全国を巡って物件を買い集めて資産額日本一を目指すというゲーム性が、地理や経済に興味を持つきっかけになったという声が数多く寄せられてきたという。
今回、こうした声に応え、学校などの授業で活用できるよう、WEBブラウザやタブレットなどでプレイ可能な「桃太郎電鉄 教育版」の制作を進めているとのこと。また本作は、できるかぎり多くの教育機関が導入できるよう、無償での提供が予定されている。
今回の発表にあわせて、教育機関での使用を想定した短時間でのプレイ設定や攻撃カード、貧乏神といったトラブル要素を排除したゲームバランスなどの特徴が紹介されている。なお、貧乏神が出ないのはシリーズ第1作以来、約35年ぶりとのことだ。
また、監修協力の正頭英和先生や原作者であるさくまあきら氏からのコメントのほか、教育関係者からの問い合わせ窓口なども公開されているので、気になる人は、これらの詳細もチェックしてほしい。
以下、発表情報をそのまま掲載しています
「桃太郎電鉄 教育版」の特徴は、以下の通りです。
1.授業にあわせて、対象地域やプレイ時間の設定が可能
通常の「日本全国」の他に、授業のカリキュラムに合わせ、「北海道」から「九州・沖縄」まで7つの地域が選択可能。一般的な授業時間で完了できる短い期間の設定や、対象地域を絞った学習ができます。
2.楽しみながら学べる、地理情報表示機能
駅に止まると、その駅や都道府県の基本情報を表示。さらにマップ上の建物や食べ物などのアイコンに虫メガネを合わせると、実際の建物や特産品、観光地、史跡などの情報を知ることができます。
3.教育現場での活用を想定したゲームバランスの再調整
誰かを指定して攻撃カードを使用する事ができない等、子ども同志のトラブルに発展する可能性のある要素を排除。また、相手のプレイを妨害する「貧乏神」を非搭載とするなど、過度に持ち金(資金)が変動しすぎないように調整されています。
「桃太郎電鉄 教育版」の制作にあたっては、アドバイザーとして、Global Teacher Prize 2019 Top10に選ばれた小学校教諭・正頭英和先生の監修協力を頂いています。
正頭先生コメント
満たされた現代社会において、子どもたちは学びの意欲を維持し続けることが難しくなっています。今の時代に重要なのは「頑張って勉強しよう!」ではなく「いつの間にか学んでいた」という環境を作ることです。エンターテイメントには人の心を惹きつける魅力があります。それを教育(エデュケーション)の世界で活用することは今とても注目を集めています。これを「エデュテイメント(エンターテイメント+エデュケーション)」と言います。「桃太郎電鉄」は、まさにエデュテイメントの先駆けです。「桃太郎電鉄 教育版」を通して子どもたちの「笑顔」と「いつの間にか学んでいた」の総量が増えて、エデュテイメントがもっと浸透していけばいいなと思っています。
また、「桃太郎電鉄」シリーズの原作者である、さくまあきら氏からは、「桃太郎電鉄 教育版」の制作にあたり、以下のコメントが寄せられています。
さくまあきら氏コメント
昔から、「桃鉄」を学校教材にならないかな?と思って、作っていました。今回の「桃太郎電鉄 教育版」の話は長年の夢が叶った気がします。みんなで、地理で満点を取って、先生方を困らせてください。
「桃太郎電鉄 教育版」は、2023年より全国の学校教育機関で導入頂けるよう準備を進めています。本日公開したティザーサイトにお問合せ窓口を開設しておりますので、導入をご検討される教育関係の皆さまは、ぜひお問合せください。