「アイドルマスター SideM 315プロダクション お仕事コラボキャンペーン」をはじめ、アイドルたちと実際の企業とコラボレーションが盛り上がりを見せている「アイドルマスター SideM」(以下、「SideM」)。今回は「お仕事コラボキャンペーン」の中でも、ゴールデンウイークと夏の計2回合同イベントを開催、SNS上でも大きな反響を呼んだ、そなエリア東京とNPO法人 ちば救命・AED普及研究会(以下、千葉PUSH)のスペシャル対談を実施しました。
目次
そなエリア東京の長谷川雅弘氏、石川緑氏、榎本直矢氏、千葉PUSHの本間洋輔氏の4人に、合同イベントの反響や「アイドルマスター SideM」と防災・救命というテーマの親和性など多様なテーマで話を伺っています。
防災と救急救命という日常生活でも重要な、けれどもなかなか正面から向き合う機会も少ないテーマについて、楽しみながら丁寧に考える時間と勇気をくれた315なコラボイベントはどのように生まれたのでしょうか?
アイドルマスター SideM 315プロダクションお仕事コラボキャンペーン
https://sidem-gs.idolmaster-official.jp/collabo/
「アイドルマスター SideM」、そしてお互いと出会った理由
――まずはみなさんが普段されているお仕事についてお伺いできればと思います。そなエリア東京さんからお願いできますか?
長谷川氏:私はもともと公園管理という業務をずっとやっておりまして、2年前にこの東京臨海広域防災公園に配属になりました。この公園は首都直下地震に備えた防災体験学習施設「そなエリア東京」があり、普段は多くの来館者様に防災の普及啓発をしています。また隣接する公園もピクニックやウォーキング等を楽しんでいただく場所になっています。ですが大規模災害時には緊急災害現地対策本部が設置されたりする公園なんですね。なので、ここで働くことでどうやって多くの方に防災について伝えられるかを日々考えています。
石川氏:私も公園管理に携わっておりまして、この施設には2019年から勤務しています。広報を担当していて、メディアの方や一般のお客様に、防災という少々堅苦しくもあるテーマについて学べるこの施設のことをどう伝えるか考えてきました。
榎本氏:私はそなエリア東京のパークスタッフをしていまして、東京直下72時間ツアーや団体様向けのツアーでガイドを務めたりと、普段は直接お客様に防災についてお話させていただいています。
――「SideM」とのコラボに至るまでにはどのようなお話をされたのですか?
石川氏:これまでそなエリア東京にはよく修学旅行の学生さんや町会などの方々といった団体様が見学に来てくださっていたんですね。ただ、やっぱりコロナ禍になってからはなかなか来られなくなってしまって。
長谷川氏:じゃあ団体だけではなく個人のお客様に来ていただくにはどうすべきか、これを機に来ていただく機会が少なかった20代・30代・40代の方々にも知っていただく方法はないかと考える中で「何かとコラボするのはどうか」という話になり。そこで榎本から「SideM」の話が挙がったんです。
榎本氏:コラボの話が出た時はまだ「お仕事コラボキャンペーン」が始まる前だったんですけど、その頃から実は密かに「SideM」はぴったりじゃないかと思っていたんです。好きなコンテンツだったので……。
――もともとお好きだったんですね!
榎本氏:はい。ただ当時はほとんどの職員が「SideM」を知らない状態でしたし、いくら新たな層を開拓したいと言っても普段とはかなり違うアプローチになるので、もう少しあとに提案しようかなと思っていて。そうしたらちょうど「お仕事コラボキャンペーン」が始まって、「これだ!」と(笑)。思った以上にいろんな企業様が参加されていて実績も出始めていたので、これなら皆にも納得してもらえるだろうと思い提案しました。
――ありがとうございます。千葉PUSHさんはいかがでしょうか?
本間氏:僕は普段、救急医としてフルタイムで病院で働いてます。その中で、いわゆる心臓突然死は病院に来てからの処置だけじゃ遅い、病院に来る前にどうにかしなきゃいけないということをずっと思っていて。であれば僕らも病院から外に出て言っていかなきゃいけないよね、というわけでNPO法人ちば救命・AED普及研究会(千葉PUSH)を立ち上げ、病院勤務と並行して、主に千葉県で心臓突然死とAEDにまつわる普及活動をしています。
ただ、そなエリア東京さんも同じだと思うんですけど、僕らが「知ってほしい」と思って外に出てもそういったことが好きな方以外に来ていただくことがなかなか難しくて。どうにかしてタッチポイントを増やしたいと考えていた時に、ちょうど朝日新聞の一面広告を見て「アイドルマスター SideM」を知りました。もともとサブカルチャーと組みたいなと思ってもいたので調べてみたところ、救急救命とかかわりの深い消防士をされていて、しかも千葉県出身でもある木村龍さんがいて。僕も「これだ!」と思って応募しました。
――みなさん、とても良いタイミングで「お仕事コラボキャンペーン」と出会ったんですね。そこからそれぞれコラボ企画を進行される中、4月29日~5月末と7月30日の2回、そなエリア東京さんと千葉PUSHさんの合同イベントが実施されましたが、これはどのような経緯で実現に至ったのでしょうか。
長谷川氏:本間先生からお声がけいただいたことが始まりですね。私たちはFRAMEの3人にお仕事をお願いしていて、本間先生もFRAMEの木村龍さんにご依頼されていたので、その繋がりでぜひご一緒にと言っていただきました。
本間氏:その通りです。まず、千葉PUSHは拠点がないNPO法人なんですね。なので「SideM」さんとコラボさせていただいてからもオンラインの講習を主にしていたのですが、せっかくなのでもっと活動を広げることはできないかなと思っていたところ、そなエリア東京さんのコラボが発表されて。
僕らと同じくFRAMEのメンバーにお仕事を依頼されていて、かつ防災という救命救急と切り離せないテーマを伝えようとしていらっしゃるということで、とても良いシナジーが生まれるんじゃないかとお声がけさせていただきました。「SideM」さんがきっかけですけど、もうだいぶ長い付き合いになりましたね(笑)。
長谷川氏:そうですね(笑)。救急救命は災害時に必要不可欠なものですし、私たちも視野の広がるすごくいい出会いをくださったなと感じています。
――直近では7月30日に「困った時は呼んでくれ!災害時に役立つAED救命講習」と題し、そなエリア東京さんでAED講習会や職業パネル展示が行われました。振り返って、どのように感じていらっしゃいますか。
本間氏:ゴールデンウイークに行った1回目のイベントはほんとに手探りでの実施だったんですけど、蓋を開けてみたらすごい盛況で。前回の経験を活かしてもっとうまくやりたいなと思いながらいろいろ準備したんですけど……想定以上に盛り上がりましたよね。
長谷川氏:そうですね。本当に多くのプロデューサー(「アイドルマスター」シリーズファンの総称)さんが来てくださったうえにTwitterでも「FRAMEが実在してる」というようなことをおっしゃっていただいたので、主催者側としてとても嬉しかったです。それにプロデューサーさんだけではなく、「SideM」関係なく来園された方も結構プログラムに参加してくださりありがたかったですね。
榎本氏:修学旅行の学生さんもFRAMEの3人のパネルと写真を撮ったりしてましたね。
長谷川氏:そうですね。施設にも自然に馴染んで、プロデューサーさん以外にも楽しんでいただける開けたコンテンツなんだなと感じましたね。
榎本氏:もともとそなエリア東京にいらっしゃることの多いファミリー層の方々が「SideM」コラボのいろんなコンテンツに参加してくださったことが嬉しくて。ちょうど夏休みだったこともあり、本当にいろんな世代の方に楽しんでいただけていたのがすごく印象的でした。
石川氏:ほんとにそうですね。プロデューサーさん以外の方でもともとそなエリア東京を目的に来られたお客様であっても、たとえば今販売しているコラボグッズについて「ここでしか買えない限定品ですよ」とお伝えすると「じゃあ子どもにお土産に買っていくね」と買ってくださる方もいらっしゃいました。本当にプロデューサーさんだけじゃなく他の世代の方にもきちんと楽しんでいただける良いコラボイベントにできたんだなと思います。
榎本氏:あとは、おそらくプロデューサーさんであるお母さんが家族と一緒に楽しまれてたりもされてました。
本間氏:ほんとにご家族は多かったですね! ゴールデンウイークも多かったんですけど、夏休みだったからか今回特に多く感じました。お子さんも「僕は誰々のプロデューサーなんだよ」ってニコニコ教えてくれて「そうなんだ~」って(笑)。でもプロデューサーさんである親御さんからしたら、お子さんにはちゃんとそなエリア東京さんで防災の勉強もさせてあげられるうえに今回はAEDの勉強もできて、かつ自分たちの好きな「SideM」を堪能できるというイベントになっていたわけなので。これまでにない楽しみと学びの場にできたのかなと感じました。
長谷川氏:あと、そなエリア東京で提供している「防災ことば探し ~みんなに届くメッセージをつくろう~」と「そなえクイズラリー」は、台紙をお渡ししたらあとはセルフで動いていただくコンテンツじゃないですか。でも本間先生にやっていただいたAED救命講習会はAEDや胸骨圧迫を体験できる体験型のコンテンツになっていたので。楽しみ方がひとつではなかったことも盛況の一因だと思いますし、実際自分でやってみること、体験していただくことの大切さも伝えられたかなあと見ていて思いました。
本間氏:講習会は1日2回だけで、あとは自由に来ていただこうかなと考えていたのですが、ありがたいことに行列を作ってしまって……急遽回数を増やして講習会をやらせていただきました。僕らだけでは集客能力がない中、やっぱり今回本当木村さんをはじめFRAMEさんとご一緒できたのは大きかったですね。
長谷川氏:そうですね。若い世代の方々が防災に触れるきっかけになったので。すごく大きいなと思ってますね。
――では当初「SideM」やFRAMEにお仕事をオファーされた際に目指していた新規層の開拓という目標を、大いに達成したイベントだったんですね。
本間氏:そうですね! やっぱりそこに伝わったのが本当に大きいです。そなエリア東京さん同様、うちもやっぱり普段なかなか出会わない層の方々が講習会に参加してくださって、本当に良かったなという想いでいっぱいです。
榎本氏:お年を召した方は防災意識が高い方も多いんですけど、若い世代の方だと、普段生活する中では大事だと思いつつなかなか防災施設に来ようとは考えないですからね。防災ってモチベーションの維持が難しいんですよ。これがダイエットであれば目標への達成度が目に見えてわかりますえけど、防災は努力した結果が報われないほういい世界なので。努力が結ばれるのは災害が起こってしまった時。だからどうしても達成感がわかりづらくて意識が続きにくいんです。
なので若い世代の方にそのしんどさをどう削ぎ落として楽しく伝えていくか、というのは私たちの課題です。でもFRAMEさんが入ってくれたおかげでそこをひとつ達成することができて。本当に良かったですね。
本間氏:そうなんですよね。その方々にどうやって伝えていくのかは僕らも同じく課題です。そこはやっぱりそなエリアさんと通じるところがあって、だから同じくFRAMEの木村さんにお仕事をお願いしたし、お互い同じものを目指したイベント作りができたのかなという気がしていますね。
それに今回はそなエリア東京さんが「困った時は呼んでくれ!災害時に活動する職業展」も同日開催してくださり、職業説明会や警察や自衛隊、消防の実際の車両を展示があったおかげですごく没入感のあるイベント空間になっていたこともインパクトが強かったです。いろいろな面で、僕もとてもやりがいを感じたイベントでしたね。
合同イベントを成功に導いた“体験”が核にある「アイドルマスター」らしさ
――今お話の中で出た“体験”や“没入感”というワードは、そなエリア東京さんと千葉PUSHさんの合同イベントを素敵なものになった理由のひとつではないかと思います。この点について何か意識されていたことはありますか。
長谷川氏:そなエリア東京に関しては、そのあたりクイズを作った榎本がかなり意識していましたね。
榎本氏:そうですね。「お仕事コラボキャンペーン」の企画を考える時、クイズラリーをやることは最初に決まったんです。ただ当時はもっとシンプルなクロスワードパズルみたいなものを想定していたところを、いろいろあってもう少しボリュームが必要になって。でもクイズの量が増えると、何らかストーリーがないとモチベーションが続かないんですよ。じゃあどんなストーリーを付けようかと考えた時に、アイドルたちの手助けをするストーリーがベストかなと思って、今の2種類のクイズラリーになりました。
――「防災ことば探し ~みんなに届くメッセージをつくろう~(無料)」と「そなえクイズラリー(有料:500円(内税))」ですね。
榎本氏:はい。「特別番組のロケ先のそなエリア東京を下見する」「番組収録のためにそなエリア東京についてのメモを取っていく」という設定にしました。
――FRAMEのプロデューサーとして学び体験ができるようすごく工夫してくださった企画なんですね。さらには7月30日から始まった「アイドルと一緒に発見!おすすめスポット探し!」の中で、QRコードを読み取れば公園内でFRAMEのメンバーと写真が撮れるようになり、より一層そなエリア東京さんでのFRAMEが存在感が立体的になったように感じました。
――プロデューサーのみなさんも当日展示されていた実際の特殊車両とFRAMEのメンバーが並んだ写真をSNS上でたくさんアップしていましたが、こちらも没入感を意識されたゆえに生まれたのでしょうか?
長谷川氏:これは単純に私が、かっこいいなと思ったからです(笑)。
全員:(笑)。
長谷川氏:「お仕事コラボキャンペーン」が始まってから、ぼんやりと「FRAMEのメンバーが特殊車両とかと並んでたらかっこいいだろうな」と思っていたんです。で、たまたま機会があって各省庁さんから特殊車両展示のお声がけをいただいたので、同日開催にしてなんとかFRAMEのメンバーと特殊車両の写真を一緒に撮れないかなと考えてみて。じゃあWebAR機能でやってみようと思ったのがきっかけですね。
本間氏:あれ、めっちゃよかったですよね。僕も遊んでました(笑)。しかもその撮った写真をみなさん、ちゃんとTwitterとかのSNSにあげてくださって。すごくいい宣伝だなあと思いましたし、個人的にもすごく好きでした。
長谷川氏:ありがとうございます(笑)。ほんとにいろんなところで撮っていただけましたし、みなさん、写真を撮るのがすごく上手なんですよね。車両とのスケール感とちゃんと合わせてたり、面白く拝見してました。
――みなさん、結構ネットの反響もご覧になっているんですか?
本間氏:そうですね。うちはもともとFacebookしかやってなかったんですけど、プロデューサーさんの多くがTwitterを活用しているということがわかったので、「お仕事コラボキャンペーン」の実施が決まってからHPとTwitterを開設したんです。なので基本的にTwitterの情報はできるだけ見るようにしていますね。
長谷川氏:うちは今Facebookのみで、Twitterでの情報配信はできていないのですが、Twitterの反応は結構見せていただいていて、できる限りプロデューサーさんたちが見たいもの、あったらいいなと思うものが実現できるように考えていますね。
――一方で千葉PUSHさんも、木村さんに感謝状を送付されたりと、木村さんとプロデューサーという関係をとても大事にしてくださっていることを感じます。
本間氏:そうですね。ご一緒させていただくようになってから感じたことなんですけど、「アイドルマスター」がいわゆるキャラクターIPコンテンツと違うのは、ファンの方々がまさにアイドルを“プロデュースする”点だと思うんです。“プロデュース”とは何かというと、アイドルたちがしていることやかかわった物事を追体験したうえで、アイドルたちの実在性と存在感を広める行動のこと。だから「SideM」に限らず「アイドルマスター」のプロデューサーさんって、みなさんすごくアイドルやアイドルたちがかかわったものについてプレゼンされてるんです。僕も講習会をするにあたり、過去プロデューサーさんたちがプレゼンされたネット上の情報を参考にさせていただきました。
アイドルを消費するだけだと、おそらくグッズを買って終わってしまうと思うんですね。でもみなさんはプロデューサーだから、そうじゃない。たとえば千葉PUSHで木村さんがAED特別大使になるということ自体を喜ばしく感じてくださるし、木村さんのプロデューサーとして、大使としての木村さんの実績をさらに輝かしいものにするためにオンライン講習会のレポートも書くし、講習会に行ったことをどんどん呟いて宣伝してくださる。体験することで実在を感じて、そしてその体験を広めることでプロデュースしてくださるんですよ。
そういうアイドルたちとの特殊な距離感が「アイドルマスター」なのかなと思います。その意味で、この「お仕事コラボキャンペーン」とものすごく相性いいコンテンツだなということも、一緒にやらせてもらってて思うところですね。
――なるほど、そもそも「アイドルマスター」のプロデューサーとは担当アイドルをトップアイドルにするために拡散するものだから。
本間氏:今回僕らもグッズを作らせていただきましたけど、グッズ収集だけで終わるんじゃなくて、「木村さんが大使としてこう言っていたから木村さんのプロデューサーとしてこう動かなければいけない」と考えて、講習会で体験したさらにその先の行動を起こしてくださっていることをすごく感じます。それで「木村さんが言っていたから体が動きました」と言って、実際救命の現場でお手伝いしてくださる方もいらっしゃる。こういう力はやっぱり「アイドルマスター」ならではのアイドルとプロデューサーの関係性だからこそ生まれたのかなと思います。
榎本氏:僕もクイズラリーを体験してくださっている様子をたまに見てるんですけど、このクイズ、実は結構大きな文字で書かれてるところから出題をしてるんですね。わかりやすく、意図的に。でも細かいところまで読んでくださるプロデューサーさんもたくさんいらっしゃって、結果的にいろんな知識を得る機会になってるのかなとも思いますし、それもやっぱり本間先生がおっしゃったように「FRAMEの3人に協力しよう」という想いがモチベーションに繋がっている感じがすごいしました。
長谷川氏:そうですね。今回そなエリア東京がFRAMEさんの3人にお願いしているのは「アイドルの活動を通して防災の普及啓発をしてください」ということなので、まさにプロデューサーさんたちがここで体験して学んだことを本当にいろんな形で広めてくださっているというのは今回の成果だなと感じています。72時間ツアーで感じたことや先日無料配布した非常食をお夕飯に食べて学んだ意外な美味しさなど、FRAMEさんのプロデューサーとしてなんでもひとつ広めてくださるだけでも防災についての普及啓発になるので、そういうプロデューサーさんたちの拡散力を見るたび、今回「SideM」さんとFRAMEさんにお願いして良かったと感じます。
石川氏:そなエリア東京は、阪神・淡路大震災をきっかけに市民の方々に防災を学んでいただこうと作られた施設なんです。ただ防災って真面目に頑張ってしまうとちょっとしんどいものなので、楽しみながら学んでもらおう、というコンセプトが根底にあります。なので東京直下72時間ツアーは、小学4年生以上なら誰でもタブレットを使って楽しみながら生きていく上で大事なことを身につけられるという作りになっているんです。
結果論になってしまいますが、今振り返ってみると、防災を楽しみながら体験して学ぶというそなエリア東京のあり方が、先ほど本間先生もおっしゃったプロデューサーさんが参加し体験していく「アイドルマスター SideM」となんとなく通じるものがあった、おそらくコラボを依頼した時に想像していた以上に相性が良かったのかなと思います。
――今回の合同イベントは防災と救命が主なテーマでしたが、なかなか体験する機会もないけれども生きるうえで大事な両テーマだからこそ「SideM」のFRAMEとコラボしたことでまずプロデューサーさんたちが体験し、他のプロデューサーさんや周囲の方に広めていくという「アイドルマスター」のプロデューサー業のあり方がぴったりハマったのだと感じました。個人的にもたくさん学ばせていただいて、このような機会をくださってありがたい限りです。
本間氏:アンケートやTwitterでも「コラボありがとうごさいます」ってすごい言ってくださって。
榎本氏:うちのアンケートも同じですね。
長谷川氏:そうですね。ほんとに「ありがとう」ばかりで、Twitterを読ませていただきながら笑顔になってしまったりします。恐れ多いぐらいです。
石川氏:こちらこそ来ていただいてありがとうございます、という感じです。
FRAMEの勇気にもらった今見据えるずっと叶えたかった未来、そしてこの先にできること
――ほんとに私自身もいちプロデューサーとして感謝の気持ちが大きいのですが、その気持ちをなんとかみなさまに還元したいと思うならば、今後、どうしていくのがよいでしょうか。
本間氏:せっかくこうして救命やAED、防災のことを知っていただけたのであれば、コラボが終わったあとも、過去AED大使を務めた木村さんのプロデューサーとして今回学んだことを引き続き覚えておかなきゃいけないというような気持ちで、ぜひまた定期的に講習会や学べる機会を持ってほしいし、広めていっていただけると嬉しいですね。
長谷川氏:この施設の本来の目的でもあるんですけども、防災を学んで何かあった時にまず自分が助かっていただくこと、そして自分が助かったら、他の人を助けていただくためにここで学んだことを実践していただきたいですね。私たちは「防災行動力」と呼んでいるんですけど、知識としてはあるけどなかなか行動に移せないのが防災なんですね。なので学んだことを常日頃ちゃんと行動できるようひとつでも多く続けていただいて、何かあった時にここで学んだことが役に立ったと少しでも思っていただけたら嬉しいです。
榎本氏:2階の展示で「FRAMEのそなえ」という形でFRAMEの3人がアドバイスを出してくれているんですけど、「避難所確認しておこうか」「ハザードマップを見ておこう」「連絡先考えておこう」というように、どれも比較的簡単にできることなんです。なので帰ったあと、ぜひFRAMEさんにアドバイスされたことをご家族や一緒に住んでる方と話し合っていただくのがいいかなと思います。
石川氏:私も、できることから始めていただければと思います。防災って、考えなきゃいけないことが本当にたくさんあるんですよね。自宅や自分の持ち物、職場の環境を見直さなきゃいけなかったり、やることを数えるとげんなりしてしまうので……最初は一個一個、たとえば自宅の備蓄を調べるとか普段の荷物で地震に遭ったら大丈夫かなとか。本当にちょっとしたところからでいいので、少しずつ普段の生活を見つめ直していただけたらありがたいですね。
――今伺っていて、防災と救命いずれにもおいても、千葉PUSHさんも講習会として挙げられていた「勇気」というキーワードが重要なんだと改めて感じました。まさにFRAMEが大事にしているものですよね。
本間氏:そうですね。“勇敢なるキミへ”の歌詞などを見ていたんですけど、確かにすごい「Braver」、勇気をキーワードにしてるユニットだなあと思ってて。現状で言うと、確かに僕らはみなさんに何かあった時に一歩前に出る勇気を持ってほしい、それを後押ししてくれるアイドルだなっていうのはやっぱり感じてました。将来的には防災にしても救命にしても前に出るのが当たり前の世界にしたいと思っているんですけど、今はでも当たり前になる一歩前なので。勇気を持って一歩前に出る、そこで木村さんやFRAMEの方々が一緒に手を取ってくれると、動きやすくなるのかなと思います。
――「お仕事コラボキャンペーン」を経て、この先、お仕事で目指すことをお伺いできますか。
長谷川氏:この施設での体験や学びを通していつ来るかわからない地震などの災害への備えを少しでもやっていただくために取り組んでいきたいです。今回のコラボを通して、防災について学んでいただく機会を創出することができ私としてもすごく学んだことが多くありましたので、本間先生とのせっかくのご縁もありますし、今後もいろんな視点で防災というテーマの普及活動を続けていきたいです。
榎本氏:防災を考えるって精神的にもしんどい、つらいところがあったりするので、そこをどう軽減していくのかについて考えていきたいと思っています。たとえば先日9月1日だったので防災グッズがいつもより店頭に並んでたんですけど、「あ、並んでるんだな」で終わらせず、どう手に取ってもらうか、とか。防災ってしんどいというイメージを崩していくために、いろいろ挑戦していきたいと思っています。
石川氏:防災という、普段の生活では少し取り組みづらいものを、できる限り情報を受け取る側の方にわかりやすくかつ、あまり負担のかからない形で伝えられるよう、取り組んでいければと考えています。
本間氏:僕は先ほど言ったように、一歩を踏み出すことが当たり前の世界にしたいですし、もっと広い、僕らだけじゃ解決できない話で言うと、今、目の前で人が倒れた時に、「バイスタンダー」という、救急現場に居合わせた時に119通報したりAEDを使ったり胸骨圧迫できる方というのは5割ちょっとなんですね。AEDの使用率はさらに低くて、大体5%ぐらい。それを上げることが壮大な目標なんです。
そのための短期的な目標としては、今回のような形で講習会に参加していただいたり、AEDや救命のことに触れる機会を増やしていきたいです。ただ今回、弊団体を応援していただいている関係各所の方々にも効果的なコラボであったと示すことができたので、この経験を糧に次はどういうことをやろうか考えていきたいなと思っています。
――最後に、何かお伝えしておきたいことはございますか?
長谷川氏:なんでしょう。本当にプロデューサーさんたちには私たちもすごく感謝しているので。「ありがとうございます」と「またぜひ来てください」って思いますね。
本間氏:同じくですね! 「ありがとうございます」です。
榎本氏:強いてコンテンツを作った側から言うと……「防災ことば探し」が実は「そなえクイズラリー」の前日譚っていうことを知っていただけるとなお嬉しいなと(笑)。無料版の「ことば探し」で楽しんでいただいたあとに有料版の「そなえクイズラリー」もやっていただけるといいなと思って、ストーリーが続く形にしたんです。あと「そなえクイズラリー」の特典についているリストバンドは、「防災ことば探し」の答えの言葉をもとに制作しました。
――そなエリア東京さんは当初半年だったコラボ期間を延長し、来年2023年3月11日まで「SideM」とのコラボを続けられますので、今の榎本さんのお話も踏まえながらクイズラリーを楽しんでいただける機会はまだありますね。
長谷川氏:そうですね。QRでFRAMEの3人と撮影できる「アイドルと一緒に発見!おすすめスポット探し!」も9月30日までやっているので、ぜひまだまだ来ていただければと思います!
東京臨海広域防災公園HP
https://www.tokyorinkai-koen.jp/news/event/8764/
――千葉PUSHさんは、ナゴヤ防災サミットさんとコラボして10月1日、2日に、名古屋にて講習会を実施される予定です。
本間氏:はい。そなエリアさんとご一緒できたこともそうですし、他の企業様からもコラボとは別に救命講習のご依頼をいただいていたりと、活動にかなり広がりをくれています。10月1日、2日の名古屋での講習会は参加受付中ですのでぜひ来ていただけると嬉しいです!
千葉PUSH アイドルマスター SideM お仕事コラボレーション 特設ページ
https://www.chibapush.org/sidem