2022年9月15日から9月18日まで幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2022。コーエーテクモゲームスブースで出展されている、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam・Windows)用ソフト「Wo Long: Fallen Dynasty」の試遊レポートをお届けする。
本作の開発を担当するのは、「仁王」シリーズなどの高難易度アクションゲームを多数手がけてきたTeam NINJA。戦国時代の日本が舞台となっていた「仁王」に対し、本作では三国志時代の中国が舞台となる。
「仁王」シリーズと同様に、本作も非常に難易度が高い、いわゆる「死にゲー」と呼ばれるジャンルのタイトルだ。今回試遊できたTGS版でも、油断するとザコ敵相手にも簡単に倒される。ただ、同じ「死にゲー」ではあっても、「仁王」とはゲーム性が大きく異なっているという印象を受けた。
とくに顕著なのが、「仁王」では、スタミナにあたる「気力」と、それを回復する「残心」がバトルの軸となっていたが、本作にはその両方が存在しないという点。変わりに実装されているのが、「氣勢」と呼ばれる要素だ。
氣勢ゲージには、優勢を示す青と劣勢を示すオレンジの2色が存在し、基本的にダメージを与えると青のゲージが増え、反対にダメージを受けるとオレンジのゲージが増えていく。氣勢が減少してオレンジ部分が最大になると、一定時間の間ダウンしてしまう。基本的にはプレイヤーも敵も同じ仕組みで氣勢ゲージを有しているので、敵の氣勢ゲージを意識して攻撃するようにすると、ゲームの難易度が大分変わってくる。
ゲージを削って体勢を崩すという意味合いでは、気力と通じる部分もあるが、本作のバトルで鍵を握りそうなのが、いわゆるパリィ的なシステムである「化勁」。「化勁」は、攻撃にあわせてタイミングよく発動することで、敵の氣勢を大幅に減少させることができる。
パリィというと、使いこなすのが難しそうなイメージを抱くプレイヤーも多いかと思うが、本作ではその場で構えを取るアクションだけではなく、スティックを倒しながら○ボタンを押すと、短距離ステップのような動きと共に化勁を狙えるアクションもある。こちらのアクションなら、タイミングを誤ってもステップの移動で攻撃を回避できることもあり、ある程度発動のリスクが少なめ。
かくいう筆者も、パリィ系のシステムが結構苦手なタイプなのだが、本作の化勁は今回の体験時間内でもある程度なら狙って発動することができた。
ただ、発動には氣勢ゲージを消費するため、敵の攻撃を怖がって化勁を連発していると、敵の攻撃を一発受けただけで行動不能になってしまうことも。タイミング自体はそこまでシビアではない印象だが、無駄に連発するのは大きなリスクとなる。
加えて、本作には「仙術」という、遠距離の敵を炎で攻撃したり、自身にバフをかけることができる、いわゆる魔法的な要素も存在している。この仙術には「仁王」の忍術と異なり回数制限がなく、何回でも使用できるが、化勁と同様に氣勢ゲージを大きく消費する。
この「強力な行動を連発することも可能だが、使えば使うほど被弾時のリスクが上がっていく」というのは、かなり大きな特徴として感じられた点。
これは敵にとっても同じで、敵が強力な攻撃を繰り出したあとは氣勢ゲージを削る絶好の機会が訪れる。敵がダウンした状態で気勢攻撃をあてれば、追い打ちが発生し一気に大ダメージを与えられるので、敵の連続攻撃をなんとかしのぎぎれれば、一度の反撃から一気に形勢が逆転することも。優勢と劣勢が瞬時に入れ替わる緊張感と爽快感を同時に味わえる。
また本作には、士気ランクと呼ばれる要素も存在。これはステージ内限定のレベルのような要素で、敵を倒せば倒すほど士気ランクが上がり、自身の能力が強化されていく。
マップの各地に設定されているポイントに軍旗を掲げると、「不屈ランク」が上がる。敵に倒され、ゲームオーバーになると士気ランクは下がってしまうのだが、不屈ランクを下回らないようになっているので、軍旗を掲げれば掲げるほど高い士気ランクを維持できるようだ。
士気ランクは敵にも設定されており、これである程度敵の強さを判別可能。士気ランクが高く、敵わないと思った敵は一度無視し、他の敵を倒して士気ランクをあげてから挑む……といった攻略法も可能かもしれない。
敵に倒されてゲームオーバーとなった場合は、所持している千氣を半分奪われてしまう。この千氣は、敵を倒すほど累積していく経験値のような要素で、死にゲーとしてはお馴染みのデスペナルティだが、本作の場合は「敵に奪われる」というのがポイント。前回自分を倒した敵を倒せれば、奪われた千氣をすべて取り返せるが、再度倒された場合は奪われていた分の千氣は失われてしまう。
さらに、自分を倒した敵は士気ランクが上がった状態に変化してしまう。一度倒されはしたものの、さほどの強さとは感じていなかったはず敵が、2回目から一気に手強くなったと感じることも。敵を無視して千氣だけを回収し、一旦逃げて体勢を整えるといったことはできないので、奪われた千氣を取り返したいなら頑張ってその敵を倒すしかない。
筆者は、最初こそ「死んでも半分返してくれるなんて優しい」と感じたのだが、「純粋にハードさのベクトルが変わった」というのがしばらくプレイした現在の印象だ。
「仁王」では、一度アムリタを失った後ならペナルティはほぼないため、実質怖いものなしの状態になっていたが、本作は倒されるごとに千氣が半分ずつ減っていくため、「早く倒さないとヤバい」という緊迫感を感じる。「仁王」とはまた違った緊張感の中でプレイすることになりそうだ。
なおゲーム開始時には、「仁王2」と同様にプレイヤーキャラクターを作成することもできた。TGS版では細かいカスタマイズなどは行えなかったものの、見た目の複数のプリセットや攻撃、防御など複数の戦闘スタイルからキャラクターを選択できるようになっていた。
最奥では「人公将軍 張梁」が待ち受けている。攻撃速度こそ早くないものの、非常に長い攻撃のリーチと遠距離攻撃を多様する強敵だ。プレイ時間に制限があり、筆者は少しずつ敵の攻撃タイミングを掴み始めたところでタイムオーバーになってしまったが、腕に自信のある人は是非とも撃破にチャレンジしてほしい。