2022年9月15日から9月18日まで幕張メッセにて開催されていた東京ゲームショウ2022。その会場内で、「龍が如くスタジオ」代表の横山昌義氏と「龍が如く」シリーズチーフプロデューサーの阪本寛之氏へのインタビューを実施した。
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TGS2022の開催直前に行われた「RGG SUMMIT 2022 /龍が如くスタジオ 新作発表会」にて、「龍が如く 維新! 極」「龍が如く8」「名を消した男 龍が如く7 外伝」の3タイトルを発表した龍が如くスタジオ。今回のインタビューでは、2023年2月22日に発売予定の「龍が如く 維新! 極」を中心に、3つの新作タイトルにまつわる多彩な話を聞くことが出来た。
高まる海外需要に対しても、ブレないことが重要
――新しい体制になっての龍が如くスタジオの発表会、そこから久しぶりの一般参加者も招いてのTGSを迎える形となりました。現在の心境はいかがでしょうか。
横山氏:TGS自体もまだ完全にコロナ以前と同じというわけではないのですが、これが一つの新しい形なのかもしれないなとも思っていて。
我々って、戻るのが当たり前だと思っている部分があると思うんですが、この間の発表会も5言語の同時通訳でワールドワイドに向けてやっていて、世界中の人にリーチできるようになっているわけです。売り方や伝え方というのは自然に変わってきていて、我々も気づかない内にそれをやっているんだなと。
TGSもコロナの状況に関係なく、これだけの人が遊びにきてくれていて、自信をもらえた部分もありますし、エンタメの力というのを再認識しましたね。
阪本氏:TGSって日本向けのゲームショウというイメージが強かったんですが、この状況下でも海外のメディアの方々にもたくさん来て頂いていて。実際に触っての感想がリアルタイムに発信されるのを見て、ボーダレス化というのがすごく進んでいることも感じました。
「維新」は、日本独自の要素が強かったり、9年前に出たゲームでもあるのですが、新作と同じように触って評価していただいているというのは、新しい時代になりつつあるなと。
――龍が如くスタジオも、新体制になってしばらく経ったかと思いますが、ご自身の仕事が変化した部分はありますか?
横山氏:ぶっちゃけていうと、あんまりないんですよ(笑)。ただ、実際のところは変わってると思うんです。
それを感じないというのはどういうことかというと、変化というのは日常的に慣れていくものなので、「昨日の新しいは今日の普通」で、明日になれば古くなるんです。例えば野球選手で誰かが引退しても、すぐ別の誰かがポジションにつくわけじゃないですか。そういう風に一瞬で慣れていくものなので、変化を感じる間もなく慣れたというのが正しいかもしれないですね。
たぶん実際に箇条書きとかにしてみたら、結構変わってるとは思います。
阪本氏:スタジオの新体制の話ではないですが、コロナが始まった頃の、ものの作り方とか働き方の変化も経由した上で今に至っていますから。
横山氏:実際、今もリモートと出社のハイブリッドで作っていますしね。それでも作れるんだということも分かり、馴染んできたような感覚があります。
――リメイクする作品の中でも、いくつか候補があったのではないかと思うのですが、その中で「維新」を選んだのにはどういった理由があったのでしょうか?
横山氏:そもそも、他の候補というのはなかったですね。
というのも、僕らはリメイクするタイトルを探して何かをやっているわけではないんですよ。維新は海外で未発売だったので、「維新を出して欲しい」ということをすごく言われていて、以前からいつかはやらないといけないと思っていたんです。そのタイミングを見計らっていた形ですね。
――次の「極」の対象に選んだということではなく、あくまで「維新」を求められたから作ることになったと。
横山氏:そもそも「極」というのも、日本向けに後からつけた屋号ですからね。今回もあくまでも「Like a Dragon Ishin!」(海外版の名称)をちゃんと作るというのが一番重要でした。それもただのリメイクじゃなく、とくにチュートリアル部分は一から作り直しています。
というのも、元々の「維新」はシリーズファン向けという側面が強かったのもあり、ヒートアクションとかのシリーズのお約束要素の説明を結構省略していて、「シリーズのファンにとってはよく分かる」というチュートリアル構造になっていたんです。リメイク作業もそこからスタートしたと言ってもいいくらいで、チュートリアルにはかなり改修を加えています。
――ナンバリングと違ってストーリー的な繋がりがないので、シリーズ未経験者の入門作品としても向いている一方で、歴代のシリーズキャラクターが登場するファン向けの要素も混ざっているのが複雑なところですよね。
横山氏:とくに日本においてはそうなります。ただ、これがワールドワイドだと、今まで「龍が如く」を一切やったことがない人がプレイすることになるんですが、それでいいんですよ。それで通用するものにしないといけないというのが、作業的に一番気を使っている部分かもしれないですね。
――やはり「龍が如く」シリーズとしても海外市場の割合というのは高まっているのでしょうか。
横山氏:高まってますね。だいたいもう7割くらいは海外になっています。
阪本氏:昔は日本のスタジオが作った日本のゲームって、基本的に海外の一部の人たちが遊ぶものだったんです。そこからゲームに限らず、各国の面白いエンターテイメントを楽しむ時代に切り替わってきていますよね。
きっかけになったのは「0」で、しっかりとローカライズしたこともあって高い評価をしていただいて、「7」もめちゃくちゃ海外で売れました。もう日本だけのタイトルではなくなっていますね。
――「龍が如く」って、いわゆる日本人にしか分からないネタとか要素も多いですよね。
横山氏:それはそのままでいいんですよ。昔の自分たちが間違っていたのは、それを変えないといけないと思い込んでいたところで。それが間違っていたと気付かされたのが、この5、6年でした。
海外のファンだけではなく、北米のチームからも「海外の売上が上がっても、君たちは変わらないでくれ」と何度も言われていて。ローカライズはもちろんしっかりとやる必要がありますが、海外受けを狙って外国人キャラクターを増やしたり、海外向けのギャグを入れるとか、作品の中身を変えるようなことはやらないでくれと。
今はドラマでも「イカゲーム」とかがすごい人気ですけど、あれは最初から海外向けを強く意識していたかというと、おそらくそんなこともないですよね。ゲームならレビューで購入を決める人も多いですし、今は面白いものを作れば、正しく評価される時代になりつつあると思います。
ただ、ある意味クリエイターにとっては厳しい時代でもあると思います。それっぽいものが売れなくなって、本物しか残らない時代がきているなと。
――ユーザー側の感覚としてもわかります。とくに発売日近辺には、本当に自分が興味のあるタイトルしか買わなくなっているというか。
横山氏:昔はプロモーションの力ってすごくあったんですが、今は全然効かないんですよ。その分、発売した時に売れなかったとしても、出来がよければ長く売れるようになりましたし、作品の評価軸も長期的になってきていると感じています。
――昨今のゲーム業界は、世界市場を意識して表現方法を変えることも珍しくないかと思います。その風潮の中でも「龍が如く」シリーズは、題材であったりお色気要素であったり、昔からの要素がしっかりと残っていて、独自の道を進まれている印象を受けました。
横山氏:もし欧米に何か言われたとしても、そこは変えちゃいけない部分だと思っています。
例えば、「タバコのポイ捨ては止めた方がいい」という前提があるとしますよね。普通はそこから、タバコのポイ捨てをする描写は入れない方がいいという話になると思うんですが、「龍が如く」の場合、「タバコのポイ捨てをするキャラクター」を描いているんですよ。タバコのポイ捨てをしないまっとうな人は、そもそもゲームに出てこないわけです(笑)。
一同:(爆笑)。
横山氏:大吾とかがタバコを吸ったあと、携帯灰皿とかできちんと火を消していたらイヤですよね。「龍が如く」に関しては、メインの登場人物たちも基本的に駄目な人間として描いているので、いい人にしないといけないという縛りは一切ないんですよ。そういう意味では、世の中の流れに対しては逆向しているのかもしれませんが、ブレてはいけない部分だとも思っています。
――「龍が如く」シリーズも世界同時発売が当たり前になりつつありますが、対応しないといけない言語数も増えていると思います。龍が如くスタジオの開発ペースの早さを考えると、大きな負担になりそうな印象があるのですが、どのように対策されているのでしょうか。
阪本氏:正直、世界同時発売する以上は、ローカライズに必要なパワーは前よりも上がっているのは確かです。昔は日本版をとりあえず作って、一年後くらいにローカライズして発売するという流れをやっていたのですが、今は翻訳やローカライズを開発と同時並行で作れるフローを確立させて、そこでいかに圧縮できるかという積み上げを進めている段階ですね。
横山氏:開発スピードが早いというのは、そう見えているだけだと思います。実際のところナンバリングタイトルについては、4、5年の間隔が開くようになっていますし、その間にある資産を使って別のことを進めているところがあるので。この前の発表でも、「7」の外伝まで出せることを驚かれたのですが、スタジオとしてはあまり無理をしている感覚はないんです。
「維新」の場合はちょっと別で、普段の「龍が如く」が和食料理屋とするなら、あれはフレンチの店で、使う食材とかも全然違っているんです。だからかかる労力も大きいのですが、「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶(以下、ロストジャッジメント)」等も含め、僕らが普段作っているタイトルは、同じ食材を使って作っている面があって、作り方に少しの工夫を加えて、別の料理として提供しているんですね。
その回し方に慣れているというのが大きいと思います。忙しい飯屋をずっと続けてきたおかげかもしれないですね(笑)。
――極限までの効率化がされているということでしょうか。
横山氏:効率化というよりは、それを大変だと思うかの考え方の問題だと思っています。例えばトンカツとかつ重で2品用意するのって、そんなに大変そうじゃないじゃないですか。それで2品分用意できてすごいと言われているような感覚に近くて。そこはものの考え方一つで、なんとかできるんじゃないかと思っている部分はありますね。
ただまぁ、このインタビューを読んだ開発チームからは「何言ってんだ!」と怒られるような気もします(笑)。
阪本氏:「そんな使いまわしてねぇよ!」ってね(笑)。
横山氏:食材があったとしても、別に一品作るのは実際には大変だとは思うんですけど、大変そうに感じさせない雰囲気がチーム内にありますね。できるかを聞いた時の返事も早くて、結構あっさりできると帰ってくるので、そこはウチのチームの強みと言えるのかもしれません。
阪本氏:もし外注に開発を依頼する形だったら、ここまでうまく回ってなかったと思います。
横山氏:内製ならではの強みというか、母ちゃんにお願いしているような感覚かもしれないですね(笑)。
リメイク版「維新」ではゲームエンジンが変更。隊士スキルの実装は9年前からの悲願
――「維新」について、試遊台の方で少しプレイさせていただたのですが、とくにインパクトがあったのはフィールドで、オリジナル版から印象がガラリと変わりました。
横山氏:おそらく、それはゲームエンジンをUnreal Engine4(UE4)に変えた影響が一番大きいと思います。実は「維新」ってドラゴンエンジンができる前の作品なので、ドラゴンエンジンですらないんですよ。ただし、「7外伝」と「8」に関してはこれまで通りドラゴンエンジンを使っています。
これはなぜかというと、夜の繁華街のネオン光のような表現に関しては、現状はドラゴンエンジンの方が優秀なんです。一方で、以前からUEの研究も進めていて、自然光の表現に関してはUEの方が優秀であることも分かっていました。「維新」は人工の光があまり出てこない世界なので、それならドラゴンエンジンを「維新」用に改良するよりも、最初からUEでやった方が良いだろうと。
ただ、これは「維新」に関しての話で、現代の夜の街をUEで作っても、同じような表現はできないです。今後の研究が進めば、ドラゴンエンジンを昼に強くしたり、UNREALを夜に強くしたりという改良もできるのですが、現時点ではこの形がもっとも効率がいいと判断しました。あのビジュアル表現に関しては、UEの特性が生きた結果だと思います。
――バトルシステムとしては、バトルダンジョン限定だった隊士スキルが普段でも使えるようになっていました。
横山氏:実はあれに関しては、9年前にオリジナル版を作っていた頃から、「入れておけばよかった……」と開発チーム内でも結構話していたんですよ。
元々、本編とバトルダンジョンというのは平行して開発を進めていたんですが、隊士を連れて歩けるバトルダンジョンが思いの外面白かったんですね。とくに隊士スキルは、なんとか外でも使えるようにしたかったんですが、ほぼ完成していた本編部分もバランス調整をすべてやり直さないといけなくなる上に、技術的な事情もあってどうしても無理だったんです。
「いつか作り直す日がきたら、外でも使えるようにしたいね」という話は当時からしていて、その悲願がようやく叶ったような形ですね。
――バトルダンジョンと本編はまた別に作られていたんですね。
横山氏:作っているメンバーも違っていて、本編もバトルダンジョンも完成のタイミングがほぼ同じだったので、完成したタイミングで入れたいと思っても、もう手遅れなんですよ(笑)。自分もかなりギリギリまでなんとかならないか相談していましたが、バトルダンジョンってフィールドの規格が一定で、それにあわせてスキルのエフェクトや効果を作っていたので、どうしても難しいと。
そこから今回は、ボスも隊士スキルを使うような形に変更しています。難易度調整もやり直す必要があったので、バトルに関しては完全に作り直していますね。
阪本氏:TGSの試遊版は体験時間も限られるので、隊士スキルも強力なものを設定しています。実際の製品版で同じデッキを組むのは、かなりやりこみが必要だと思います(笑)。
――隊士スキルについては、どのように獲得するのでしょうか?
阪本氏:そこはあまり変わっていなくて、いろんなミッションやサブクエスト等をクリアしていくと獲得できます。もちろん、武器の錬成素材を集めるためのバトルダンジョン自体も残っていて、一度獲得すれば両方で使用できます。
――武器のバランス等についても変更されているのでしょうか。
阪本氏:全編にわたって見直しています。武器の強化についてもカスタマイズの幅を広げようと思っていて、隊士スキルと属性武器という掛け算での成長要素が追加されるので、それにあわせた調整を行っています。
――ストーリーについての変更はあるのでしょうか。
横山氏:部分的には少し編集を変えていたり、カットしている部分もありますが、基本的な内容はまったく変わってないです。
「名を消した男 龍が如く7 外伝」は、「6」と「8」を繋ぐ物語
――「名を消した男 龍が如く7 外伝」についても聞かせてください。かなりサプライズ的な発表だったかと思いますが、どのような開発の経緯があったのでしょうか?
横山氏:「8」を作っている中で、必要になってきたということですね。そこに至るまでの物語というのは、僕らの中では出来ていたんですが、桐生が自分の過去を回想でベラベラ喋るのって想像できないですし、どうやって伝えようかなと。
とくに「7」は、初めて「龍が如く」に触れた新規のユーザーが多かったのですが、そうした人たちにとっては、桐生の過去というのはなんとなくは分かるけど、回想として知りたいかというとおそらくそこまででもない。それなら、ゲームとして体験してもらうのがベストだろうということで開発が決まりました。
これをプレイしなかったからといって「8」の物語が分からなくなるようなことはないです。ただ、とくにずっとシリーズを応援してくれたファンの方にとっては、確実に知りたいであろうポイントが描かれていると思います。シリーズを続けてきた以上、この外伝を作る責任があると感じたことが、開発を決めた一番大きな理由かもしれないですね。
――描かれる時系列としては、「6」と「7」と間なのでしょうか。
横山氏:いえ、「6」から「8」の間になります。プレイすることで、「8」に至るまで桐生が何をしていたかが分かるようになります。
――バトルはアクションになるというお話がありましたが、システム的に「7」のRPG的な要素が入っていたりもするのでしょうか?
横山氏:いや、そういった要素はないですね。あくまでも桐生の目線で進むストーリーとして作っていて、その展開上でアクションがベストという判断なので。「7」の外伝という位置づけだからといって、RPG的な要素を引っ張るということはないですね。あくまでも桐生の物語として開発しています。
――今回はストーリーが半分くらいのボリュームというお話でしたが、やはりそのあたりの規模も開発の期間や労力に影響するのでしょうか。
横山氏:かなり影響しますね。具体的な長さを言うのは難しいんですけど、「ロストジャッジメント」DLCの「海藤正治の事件簿」よりは長くなると思います。本編よりは短くはなるのですが、要は無駄な寄り道をなくしているというか、必要な話だけを入れている形ですね。
もちろん、ゲームとしてサイドストーリー的なものも用意してはいるのですが、無駄に長引かせるような意図はなく、あくまでも「8」に繋ぐためのコンパクトな設計になっています。
――普段のナンバリングタイトルとは、ストーリーに対する感じ方も変わってきそうですね。
横山氏:そうですね。とくにナンバリングは、キャラクターの心情をかなり深く描いていますし、いろいろな登場人物が物語に絡んできます。今回はとくに桐生自身に焦点を当てたものになっているので、印象も変わってくると思います。
「龍が如く8」に桐生一馬が復帰するのは、ストーリー上の必然
――「龍が如く8」についてもお話を聞かせてください。「8」では、主人公の一人として再び桐生一馬が登場するとのことですが、「龍が如く7」で春日一番への交代を見事に成功させていただけに、驚いたファンも多かったのではないかと思います。
横山氏:「8」に関して言えば、ストーリーを描く上で桐生を出すしかなかったというのがすべてで、売上とか人気とかの要素は一切考慮してないですね。
おっしゃる通り、春日一番への交代は大成功で、世界中で大人気なんですよ。発表してから、人気取りために桐生を出す必要はなかったんじゃないか、ということを結構言われるんですけど、人気云々は一切関係ないんです。ただストーリー上彼が必要になったというだけの話で、桐生を出して昔のファンを戻したい、みたいな狙いは一切ないですね。
――なるほど、それは合点がいきました。桐生の出演ありきではなく、「8」のストーリーを作っていく過程で、桐生という存在が絶対に必要になったと。
横山氏:同じ世界に生きていますからね。描く内容によってはどうしても触れないわけにはいかないわけです。「7」に過去作のキャラクターが出てきたのも同じですが、「ロストジャッジメント」では切り分かれているんですよ。それは同じ世界で生きてはいるんだけど、それぞれのフィールドが違っているので、接触する必要性がないんです。
一方で、「7」ではそれまでの「龍が如く」シリーズの延長線上にあって、それの流れを受け継いでいるので、過去作のキャラクターたちを出す必要がどうしても出てくる。商売っ気のある話はまったくないどころか、マーケティングの観点でいうなら、出さない方がプラスかもしれないくらいなんです。
――「7」は非常に高い評価を受けたタイトルですが、シリーズ初のRPGということで、いろいろな課題も少なくなったかと思います。そこからの改善点について、現段階でお話いただけることはありますか?
横山氏:まだ具体的な話はできないのですが、単純に言うとすごく良くなると思います。おっしゃる通り、「7」はRPGという土俵に初めて上がったタイトルなので、RPGとしては荒削りな部分が多々あったのは間違いないんです。
そこを直すのは当たり前のことで、3、4年も空いているわけですから、今しっかりと直しているところです。「7」から上がることはあっても、下がるということはないと思っています。
――「8」については、初めて開発中の画面が公開されたのが、朝倉未来さんのYouTubeチャンネルだったのも驚きました。
横山氏:あれについては、結果的にそうなった形ですね。そもそも、この部分は出さないでくれというくらいだったら、あの場には呼ばないと思うんですよ(笑)。こちらとしても、彼らのスタンスを理解した上で出演の依頼をしていますから。
YouTubeの撮影は抜きで、キャストとしての出演だけをお願いするような形もあったかもしれませんが、今回はその方法はとらなかったということです。結果的に、彼らに撮りたいものを撮って伝えてもらえたというのは、非常に良かったのではないかと思ってます。
けど、「龍が如く」に限らず、今後もそういう形で情報が出てくる機会は増えてくるんじゃないかと思いますね。
――SNS的な取り組みでいうと、最近の「龍が如く」シリーズは、配信の制限をかけてないですよね。
横山氏:配信制限に関しては、むしろ昔はうるさかったくらいで、「7」からなくしたんです。理由については、最初に話した「昨日の新しいは今日の普通」じゃないですけど、もう時代が変わってますよね。
あとは正直な話をすると、仮に塞いだところで、結局やる人はやるじゃないですか(笑)。
――確かに、完全に制限するのは不可能ですよね。
横山氏:例えばヘビースモーカーがタバコを吸いたくなった時、近くに喫煙所がなかったらタバコを我慢するかというと、結局その辺の道端で吸うわけですよ。だったらせめて喫煙所を作った方が綺麗になるという考えもありますし、そういうものだとも思ってて。
「7」の時によく言っていたのが、配信でネタバレされてもやりたいと思えるゲームを作れるかがどうかなんですよね。「『7』は配信で全部見ちゃったけど、すごい面白そうだったから『8』は買ってみよう」と思ってもらえるなら、それで良しなわけです。
結局は、一番エンタメとしてやっちゃ駄目なのは見られないということですからね。本当の意味で隠したいところだけは隠しますけど、そういうものだと思っているので、次からも制限をかけるつもりはないですね。
――最後に、「龍が如く」シリーズファンへのメッセージや、龍が如くスタジオとしての意気込みをお願いします。
横山氏:意気込みは前の発表会でほとんど伝えちゃったんで(笑)、あれを正しくやることですね。言った以上はスタジオとして約束したことですから、それをしっかり作りきろうと。TGSは第一歩で、まだまだ出してない情報もたくさんありますから、「維新」が出た後に、またいろいろな情報が出てくると思います。言った以上はきっちりと作りますので、ご期待いただければと思います。
阪本氏:今回発表された中でも、まずは最初に発売される「維新」を遊んでいただけば、新体制からの我々の想いや、手を抜いてないということを感じていただけるかと思います(笑)。今後も安心して、「龍が如く」シリーズについてきていただければと思います。
――ありがとうございました。
(C)SEGA
※画面は開発中のものです。
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